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  名札着用のお願い

最近きちんと名札を着用して仕事をしている人が少なくなりましたが恥ずかしがったり、めんどうがったり、恰好悪がったりしないで業務開始時に必ず名札を「お客様に見えるように、所定の位置に、曲げずに」着用してください。

 
 考え方:
 
 近年「人も歩けばコンビに当たる」といわれるぐらい年中無休24時間のコンビニエンスストアは珍しくなくなりました。従って客のコンビに対する「有難み感」みたいなものも数年前と比べてだいぶ希薄になってきました。「苦労して店を閉めずに休みなく営業しているおかげで不自由な思いをせずにほしいものが欲しいときに買えるんだから、少々のことは目をつぶってくれ」というようないわゆる本音を店側でちらつかしてもいっこうにわかってくれない、同情してくれないことが多くなりました。曰く「店員がレシートを渡さなかった、店長を呼べ(私は帰宅している夜中の0時)」、曰く「肉まんが不良だった、店長は家に帰ってしまって店にいない、店にいてそういう場合のクレームに店長自ら対処するのが当然だろう(夜11時過ぎ)」。
 言ってみれば「年中無休24時間営業のコンビをやっているんだから」と言った私の甘えみたいなものが、通用しなくなってきた、そして加虐趣味とも思えるような客のわがまま身勝手尊大がいやましに高まってきたようです。大手のスーパーのときはその他大勢の一人として、常識的に、ルールを守りながら、静かにそして穏やかに、その内なる個性パーソナリティをひっそりと抑えて買い物を済ませることの出来る大多数の消費者が、当店のお客様という立場になったとたんに、尊大で、わがままで、うるさく、無神経で、乱暴で、なに暮れと世話を焼いてもらいたがり、店員や店の品ぞろえ品質などに至らぬことがあれば「この店ではもう買い物はしないことにしよう」と心の中で密かに思って以降店から離れてしまうことをしないで、その場でいちいち不満を口に出して店の者に訴え、それに対する何らかの回答または解決を与えられるか丁寧な陳謝を受けなければすまない.......という非常にめんどうな手のかかる客に変身するのです。
 逆にそれだけわれわれの立場はお客様の裸の姿に近い、お客様は私達に比較的気を許しているといえましょう。消費者にとってコンビニエンスストアは日常生活の場面での最もありふれた、気のおけないパートナーになってきたからこそかれらは特別構えることなく(遠慮することなく)自分の意見、感想、わがまま、幼児性をさらけ出すのです。また、それと同時に彼らのコンビニエンスストアーに対する期待も従来の「開いてて良かった」式の感覚よりもずっと高く厳しいものとなってきたことが実感できるでしょう。きれいで整った気持ちの良い環境で(C)、店員によるより高いレベルの接客サービスを受けながら(S)、よりよい品質のものを(Q)買うことの出来る店と言うのがきわめて当然として期待されているのです。
 そして消費者のそういった期待、意識の微妙な変化というものをよく考慮しそれに十分答えられる店づくりをしていかなければ、店の将来はないと思います。またそれが地域社会の住民といちばん近接し、かつ地域社会に貢献するという役割を持ったコンビニエンスストアとして当然とるべき道であります。そしてそれは、私が脱サラをして始めたこの商売の基本的理念であったのでした。地域社会にしっかと根ざし、誰に指さされることの無いような立派な店を運営して行こうというのが私の夢であったのでした。人を騙したり、陥れたり、こすからく立ち回ったりせずに正々堂々と胸を張って生きていくことの出来る仕事をして行こう。そしてやるからには一流と呼ばれる店にして行こうと考えたことでした。その「一流店」に対するお客様の期待を裏切るようなことがあってはならない。あらゆる面からのシビアーな評価に耐えるようにしていかなくてはならないと考える昨今です。 その意味では私自信まだまだ至らぬことに気がつき改めて謙虚に初心に戻る必要があることを痛感する次第です。立派なお店、一流と呼ばれるお店にしていくためにやらなければいけないことはたくさんありますが、とりあえず気がついたことはお客様に納得していただける店員の服装態度を維持していかなければならないと言うことです(私が一番悪いという噂がある、反省)。
 その一つとして「全員名札着用」があげられます。そもそも名札というのはお客様に対する店員の責任の所在を明らかにするために着用していただくものです。「なんだこの店の店員は名札一つしてないではないか」、「そういうことだから不良品を売ったり失礼な応対をするんだ」、と言われたら困るわけです。まただらしない不潔な服装髪型に関しても同じことがいえましょう。接客時のみならず全作業を通じての「折り目正しい隙のない服装、態度」はクリンリネス、クォリティ、サービスとあいまってお客様の店に対する信頼感を高める作用をします。
 お客様に隙を見せてはいけない。接客に当たって適度な緊張を保持する必要があります。そうすることによってしょうもないクレームの何割かを未然に防ぐことが出来るはずです。また来店客の好ましくない態度、粗暴な振る舞いを幾分牽制することも出来ようし、そういった店にとって必要でない客を排除する効果もあるはずです。
 単に名札の着用一つでも深く考えてみれば非常に重大な、店の考え方そのものの根幹に関わる問題が潜んでいるのです。そしてその店の考え方そのもの=コンセプトをよく理解していただくことによって接客を含めた店のあらゆる作業をどういうふうに行ったら良いのかの解答が自ずと浮かび上がってくることと思います。みんなで今後ゆっくりとかつ継続的にこの店のとるべき道を示すとも言えるバックボーン、真髄的な考え方のより深くまた実戦的な研究をしていくことにしましょう。