競馬用語「け」
■ 繋駕速歩競走 【けいがそくほきょうそう】
速歩競走のひとつで騎手を乗せる騎乗速歩に対し、繋駕車(騎手を乗せる小さな馬車)を引いて競走するもの。速歩競走は馬は駆けることが出来ず、人間でいう陸上競技の競歩と同じで4本の脚のうちどれかが地面についていなければいけない競走。
■ 繋くん 【けいくん】
繋の後面にできる皮膚炎のことで、アクトともいう。冬場に多く、赤く腫れて湿疹となり、化膿してくる、幹部の毛をそって抗生剤を含む軟膏などで治療する。
■ 稽古駆けする 【けいこがけする】
調教でよく走る馬のことをいう。
■ 繋靭帯炎 【けいじんたいえん】
屈腱炎などと同じで競走馬にとって負担のかかる前肢に起こりやすい疾病。俗に「ナカスジ」と言われるもので、なかなか治りづらく、肥厚したりして競走馬としてだめになることもある。競走馬にとっては職業病ともいえるもので、脚部の疾病の中でも比較的多い運動器病。
■ 競馬学校 【けいばがっこう】
千葉県にある、中央競馬の騎手、厩務員養成を行う学校。
■ 競馬専門誌 【けいばせんもんし】
競馬新聞のこと、レース前日に発売され、出馬表や、過去の馬の成績、調教、厩舎情報、予想などが掲載されている。
■ 競馬場レコード 【けいばじょうれこーど】
各競馬場における過去最高の走破時計のことでコースレコードとも言う。
■ 競馬世界シリーズ 【けいばせかいしりーず】
正式名称はエミレーツ・ワールドシリーズ・レーシング・チャンピオンシップ →(ア行エの欄参照のこと)
■ 競馬番組 【けいばばんぐみ】
競馬のレースのこと、レースや距離・コース、条件など、番組内容と予定を各開催ごとに割り振って編成したものを番組予定表という。
■ 競馬馬評論家 【けいばひょうろんか】
放送、新聞、雑誌などで競馬の解説や予想を行う人のこと。
■ 競馬法 【けいばほう】
馬券の発売の決め事の他、競走に関する法的な決まり事など競馬の基となる法律。
■ 毛色 【けいろ】
馬の毛の色のことで、芦毛、鹿栗毛、黒鹿毛等いろいろな毛色があり、それらは基本的に遺伝によって決まるが、馬の能力との相関関係はない。
■ ゲート
スターティングゲート(発馬機)のこと。「ゲートがいい(わるい)」という場合はゲートからの出がいい(わるい)という意味で、“発馬”そのもののことをゲートと言うことも多い。
■ ゲート追い 【げーとおい】
レースと同じように、ゲートからスタートさせて追いきりを行うこと。
■ ゲート調教 【げーとちょうきょう】
各トレセンや、競馬場での調教時に、発走委員が立ち会って行う。
■ ゲート馴致 【げーとじゅんち】
若い馬がゲート入りを嫌がって、入らなかったりする為、恐怖心を与えないように注意しながらゲートの中へ入ることに馴れさせること。
■ ゲートル
バンデージのこと。
■ 決勝写真 【けっしょうしゃしん】
スリット写真といわれるもので、競走する各馬がゴール板を通過する姿をレースの速度に近い一定の速度で撮影した写真。この写真を着順判定の参考にしている。「写真判定」とはこの決勝写真を見て決めることをいう。
■ 決勝審判委員 【けっしょうしんぱんいん】
決勝写真を公平に判断する審判員。
■ 距 【けづめ】
球節の後の部分に距毛といわれる、毛が生えているが、その中にある5mm程度の小さな爪のような角質がついている、これを距(けづめ)という。
■ 毛ヅヤ 【けづや】
毛の色・艶のことである。馬の栄養や健康状態がよく現れるのがこの毛づやで、状態のよいときはつやつや光って見えるし、状態の悪いときは毛が立って光沢がなくなりボサッとした感じに見える。毛づやは馬の手入れの良し悪しによって違うし、光線のあたり具合や、季節(寒い時期冬毛が出ると毛づやは冴えない)によってもその光沢に違いがある。
■ 蹴り癖注意リボン 【けりくせちゅういりぼん】
後方に気配を感じると蹴りあげる蹴りグセのある馬には、回りの人に注意を促す為に、リボンを尾の根元に取り付ける。
■ 検疫 【けんえき】
家畜伝染病予防法に定められた「輸出入検疫」については、馬の場合、基本的には輸出時には5日間、輸入時に10日間の繋留検査が実施されている。日本での国際レースに出走する外国馬は、すべて二国間協定による5日間の入国検疫で出走出来る。海外遠征をした日本馬は、帰国後5日間の動物検疫のあと、3週間の視察検疫が必要。96年9月30日に「要望があれば、JCに出走する他の外国馬と同じ扱いとして出走が可能」と一部緩和が発表された。ジャパンカップ等の国際招待競走に出走する外国馬については、競馬学校内にある国際厩舎地区が、繋留検疫の施設として使用されている。また、牧場からトレセンまたは競馬場に入厩する際にも、数時間から1日の間“検疫馬房”に拘束され検査されることになっている。
■ 顕彰馬 【けんしょうば】
昭和60年に日本中央競馬会創立30周年記念事業の一環として出来た制度。中央競馬の発展に多大の貢献のあった過去の名馬の功績をたたえ、顕彰して後世へ伝えていくことになった。
■ 検体採取 【けんたいさいしゅ】
レース後1〜3着までの馬と裁定委員の指定した馬については禁止薬物の検査のため理化学検査を受けている。このために尿を採取すること。
■ ケントク買い 【けんとくがい】
科学的根拠のないこじつけ的な馬券の買い方、例えばその日の日付など、またサイン読みなどはこれにあてはまるものも多い。
■ 検量 【けんりょう】
出走馬ごとに定められた負担重量をチェックすることを検量という。発走の70分前に全騎手が行うのを「前検量」といい、レース終了後に上位7位までに入線した騎手及び裁決委員が特に指定した騎手が行うのを「後検量」という。この検量をする場所を検量室という。
■ 検量委員 【けんりょういいん】
騎手の前検量や後検量などを行う人のこと。
■ 減量騎手 【げんりょうきしゅ】
見習騎手ともいうが免許の通算取得期間が3年未満であって、勝利度数が100勝以下の騎手に一般レース(特別レースのように斤量の定められたレース以外のレース)において、負担重量を減量する特典が与えられている。勝ち数が20勝以下は3kg減、30勝以下は2kg減、31勝以上は1kg減の負担重量で騎乗できる。技術の未熟な新人(若手)騎手がベテラン騎手と同一条件で競走したとき不利になるため、そのハンデとして負担重量を軽くすることで騎乗機会を少しでも多くし、見習騎手の育成を図るために設けられたものである。