競馬用語「さ」


再騎乗さいきじょう
落馬した後、再び騎乗してレースを続けること、ただし、落馬地点に戻って騎乗しないと継続は認められない。ただ、こんなことはめったにない。

裁決さいけつ
審議になっている事項について、裁決委員が裁決室で会議し、裁きを下すこと。

裁決委員さいけついいん
着順の確定、異議の申し立てに対する裁決、出走馬及び騎手に対する保安措置と裁決、競馬の公正を害する行為の取り締まりなど競馬が施行される上で重要かつ絶対に必要な仕事を担当している。

最後の直線さいごのちょくせん
メインスタンド前の最終コーナーを回ってからゴールまでの直線のこと。

最終調教さいしゅうちょうきょう
レース前の最終的な調教、本追い切りともいい、レースにむけて最終的な調整が行われる調教のこと、通常は水曜または木曜に追われる。

再審査さいしんさ
裁決委員によって課せられる馬に対する制裁で、レース中に斜行したり逸走した馬には走路調教再審査、ゲート入りの悪い馬、ゲート内での駐立不良、発馬のとくに悪い馬に対しては発走調教再審査が行われる。この再審査にパスしないと次のレースに出走できない。

祭典競馬さいてんけいば
古くからの慣わしとして神社の祭礼など、神社の境内などで行われる競馬のこと。

サイドレーン
頭の高い馬を矯正するための馬具。単純な革ひもで、ハミ環と腹帯をつなぐようにして使う。ハミ環の左右から両側に1本ずつ装着し運動させる。カン性の強い馬で頭を無理に上げようとする馬には中間にゴムなどを使って伸縮性を持たせ、刺激を与えないようにしている。

サイヤー
父馬のこと。

サイヤーライン
父方の血統のこと。 競走馬の血統は主に父方の血統で系統付けされており、その父方の血統の系統をサイヤーラインという。

下がり馬さがりうま
昇り(あがり)馬に対して逆の意味に使われる言葉で、成績が徐々に落ちてきている馬。また、ピークが過ぎはっきり下降線を辿っていると思われる馬のこと。

下げるさげる
レース中、騎手の判断で、意識的に馬順を下げること。

削蹄さくてい
のびた蹄を削ること。

さく癖さくへき
馬栓棒や、牧柵などに前歯をあてて、空気を飲み込むクセ、空気を飲み込むときにグイッグイッと音がする為、“グイッポ”とも言われる。(グイッポ 参照)

笹針治療ささばりちりょう
単に笹針と言うことも多いが、ハリ治療の中でも最もポピュラーなもので、「三稜針」という針を用いるが、この針の形が笹の葉に似ていることから“笹針”と名づけられている。急性の筋肉疲労(こずみ)でうっ血している部分に施し、刺激によって新陳代謝をうながす。つまり肩や腰に乱刺して放血させ疲労を取り除くことである。

ささる
調教またはレース中に馬が内へ斜行することを言う。脚いろがいっぱいとなって苦しくてささる場合と、馬自身の気性や癖でささる場合があり、後者の場合は左回りでささる馬は右回りになると“よれる”(外に斜行する)ことが多い。同じ斜行でも異なった意味で“もたれる”という言葉も使われるが、この三つの言葉にはっきりした区別がなくなってきている。

差し合うさしあう
一人の騎手の乗る馬が同じレースに2頭以上予定される場合に差し合うという。

差すさす
馬の脚質のひとつで、先行馬群を射程圏に入れて進み、直線の勝負で速い足を使い前にいる馬をかわす。目標にした馬をキッチリ捕らえたとき差し切ると言い、及ばなかったとき差し届かなかったという。また、一旦先頭に立った馬が後方から来た馬に並ばれ、あるいはかわされてから再び巻き返して先着したとき差し返すという。

殺処分さつしょぶん
安楽死と言われているもので、競走馬が病気で倒れたり、脚を折って再起不能と診断されたときに殺処分することがある。

挫跖ざせき
蹄底に起きる炎症(内出血)のことで、走っているときに後肢の蹄の先端を前肢の蹄底にぶつけたり、あるいは石などの硬いものを踏んだときに発症する。蹄底の浅い馬、時として踏み込みの良い馬にも起こりやすい。前肢に多く発症し、蹄に熱をもちひどい跛行になる。

魚眼さめ
通常、眼の表面は角膜と強膜で覆われており、角膜は俗に黒目と言われる部分のこと、強膜はその外側にあり人間で言えば白目の部分、馬の場合には、この部分にも色素が入っており通常白目は見えない。虹彩(黒目の瞳孔の周囲)の色素を欠いて青白色をしているものを、魚眼(さめ)と言う。

サラ系さらけい
サラブレッド系統の略。

サラブレッド
馬の品種のひとつで、単に「サラ」と言うことも多い。現在JRAではこのサラブレッドだけで競馬が行われている。

サラブレッドインフォメーション
中央競馬会が打つ日曜メインレースの案内広告のこと。

三角買いさんかくがい
3頭のBOX買いのこと。

三冠さんかん
牡馬の場合皐月賞・ダービー・菊花賞を指し、牝馬の場合には桜花賞、オークス、秋華賞を指す。

三冠馬さんかんば
3歳五大クラシックのうち皐月賞、ダービー(東京優駿)、菊花賞を制覇した馬を三冠馬という。英国では2000ギニー、ダービー、セントレジャーの優勝馬を三冠馬と言っている。またアメリカではケンタッキーダービー、プリークネスS、ベルモントSの優勝馬を三冠馬という。日本の場合は菊花賞が秋に行われるため、異なった距離の三つのレースを勝つことは大変難しく、昭和16年セントライト、昭和39年シンザン、昭和58年ミスターシービー、昭和59年シンボリルドルフ、平成6年ナリタブライアンの5頭だけがその栄誉に輝いている。シンザンが古馬の大レース天皇賞、有馬記念にも優勝し五冠馬と言われたが、シンボリルドルフも五冠馬になっている。これに模して牝馬の三冠というのもあるが、桜花賞、オークス、エリザベス女王杯(現・秋華賞)を制覇した馬で、昭和61年のメジロラモーヌだけである。

三元育成さんげんいくせい
シンボリ牧場の故和田共弘氏が創始した育成方法で、北海道で生れた仔馬を当歳秋に岩手の牧場に移して育成し、デビュー前に千葉の牧場へ移送、デビュー後はこの牧場と厩舎を行き来させて過ごさせる育成方法。

産駒さんく
「○○(馬名)の産駒」という使い方をされ、○○は父馬、母馬を指す。一般的には父馬である種牡馬の馬名、例えば“サンデーサイレンス産駒”という言い方をするが、母馬がクラシック馬であったり有名な馬の場合は母馬の名を前につけて言うこともある。

三大幹根馬さんだいかんこんば
現在世界中のサラブレッドについて、その牡系子孫が残っているのはダーレー・アラビアン、ゴドルフィン・アラビアン、バイアリー・タークを祖とする三つの牡系統となる。このことを「三大始祖」または「三大根幹種牡馬」と言っている。この3頭のうち現在サラブレッドの90%以上がダーレー・アラビアン系で、圧倒的優位を保っている。

残念ダービーざんねんだーびー
ダービーに出走できなかった馬や、ダービーで能力を出し切れずに終った馬が多く出走するため、春競馬最後の3歳限定戦 『ラジオたんぱ賞』のことが俗にこう呼ばれる。

三分三厘さんぶさんりん
ゴールまで660m地点のこと。一分は8分の1哩で200mのことから計算されるわけだが、一般には3角過ぎの勝負どころという意味で使われる。仕掛けどころという意味で使うことが多い。

三連複さんれんぷく
順不同で1着から3着までの馬番を当てる馬券で、2002年7月13日より発売される。



戻る