競馬用語「せ」


制裁せいさい
裁決委員によって、レース中の騎乗に問題があったとされる騎手に与えられる罰則のこと。

制裁点せいさいてん
中央競馬会の騎手の再教育制度で、制裁を受けた騎手は制裁点というものが、与えられた制裁ごとに決められており、その累積点数が30点を越えると騎乗技術や、競馬法規などの研修を受けなければならない。

生産育成牧場せいさんいくせいぼくじょう
生産から初期調教までを一貫して行う牧場のこと。

生産者せいさんしゃ
繁殖牝馬の所有者のことで『ブリーダー』とも言われる。

生産牧場せいさんぼくじょう
競走馬を生産、育成して、その馬を売却することを目的にしている牧場。単に牧場ということの方が多いが、育成だけを行っている「育成牧場」と区別するために生産牧場といっている。繁殖用の牝馬を所有し、種牡馬の選定、交配に始まり、生まれた馬をトレーニングセンターや競馬場の厩舎に入れる時、または育成牧場に送るまでの馴致や育成を行っている。

整馬係せいりがかり
枠入りの際に馬の口を取り枠内へ誘導する係のこと。

整理委員せいりいいん
競馬場内の警備を担当する職員のこと。競馬場周辺の交通整理、場内での案内、防犯のための見回り、パドック内での警備、横断幕の受付け、などのほか、出張馬房での出走馬の出入りを整理したりする職員。

ゼッケン
馬番号が書かれた、布で鞍の下につけるもの、番号の他、馬の名前が記載されるが、レース名が書かれることもある。

せったる
凹背のこと。背中の線がたるんでいることで、前後躯のバランスが悪い馬が多い。軽度のものは競走能力に影響ないといわれているが、斤量が重くなると負担が大きくなるとも言われている。

背中のうるさい馬せなかのうるさいうま
背中に鞍をつけるのを嫌がる馬のこと。

攻め馬せめうま
一般に言われている調教のこと。調教といっても他の動物の場合と違って馴らすこと以外に走る能力を引き出すこと、走る能力を出し切れる状態(馬体を仕上げる)に持っていくことなどを含んでいる。

セリ
競売のこと。「市場取引」または「せり取引」といわれるように公開の市場で売買される。生産者が“お台”(希望価格)をけ購買者がせり上げていく価格の決め方で、他人にもその馬の値段が分かるようになっている。現在は当歳、1歳、2歳、繁殖馬セールなど場取引も多様化してきている。

競るせる
競り合うともいうが2頭以上の馬が並んでお互いに前へ前へと一歩でも先に行こうと争いながら進む状態をいう。逃げ争いという形が一番多く目につくが、好位を取り合って競り合うこともある。

セレクト市場せれくとしじょう
以前は特別市場とよばれていたもので、一定の金額以上の馬を上場するセリ市のこと。

セレクトセール
日本競走馬協会が主催するセリ市で平成10年より行われている。これまで庭先売買が主だった良血馬が多数上場されてくるため多くの購買者の注目をあびる。

背割れせわれ
競走馬は馬体を絞りスマートな形に仕上げて行くわけだが、まだ絞りきれないで背中にムダ肉がついている状態をいう。仕上がり途上の馬に使われる。

先行せんこう
読んで字のごとしで先に行くことだが、競馬で「先行」といえば逃げるということだけを指すのではなく、前から3番手ぐらいまでに行ける(頭数によっても異なるが逃げ馬についていける)ことを指す。

先行差しせんこうざし
先行力があり逃げ馬をマークして行き差し脚を発揮したということ。

先行グループせんこうぐるーぷ
逃げ馬について行く集団。

全国発売レースぜんこくはつばいれーす
JRAの勝馬投票券発売所(ウインズ及び競馬場)のどこでも買えるレースを全国発売レースといっている。重賞レース(障害を除く)とクラシックのトライアルとして行われる特別レースが主で競走番組で定められている。

前日追いぜんじつおい
競走日の2〜4日前ぐらいに追いきられた馬が、競走日の前日に最終の調整を目的に軽く(場合によっては強めに)追うこと。

専属騎手せんぞくきしゅ
調教師に雇われ、厩舎に所属する騎手、調教師の指示で所属厩舎の馬の調教やレースで騎乗するが、依頼があれば他厩舎の馬に騎乗することもある。

疝痛せんつう
疝痛とは馬の腹痛のことで、急性胃拡張(過食疝)、急性腸カタル、風気疝(ガス腹)、便秘疝、腸捻転などの総称をいう。馬の腹部臓器は疝痛を起こしやすい構造となっており、馬の内科的疾病として昔から最も代表的なものとされており、しかも発生頻度が高く致死率も高いので恐ろしい病気のひとつである。

全弟ぜんてい
馬の社会は人間の社会と違って同じ父を持っても兄弟とは言わない。種牡馬は1年間に何10頭も種付けをすることもあり、これをすべて兄弟馬というと大変な数になってしまうからで、同じ母馬から生まれたものだけを兄弟馬と言っている。父が同じ場合を全兄弟(姉妹)といい、父が違っているときは異父兄弟または半兄弟という。

全日本騎手連盟ぜんにほんきしゅれんめい
地方競馬の騎手が結成する騎手の労働組合のようなもの。中央競馬会では日本騎手クラブが結成されている。

騙馬せんば
去勢された馬のこと。非常に気性が激しく(悪く)反抗的だったりして成績の上がらない牡馬は、去勢することによって性質が従順になり成績が上がることもある。また、騙馬は皐月賞、ダービー、菊花賞、天皇賞には出走できない。

旋毛せんもう
馬の「つむじ」のこと。馬の被毛は直立して生えないで、皮膚面に対し傾斜して生えるため、体表面に毛流が出来る。その起始部や終止部が渦巻き状になっており、これを旋毛という。この旋毛は出来る部位によって呼び名も異なり、20種に細分されている。よく耳にするところでは珠目(しゅもく・額、鼻梁など顔)吭搦(ふえがらみ・頸の下部)髪中(かみなか・たてがみの生えぎわ)双門(そうもん・胸前両側上部)初地(しょち・前膊および管)沙流上(さるのぼり・脛(すね)および後管)などがある。

喘鳴症ぜいめいしょう
普通「のどなり」と言われているもので、喉頭口を支配する神経が麻痺し、そのため喉頭口が狭くなり呼吸のたびに「ひゅうひゅう」または「ぜいぜい」といった狭窄音を発する病気である。競走馬は全力疾走の時多量の空気を呼吸するため、この病気があると呼吸困難を起こすこともあり、競走能力に影響することが多い。治療法としては声嚢摘出の手術を行うが、完全に治るのは半分ぐらいだと言われている。



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