競馬用語「ち」


地下馬道ちかばどう
スタンドの下を通って、パドックから本場場へ抜ける地下の通路。

力馬ちからうま
スピードには乏しいがパワーの優れている馬、基本的にダート馬に多い。ダートではスピードが殺されやすい為、パワーが勝負の決め手になる場合も多い。

父内国産馬限定戦ちちないこくさんばげんていせん
サラブレッド系の馬の父が内国産馬(日本で生まれた馬)である馬をいう。外国から種牡馬が数多く輸入されるようになって、内国産種牡馬を奨励する意味もあって、番組面でも優遇されている。条件(収得賞金による)戦でも父内国産という条件の付されたレースがかなり組まれているし、重賞でもカブトヤマ記念、愛知杯など父内国産馬同士のレースとして行われている。

父内国産馬奨励賞ちちないこくさんばしょうれいしょう
父内国産馬に対してはGT競走の1着馬850万円を最高に各レース5着までに父内国産馬奨励賞が交付されている。

地方競馬ちほうけいば
日本では中央競馬会(JRA)が施行する競馬と地方競馬全国協会(NAR)の施行する競馬があり、前者を中央競馬というのに対し後者を地方競馬といっている。地方競馬は全国各地区に分かれており、北海道、東北、南関東、東海地区などは以前から中央競馬と密接な関係にあるが、'96年(平成8年)からは中央競馬と各地区の地方競馬との交流競走が盛んに行われるようになっている。

チャカチャカする
馬が気負い込んで、小走りになったり、しばしば跳ねたり、クビを左右に振ったりと落ち着きがなく、必要以上の動きを見せる状態。

着外ちゃくがい
本来は本賞金の与えられる5着までを着といい、6着以下を着外ということになる。ただ、馬券(複勝を含む)の対象となる3着までを着とする考え方が普通で、4着以下を着外ということが多い。

着差ちゃくさ
先に決勝線(ゴール)に到達した馬の鼻先(鼻端で脚や騎手のステッキなどではない)から次の馬の鼻先までの間隔を着差という。競馬の着差の表し方は独特で、ハナ、アタマ、クビ、以下馬身で表し1/2、3/4、1、1 1/4、1 1/2、1 3/4、2…というように表示され、10馬身以上の差は大差とされる。着差を走破タイムの差で表すこともあるが、1馬身は0.15〜0.2秒、6馬身で約1秒とされている。

着順変更ランプちゃくじゅんへんこうらんぷ
降着や失格になった馬がいた場合は着順が繰り上がったり入れ替わったりするがその場合に知らせる為のランプ。

着順ちゃくじゅん
ゴールへの到達順位のこと。順位を決める基準は各馬の鼻先(鼻端)と決められており、足などが先に出ていても順位に関係ない。

着地検査ちゃくちけんさ
海外遠征などから帰ってきた馬は、輸入検査を受けた後、さらに3週間の着地検査という様子見の検査を行う。これは伝染病などの潜伏期間を考慮したもので、その間、他馬から隔離し、牧場、厩舎や競馬場の厩舎などで行う。競馬場の厩舎で行う場合に、その競馬場でレースがある場合には出走することも可能。

着狙いちゃくねらい
着ひろいともいうが、精一杯頑張っても勝てそうにないレースで本賞金(5着)の出ている上位の着順を狙って走らせること。また、登録馬の少ないレースを選んで着賞金を目的に走らせる。いずれも勝つことを前提とする競馬において、消極的にレースに参加している馬、あるいは乗り方のことを指す。

中穴ちゅうあな
人気馬同士で決まらないレースを穴レースといい、万馬券のような高配当になると大穴(おおあな)というのに対し、中ぐらいの穴という意味で、連勝式で配当が2000円〜4000円ぐらいまでの荒れ方をしたレースをいう。

中央開催ちゅうおうかいさい
中央競馬の行われる10場のうち、東京、中山、京都、阪神の4大競馬場のことを中央とか中央場所といっている。これに対し、札幌、函館、福島、新潟、中京、小倉を地方場所、あるいはローカルなどと呼んでいる。

中央競馬ちゅうおうけいば
JRAが主催する競馬のことで、公営の地方競馬と区別するために中央競馬と呼ばれる。

中央競馬広報コーナーちゅうおうけいばこうほうこーなー
競馬の資料や、レースビデオを公開している。また、競馬に関する問い合わせにも応じてくれる。
(関東TEL 03-3434-2620/関西TEL 06-6377-5635)

中間ちゅうかん
競走馬において、前回の出走日からレース当日までのこと。「中間軽目」とか「この中間熱発があって」など厩舎関係者の間ではよく使われる言葉である。

中間の乗り込みちゅうかんののりこみ
前走の後、今回の出走までに行った追い切りのこと。

中距離ちゅうきょり
おおよそ1600m以下を短距離、2400m以上を長距離というが、その中間の距離を中距離と呼ぶ。通常1800m〜2200mのこと。

抽せん馬ちゅうせんば
中央競馬会が各生産地で開催される軽種馬の市場(せり市)で購入し、育成場で一定期間に育成、訓練された馬を、希望する登録馬主に抽せんのうえ一定の価格で売却、配付する馬のこと。

調教ちょうきょう
広い意味では他の動物と同じで人に馴らし、訓練することだが、競走馬の場合は“攻め馬”のことを指し、レースで全能力を出し切れるように仕上げることを含んでいる。攻め馬の項参照。

調教駆けちょうきょうがけ
「攻め馬駆け」ともいわれるが、調教で速いタイムで走る、あるいは手応えよく併走馬をあおるなど攻め馬で走る馬のこと。“気のいい馬”といわれるタイプで牝馬に多い。反対に攻め馬で走らないタイプの馬を「調教駆けしない」というが、これには二つのタイプがあり、ひとつはズブい馬、もうひとつは利口な馬で実戦と調教を区別しており、調教では馬自身がセーブして走り速いタイムを出さない馬。オープン級の大物に時々こういった馬がいる。

調教騎乗料ちょうきょうきじょうりょう
調教に騎乗して受け取る騎手の報酬のこと

調教厩務員ちょうきょうきゅうむいん
騎乗試験に合格した厩務員のことで、騎手試験、調教師試験などの資格をもたなくても調教に騎乗できる厩務員のこと。

調教審査ちょうきょうしんさ
初めて競馬に出走する馬は調教状況の審査を受けなければ出走することができない。これを調教審査というが、平地競走では発走試験(ゲート枠入り及び発走状況)、障害競走では障害試験(飛越の巧拙と走破タイム)に合格しなければならない。

調教再審査ちょうきょうさいしんさ
レースを使われている馬が、枠入り不良、枠内騒攪、立ち遅れなど発馬に関する再審査。平地で大きくふくれたり逸走した場合、斜行(斜飛)する悪癖馬、規定時間内に入線できなかった馬などは調教不十分で再審査される。このことをという。

調教師ちょうきょうし
厩舎の責任者のこと。馬の調教管理(馬を仕上げレースに出走させる)は勿論のこと、所属騎手、調教助手、厩務員など関係者すべてに責任をもたされている。管理馬の本賞金の10%が進上金として与えられる。

調教助手ちょうきょうじょしゅ
調教師の代行役。競走馬の攻め馬調教が主な仕事だが、厩舎業務の多様化にともない、調教師の管理代理業務に携わるもの。騎手で体重が重くなったりして騎手に適さなくなった人、また調教師の子息や獣医学校を出た人で調教師を目指している人などが調教助手となっている。

調教時計ちょうきょうどけい
調教馬場で、15-15以上の速さで追い切りを行った時の時計。

調教の帽色ちょうきょうのぼういろ
中央競馬の調教では、調教の際の乗り役がかぶる帽子の色は、乗る人の資格によって、分けられている、調教師は黒、騎手は水色、調教助手は黒に白線1本、調教厩務員はオレンジ色、一年目の見習騎手は黄色と言うふうに決まっている。

調教馬場ちょうきょうばば
調教を行う馬場のこと、競馬場ではダートコースを用いることが多い。トレセンには坂路のほか、芝、ダート、ウッドチップなどがある。

調教評価ちょうきょうひょうか
競馬新聞の新聞記者による、調教内容の評価、新聞によって評価も評価の方法も異なる。

調教用ゼッケンちょうきょうようぜっけん
調教で用いるゼッケンのこと。各馬に割り当てられている番号で、馬齢によって色も異なる。

調教欄ちょうきょうらん
競馬新聞などで、出走馬の調教時計が記された欄のこと

長距離戦ちょうきょりせん
距離2400m以上のレース。

長距離馬ちょうきょりば
長距離を得意とする馬。

長躯短背ちょうくたんぱい
調腹短背(ちょうふくたんぱい)ともいう。競走馬の理想的な体形を表現する言葉で、腹の線が長く、背中の線が短いという意味。

調整ルームちょうせい
各競馬場、美浦、栗東のトレーニングセンターに設けられた騎手の宿泊所。競馬の公正を確保するためと心身の調整を図ることを目的とし、騎手を外部との接触から引き離し、開催日の前日出馬投票の1時間後に騎乗予定者の全員が入室することになっている。各自の個室のほか減量用の浴室(サウナ)、娯楽設備などもある。

腸捻転ちょうねんてん
腸がねじれて、内容物がつまった状態で、腸捻転のために起こる疝痛のことを変位疝という。

調馬索ちょうばさく
引き綱のこと。手綱と異なり、歩いて引っ張る人が持つ綱のこと。

調馬索運動ちょうばさくうんどう
引き綱をもった人を中心にして、円を描くように走らせる訓練のこと。

直飛節ちょくひせつ
馬の後脚の大きく屈曲した部分を飛節といい、人間の足で言えば、足首に当たる部分で、通常この飛節から、球節にかけては、管骨がまっすぐに伸びているのが正常であるが、この管骨が内側へそれている場合を曲飛節という。逆にこの屈曲が少なく、後脚がまっすぐに伸びているように見える場合を直飛節という。

直検ちょくけん
試情と同様に、牝馬の発情状態を確かめる為の検査で、肛門から手を入れて直腸壁越しに卵巣に手を触れてその大きさから排卵日を予測する。つまり、生理的な現象を、直接的な判断で行う為このように呼ばれる。

直線一気ちょくせんいっき
最後の直線で、最後方から一気に追い込むこと。



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