ねこみみ 遠山視察
2006年11月14日

遠山は怖い所だからね!
立派なアマゴ『あめのうお』が棲んでいるんだよ!

そんな話を聞きながら・・でも、その姿も見られなくなる日がやって来るかもしれないんだ(涙)・・と聞けば
こんな私にできる事は、まず自分の目で見て、確かめて、少しでも多くの人に知ってもらえたら・・と

行ってきました・・はるばる高速バスに乗って、途中圏央道八王子インター建設の為、10キロ以上、大渋滞しますが

のんびり、プチ家出気分です(^^ゞ

新宿の高速バスターミナル
西口の京王デパートの前です

車窓から、南アルプスが見えます


      飯田の町と、松川

宿に荷物を預け、一人で散歩です・・しかし、人が居ません(^^;、治安は大丈夫なんでしょうね〜ねこみみはこんな所で死にたくないよー
動物園まで来たところで、携帯電話がなります。『風の谷霞む渓』のヒラちゃんが、仕事の合間に松川を見せてくれるそうです・・
あーっやっと知っている人に会える・・「初めましてねこみみと申します、こんなオバサンですが、宜しくお願いいたします〜」と名刺を渡す(^^)
松川も変わったのだそうです、小さい堰堤がずっと続いていますが、魚は居そうでした、きっと尺アカウオも居るんじゃないかな
周りは公園になっていました・・・尻尾の丸いニジと養の字がいるそうです(^^ゞ




遠山郷の視察
まず矢筈トンネルにを抜けます・・実はトンネルの手前に左側に小さな滝があります。ちゃんと滝壺もあり、流木が少し重なっていました。
下栗の集落を見学です、眼下の崖のような所が畑や住まいで、人々は山に貼りつくように暮らしています。此処では、鎌を落としたら
買ったほうが安い!と言われる位なんだそうです(^^ゞ  下を覗いたら、おばぁちゃんが梯子を架けて柿の実を採ろうとしてるみたい・・
だ・だいじょうぶか・・(@@)
天気は、雨がポチッと落ちそうでしたが・・全山紅葉です  やったー♪
霧に霞む土地だからでしょうか、お茶の
栽培が盛んです・・が、年寄りが多く
いろいろ先が心配です

ビューポイントから見える、遠山川です

右上の集落が下栗です

日本一天空に近い所に住む
人達かもしれない

遥か下を流れるのが遠山川です

とても美しい所でした・・

           


トチの木の大木です
枝を広げひろげて、くねくねと伸びるこの木は
渓の長い歴史の証人のようですね
木肌が面白い 下に降りてびっくり!幹が空洞です
樹医さんが治療してくれているのだそうですが
あの大きな上部をこれで支えているなんて、
大丈夫なんでしょうか・・



北又沢



岩魚が居ました
今年の夏、上部が崩れ
ずっと、雨の度に、濁り水を出していた沢です
流れてきた、土砂は、細かいセメントのような
感じの砂です

でもブロックの陰に23センチ位の岩魚が
泳いでいました
秋の渓は静かです
遠山川には、何基か堰堤があり
堰堤の上は、チャラ瀬になります

しかし、少し行くとまた、本来の渓相に
戻ります
急峻な川の流れが、川を正しい形に保つ
役割をしているのでしょう

大石の下は落ち込みになり、砂や小石は
中州や川岸に運ばれて秩序を保ちます



兎の堰堤、工事中
大変大きな堰堤です

この工事のお陰で、仕事があり、生活が
安定する・・また、地元へ下りる保証金
で、潤う・・
そんな事情が有る事を、都会の人は
知らなければなりません

とても、大切な、大問題です


上流は素晴らしい渓相でした
時々、落石がありそうな林道を車で走り
(昔の森林鉄道の跡が今は、嬉しい道路です)
川沿いを登って行けます
諸河内の出合い





仏島
仏島の淵は深くて、不思議な蒼い色です                    遠山川の水の色は本当に不思議な蒼い色です
ヒラちゃんのしてくれた話
随分昔に、この岩が大規模に剥がれて崩れ落ち、上流の廊下を堰き止め、大きなダムになったのだそうです
「次の年には元にもどってたな・・」と、事も無げに言います

なるほど・・自然の力って凄いですね・・いっきに決壊した土砂のダムが、次の年には渓を綺麗にしてくれたという訳です
川の流れに力があれば、なんの問題も無いのです・・・でも堰堤ができてチャラ瀬になったら・・・

ヒラちゃんが、淵を覗き込み手招きしています「大きな岩魚がいますよ〜」
「・・どれどれ・・ん? この岩魚は何で胸ヒレに白いラインが無いの・・?、おまけに胸ヒレは黄色くて大きいよ(^^ゞ」・・と、ねこみみ
「あ゛〜〜っアマゴだー!!」驚くヒラちゃん♪

その魚は、ゆるい流れの淵のきわを巻き返しの流れに沿って、下流を向き、大きな胸ヒレをしっかりと横に開き、
背中は渓と同じ不思議な蒼い色で、何よりも体格が抜群に大きく立派で、40センチ前後はあったとおもいます
カメラも忘れて、暫く見とれてしまいました・・随分長い時間アマゴは泳いでいてくれました♪写真撮れば良かったなぁ・・(涙)
良く見れば、深い水の底にも、急な流れの中にも、大きなアマゴが悠々と餌を追いかけたりしています

『あめのうお』です



下栗の集落にある、美味しくて有難い水です

集落の人の想いを感じる優しい水のみ場です




木沢小学校
廃校になった小学校は
遠山郷のイベントホールの様です

写真展をやったり・・

今は、霜月祭りの展示や、森林鉄道の展示
がありました


和田城
入り口です 資料館になっているそうです 遠山氏の家紋にまつわる、銅像です

この後、地元の方にもお会いして、いろいろ話を聞きました、コーヒーとカレーが美味しかったです


涙・・・

私が初めて、切なくて泣いたのは、ずーっと昔、出産した病室に差し入れられた有島武雄の『小さきものへ』
という小説を読んだ時だ・・自分の元へ来た小さい命と、これから生きて行くだろう世の中を思うと、涙がとま
らなかった・・

今、私は、美しい自然を見ると涙が出る、恥ずかしいけど止まらなくなりそうになる・・
今回は、高速のバスの中、ずーっと続く信州の景色、美しい山並み、沢山の人が住んでいる町を眺めながら
この自然を守りきれない、現代人の悲しさを思った。

精巧に仕組まれた、経済の仕組み、何も言えずに呑み込まれて行く人々、語り伝えられる事も無く消えていく
沢山の生き物達。
日本は類まれなる美しい国なのだ、せめて一日でも長く、今を守りたい!
一人でも多くの人に、知ってもらいたい!
誰にも知られずに、破壊されていくのはとても悲しい、せめて、ホームページを見てくださる方には伝えたい!

山奥深く流れる渓にも、優しい風が、何時までも吹き続けることを願って、今回の記事を書きました。

           お粗末な記事にお付き合い頂いてありがとうございました・・・・ねこみみ・礼