小 耳 症

小耳症(しょうじしょう)

 1万人に1人とも言われている先天性疾患です。症状は個人差がありますが、ゆうたの場合は、右耳がかなり小さく左耳は上の部分が無くて下のほうの形はあります。(ちなみに産院での入院計画書には、耳介形成不全と書かれていました)

*外耳道閉鎖症

 ゆうたの右耳には穴がありません。これを外耳道閉鎖症と言います。そして、左耳には穴がありますがとても狭く耳鼻科で耳のお掃除をしてもらっていますが、一番細い器具を使って先生も大変そうです。

*副耳(ふくじ)

 ゆうたの右耳には、副耳がありました。福耳と同じく「ふくみみ」って呼んでいたら、手術のために入院した時、病棟の先生に「これは、ふくじと読みます」と言われてしまいました。切除するまでは、いつもビョーンって引っ張っていてちぎれそうで怖かったです。

*初めての出会い

 産院で同室になった人の弟さんが、小耳症の家族との初めての出会いかと思っていましたが、実は長男の幼稚園の同級生で一番仲が良かった女の子が、小耳症だったという事を後から知りました。だから、ゆうたが生まれる前から本当は近くに同じ仲間が居たのです。

*初めてのお出かけ

 行き先は、紹介された病院の形成外科と耳鼻科でした。大雪の降る中、まだ生まれて2週間しか経っていないゆうたを連れて出かけました。今、思うともう少し落ち着いてからでも良かったのでしょうが、藁にもすがるような気持ちでいっぱいでした。

*初めての試練

 それは、ゆうたをベビーカートに乗せて、お買い物途中でした。3、4歳ぐらいの女の子がゆうたの耳を見て母親に「ママ、お耳が変」と言い、ゆうたを見た母親は「いいから」と女の子の手を引いて逃げてしまいました。

*長男が小学校に入学して初めての参観日

 早めに到着したらお昼休み中だった同じクラスの女の子たちに「お耳どうしたの?」など質問攻めにあいました。生まれて来た時からこの形だった事、耳は痛くない事、補聴器を使って聴こえる事、耳の形も今は小さくて出来ないけど痛いのが我慢出来るようになったら(勿論、麻酔を使ったりしますが小学1年生向けの話です)病院で耳の形を治してもらう事も出来るんだよと話したら、心配そうな表情から安心した表情に変わり、「早く、治してもらえるといいね」って言われてしまいました。

*上の子たちは

 卒園した幼稚園が統合保育をしていて、長男については同じ小耳症の女の子が一番のお友達だった事もあり、ゆうたが補聴器を付けた時も「○○ちゃんと一緒だね」と言ったり、次男もヘアバンドを作っていると、赤いリボンをつけて可愛くしてあげてと言ってきたりしますが、色んな障がいを持った子どもたちと接して来たせいか、特別な障がいという感覚は無いようです。上の子たちのように、色んな人が居てあたりまえ、ひとつの個性でありお互いの存在を認め合えるノーマライゼーションの考えが世の中に定着してくれればと思います。

*ヘアスタイル

 ゆうたは、美容室でカットしてもらっています。初めてのカットは、口蓋裂手術の入院中に院内の美容室でカットしてもらいました。2回目は、私の行きつけだった美容室でしたがイマイチで、3回目はまず私が行ってみて気に入ったお店に子どものカットもOKか確認して連れて行きました。それからは、ずっとそこのお店で私もゆうたもカットしてもらっています。イメージとしては、可愛らしく、ヘアバンド(骨導補聴器)をしても髪の毛がはねない様に、ヘアバンドで前髪が押さえつけられるので前髪は短めにとお願いしています。

 

上の画像をクリックすると、『日本形成外科学会』及び

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