ゆうたの誕生

妊 娠 編

ゆうたの妊娠を知ったのは、平成14年2月27日でした。私は、喘息の持病があるので定期的に呼吸器科を受診しています。その日は、ちょうど受診日で何となく気になっていたので市販の検査薬を購入して、調べてみました。結果は、陽性。つまり、妊娠と判定されました。そして主治医の先生には、胎児に影響の無い薬にとお願いしました。

 3月6日 ようやく産婦人科を受診。やはり、妊娠していました。

 3月31日 勤務していた病院を退職。

 5月11日 連休から体調を崩していましたが、その日は38.6℃の熱があり、つわりでほとんど食べる事が出来ていなかった私は、ふらふらしていました。何とかなるだろうと家で横になっていたものの辛くなり、自分で車を運転して何とか病院にたどり着きました。お昼近くから点滴を開始して、終ったのが18時過ぎ。帰ろうと、廊下を歩いていると主治医の先生に遭遇。立ち話をしているうちに、立って居られなくなりその場に倒れてしまいました。そして、即入院。夜中には、41℃まで熱は上がってしまいました。

 5月14日 検査の結果は特に問題も無く、退院。

 5月17日 アレルキー性鼻炎の定期受診のため耳鼻科へ。廊下で、産婦人科の主治医とまたもや遭遇し、あとで受診するように言われる。受診の結果、しばらく点滴をしに通院する事になりました。

 5月20日 妊娠悪阻という事で再入院。1日2Lの点滴を毎日することになりました。点滴が終るのは、夜中でした。

 6月10日 体重が妊娠前から15kg減で退院。

出 産 編

 11月7日 翌日は、妊婦検診の予定でした。予定日は6日だったので、上の子二人同様いつ出すかという話しになるだろうと覚悟していました。そして、のんびりとお風呂に入り、ドラマを見て洗濯物を干していたら、何だかお腹がすごく張って主人に交代してもらい23時を過ぎていたので寝ることにしました。でも、横になっても時々押し寄せる腹痛。もしや、これって陣痛?と、急いで病院に連絡しました。

 

 ゆうたは、3人目なのですが上二人は予定日を過ぎても出てこなくて、入院してから陣痛促進剤を使用しての出産だったので自分で入院時期を考える事は無かったのです。痛みは、すぐに消えてはまた押し寄せ、そんなに痛くないし・・・

 でも、予定日を過ぎているという事で荷物を持って来院するよう指示がありました。病院に着いても、ちょっと痛くて歩けなくなり立ち止まりましたが、痛みの無い時は余裕で。

 早速、内診してもらいましたが2cmしか開いていませんでした。分娩監視装置には、明らかに陣痛が来ていることが記され、そのまま入院。

 1時を過ぎ、主人にまだまだのようなので帰宅してもらいました。

 

 12時に、病院に着いた時は陣痛室は誰もいませんでしたが、主人が帰ってすぐに妊婦さんがすごいうめき声を上げながらやって来てそのまま分娩室に行きました。うわ〜、すごく痛そう。私は、まだまだよね♪って他人事のように構えていたら、激痛が。うわ〜、やばい次が来たらもう、動けないはず。急いでナースコールをしました。内診して、まだほとんど開いていませんでしたが、分娩室に移る事になりました。でも、内診の刺激なのか次の痛みがやって来てしまい動けません。もう、我慢が出来なくなり陣痛室のベッドで8日午前2時44分に出産してしまいました。

 

 でも、ゆうたは泣きませんでした。羊膜を被ったまま出て来てしまい助産師さん慌ててゆうたを救出。次の瞬間、「お耳が」そして更に「お口も」と言われ何が何だか私にはさっぱり分からずで、眼鏡をかけて確認しました。見せらた耳は、左側でした。右耳は、耳の穴も無いのですが見せられた左耳には穴がありました。耳の形がきちんとあっても聴こえない人が居る。この子は、形がこうであってもきちんと聴こえているはず。って勝手に思い込んでしまいました。口については、すぐに口蓋裂っていう名前を知らされましたが、あまりピンと来ないまま胎盤を出しに分娩室に移りました。そこには、まだ先程の妊婦さんが頑張っていました。

 

 朝になり電話で、主人に産まれた事とちょっと話があるとだけ告げ、診療報酬点数表を持って来るようにとお願いしました。

 出勤前に主人は来てくれて説明を私からしました。主人は、かなりショックを受けて会社へ向かいました。残された私は早速、点数表で保険適用なのか?イメージとして点数が高いほど難しい手術という考えがあって、妊娠中に主人が受けた鼻茸の手術と点数を比べました。すごい、違いに大変そうな手術なんだなぁと思いました。

入 院 中

 朝食を済ませた頃に、日勤の助産師さんがやって来ました。そして、「お部屋、変えましょうか?」と、聞かれました。私の入ったお部屋は、その日が退院予定の方と分娩室で一緒になった方。そして、前日に出産された方でした。何故、お部屋を変わらないといけないのかと不快感を覚えました。ゆうたが、障がいを持って産まれてきたからなの?何だか、差別を受けたように感じてしまったのです。(病院側の配慮なんでしょうけど)私はお断りしました。

 

 お断りしたものの、向かいのベットの親子の視線がこちらを見ていました。何だか、嫌だなぁと思っていたら、話しかけられてしまいました。「あの〜、弟も小耳症なんです。手術したら、本物と見分けがつかないくらい綺麗な耳になりましたよ」って。まだ、具体的にどういう手術とか聞かされていませんでしたので、すごく嬉しい情報でした。しかも、こんなに身近に同じ疾患の方が居るなんて。

 

 同室にして良かったのは、それだけではありませんでした。その後、同室になった人が以前習っていたエレクトーン教室に通っていたお友達。現在は、遠い所に住んでいるのですが里帰り出産でこちらに来たのだとか。久しぶりの再会に大喜びしました。と、いう事で入院生活は一応楽しく過ごさせていただきました。

 

ただ、入院中に検査をしたり、口蓋裂というのは授乳にも影響があり、それにはかなり悩まされました。そちらにつきましては、難聴及び口蓋裂のページをご覧ください。