TOPベルウィックサーガ部屋小話部屋>Tea Time

 

 

Tea Time

 

 ティアンナの淹れてくれるお茶はいつも美味しい。執務室にはおなじみの紅茶の香りがただよい、ティータイムが始まる。休憩時間だ。

「・・・ティアンナ、最近淹れてくれるこのお茶は美味しいね」

「まぁ、ありがとうございます、リース様。実家から持って来た甲斐がありましたわ」

「前のお茶よりも味が濃いし、ストレートのほうが美味しいね・・・セレニアのお茶と味が似ているかな?」

「そうですね、セレニアの紅茶は少し匂いが独特ですよね。それが美味しさですけど」

「へぇ、そうだったかな・・・・」

リースは紅茶の香りをかいで考え込む。そういえば匂いまでは気にしていなかったと思った。

「何か入れ方のコツでもあるのかい?香りが良くなるとか、渋くならない淹れ方とか・・・」

「色々ありますけど、ゴールデンルールって言う淹れ方が一番スタンダードですよ」

「ああ、そういえばリネットが何かとても熱心に紅茶の淹れ方を勉強していたなぁ。色々あるんだね」

「そうですね、好みがありますから」

ぼんやり窓の外を見ながらリースは義妹の顔を思い出した。

「ご実家では紅茶は飲むのかな?」

「ええ、最近貰い物の茶葉で部屋が溢れてしまって。家では飲みきれないし、美味しいので是非と思ってこちらに持って来たのです」

「へぇ、ところでこのお茶の産地はどこなんだい?」

「ボルニアです。ボルニアの紅茶が好きですって言ったらなんだかたくさん貰ってしまって・・・」

「へぇ、そうなのか」

「明日はロイヤルミルクティーにしましょう。きっと美味しいですよ」

「それは楽しみだね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ヴェスター様からの贈り物だったのか・・・・・)

ティアンナと笑顔を交わしながらリースはここ最近、ずっとこの紅茶が出てくる理由を察した。