マルシン・モーゼル M712

亜鉛ダイキャスト・モデルガン

写真x 写真00
マルシンのモーゼル・フルオートタイプのモデル712です。
今でも売っている貴重な金属製モデルガンです。

このモデルは、はじめプラ製が製作された物だと思います。
金粉塗装世代の私は、プラ製を見下す傾向があり、このモデルも手にするまで ハドソン・モーゼルと変わりないものと思っていましたが、驚きました。最高級品です。


写真01
実物のモデル712は、写真すら少ない貴重なモデルです。1931年から32年にかけて モーゼル711と712が開発されました。その最後の形が712です。
写真のごとく1930年よりグリップのミゾは広くなっています。
中国向け製品が多かったようで徳国製(ドイツ製)と刻印された物が多いようです。 マルシンでもその刻印モデルも販売されていました。


写真02
素晴らしい出来栄えです。最終型のユニバーサル・セフティ形状もきちんと再現されています。実物では、セレクターのR に赤ペンキを入れている写真も見かけます。


写真03
指で押さえるだけで外せるリアサイト。実物を再現しています。
これを再現した物は、マルシンだけです。


写真04
マニュアルも非常に凝った物で、まるで実物のようです。
なんでもないところにまで、こだわってくれるとマニアとしては嬉しいです。


写真05
マルシンの712が発売された頃は、ハドソンからモーゼルが販売されていなかったようなので、わたしはてっきりハドソンの金型で造っているのかと思いましたが、そうでもないような感じがします。

外観は、良く似ています、右がハドソンの物です。
マガジンは互換性ありそうです。ハドソンの20連マガジンも装着できます。


写真06
厚みも同じで、MGC よりすこし厚めでしょう。左マルシン、右がハドソン。


写真07
試しに合体させてみました。ハドソンのバレルをマルシンに入れてみたところ、 すんなり嵌りました、内部パーツは外しています。


写真08
しかし、出来栄えは、雲泥の差が有ります。上がハドソンで基本的にはMGC のコピーです。 マルシンのロッキングブロックとかみ合うところは、一発鋳造です。

金型がどの程度修正できる物かよく知りませんので、これほどの違いが 同じ金型からできている物かよく判りません。ただ、大きさは、上述のようにほぼ同じです。


写真09
内部機構は、ぜんぜん違います。
特筆すべきは、ロッキングブロックの形状と、それとかみ合うツメ部品が実物と同じように 製作されていることです。また、そのおかげで確実にショートリコイルを味わえます。
実物構造の勉強に、もってこいです。モデルガンの鑑です。
上のハドソンの物は、MGC と同じでショートリコイルはしません。


写真10
ロッキングブロックをカチンと嵌め込んで組み立てます。 指を挟む危険があります。
(経験しました)


写真11
実物再現のおかげで、ボルトを引ききるあたりにロッキング・ボルトが落ち込む音がします。 黄色の矢印のようにボルトを引ききる寸前までバレル部分が確実に後退します。
素晴らしい出来栄えです。


写真12
バラす時は、ハンマーをコックしてズルっと機関部を抜きます。
普通のモーゼルと同じです。


写真13
フルオート機構は、トリガー後方で回転させることにより どこかの部品に作用するようになっています。 MGC はトリガーバネをビスで止めていますが、こちらは違います。


写真14
このあたりにセレクターが作用しているのではないかと思いますが 人のモデルガンなので追求していません。ぱっと見ただけでは理屈は判りませんでした。
板バネが上に伸びていますが、このパーツはモデル712のみにあります。
実物は、もっとごつい鉄板で出来ています。


写真15
組み立てるときには、黄色の矢印のバネ先端を青矢印にあわせないと動作不良を起こします。 このGun で唯一気をつけるところです。
青矢印の部品は、実物では存在しない物です。


写真16
クリップまで付属していて、雰囲気満点です。
1960年代にMGC がモーゼル・ミリタリー1896を生産して数十年後の今、この 素晴らしいモデルガンが存在していることに感動です。モデル712は、モーゼルの最終型です。 したがってMGC とマルシンで1896年から1932年までの時間の流れを実際にたどったごとしです。

金属モデルガン絶滅の今でも日本のモデルガン史に残せる製品を開発販売してくれているマルシンに心から感謝したいです。


おまけ

分解図のJPG が別窓で開きます。→  分解図へリンク


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