キャッチボール
何故、キャッチボールを一番最初に取り上げたのか?それは、野球の基本であるからです。守備のみならず、バッティングで、投球されたボールを打つ基本は、キャッチボールを繰り返して、ボールのスピードと軌道で、どこにいつボールが来るかが、予測できるから、バットでボールに当たるのです。結局、この予測の精度が高いほど、バッティングは良くなるんです。もちろん、投げる、捕るといった守備の基本なのは言うまでもありません。
1)投げる
  @フォームのチェック

    ・ステップ(踏み出し足がまっすぐ踏み出されているか?)
    ・グローブ側の手の使い方(大きく捻る)
    ・体の開き
    ・ひじの下がり(ひじの下がる選手には、ワンバウンドのキャッチボールが有効)
    ・基本はオーバーハンド(上から投げる)
    ・投げる方向を見て、目が離れない
    ・ボールの握り(2シームでも良いが、4シームが変化しないので良い)
    ・テークバック時に、ボールを握った手の平が、投げる方向と逆(後ろ)を向いている
    ・ボールの回転に注意(カーブ:横)回転は腕の使い方がおかしい
    ・スナップを使う

2)捕る
  @フォームのチェック
    ・グローブを立てて捕っている(ひじが開いた状態で、横向きにグローブを使うのは良くありません)
    ・捕球時に、投げる手を、グローブに近づけて捕球する(グローブの親指の後ろに手を添えるのが良い)
    ・腰より下、腰より上のボールに対して、正しいグローブの向きで捕る事
    ・正面で捕球できるよう、左右にステップしている(できれば、体の中心より、投球する手側での捕球が望ましい)
  Aステップ(動き)のチェック
    ・短いボール、長いボールに対して、前後にステップして捕球している
    ・ノーバウンドで届かないボールに対して、ハーフバウンドとならないように、前進、バックの判断を行う

3)キャッチボールのバリエーション
  @通常のキャッチボール
    ・肩が暖めながら、塁間まで少しずつ離れる
    ・塁間程度で、投球フォーム、捕球フォーム、ステップを注意しながら行う
  A遠投
    ・塁間から、更に少しずつ50メートル程度まで離れて、遠投を行う
    ・ワンバウンドにこだわらず、低いボールを投げることを意識する(高いボールは必要ないし、ひじが下がる原因となる)
    ・捕球者は、バウンドを見極め、捕る直前に前進、勢いをつけて、捕球後すぐ投球できるようにする
    ・遠投の投げすぎは、肩の疲労を招き、怪我につながるので、10球程度を目処とする
  Bクイックスロー(けんかボール)
    ・塁間から、塁間より少し短い距離(低いノーバウンドで届く距離)にて行う
    ・捕ってから投げるまでを早くすることが目的なので、投げる側は、相手がすぐ投げられる胸に投げること
    ・捕る側は、すぐ投げられる位置で捕球できるように、ステップして体の正面で捕る事を意識する
    ・集中力が続く、20〜30球程度が適当
−−以下、時々、練習に取り入れると良いメニュー
  Cワンバウンドキャッチボール
    ・ひじが下がるフォームの矯正に、有効な練習、捕球者も、バウンドの捕球練習になる
    ・塁間程度の距離でよい(クイックスローで行うと更に効果的)
  D下手投げ(トス)キャッチボール
    ・内野手は、試合中に短い距離で投げる(トス)、ケースが多々あります(あたりまえですが、練習が必要です)
    ・ボールを5本の指で、均等に握る(通常の握りと違うので注意が必要)
    ・ひじ、手首を曲げないように腕をまっすぐ後ろに引き、スナップを使わない事
    ・意外と難しく、練習しないと、試合で暴投になります(指導者は、練習しないで、試合で叱らないこと)
  Eけん制球
    ・塁間程度で、投げる側は、投手になったつもりで、1塁けん制(横向き)、2塁けん制(後ろ向き)を行う
    ・体(腰)の回転を使う練習になります
  F両足固定(左右)
    ・左右に肩幅程度に足を固定し、上半身のひねりとスナップだけを利用して投げる
  G両足固定(前後)
    ・前後に通常より少し広めに足を固定し、腰を落として、前方に1、後方に2、投げるとき3で体をゆっくり使い投球
    ・ステップの小さく、上半身のみで投げる選手、ステップがまっすぐできない選手に有効
  ※キャッチボールの相手が居ない選手がケース(人数が偶数の時)があり、指導者に相手になって欲しいとお願いにくる
    ケースがありますが、なるべく、選手同士(3名)で、行わせることが良いと思います。指導者が全体(他の選手)に目が
    行かなくなるからです。選手同士の自主性、チームワーク(協調性)を養わせることもできます。