長野峻也の日記(2006年04月)

2006/04/26 『イントウ・ザ・サン』に絶句・・・

スチーブン・セガールが日本ロケしたというこの作品。劇場公開の時に観にいこうと思っていて、忙しくて観逃し、先日、久しぶりに足を運んだレンタル・ビデオ屋さんで借りて観たんですが・・・(絶句)。

いや〜、「駄目な映画にしようと思って撮る監督はいない」という映画愛溢れる箴言を言った評論家がいましたが・・・(絶句)。

スチーブン・セガールは、高倉健、ロバート・ミッチャムが共演した『ザ・ヤクザ』をイメージしたと言っていましたが・・・(絶句)。

大沢たかおや寺尾聡、豊原こうすけ、栗山千明とか日本人俳優がいっぱい出ていて日米合作ハリウッド大作?という雰囲気は『ブラックレイン』をほうふつとさせてくれるんですが・・・(絶句)。

確かに、大沢たかおは松田優作が『ブラックレイン』で演じたサトーみたいで演技がバッチリだし、寺尾聡の枯れた存在感もナイスなんですが・・・(絶句)。

先にメイキングを見ると期待しちゃうんですが・・・(絶句)。

やっぱ、栗山千明が出てたらゴーゴー夕張みたいに活躍するだろうな〜とか思っちゃうんですが・・・(絶句)。

セガールは日本で合気道道場やってたぐらいだから、日本語ペラペラだからと思ってたんですが・・・(絶句)。

日本刀通の人間(セガール)が峰打ちで、「コ・ノ・ヤ・ロー、ブッ殺ス・ゾ!」と、タドタドしい日本語で無感情に言いながらベシベシと殴り殺すというのはいかがなものかと思うんですが・・・(絶句)。

私は、「劇場に観にいかなくて良かった・・・」と、心の底から思いました。

ゴメン、セガール。気持ちはわかるんだけどね・・・(絶句)。

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2006/04/26 『妖怪人間ベム』リメイク作がっ!

アニマックスで『妖怪人間ベム』のリメイク作が放送されています。

確か、10年くらい前にリメイクしようとしてパイロット版が作られたという話を聞いていましたが、その時は何故か企画が通らなかったみたいですね。

よく知られた話で、妖怪人間たちの人間体の時の三本指が差別的だということで自主規制されたらしいですね。

だから、そこがどうなってるのかな?と思っていたんですが、やはり、人間体の時は五本指になっていました(変身すると三本指になる)。

でも、こういう配慮って、何か釈然としないんですね。何だか、臭いものに蓋をしているように思えるのは私だけなんでしょうか?

座頭市や丹下左膳、『どろろ』の百鬼丸とか、身体にハンディキャップを持ったヒーローが活躍する・・・という構図は、初期の仮面ライダーにもあったし、ゴジラもそうでした。

妖怪人間ベムも、変身して醜い姿に変わるヒーロー像が斬新だった訳ですね。これは鬼太郎にも言えますが、シリーズが続くと段々、アイドル化するんですね。

今回の妖怪人間ベムには、ベロの友達になる女の子が出てきますが、これは鬼太郎のアニメ第三シリーズに出てきた夢子ちゃん的キャラを狙ってるな〜というのが読めて、ちょっとヌルイな〜という気もします。

けれども、あんまりハードボイルド過ぎるのも考えもので、アニメの視聴者があくまでも子供であるという点を考えると、今回のリメイク作の狙い目は間違っていないと思います。ゴジラがガメラに習って子供の味方になっていった時期を、私は決して嫌いではありません。

そういえば、日本映画専門チャンネルでも『流星人間ゾーン』を放送していて、ゴジラ対ガイガンが見れます。ゴジラ対ガイガンって、映画で三回、TVで一回やっている訳ですな〜。ゾーンファイターがピンチになるとゴジラが助けに来たり、スパーリングパートナーになったり・・・もう一度、ゴジラがTVで活躍してくれないかな〜。

とか思っていたら、ファミリー劇場で『シルバー仮面』が放送される!

スゲーよ。レインボーマンも見れるとは思わなかったけど・・・。

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2006/04/25 『シルバーホーク』は必見!

ミシェール・ヨーって、やっぱり変なオバチャンだよな〜。

日本でいうと黒木瞳のポジションにいる筈なのに、自分で企画した作品だとムチャクチャなB級アクションに走ってしまうのです。

特に、この『シルバーホーク』はアクション・バカっぷりが全開で清々しいくらい。

この人、年齢は私と同学年らしいから43歳ですよ。それなのにカンフーで戦うコスプレ変身ヒーローを自分で企画して演じてしまうんだから、もう、千葉チャンもギャフンと言ってしまいそうなくらいのアクション・バカですね〜。ここまでバカだと逆に応援しなきゃいかんと思ってしまいますね〜。

007に出た時は、宣伝で来日した時にボンド役のピアーズ・ブロスナンにベタベタくっついていて、『サユリ』の時は渡辺健にベタベタしてた・・・。このオバチャンはもう〜と思っていたんですが、『シルバーホーク』で斬新なアクションに挑戦しまくっている姿を見ると、なんかもう、この人の頭ん中はどうなってんのかな?と、段々、興味津々になってきます。

ストーリーは、バットマンと仮面ライダーを足してミシェール・ヨーで割ったような?なんともB級SFノリの作品なんですが、往年のハチャメチャ香港アクションを正当に継承したようなノリの良さはガキ魂にグッと来ます。

願わくば、ヨー姉さんが20代の頃にやってくれてれば・・・ってところなんですが、見た目は30ちょいくらいに見えるので、内心恐れていた程のオババ臭さは感じません。 それどころか、40過ぎても衰えない身体のキレは凄いです。

流石は、真田広之(『皇家戦士』)、ジャッキー・チェン(『ポリスストーリー3』)、ジェット・リー(『大地無限』)、ドニー・イェン(『厳詠春』)、チョウ・ユンファ(『グリーン・デスティニー』)等と五分に渡り合ってきただけの風格があります。

でも、スーパーバイクに跨がり、秘密兵器を駆使してギンギラ銀のコスチュームで戦うヨー姉さんは、何がそんなに楽しいのか、終始、ニカーッと白い歯を見せて笑い顔なのです。何だか、黄金バットのワハハハハハ・・・ッて声が聞こえてきそうでした。

それと、ヨー姉さんの少林寺の武術学校時代の幼馴染みだった警部が、『あずみ』の北村龍平監督にクリソツなのが気になって気になって・・・。

そんな『シルバーホーク』、日本ロケして撮ったので、なんか日本の特撮物っぽい印象もあります。でも、日本でリメイクするとしたら、叶恭子主演になるのかな?(セレブ女が趣味で正義の味方をやっているという設定なのだ)

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2006/04/22 皆様のお陰で、『あなたの知らない武術のヒミツ』絶好調でございます。

二刷目増刷分が書店に並んだか?と思った時期に、三刷目増刷も決定したという連絡を受けまして、もう、感謝感激雨あられでございますぅ〜(感涙)。

内輪の反響は今ヒトツで、「ホームページの文章と比べるとマイルド過ぎてインパクトが今イチ」みたいなキビチー感想を頂戴していたり、かと思えば、「これは凄い面白い。客観的に分析しているので説得力があるし、これまで曖昧な理論で語られていたことを、ここまで明確に解説した本は無かった。それと後半のアクション映画愛も愛嬌があっていいよ。今だから言うけど、以前の長野さんの文章は我が出過ぎていて読む人を選び過ぎてたと思うよ。それと比べると抑制が効いていて凄くいい出来だよ。これは売れるだろうね」と言ってくれる武友(新体道バカ一代)もいたり、感想は様々ですが、売れ行きを客観的に観察していると、予想以上に受け入れてもらえているみたいで、頑張った甲斐がありました。

色々と反省すべき点もありましたが、それは次回作で改善していきたいと思っておりまして、ただ一つ、「技の解説が無いのが物足りない」という御意見をいくつも頂戴致しましたが、これは意図的に外しました。

どうしてか?と申しますと、技術解説をやってしまうと、完全にマニア向けになってしまうからなんですね。そうなると、読む人が1/10くらいに減ってしまう。何しろ、武術・武道の本って、二千部売れたら万々歳の世界なんですよ。普通の本でその程度しか売れなかったら、その著者は出版社出入り禁止になっちゃいますよ。

大体の相場として、今の出版事情として五千部が最低ラインで、そこそこ売れたかな?というのが七千部くらい。一万部を越えたら万歳の世界。二万部以上は想定外・・・。まあ、そんな具合らしいですよ。

ねっ? 武術のコテコテ技術解説を避けた理由が解りますでしょ?

だって、出版社に企画出す時に、「武術を前面に出すと売れなくなるから駄目」って言われて困っちゃったんですよね。これは厳然たるデータとして、「武術・武道物は売れない」という出版業界の通念があるんだから致し方ありません。勘違いしている人が多いけれども、武術のブームなんじゃなくて、“甲野氏に代表される武術系身体論のブーム”なんですよ。コテコテの武術物で売れたのってほとんど無いんです。だから、せっかく声を掛けていただいた出版社に損させる訳にはいかない(以後の仕事が無くなるし・・・)ので、コアな武術ファンに向けて本を書く訳にはいきませんでした。

無論、千部売れれば十分という武術・武道専門の出版社から出すのなら、コテコテの技術書にしたんですけどね〜。

ですが、御安心くださいませ!

本で割愛した技術解説に関しては、ドドォ〜ンとDVDで紹介しております。しかも、今回は游心流で秘伝扱いにしてきた“交叉法”を理論的に解説しました。

撮影当日に手伝ってくれた会員さん達も青ざめてしまうくらい、突っ込んだ内容(でもシンプル)を実演解説しています。

言葉にすれば簡単でも、その奥に秘められた“理合”の意味は計り知れない奥行きがあります。

今回、敢えて秘伝公開に踏み切ったのも、研究が進んで一般公開できる段階的機密解除が可能と判断したこと(要は、「この程度までなら公開してもいい」と思えるくらい会員の水準が上がった)と、これまで自主製作で作ってきていたビデオ、DVDと同じ水準のものでは企画依頼してくださったクエストさんに申し訳が立たない・・・と思ったからです。

クエストさんで製作されているビデオ、DVDは、プロによって作られ、低予算のビデオシネマ並の金が掛けられています。素人レベルでは決してできない質の映像作品となる訳で、当然、企画も厳選されます。掛けた資金を回収するのは当然として、それ以上の収益があがるような作品となるであろう・・・と予測できて初めて企画が動くのです。

それでも、現実には掛けた資金を上回る収益をあげるのは武術物では難しいそうです。

そこに選んでいただくということが、どれだけ名誉なことであり、また責任を伴うものなのか?ということは、書籍やビデオの企画業をやってきた私には痛感されます。

ですから、『格闘技通信』誌の広告記事で私のDVD紹介が大きく掲載されていたのを見た時は、「クエストさんはここまで俺に期待してくれているんだ・・・」と嬉しいのが半分、後の半分は責任の重さを痛感しましたね(売れなかったらハラ斬りものだーっ)。

そんな次第で、「クエストさんで出す以上は、これまでの自主製作の延長でやってはいけない」と悩んだ末、「もう、交叉法を実演解説するしかないな」と考えた訳です。

恐らく、「あんな程度のものを秘伝だと騒ぐなんて、長野はレベルが低いやつだ」と嘲笑する連中もいるでしょう。「そんなことはとっくに知っていた」と・・・。

でも、はっきり申し上げておきます。

交叉法は万能の秘伝ではありませんし、多くの伝統武術の稽古体系の中に組み込まれているものです。その意味で少しも珍しいものではありません。むしろ、基本中の基本だと言ってもいいでしょう。

ですが、交叉法の意味を理解するかしないか? それによって、伝統的な武術の戦術に潜んだ一貫性、普遍性が観えてくるかこないか・・・という観の眼が得られるかどうかの決定的な差ができるのです。この差は、後々、とてつもなく大きなものになるのです。

そして、これは事実として明確に記しておきますが、交叉法の理合を感覚的に体得している人はいても、これを理論的に把握している人は非常に少ないのです。つまり、説明できない・・・。

感覚というものは個人的なものであって、他人に伝えるのは極めて困難です。そこに付け込んで法外な値を付けて売ろうとする山師が武術業界に多かったのも事実です。

他愛の無い素人騙しの見世物演芸を、達人の秘技のようにフカシて自己アピールする頭の悪〜い“武術家”がメディアを席巻したのも妄説が広まるのに力を貸してしまった。

そんな馬鹿珍道中の業界に嫌気がさして、実話路線を貫いた私が武道マスコミでハブされた時に(本当のこと書くと嫌がられるんだよね)、バックアップしてくれた会社の一つがクエストさんだったのです(もう一つは壮神社さんです)。

だから、私は受けた恩義を返さにゃならぬ(受けた侮辱は倍返し!)。

本で武術の背景を理解した上で、DVDで技術の真相を知っていただく・・・。

これが、私の今回の方法論であり、仕事師としての戦略です。私にチャンスを与えてくれたクエストさん、アスペクトさんの期待に応えて儲けていただいてこそ、プロです。

無論、本で武術の概略を理解していただいた上で、映像で技術を見ていただく・・・そして、興味を持った方にはセミナーに足を運んでもらって体験してもらい、更に情熱を持って学びたい方には稽古会に通っていただく・・・。こういう段階を踏むことは、武術という文化をより深く理解していただくために理想的なプロセスなんじゃないか?と思うんですね。

大体、「達人に学びたい」という無目的な欲求だけで闇雲に入門してしまう人が多いんですよね。自分のレベルも考えていないし、目的も曖昧なんです。中には一度にいくつもの団体に所属して、他所の技術を安易に見せびらかしてしまったりする人もいます。

はっきり申し上げて、私のところにもこの手の人達は少なからず来ます。最初は特に注意しませんでしたが、平気で他所の技術を教え出したりする人も多いので、最近は注意するようにしていますし、それでも直らない人は退会してもらったりしています。

厳しいと思われるかも知れませんが、それは認識の違いです。こういう真似は非常に失礼なのです。習いに来ているのに教えたがるのは師匠を侮辱しているのと同じです。

でも、その失礼さを自覚しない人は結構多いですよ。ガキだな〜。もっと世の中で苦労した方がいいよね。

私は研究家としての仕事と、武術教師としての仕事は別々に考えています。教えている時は教師として、研究家とはまた別のプロの自覚が必要だと思っています。技術だけじゃなくて、武術の伝える心得なんかも伝えたい。「技術だけ教えてくれればいい」と平然と口にする人はお断りです。達観したニヒリズムじゃなくて、こんな言葉を口にする人はただのバカチンだから、“キチガイに刃物”だもんね・・・。

もし、私が「わぁ〜い、本が出たぞぉっ。DVDも出たぞぉっ・・・」って喜んで自己満足に浸っていたら、プロではありませんよね。

頂戴した仕事を全力でこなして結果を出す。それがプロってもんですよ・・・。

今年は徹底してプロフェッショナルの仕事師に徹しますよ〜。

ちょっと、本の企画も考えてみました・・・。(2006/04/26 自主規制発動!) どっかの出版社の方、どうですか? この企画? ダメ?

追伸;
4月25日の水道橋夜間セミナーは、セミナー特価でDVD販売もします。技術解説もしますから奮って御参加お待ちしてま〜す。

追伸2;
4月30日の大阪セミナーでも、DVD販売します。

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2006/04/16 18日・25日の水道橋初心者体験セミナー

4月は月例セミナーをお休みしたので、急遽、新刊本を買った方に向けて初心者のお試し体験セミナーを毎週火曜日の夜7:00〜9:00に設けましたが、告知がギリギリだったために参加者は少ないです。予約無しの飛び入りオーケーですので、もっと沢山来ていただいて、大いに歓談しながら発勁・合気・縮地・交叉法に関する実技指導も交えてやっていきたいと思っております。

11日に参加された方は介護武術(甲野善紀氏ネーミング)に関心があって来られた方だったので、自然に介護に役立つ(かも知れない・・・)合気的な脱力して重心を操作して力のベクトルを外す技術などの説明になりましたが、私としてはもっと武術そのものの護身術としての用法に関する質問等を受けたいと思っております。

と申しますか・・・“介護に役立つ武術”という事柄をウリにしてお客さんを呼ぼうという観念は私には全くありませんので、武術そのものをより深く理解していただいて、その結果として「スポーツや介護や防犯や健康にも役立つ発見があって良かった・・・」と言ってもらいたいと思っているのです。

スポーツにしろ介護にしろ、無論、武術にしても同様なのですが、ある業界には、その業界特有の問題点というものが必ずといってよいくらいあるものです。

その問題点に対して外の分野から技術や知識を導入して問題点を改善していこうとすることそのものは非難される筋合いはありません。

しかし、だからといって、外野は所詮、外野であって、そこを勘違いすれば本末転倒となってしまうのです。

私が声を大にして言いたいのは、「もっと自分のやっていることを信じて追究しなさい」ということです。外の分野は、あくまでも参考にするだけにとどめて、本筋を外さないことが肝心です。

最近、伝統空手道の本作りの仕事をお手伝いしていて、伝統派では一世を風靡した師範に取材しているのですが、沖縄空手の秘伝に当たるような寸当て・縮地をこともなげに実演解説され、驚かされています。

武術愛好家の世界では、「現代武道は武術の真価を忘れている」という考えが一般的にありますが、結局は、「上にいけば同じなのだ」ということでしょう。

にしても、その師範の寸当て・肩当ての威力の凄さ、ステップワークに組み込まれた実践的縮地法の身体運用技術は見事です。屁理屈を唱えているだけのエセ武術家なんか瞬きの間で気絶させられてしまうでしょう。まさに電光石火です。本当に、今回の仕事は勉強になっています。

さて、そんな訳なんですが、18日・25日のセミナーでは、寸勁の打ち方、合気の使い方、縮地法の使い方、交叉法のやり方等について具体的に説明していきたいと思っております。

例えば、寸勁は、密着しないと使えない技法なんですが、一つのコツがありまして、相手の打ってくるタイミングに合わせた(対の先)クロスカウンター様に使うことで実用度が高まるのです。それは、空手の内受け・外受け・揚げ受け・流し受け・下段払い等の受け技からの変化として使うことができます。そこに前腕の捻り(陳式太極拳にいうところの纏絲勁)を用いて相手の攻撃の力の働くベクトルを擦過する瞬間にズラして働かなくしてしまうのです。

この手法と共に、交叉法の読みと合わせのタイミング、歩法で死角に位置取りすること等を組み合わせることで、小よく大を制する武術の戦術的戦闘理論が形成されている・・・という点を理解していただければいいな〜と思っています。

おっと、技術論は御法度にするつもりでした・・・。これら具体的な理論に関してはセミナーに来ていただくか、DVDを見ていただければ、概略は解っていただけると思います。セミナーの御参加をお待ちしております。

追伸;
『格闘技通信2006 No.396』のクエスト広告にて私めのDVD紹介も掲載されておりました。つい嬉しくなって、買ってしまいました(ミーハーだな〜)。そのせいなのかどうなのか判りませんが、池袋の小梅太夫?から、お祝い?の連続ヒツウチ電話と「SMクラブ“オアシス”でぇ〜す・・・」という2ショット・ダイヤルの登録確認?の電話を頂戴しました。サンキュー、小梅太夫。でも、オレはSMの趣味ないからさ〜。気持ちだけ受けとくよ〜。アンタも早くカワイイ彼氏ができるといいね〜。

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2006/04/16 『カンフーガール』の作者は誰だ?

新聞の広告で『カンフーガール』という小説が出て、発売忽ち増刷されたということで、「これは武術研究家として読まずばならぬ・・・」と思いまして、仕事帰りに駅なかの書店で見つけて買ってまいりました。

作者は“八神かおり”となっており、“自称・中国拳法研究家”なんだそうですが、これがまた、読んでみると異様なまでに武術への造詣が深く、そんじょそこらの格闘技小説や本格格闘技漫画なぞ足元にも及ばないような描写がされていて、本当に驚いてしまいました。「これは、ひょっとして中国武術業界で名のある人物がペンネームで書いているのではあるまいか?」という疑念が・・・。

何せ、主人公の女子高校生は沖縄少林流空手を過去に学んでいて、カンフー映画の大ファンでラーメン屋の親父から武式太極拳を学ぶ・・・という話なんですが、この練習内容の描写が、絶対に自分でやっていないと書けない描写なのです。

文中に出てくるウンチクのレベルもハンパではなく、私の知る限り、このレベルで書ける人物として思い浮かぶのは、中国武術研究家のK尾先生か、あるいは中国武術ライターのN村さん・・・それくらいしかいないように思えました。

まず、ウンチクだけあっても文才が無いとアウトだし、やったことのある人間でないと解らないような描写があり、中国武術に限らず、禅だの格闘技だの古流武術だののウンチクもある・・・、そして、決定的なのはユーモアのセンスのある人間でないと書けないという点です(ついでに関西弁のできる人?)。

残念ながら、私には書けません。参りましたっ!

そんな『カンフーガール』、タイトルがあんまりですが、『格闘美神・武龍』よりギャグが面白く、『バキ』より中国武術の描写が正確っスよ。本当に誰が書いてんだろ?

小説のテイストとしては、中島らもの『超老伝(カポエラをする老人)』に雰囲気が近い感じもします。月9で実写ドラマ化しないかな?

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2006/04/12 今年もお花見やりましたっ!

今年の桜は咲いている時期が長いみたいですね。

私が帰郷している時期が最盛期だったので、その一週間後にはほとんど散ってしまっているだろうな〜と思って、お花見は諦めていたんですが、ところがどっこい、まだまだ花の盛りは続いておりました。

それでは!と思って、急遽、お花見をすることにしまして、9日(日曜日)の太極拳講座が終わった後、地元、相模原市渕野辺駅近くの鹿沼公園にて游心流お花見会を開催しました。

駅の改札に集合して駅前に新しくできた総菜屋さんでお弁当だの何だの買い込んで公園に直行!

昨年より参加人数が増えて賑やかにできました。

前日は小雨が降ったり強風が吹いたりで、大丈夫かな〜?と心配していたものの、鹿沼公園の桜はしぶとく咲いており、むしろ、満開の時よりも桜の花びらが舞い落ちてきて、いい風情です。やっぱり、桜は散り際が最高ですね。

以前、頂戴していた秘蔵の紹興酒(12年物)や清酒、チューハイ、ビール、ワインとドンドン空けて飲みまして、皆、立木に掌打や回し蹴りを入れたり(立木打ち?)、拳法の型を演じ始めたり、段々、危ない集団になってきました。

私は昨年のムチャ飲みに懲りてチビチビ飲んでいたんですが、やっぱり、酒が入ると酔拳やっちゃいますよね〜(この写真もHP載ってるのか?)。

日曜日は少し風がある程度で天候にも恵まれて、他にも花見客が結構いましたが、キャッチボールできるくらいの余裕があったので、かなり長い時間、居座ってしまいました。

ちなみに、この公園。ダイダラボッチが踏んだ跡が池になったという伝説のあるところなんですが、ホモのハッテン場だという噂を聞いて、以前は練習に利用していたんですけど、最近は怖いから足が遠のいていました。ついでに、数年前にトイレで殺人事件が起こって、これも実はホモがらみの事件だったという噂を聞いて、ますます怖くなってしまったんですが、そのトイレの上に咲いている桜が、何故か最も綺麗で、これは死人の血を吸って狂い咲いたのかな?なんて、ちょっとホラーな想像をしてしまいました・・・。

そういえば、何年か前にも、ここでお花見をしましたが、今回は当時のメンバーは一人も残っていません。皆、元気でやっているかな〜?

游心流も流派を名乗って活動し始めてから、今年の秋で8年になります。紆余曲折するのが当たり前のように、何度も何度も沈みかけては浮き上がり、何とかここまでやってきて、今は新しい展開をしようとしています。本とDVDが同時期に出せたのも何かの縁でしょう。

師範代も三名、任命しました。まだまだ腕前が足りないかな?と思っていたら、いつの間にか相当なレベルになってしまっていました。私が追い越されないようにするのが精一杯ですが、越されるのも時間の問題でしょう。それが自然な流れなんだし、他流を長くやってきていた会員さんの中には私より実力のある人もいます。才能がある人もいます。元々持っていたものが磨かれて一気に実力開花しつつある人もいます。私に欠けていたものを彼らが補ってくれ、彼らに足らないものを私が教えられればいいと思っています。

武術というものは何と面白いものなのか?と思います。戦闘の技術を学ぶものなのに、戦闘を阻止する術を目標にする・・・その具体的な方法論がちゃんと伝えられている。

剣術の理・空手の理・合気の理・中国武術の理・手裏剣の理・・・色々な技を研究していて、それぞれ独自の理があって、更にそれら全てに共通する原理もある。こんな幅広く内容の深い面白いものを、単なるガチンコ格闘の強さだけで解釈しようなんて底が浅い認識でいても宝の持ち腐れになってしまいます。もったいない。

一人で練習する基礎錬体と、二人で練習する対錬、そして、研究。この中に、膨大な情報量から凝縮されたエッセンスを絞り込むことに腐心して十年以上が経過しました。付け足したり削ったりの試行錯誤と、新たな研究テーマが出てきて根を詰めて熱中する時期があったり、間違いに気づいて直したり・・・これはもう、一生かかっても終わらないでしょうね。

20代前半までは、「これさえできれば達人になれる」と思い込んで憧れていた発勁や合気といった技の正体が解って、少しも神秘的なものではないことが判明して、自分でもそれ相応に使えるようになっても少しも達人の域には到達できず、世にいう“達人”の実体が判って白けてしまった後、さてそこからが本当の武術探究となった訳で、今が最も楽しいんですね。この楽しさは追究してきた者にしか判らないでしょうね〜。

うちのセミナーに参加した人は、達人しかできないと言われていた秘伝の技が、実は物凄くシンプルな原理によって構築されているものなのだ・・・という事実に愕然となってしまう場合が多いみたいですが、そこで喜んだりガッカリしたりする先に本当の武術の面白さが有る訳で、それを知って欲しいから秘伝だの何だのと言われている技の原理解明をやっている訳です。それだけ知って、全部解ったつもりになってもう来ないという人も多いんですけど、私はドンドンドンドン、先に先に進んでいきますよ〜。「三カ月も経過すると、游心流は全然違うものになっている!」と、ビックリさせたいですね。同じ地点に立ち止まってグズグズ判ったつもりで喋ってるのって、私ははっきり言って大嫌い。毎回の練習で、ほんの少しでも向上している実感が無いと嫌なんです。

手裏剣の刺さり方の感触一つ、剣の太刀風の鳴り方一つ、交叉螺旋突きが決まった瞬間の拍子一つ・・・これらのビミョーもビミョー、大ビミョーなニュアンスの違いが、武術の真贋の別れ道なのです。それこそ、解答の出ない永遠の謎を、ただひたすら探究するのが武術修行というものですよ。少なくとも私はそう思っています。

ホームページを新しくしてから演武の動画や武術の技の話とか極端に少なくなって残念だという御意見も頂戴するんですが、自分でやりもしない人に技術の知識だけ与えても、オタク化が進行するだけでしょう? 百害あって一利もありません。技術論はセミナーに来てくれた人にだけ話そうと思っていますし、DVDや本を今後はどんどん出していきたいな〜と思っていますから、ホームページでの技術論はなるべくやらないでおこうと思っています。人間は情報はタダだと思い込むと、途端に礼儀知らずになりますよ。町場で見かけた芸人に「何か面白い芸をやってみせてくれ」と言うようなもんです。見世物じゃないんだから・・・。

まあ、来年の春も楽しい花見ができるといいですな〜。

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2006/04/12 印誠功法研究会日本総会訪問

有楽町線“江戸川橋駅”から徒歩3分ほどに、現代中国武術界の十大名人の一人だった王培生老師の技を伝える高小飛先生の道場、“印誠武術館”があります。

高先生は、私と同じ1963年生まれ。その発勁の威力は現在の日本の中国武術界でもトップレベルでしょう。私は、雑誌取材の時に中国武術経験のあるライター氏が推手で跳ね飛ばされて壁に張り付いてズルズルッと落ちてきたのを実際に見たことがありますが、実際にこんなことのできる人を見たのは初めてでした。

もう、唖然とするしかありませんでしたけれど、高先生の風貌と技の凄まじさのギャップの激しさにも唖然とさせられたものでした。

それからのお付き合いですが、高先生にはお世話になっているばかりで、何とか少しは恩返ししたいものだな〜と思っていました。

で、今回は、もっと高先生の存在を一般に知って欲しいと思って、DVD企画等のビジネス上のミーティングを目的にして行ったものですが、私の方が何かとゴタゴタしていて延び延びになっていたもので、高先生の八卦掌クラスに通っている会員さんと待ち合わせをして連れていってもらいました。

久しぶりにお会いして、先年亡くなられた王培生老師の追悼祈念写真集等を見せていただいたり、練習風景を見学させていただいたり、その後は近くの中華料理店で御馳走になってしまい、またもや一方的にお世話になってしまいました。一応、私も本とDVDを差し上げたのですが、記念演武会のDVD等も頂戴してしまったので、やはり・・・。

高先生は、呉式太極拳に、八卦掌は、程氏・尹氏・劉氏の実に三派も貴重な拳種を伝えられており、おまけに気功、呉式刀・剣・槍も伝えられています。

そして、個人個人に沿った指導で細かく丁寧に教えられるので、非常に密度の濃い内容の武術本来の持ち味が学べるのです。

その上、あの激烈な発勁!が学べるのです。

高小飛先生の印誠功法研究会日本総会は、江戸川橋駅1a出口から出て護国寺方面に歩いて3分。文京区音羽1−26−9和田ビル2Fに道場があります。木・金が太極拳クラス。月が八卦掌クラス。日曜は武術研究クラスとなっています。

詳細は、http://www.geocities.jp/fangqh69/index.htm を、ご覧ください。

追伸;
高小飛先生が演武解説しているDVD『王培生伝 劉氏八卦六十四掌』が4月20日にクエストより発売されます。これは以前にビデオ版が出ていたものですが、要望が大きく、今回、DVD化再発売されたものです。散手という実戦用法主体に編纂された八卦掌の套路と、参考として、基礎錬体法、程氏・尹氏の八卦掌套路も紹介されています。程氏は程廷華が伝えて民間に広く普及したもので、竜爪掌という指を開いた手のひらの形に特徴がありますが、尹氏は尹福が伝えた宮廷警護の秘密武術として一般化せず、牛舌掌という指先を揃えた貫手の形に特徴があります。この両方の八卦掌を伝えているところに印誠派内家拳の真骨頂があります。是非、DVDで観てやってください。

それと、王培生老師の演武されているシーンも入っている中国製VCDも拝見したんですが、これが物凄い! 恐らく大東流の佐川先生の技というのが、こんな具合だったんじゃないかな〜?と思いました。

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2006/04/12 FAXで激励文を頂戴しました!

游心流 長野峻也先生

06,4,9

「武術のヒミツ」を読んで幸せな気分です。

いつも貴殿のホームページを読んで、体の動きについて勉強しておりました。それが突然、この正月、游心流のホームページが・・・(中略)・・・そんな中、ついこの前、本屋の武術コーナーに、この「武術のヒミツ」を発見。思わず購入したのです。游心流はどうなったのかと心配していたのですが、この本は最近の出版で、元気そうな先生の記述。安心しました。

また、ホームページも、游心流に関連するページを探していたら、目立たない所にありました。さっそく開くと、先生お得意の日記。これは武術にとどまらず生活全般に関わる貴重なものが多く、いつも楽しみです。「武術のヒミツ」では、「骨盤」を意識することで心身の活動を改善するという事が判りかけてきました。私は武術を研究することで、ゴルフや社会生活を改善しようと心掛けております。これによって活かしたいと思います。

また、先生の常々おっしゃっている「武術は、健康や自己防衛のためにあり、さらに心身を高めるためである」というのは、とても同感します。私は平凡な会社員であり、会社の仕事の遂行のためにも、武術の鍛練は効果があると思います。

私は武術は本でもっぱら研究し、不断は会社員であり、余暇でゴルフしたり、ウォーキングしたりと、鍛練はわずかでしかありませんが、身体操作を研究して少しでも健康に努めたいと思います。

今後も素晴らしいコラム、著作を期待しております。「武術のヒミツ」と「再発見のホームページ」にあって嬉しくなってFAX致しました。

どうも失礼致しました。

・・・と書かれてありまして、ホームページのスッタモンダによって御心配をおかけした人が随分多かったんだろうな〜と思いました。

丁度、本が出る直前だったので、「まあ、いいか? 出会いも別れも運命だよな」と思っていたんですが、こんな具合に心配していただいて陰で応援してくれている方がいらっしゃるというのは、本当に有り難いことです。

そんな訳で、私も嬉しくなって御紹介させていただきました。

このFAXを下さった方は関西在住の御様子ですけれど、丁度、30日には大阪セミナーをやりますので、御都合が宜しければ御参加いただけると嬉しいですね。こういう方だったら参加費無料でも教えちゃいますけどね〜(うっかり口が滑っただけです・・・)。

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2006/04/09 桜の季節に思い出ができました・・・

やっぱり、日本人というのは、桜の花が好きですよね。

私も、20代くらいまではそんなに関心も無かったんですが、30代から段々と桜の咲く季節が楽しみになりまして、今では一年のうちで一番、この季節が好きです。

桜の美しさは満開の時の豪奢な咲きっぷりも良いものですが、やはり、風に吹かれて舞い散る花びらの散り際にあると思う人が多いでしょう。

長いこと、心臓病と闘ってきていた父が4月の1日未明に亡くなりました。

まあ、最初に倒れてから心臓病だというのが判って、いつまで生きられるものか?と思いつつ、9年も生きていてくれたので、悲しいとか残念だという感情はあまりなく、むしろ、「よくぞ、ここまで頑張って生きていてくれたな〜」と、昔から尊敬していた父ですが、また改めて散り際の見事さを示してくれたように思えて、尊敬し直しました。

 私は父に怒鳴られたり叩かれたりしたことが一度もありません。長く教員を勤めていたので教え子は物凄い数になるはずと思いますが、恐らく、父に怒鳴られたり叩かれた人はほとんどいなかったのではないか?と思います。

生前から“人格者”と周囲に言われて、それはお通夜、お葬式の場でも全く同じでしたけれども、ここまで誰からも悪く言われず尊敬される人柄だった父から、私のような毀誉褒貶の激烈な息子が生まれるというのは、何という因果なのかな?と笑ってしまいそうなのですが・・・。

心臓病の手術をしたのは去年の10月でした。「難しい手術だから、家族はなるべく全員揃っていて欲しい」という担当医の先生の話を弟が電話してくれたので、私は丁度、会の内部のトラブルが進行している最中で頭が痛かったのですが、それこそ、これが父と会える最後になるかも知れないと思って帰郷しました。

手術はなんとか成功しましたが、執刀された大学病院の先生も「これまで執刀した中でも最も難しい部類の手術でした」と言われた通り、心臓の筋肉の過半が壊死して働いておらず、三つある冠状動脈が三つとも詰まってしまっている・・・という9年前に診断された状態から緩やかに病状は進行していて、手術の成功も奇跡的と言っても過言ではないくらいでした。

その後、とりあえず私は神奈川に戻って普通に仕事に専念していましたが、「手術後の回復が遅い」という母や弟の連絡を受けても、これまた丁度、本とDVDが進行中で、そうおいそれと帰郷できずにいまして、弟の電話にも、つい、いらついてきつい口調になってしまいましたが、「介護している者の辛さが兄貴に判るか?」と言われて、本当に何もできないでいる立場で反論の余地もありませんでした。

しかし、できあがった本を送ったら、父は大変に嬉しそうに眺めていたそうです。

もう、手にとって読むような体力は残っておらず、中身は読んでいなかったでしょうから、火葬にする前に柩の中に父の愛用品や母の出した短歌集(母は趣味で短歌を詠んでいます)、父が母校の同窓会活動を熱心にやっていた時に出した校誌等と共に入れました。

何とか、生きているうちに出すことができて良かったと思っています。

実を言うと、アスペクトの本の編集担当者の方が、私の父が余命いくばくもない状態だということを知って、何とか早く出せるように骨をおってくれていたのです。

本当に御礼の言葉もないです。

本音では、DVDも見て欲しかったし、私が活躍しているところを十分に見せて喜んで欲しかったんですが、もう、生きていることそのものが苦痛を長引かせているだけの状態で、度重なる心臓マッサージの電気ショックで胸は火傷痕ができていて、「もう、頑張ってくれなくていいよ。楽になって逝ってくれ」という気持ちで最期は看取りました。

後で聞いた話では、手術で入院する前に、私に「ちゃんと結婚するように言ってやってくれ」と話していたそうで、散々、心配かけた揚げ句に、最期まで心配させてしまっていたんだな〜と、申し訳ない気持ちでした。

だからという訳ではないと思いますが、私が帰ってくるのを待っていてくれたのかな?と思うタイミングで亡くなったので、遠方に住んでいる私は父の死に目には会えないだろうと諦めていたものを、思いもよらず父の死を看取ることができました。

逆に、晩年の父の面倒を一番身近に看ていた弟は、天草には単身赴任していて土日には妻子のいる熊本の家に戻る・・・という生活サイクルだったので、父の死に目に立ち会うことはできませんでしたから、何だか、一番、貧乏くじを引かされてしまったみたいで可哀想でした。一番の親孝行をしていたのが弟でしたから・・・(でも、弟が一番、父の性格を継いでいますね)。

通夜や葬式の段取りや法事のこと等々、実際に父が死んでしまうと、その日のうちにやらなければならないことが山ほどあって、正直、感傷に浸っている暇なんかありません。

駆けつけてくれた親戚の助けが無ければ何もできなかったでしょう。面倒臭がって親戚付き合いをほとんどしなかった私は、一所懸命に家の掃除や葬儀の手伝いをしてくれている伯母・叔父・叔母や、従姉妹の存在を、こんなに有り難いものだと思ったことがありませんでした。帰郷した時に挨拶くらいはきちんとしておくべきだったと反省させられました。

いつどうなるか判らないという覚悟はしていたつもりでしたが、まさか、こんなに突然、死んでしまうとは思っていなかったので、当然、私は喪服なんか持っていません。

これは困ったな〜と思ったものの、私は身長が父とほとんど一緒で、昔は痩せていたものの(最も痩せていた頃は48kgしかなかった。今は75kg過ぎてます)、30過ぎてからはかなり太っていたので体型が父と同じくらいになっているのではないか?と思い、父の礼服を探して着てみたところ、これがあつらえたようにピッタシで、流石に驚かされました。

それでは、この礼服を形見として貰おうと決めて、早速、それを着て式に臨みましたが、体格が同じで本人の服を着ているせいもあったでしょうが、親戚の人達に父にそっくりだとかなり言われて照れ臭かったです。父は若い頃は宇津井健そっくりで俳優みたいだったので、「お父さんと比べると大分、落ちるね〜」とか言われていたので・・・。

顔が似てるというよりも、父も40代くらいでかなり白髪頭になっていたので、その印象のせいだったかも知れませんが・・・。

そういえば、何年かぶりで父の姉に当たる伯母さんに会ったら、婆ちゃんにあまりにそっくりなので驚いてしまいました。もう、瓜二つに見えたんですが、後でアルバムを見てみると、それほどでもありません。むしろ、もう一人の伯母さんの方が顔立ちは似ていました。多分、外見よりもオーラとか、そういう雰囲気が似て見えるのかも知れませんね。

しかし・・・故郷から離れて20年以上経過している私には、地元にほとんど知り合いはいません。弔問に訪れる人達のほとんどが、生前の父と、母と、兄と弟の関係者で、私の知っているのは親戚くらいです。

正直、肩身が狭かったですね。

ところが、「太極拳講座を休みます」と、シダックスに電話していたところ、そこから会員に伝わったらしく(気を使わせたくなかったので、敢えて連絡しませんでした)、どこからどうやって調べたものか、式場に“游心流武術健身法弟子一同”として弔電が届いていまして、何とか面目が保てました。

後で聞いたところでは、私と地元が同じだった会員が地元の式場に電話をかけまくって調べたそうで、本当に私は、優秀な会員さん達に恵まれているな〜と、感動しました。

今回、父の逝去で、色々なことを考えました。

家族のこと・郷里のこと・親戚のこと・兄弟のこと・親子のこと・会のこと・弟子のこと・仕事のこと・老いるということ・・・等々。

特に、病院で昼夜関係なく重病の患者さん達を救おうと頑張っている人達の姿を見ていて、私は

“武術”を研究する時に、敵を破壊するやり方ばかりに偏り過ぎていたと反省させられました。やはり、もっと予防医学的な“健身法”に力を入れるべきでしょう。

幸い、そちらの方をメインにやりたいと申し出てくれた会員さんもいます。

これは、帰郷する前から話し合いをしてはいたのですが、今後は、游心流の活動を具体的に暖簾分けの形で、師範代を任命した人に支部活動をやっていってもらおうと思っています。

自主製作でない本やDVDが出せたりしているのも、そういう時期が来たのかな〜と思っていますが(無論、これまで一所懸命、DVDを作ったりセミナーを手配したりして手伝ってくれていた会員さん達のお陰です。今いる場で頑張って活躍してもらいたいと祈っています)、こればっかりは私独りの力でできることではなく、会員さん達が育ってくれたからこそ、できることです。

そして、武術の価値が本当に世の中に認知されるためには、それが人間の総合的な質を高める訓練法になりえるものだということを、具体的に育った人が示すことでしかなし得ないでしょう。

私の父の好きだった言葉は、「為せば成る。為さねば成らぬ、何事も。成らぬは人の為さぬなりけり」でした。

努力と根性から最も遠い性格の私が、この言葉を実践するにはただ一つ! 

「為す道を楽しむ」ということです。

毎年、桜の咲く季節には、私は父の死に様の見事さを思い出すでしょう。

そして、私も父に負けない死に様を見せたいものです。そのためには、生きているうちに自分に与えられた仕事を全力でやっていかねばならないと思っています。でないと死んだ後で父にあわせる顔がありません。

追伸;
ここ最近、本が出てから特に、2ちゃんねる掲示板で私の誹謗中傷文の書き込みが酷くなっているのだそうですが、恐らく、その中に元游心流会員のKM君がいるものと思われます。彼は、専門医の診断で“多重人格障害”の症名を受けておりますが、現在、行方不明となっており御家族から捜索願いが出て、私も相談を受けております。もし、2ちゃんねる掲示板で書き込みを続けているのであれば、既に犯罪の領域に踏み込んでしまっており、このまま放っておけば法律で処罰されることになるでしょう。K君のお母さんは心労で大変な状態であると聞いています。K君。これを読んでいれば、即刻、家に帰りなさい。年とった親を悲しませちゃいけない。もしも、金に困っているのなら、交通費くらいは出してやるから私に連絡してください。またもし、2ちゃんねるを読んでいる方がいらしたら、私及び游心流の誹謗中傷文を書き込みしているのはK君である可能性が高いので、実家に帰るように説得してやってくれませんか? 何度も何度も同じ過ちを繰り返すのは自分の力ではどうにもできない証拠でしょう。どうか、力を貸してやってください。宜しくお願いします。

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2006/04/09 『SPIRIT』を見なさい!

ジェット・リー最後の武術映画という『SPIRIT(原題・霍元甲)』を見てきました。

霍元甲といえば、中国武術の世界で英雄的な存在で有名で、日本人武道家と試合して勝ったのを恨まれて毒殺された・・・というのが定説として知れ渡っており、その伝説を元ネタにして『ドラゴン怒りの鉄拳』ができた・・・というのも結構、知られた話です。

この辺りの映画の背景については、学研から出ている『功夫の必殺技大図解』に書かれているので、こちらを参照していただくとして、この作品はジェット・リーが、長く武術映画のヒーローを演じ続けてきて、恐らくは、内心で不満に思っていただろう「武術は戦いのためだけの技術ではなく、むしろ、争いを止めるためのものなのだ」という武術の精神性を描くことにこだわった最初で最後の作品となっています。

多分、ジェットも、もう、いい加減に無敵のヒーローばかり演じることが嫌になってきたんでしょうね。彼の顔立ちからして、格闘の強さを求めるタイプではなく、黙々と修行に励んで内面の充実を求めるタイプなのが明らかだからです。

だから、映画の宣伝で来日した時も、女性レポーターから「簡単な護身術を教えて」とせがまれても、「逃げなさい」と心得についてしか話さず、頑として軽薄なテクニックを見せびらかすような真似をしなかった・・・。偉いです!

そんなジェットが自らの武術映画の集大成にしようとしたこの作品は、主人公が典型的な武術家気質で、自惚れて過ちを犯し、その代償に母と娘を殺され、更に復讐に赴くと犯人は自殺し、その妻と娘を目前に自分と同じ立場になっていることを自覚して罪の意識に苛まれて失踪してしまう・・・。

そして、少数民族の住む山の農村で、盲目の娘と老婆に助けられて数年を過ごす。

そこで生きる気力を取り戻した主人公は家に帰り、過去の過ちを清算し、更に中国人民の自信を取り戻すべく、外国の武人との試合に臨む・・・。

まず、傲慢で粗野なジェット・リーというのが初めてで、それが打ちのめされて再生するまでの過程が見所の一つ。

私は、何となく昨年夏に参加させていただいた山梨の白州の田中泯さんの暮らしぶりを思い出しました。

田植えをしている最中に、風が吹いてくると手を休めて身体でゆったりと風を受ける農民たちの姿に、気功の原点を見ているような気がしますし、田中泯さん達の舞踊が、そんな農作業と地続きになっているような印象を受けたのを思い出しました。

再起したジェット・リーは、単に相手を打ち倒すのではなく、傷つけずに勝つ。

特に、日本の九鬼神流武術の遣い手を演じた中村獅童は、毒を飲まされて血を吐きながら戦う主人公と堂々と戦いながら、形の上では勝ったのに、手加減されたのに気づいて主人公の勝ちを宣言し、食ってかかる日本人高官を睨みつけ、「お前は日本人の恥だ!」と一喝してのける・・・。獅童ちゃん、カッチョエエ〜!

ラスト。「必ず帰る」と約束した通り、霊体となって山に戻った主人公が、草原で拳法の形を演武していると、盲目の娘がやってくる。彼女には心の眼で主人公が観えていたでしょう・・・。『SPIRIT』という題名の意味がよくわかりました。

ところで、この作品で、ジェットと獅童がお茶を飲みながら話をするシーンがあるのですが、「武術の流派に優劣はない。あるのは自身の技量の優劣のみ」とか、「技を競うのは勝ち負けのためではなく、互いの向上のため」といったジェット自身の考えらしき言葉が話され、実に考えさせられるものでした。

私も、最近、武術で強くなるということに急速に興味が無くなってきています。

武術家だの達人だのと威張ってみても、人間性が貧しいのでは何の意味もないんじゃないか?と思えてきたのです。

逆に、心の弱さや貧しさを隠すために、武術の強さにしがみつこうとしているのではないか?と思える人があまりにも多過ぎるように思えて、何だか、見苦しいんですね。

それに、他人が強いとか弱いとか、そんなことが自分にとって何の意味があるのか?

武術の修行って、自分を向上させるために取り組むものであって、他人が強いとか弱いとか、そんなことは全然、関係のないことです。他人に認めてもらうためにやるもんじゃないでしょう? 道楽というのは、自分がやりたいからやっているというだけの話。

ほっといてくれって感じなんですね。

そんな訳で、武術修行について色々と考えさせてくれる『SPIRIT』。無目的に武術に取り組もうとしている人達は、是非、観て、考えていただきたいものです。

PS;
クエストさんから出る4月20日発売予定のDVDが既にあがってきております。11日の水道橋セミナーから販売するつもりですので、早く入手したい方は是非、どうぞ。ちなみに、4月の三回連続セミナーは、『あなたの知らない武術のヒミツ』を更にディープに解説実習(合気・発勁・縮地等々)をしていきますので、初心者の方、是非、いらしてください。前回、交叉法の回に初参加された方は相当に面食らっていらしたみたいで、やはり、いきなり交叉法ってのは無理があり過ぎたかな〜?と思っております。

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2006/04/07 『宇宙船』イヤーブック2006が出てた!

休刊してしまった特撮雑誌『宇宙船』の年間総括特集本イヤーブックが、今年も出ておりました。

まさか、イヤーブックが出されるとは思いもよらなかったので、書店で見かけた時は昔のものなのか?とか思ったんですが、手にとってみると牙狼や新作についても出ているので昨年のものじゃない。

で、これは買わずばなるまいと購入してきました。

相変わらず、老舗としての内容の濃さは類書と一味違う。

これを読むと、やはり、『宇宙船』自体も復刊して欲しいものと願わずにはいられませんね〜。

何しろ、特撮物の映像作品は増加しているのですし、CSで過去の作品に初めて触れる人も多くいるはずなんですから、ニーズはあると思うんですね。書き手だって沢山いるだろうし、たとえば、『特撮ニュータイプ』で女必殺拳シリーズの批評を書いていた人なんて、面白いと思う。

マニアの心情に合わせて真面目に書けばいいっていうものじゃないんだし、これは、武道雑誌にもいえることですが、適度に“お笑い”が入ってないと、読んでいて疲れると思うんですよね〜。

という訳で、『宇宙船』復活のあかつきには、是非、私めにも何か書かせてつかーさい(って、単なる売り込みでした。お粗末!)。

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2006/04/05 お〜! マジで『武術(ウーシュウ)』が復活?

学研から出ている武術ムック・シリーズの新作が早くも出ていました。

これが、ぬぁ〜んと! 『功夫(“いさお”ではありません。カンフーと読んでね)の必殺技大図解』というタイトルで、丸まる全部、中国武術に関する特集ムックなのです。

いや〜、まさか、私の辛口意見がダメ出しになって編集部に届いたとも思えないんですけど、これはもう、かつての『季刊・武術(ウーシュウ)』の復活とも思える内容で、前回と違って初心者にもやさしく、でも、内容は薄まっておらず、文章も堅苦しくなくて、とてもGOODなバランスで、私はもう感涙にむせびながら読みましたよ(スマン。ちょっと大袈裟です・・・)。

武侠物の第一人者ジェット・リーが、「マーシャルアーツ・ムービーのラストにする」と宣言して臨んだ映画『SPIRIT(原題・霍元甲)』の紹介に始まり、映画の主人公であり実在の中国武術界の英雄である霍元甲の紹介、そして、霍家秘伝の迷蹤芸(秘宗拳)・形意拳・通背拳・楊式太極拳・孫式太極拳・八卦掌・長春八極拳・心意六合拳・長拳・自然門・洪家拳といった門派が紹介され、武器(中国武術では“兵器”とか“器械”と呼ぶ)も紹介・・・。

その中で、「形意拳の表看板ともいえる五行拳は心意六合拳にはない。五行拳は道教の陰陽五行説に則って編纂されたものだからだ」と書かれていたのには、「うむぅ〜。なるほどぉ〜」と、納得させられてしまう。形意拳と心意六合拳の違いについて、こんな具合に書かれているのは私は初めて読みましたけど、これ書いたライターの方は立派です。・・・とかなんとか書いていたら、「死ね、死ね・・・黄色いブタをぶっ殺せ〜・・・」ってな危ない歌が聞こえてきました・・・。『レインボーマン』が放送されていたのです。“死ね死ね団の歌”ですね。

 口のきけない女の子に化けていた全身白づくめの魔女アイスリーが樹の上からレインボーマンにツララを投げ付けております・・・。あっ、アイスリーがやられた。で、なぜか、化けていた女の子の可愛らしい思い出のイメージ映像が・・・どういう演出意図?

確かに、この女の子は可愛かったですけど・・・あっ、次回はジェノバードが登場。

はっ、スンマセン。ついTVに観入ってしまいました。

え〜っと・・・何を書くつもりだったか、すっかり忘れてしまいました。

とにかく、学研の武術ムック・シリーズの定着化を祈っております。

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2006/04/02 天が呼ぶ・地が呼ぶ・人が呼ぶ・・・?

『あなたの知らない武術の秘密』が、出足、絶好調みたいです。「なんで、こんな無名の人の、しかも武術なんて、どマイナーな分野の本が人気があるの?」と、出版社の方からも驚かれてしまいましたけど・・・私も、「今度の本は武道本の中でブッちぎりで一位になったりして・・・」なんて思ったりしていたんですが、ちょっと、予想以上です。

ナンバとか気とか帯に書いてあるから、大抵の人が、その手の健康法を解説した本なのかな?と思って手にとるのでしょうが、ある意味で予想していたのと真逆の内容なので、ビックラこいちゃって、これはきちんと買って読まねば・・・と購入していただいているみたいですね。

少し大きめの本屋さんに行けば置いてあると思って、相模原駅前のビルの書店で「ここは武道コーナーが充実しているので、有るだろうな〜」と思って見てみたら・・・無い。

ちょっとガッカリして、店内を回って、タレント本やサブカル本のコーナーを見ていたら、ぬぁ〜んと・・・サブカル本のコーナーに有るではないですか?

確かに、内容的に考えると“武術版トンデモ本の世界”みたいな内容だし、育毛の話とかアクション映画俳優の話とか、後半はシュミに走り過ぎて別の本みたいだからな〜。

テーマになっている武術についても、普通は著者か専門家の師範の演武写真が載っているものなのに、秘伝といわれて「長年修行した達人でないとできない」といわれていた技を素人の女性にやらせてしまっているという、ある意味で専門家から嘘つき呼ばわりされそうな掟破りをテンコ盛りにしているので、そりゃあ、武道のコーナーに置くのははばかられるでしょうな〜。

まっ、サブカル本コーナーに置いてもらって、武術とかやったことないけど興味は有るみたいな人に読んでもらった方が、私的には満足です。

4月20日にはDVDも出ますが、これがまた、本と併せて見ると日本全国にプチ達人を大量発生させちゃいそうな代物なんですよね〜。特にセミナー風景を映した特典映像がバーストしてまっせ〜。

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2006/04/01 三尺二寸大太刀完成!

南北朝時代の頃に作られていたといわれる大太刀(野太刀)は、槍や薙刀にも対抗できる戦場用に特化した対戦車ライフルみたいな特大の刀です。

居合術の開祖と伝わる林崎甚助重信は、刃渡り三尺三寸の大太刀を一瞬に抜く刀術を工夫して神夢想林崎流を興したといわれています。

居合術好きの私は、この林崎甚助重信の伝説を確認するには、自分でも三尺以上の長寸の刀で居合抜きの稽古をするしかないと思い、稽古用のジュラルミン製の大太刀を過去、三振り購入していました(二振りは元会員に譲りました)。

が、ジュラルミンの刀身は軽過ぎて稽古用には不向きでした。単に長尺の刀の抜き納めの練習になっただけで、居合術の稽古といえるようなものにはならず、合金製の刀身で三尺以上のものがないものか?と思って探したんですが、これだけ長尺になると合金製で鋳造するのは強度的に無理があるとのことでした。

探し始めて5年くらい。合金製の大太刀を入手するのは無理と諦めていたところ、真剣で鍛冶圧しの段階(研ぎをしていない鍛えて焼きを入れた刀身の形をヤスリで整えた段階のもの)であれば、かなり安く抑えることができるという話を聞き、通常の長さの居合用の真剣一振り程度の金額で入手できるのなら大バーゲンですから、本やDVDの印税が入る時期に支払いをするという計算で注文しました・・・。

許されるのなら、刀身そのものを自分で作りたいくらいですから、鍛冶圧しの段階のものを研ぎ、鞘や柄を自作するくらい何でもありません・・・というか、拵えは自分の好みで作りたいので、これは自分の稽古用のみならず、願ってもない研究用の素材になりますしね〜。

昨年末に秘密兵器のミニルーターを買っていたので作業能率は良くなったし、電動のベルトグラインダーなんかも一万円以下で買えるので、この機会に色々と工具を揃えて本格的な“工房”を作ってもいいかな?なんて思っています。今後はナイフ・メイキングなんかもやってみたいと思うし、シルバーアクセサリー作りなんかにも挑戦して“目貫(刀の柄に装着されている飾り物)”とか自作してみようかな〜?なんて思ってますが・・・。

さて、その注文していた大太刀の鍛冶圧しが出来上がってきていたそうなのです。

刀屋さんに既に飾ってあったそうで、丁度、一カ月早くできていたみたいなんですが、仲介してくれていた会員さんの話では、予想よりずっと出来の良い力作に仕上がっているそうで(何しろ、できるだけ安く作ってもらうことを優先していたのです)、二尺七寸の長寸刀が普通の二尺三寸くらいに見えてしまうくらい豪壮な感じになっているらしく、そんじょそこらの刀を叩き折ってしまいそうな迫力があるようです(ベルセルクやブリーチの刀剣みたいな感じかな?)。

むむぅ〜、早く見たい。早く仕上げて稽古したい・・・。

作っていただいた刀工の方も、かつてない大作だったので熱気がこもったらしく、銘切りの文字から違うし花押まで入っているそうです。なにせ、普通の刀を鍛えるのの三倍の量の鋼を使ったのだとか・・・。大抵の刀工だったら、三尺を越える長さの刀なんて一生の間に一度も鍛える機会は無いでしょう。

本当に感謝の言葉もありません。『魔界転生』で柳生十兵衛(千葉真一)の依頼で精魂込めて魔界衆を斬れる刀を鍛えた村正(丹波哲郎)みたいに、一世一代の刀になっていたら・・・なんて思うと、刀に負けない立派な腕前になってみせなければ・・・と、フツフツと気持ちが滾りますね。

古武術で三尺以上の大太刀を抜く流派は、九州柳川に伝わる景流と、神夢想林崎流、そして圓心流があります。

私は景流は見たことがありませんが、神夢想林崎流は古武道振興会の演武会で見たことがあります。対座した相手が短刀で斬りつけるのを、ヒョイとかわしながら長大な刀をスルリと抜いて制圧する様子が印象的でした。

圓心流は、田中普門師範一門のビデオを見ましたが、なんと三尺八寸もある化け物みたいに長い大太刀をシュルンッと抜いてみせられ、かなり驚かされました。反りを返すのと、片足を持ち上げるのが抜きの秘訣と観えましたが、さして上背があるようにも見えない田中師範があんな長い刀を抜けるというのは魔法のように思えるくらいです。

田中師範の娘さんも優れた技の遣い手で、時代劇の女剣士みたいで実にカッコイイ。

長い刀を使うのは時代劇役者の主役と決まっていますが、近衛十四郎は二尺八寸のものを使っていたそうですし、若山富三郎先生は『唖侍・鬼一法眼』で三尺の刀を使っていました。確か、『座頭市・千両首』でも若山先生は三尺刀を使っていたようでしたが。

二年くらい前に演劇をやっている知り合いの芝居を観にいった時に、女性の役者さんで三尺くらいの長い刀を使っている人がいて、舞台で抜き納めをスムーズにこなしていて大したものだな〜と感心していましたが、女性で刀を持った姿勢が“決まる”という人は本当にカッコ良く見えますね〜。

先週、体験入門された二十代の女性が剣術コースの時に木刀(半棒)を持って構えた姿がやたらに決まっているので、鏡を見ながら内心、「この子、できるな・・・」と思っていたら、三年間、剣道をやっていたんだそうですね。道理で・・・。

私は剣術はほとんど我流なんですが、剣道は中学時代にやったので、関心は凄くあるんですね。特に交叉法の研究をするようになってから色々な流派の技や構えを解析するようになって、色々と朧げに解るようになってきたことが少なくありません。

大太刀の技法は通常の正眼に構える剣の理合とは少し異なるのではないか?と思っていますが、これも実際に使ってみることによって新たな発見があるのではないかと思っています。武術の研究は体験の中から確認していく作業が重要だと思いますね。

ここ最近、古武術のブームが一段落して、日本刀のブームに移ってきたような気配を感じますが、どちらもかつてのサムライに対する憧れが関係しているのかも知れません。

キムタク主演の時代劇『武士の一分』が撮影完了したようですが、剣道二段以上の実力を持つキムタクを主演にしたことによって、また新たな時代劇が生まれているのではないか?と期待せずにはいられません。

山田監督にはこれで時代劇打ち止めではなく、また挑戦して欲しいものです。

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