長野峻也の日記(2006年06月)

2006/06/28 7月セミナーの内容

7月は東京は9日、大阪は30日に月例セミナーをやります。

今回は、中国武術と空手の比較技術論的な内容でやってみたいと思ってます。

と申しますのも、「空手は中国武術の亜流である」といった考え方もあり、「中国武術は高級だけれども空手は力任せ」といったイメージもあるのですが、これは両方をやってみて、しかもその技術の根本的な原理について比較検討してみなければ何も言えないと思うんですね。

過日、伝統派空手道のDVD本作りに協力して、世界のトップレベルの空手家の技術に触れてみて、認識がかなり変わったんですね。

結論を先に書けば、中国武術と空手はほとんど同じと言ってしまっても構わないくらい身体操法は類似性があります。細部の違いは、それこそ流派の違い程度のものでしかありません。

中国武術特有だと言われていた纏絲勁も沈墜勁も十字勁も全て空手の動きの中に有るのですし、寸勁も有れば浸透勁も有るし、縮地法も有る。

例えば、纏絲勁は空手の捻り突きや受け手前腕の捩りが骨盤の横回転から伝達されたものだし、空手の引き手の動作は十字勁の開く動作と共通します。

筋肉を緩めて急激に締める身体操作は浸透勁を発生させる“極め”の方法論だったことも具体的に解りました。意味が解れば論議の必要は無くなります。寸止めは不合理だという論議は“極め”の身体操作が突きの衝撃を浸透させるためのものである点を度外視した論だったことが解ります。

それと同様に、今回のセミナーでは太極拳の高級技法であるとされる化勁が空手の技法の中にもともと内蔵されているということを実証してみたいと思います。

後は、点穴技法と拳型についても考証してみようと思います。蟷螂拳の蟷螂手、酔八仙拳の月牙手、通背拳の透骨拳、空手の虎爪手法に掛け手・・・等の使い方もやってみようと思います。

また、特に今回は太極拳の技を使った護身術について考えてみようと思います。

と言うのも、シダックス・カルチャークラブの講座を秋から模様替えして『太極拳で護身術』というタイトルでやってみようと思っているからです。

恐らく、太極拳で護身術をやろうという講座とか教室はほとんど無いでしょう。

仮に有ったとしても、大抵は陳式太極拳のような「武道として使える」と言われているものを使った武術性を求めるものでしょう。

しかし、私はそういう実戦的な太極拳を用いた護身術をやりたい訳ではありません。

簡化24式で十分です。特に今回は蹴りの捌き方なんかもやってみようと思っていますので、「太極拳はやってみたけれど、これって一体、どう使うの?」と思っている方は、是非、御参加ください。

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2006/06/28 帰ってきた『発毛大作戦』

全国の薄毛、抜け毛、バーコード頭に悩む皆様、大変、長らくお待たせ致しました!

育てよ頭髪! 太れよ産毛! 萌えよ頭皮!

私は諦めないっ! 全国のハゲチョビン予備軍(仮称・ハゲの軍団)の儚い願いに応えて、あらためて『発毛大作戦』情報をお贈り致しまするぅ〜。

その1「究極の炭シャンプーを使え!」

まず、抜け毛の大敵は頭皮の汚れです。汗っかきの人は特に注意が必要ですが、汗でミネラル分は失われるし雑菌が繁殖し易くなる。つまり、カビやらヒトダニやらのエサになる脂汚れや古い角質層が剥がれて毛穴に詰まった“角栓様物質”ができて頭皮を荒らしてしまうのです。数年前にインドの方で「牛に頭をなめてもらったら髪の毛が生えてきた」という話がありましたが、これは恐らく唾液で頭皮の汚れが洗浄されたことが良かったのではないでしょうか? 風呂なんか入らない猫は、始終、身体中をなめているせいか、犬ほど臭くなりませんけれど、人間は風呂に入らないでいると身体中に皮膚炎ができてしまいがちです。特に頭皮は脂が一番出るところなので、夏場は毎日、その他の季節でも二日に一回程度は洗った方が良いでしょう。

しかし、市販シャンプーは石油系の洗浄成分が入っているので、毎日使うには刺激が強過ぎて頭皮が荒れてしまいがちです。現に、シャンプー成分で頭皮が痛んで髪の毛が抜けてしまったりしている例が少なくありません。

私もずうっと市販シャンプーを使っていて酷いフケ症が子供の頃からありました。だから、フケを除くジンクピリチオン配合のシャンプーとか使っていたんですが、洗った翌日は良くても二日たったらまたフケが出る・・・の繰り返しで、これは体質なんだと思っていたんですが、今考えると全くの逆だったんですね。シャンプー成分にかぶれてフケが出ていた訳なんですよ。

それに気づいてからは色々なシャンプーや石鹸も試してみましたが、結局、市販品では無理だな〜と思い、2年くらい前から健康食品会社からアミノ酸配合シャンプーとコンディショナーを買って使っていました。

ところが、これだけだと毛穴の汚れまでは落とせません。育毛剤を浸透させるには毛穴の汚れを落とせるものが必要だと思い、毛穴ケアブラシを買ったりしましたが、どうもこれ、皮膚の弱い私には刺激が強過ぎたのか、な〜んか余計に抜け毛が増えた気がして仕方がありません。面倒臭いし結局は使わなくなりました。やはり人間の手が一番ですね。

で、次には毛穴の汚れを溶かして落とす頭皮用クレンジングオイルをシャンプーの前にやるようになりました。これは中々良かったんですが、二度手間だし値段も高くなるし、シャンプー一回で何とかならないかな〜?と思っていた時に、行きつけの町田の壮快薬局さんで新製品の炭シャンプーの試供品を貰いました。

しばらくは試してみなかったんですが、シャンプーが切れた時に試しに使ってみたところ、これが抜群に気持ちいいんですな〜。

炭シャンプーそのものは出始めた頃に使ってみて中々良かったので、時々は買って使ってみたりしていたんですが、どうも、製品によって品質がバラバラな感じがして止めていたんです。が、この炭シャンプーは、従来品とは格が違いますね。全く別物と言っても差し支えがないくらい進化しています。「これはいいな〜」と思って、早速、育毛剤を買いに行った時に買ってきました。

いや、これがもうバッチリですね〜。これを使った後で育毛剤をつけると頭皮にジンジン染み込みます。「これは毛穴の汚れがバッチリ落ちているんだろうな〜」と思っていましたが、もちろん、自分の目で確認した訳じゃないですから真相は判りません・・・。

ですが、本日(2006年6月23日)、壮快薬局さんに育毛剤を買いにいったら(約一カ月に一回くらいの頻度で行っております)、たまたま炭シャンプーの実演中で、本当に私は何も知らずに行ったんですが、お店の方は知ってて来たものだと思われたらしく、“頭皮の様子をマイクロスコープで見る”という貴重な体験を受けさせて貰いました。

すると、よくTVの育毛サロンの番組とかで見るように毛穴が詰まって角質層がガサガサになっているのかな〜?と想像していたら、私の頭皮は綺麗で毛穴もポカッて開いているんですね〜。昨日の晩にも炭シャンプーで洗っていたから、「やっぱり、あのシャンプーは凄いな〜」と、感心してしまいましたね。ただ、洗い方が不充分だったらしく、ところどころの毛穴にゼリー状の脂が残っていて、これが髪の毛を細くする原因なのだそうです。炭シャンプーで洗う時に一週間に一回は強めに指の腹で揉み出すように頭皮全体を洗うようにすると血行が良くなって髪の毛も太くなるそうです。

『PASSION EXCENT kisyu binchotan shampoo』

究極の炭シャンプーを目指して和歌山県無形民俗文化財に指定されている紀州備長炭を原料とし、ミネラル分豊富(Na・Mg・Ca・K・Cu・Fe・Zn・P等)な知床羅臼深層水を使って、最高クラスの低刺激洗浄成分ココイルグルタミン酸TEAを採用しているアミノ酸系・弱酸性のシャンプーです。赤と青のラベルがありますが、特に抜け毛や頭皮のトラブルに悩んでいる人には青のラベルがお薦めですよ。

赤『パッションエクセント・シャンプー・モイスチャー』¥3045(税込み)

青『パッションエクセント・シャンプー』¥4095(税込み)

株式会社シーズ・エンタープライズ TEL 0120−75−4242

www.passion1.jp

もしくは、壮快薬品 TEL.03−3252−0331(営業時間は10時〜18時。日曜・祝日は休業)へ、問い合わせてください。

その2「やっぱり、この育毛剤がいいよ」

さて、『あなたの知らない武術のヒミツ』でも書きました『温泉育毛剤“髪之助”』ですが、もう九ケ月以上続けていますね〜。これだけ同じ育毛剤を続けたのは初めてなんですが、何か、これをつけるようになって抜け毛は減ったし頭皮のかゆみもほぼ無くなったし、ふと気づくと、子供の頃からずうっと続いて体質なんだと思い込んでいたフケ症状も治まってしまったのです。これは凄いことだと思いますね〜。要は、頭皮だけアトピーみたいなもんだった訳ですよ。それが治ったんだから凄い。最近は頭皮の状態もかなり改善してきて、ようやく髪の毛が普通に生えそうな塩梅になったんじゃないか?と思っています。何より、使っていて気持ちがいいんですね。つけないでいると気持ち悪い。だから、長く続けられる・・・。これもお薦めです!

『温泉育毛剤“髪之助”』 ¥7140(税込み) 壮快薬品へどうぞ。

その3「切り札はコレ! 育毛食品」

これまた以前から書いてきました育毛アミノ酸食品ですが、色々と実験してみましたが、やはり、これが切り札なんじゃないか?という印象がありますね。髪の毛を作るために特化した成分のアミノ酸サプリメント。私の場合、髪の毛より体毛の異常な成長に驚かされましたが、当然、髪の毛の方も改善している実感はあります。頭皮の荒れとかストレスによって目立った成果は今のところ現れていませんが、試しに一カ月止めてみたところ、確実に抜け毛が増えてしまったので、やはり飲んでいた方がずっと良いことは確実です。これでもう少し安ければ大々的にお薦めするところですが、いかんせん、正直いってお値段が高い。しかし、高いだけの価値は有ると思いますね。だって、少しずつでも確実に改善していけるという希望が湧きましたからね。ちなみに私は最初の頃は月に二つ注文し、現在は月に一個注文して毎日寝る前に飲んでおりますが、このバイオセクトさんは会員制で健康食品を通信販売しており、ただ売るだけでなく会員の健康相談も受けたり、健康情報紙を折り込んでくれたりしています。こういうメンタルケアの部分も大切ですね。

『ハールクーロイ』 ¥18900(税込み・会員価格) 株式会社バイオセクト

http://www.biosect.co.jp

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2006/06/22 大太刀研磨と拵え製作奮闘中!

以前から書いておりました大太刀の支払いを半分以上済ませたので自宅に持ち帰って参りました。

早速、刀身の研磨と、柄、鞘の製作作業に入りましたが、研磨の方は電動ルーター(ミニグラインダー)の力を借りて、まずは刀身の形を整えるためについたヤスリ目を削り落として表面を滑らかにし、それから荒研ぎ、中研ぎ、仕上げ研ぎの順番で作業を進めることにし、現在、電動ルーターで刀身表面を滑らかにしている段階なんですが、これがまた火花が散って、中々楽しい。気分はすっかり職人さんです〜。

さて、同じ作業をずっと続けていると飽きてしまうので、研磨をひと休みして、柄を製作するために切羽(二枚)と鍔、金具の嵌まる穴を茎に合わせて細かいヤスリで削る作業をやらねばなりません。

が、この大太刀は寸法が長いだけでなく、身幅も普通の定寸刀より二回りくらいあるので、穴もギリギリまで削らないといけない・・・。

いやはや、難儀でした〜。

指先が痛くなるわ、右腕が疲れて重くなるわ・・・細いヤスリでジョリジョリと金属を削る作業というのは、慣れてはいるものの(合金製居合練習刀の拵え製作も含めて7振り目)、やっぱり結構、シンドイんですよね〜。

今回は金の切羽を買っていて、鍔も金具も金ピカでキメキメにしようと思っていたんですが、予算の都合で鍔は脇差に装着していた透かし鍔を外して流用(脇差には鎌倉山海堂さんで買っていた小さ目の丸鍔につけ替え)、金具も美術用模擬刀の安いのを使うことにしました。

というのも、砥石とか拵えに使う材料を町田のハンズに買いだしに行っていたら、予算オーバーしまくってしまい、節約せざるを得なくなった次第。

まあ、さっさと作って早く稽古に使いたいんで、これはこれでアリです。刀の小道具って、少しでも凝ったもの着けようとしたら万札がバンバン無くなっちゃいますから、また印税とか儲かった時にあらためて買えばいいんだし、そもそも、稽古に使うために注文製作しているんだから、不必要な装飾品に金使っても意味がないんですね〜。

とかいいつつ、柄木は桜材で半長巻風に長〜くし、針金とステンレス細板棒で強化し黒染めの鮫革を巻いて革巻きにするつもり・・・で、装飾用の目貫は、ハンズの中でネックレス用の飾りが安くて色々なものがあるのを見ていて閃いた! 「そうだ! これを目貫に流用したらオシャレじゃ〜ん? オレってアッタマいい〜」と、はしゃいで四つも買ってしまいましたよ。

なんで四つも買ったか?といいますと、普通は左右両側に一つずつ着けるものなんですが、この刀は普通の刀の三倍も鉄が必要だったという特大物。当然、柄も普通の刀の二倍以上も長い・・・そんじゃあ、バランスとるために左右に二つずつ着けてしまおう〜と思った訳なんですぅ〜。本物だと軽く数万円したりするし、目一杯安くても五千円くらいはしますからね〜。でも、これだと一個300〜500円程度で買えまする・・・。

まっ、金物の細工は終わったんで、後は木材を削り出す作業なんですけれど、柄は何とかなるとして、問題は鞘なんですね〜。

何しろ寸法が尋常じゃないんで、材料をどうしようか?と悩んだんですが、押し入れ引っ繰り返したりしていたら模擬刀の鞘と真剣が入っていた白鞘が出てきたんで、「そうだっ! この二つを接合成型すればオッケーじゃ〜ん? オレってアッタマいい〜」とはしゃいでしまいましたよ。

でも、長さはクリアしたとして、身幅が広すぎて鞘に入らない・・・さて、どうしたものか?と思ったものの、鞘の片側を削り落として新しく木材の切れ端を接着して形をととのえればいいのでは?と思いつき、これも適当な大きさの木材を買ってきました。

一応、材料は揃ったんで、後は作業をやるのみ!

短刀・脇差・定寸刀と拵えを作ってきた経験はあるものの、今回は刃渡りが三尺二寸五分弱(なんと97,4cm・・・注文寸法だと96cmの予定でしたが、何か儲けた?ような気分です)もある冗談みたいな刀なんで、上手くできるかは未知数です。

けれども、作業している時点で色々と気づくことがあって、やはり作って良かった。

いや〜、日本刀って素晴らしい!

ちなみに、この大太刀には“美火月丸(ミカヅキマル)”と名付けました。作業中の火花の美しさと三日月のような優美な反りのイメージです(略して“ミカちゃん”)。完成した暁には、夜空に浮かぶ三日月にたなびく細かい雲が懸かったような刃紋が映るように磨いていくつもりでおりまする・・・。

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2006/06/22 北の国から挑戦状2006・・・

なんか、ヘンな手紙?を頂戴しちゃいましたよ。

北海道から来たんですが、○○(事務局判断で伏せます♪)流合気道?総本部を名乗る怪し過ぎる代物・・・うむむ〜、開ける前から邪気を感じるぅ〜。怖いよぉ〜。「これ、気持ち悪いからあげる。掲示板で皆で遊んでね〜」と、師範代に渡しておきましたら、「先生、これ、挑戦状っスよ〜? スッゲー!」と笑い転げています。

回し読みした会員さんたちも全員、「イェ〜イ!」「ヤッホ〜!」「アチャー!」と奇声を発して腹抱えて笑っています・・・。で、そんなに面白いの?と思って、私も読みましたが・・・

 私は竹中直人が演じる松田優作のジーパン刑事の最後の絶叫「ぬあんじゃぁ? こりゃあ〜?」を真似しました(心の中でね・・・)。

いや〜、すんごいですよ。

このジーサン(御自分の道場の稽古風景の写真が載ったチラシで確認する限り、既にジーサンなのよ)、私の書いた本を読んで、私が合気を馬鹿にしていると思い込んで、自分こそが“最高の合気の使い手だ。オレと立ち合え!”と書いているんですが、もう、文章は誤字脱字だらけだし、「立ち合え」と書いてる割りに場所や日時や具体的なことは何も書いてないし、小学生でももっとまともに書きますよ。大体、決闘罪ってあるの知らないのかな?

おまけに、このジーサン、ピストルや刀と戦ったこともあるんだとか? 触れずに倒す遠当ての術で倒したのか(もしかしてダイバダッタ?)。

私も名前だけは合気ニュースか何かでバッタモンとして扱われている評論記事を読んだ記憶があったんで知ってはいたんですが、いやはや、想像以上にブッ飛んでるジーサンだな〜と感嘆してしまいましたね。

だって、悩み事相談とか占いとか除霊?とかやってるんだそうですよ。

怪しい〜怪し過ぎるぅ〜。

もしかして、宣伝して欲しいのかな?って感じもするんで、わざと名前も流派名も書きません。こんなトンチキなジジイの宣伝なんかしたくないもんね。

まあ、元気がいいのは認めるけど、そんなに自分の強さを世間にアピールしたいんだったらトーナメント荒らしとかしてみせればいいんです。

このジーサンは、多分、色々な武道家や格闘家にも挑戦状出してるんでしょうね〜。それで誰もまともに相手してあげないから(殴っちゃったら大人げないって逆に評判落としちゃいますからね)、「俺を恐れて逃げた」とか道場で吹くんでしょうね。強がってる割りに逃げ腰だよね〜。

まっ、元気で長生きしてくださ〜い。

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2006/06/22 本の紹介

『武道的身体のつくり方』(河出書房)

武道で最も重要なのは、技よりも錬体法にあります。特に、ここ数年、古武術に注目が集まったのも、身体操作法に関するものであり、その中心にいたのは甲野善紀氏であるのは言うまでもないでしょう。しかし、甲野氏の理論ばかりでなく他に様々な研究をしている人達がいるという点を取材を通じて真摯に紹介した本は、ありそうで無かったものです。 内容はやや専門的な印象はありますが、初めての人でも読み進めるうちに知的興奮を味わえるでしょう。

特に、私的には昔から親しくして戴いている壮神社の恩蔵良治社長のことも書かれていて、“肥田式に命を捧げた男”という恩蔵社長の熱情をよく表現されていて、もう、それだけで私は頭が下がりました。よくぞ、ここまで陽の当たらない武道の影の領域について書いてくれました・・・って想いです。

等身大で著者の肉声が聞こえてくるような本というのは少ないものですが、この本はその少ない中の一冊ですね。それに、曖昧な表現でイメージ先行の武道の技術について、かなり分かりやすく書かれていますから、是非、御一読をお勧めします。

『武術体操』(柏書房)

こちらは長年、武術雑誌の編集にかかわってきたI氏が、取材経験を活かして編纂した武術健康法について平易に解説した好著です。

バリバリの武術家の解説というのは、往々にして押し付けがましくってウザかったりするもんですが、この本は本作りに従事してきた編集者が解説したという点がミソで、読む側、実践する側の立場に立った実用性をシンプルに打ち出しています。

これまた、ありそうで無かったんですね〜。

ちなみに、I氏は、私の文才を認めて原稿を書くきっかけを下さった、私が文筆業を始めた最初の大恩人でした。今はフリーでやっていらっしゃる様子ですが、武術業界の良い面も悪い面も見てきたI氏が道を誤らず御自分に最も適した業界で仕事を続けておられることにエールを送りたいと思っています。

Iさん、これからも頑張っていってください。

『日経ヘルス100号記念特大号』

いや〜、女性向け健康雑誌を何で紹介するのか?といいますと、これ、81P「しなやか代謝美人になる」という記事で、古武術が紹介されているんですよ〜。

私はてっきり、「むむっ、ま〜た、馬鹿な古武術と全然関係ないような人が書いたパチモンでは〜?」と、妖怪アンテナが反応して買ったんですが・・・なんと! これは凄いことに、明治神宮至誠館館長、稲葉稔先生が監修されていて、ビックリ仰天!

稲葉先生と言えば、“今武蔵”と呼ばれた鹿島神流の国井善弥師範の最晩年に師事し、一年にも満たない修行歴で国井師範から天分を認められたという古武術関係者間で噂に高い達人です。

明晰な理論と切れ味鋭い技は合気道家としても高い評価を受けられていて、名前だけ有名な人とは雲泥の差なのです。そんな稲葉先生が武道と健康について一家言を持たれていたとは恥ずかしながら知りませんでした。これはお買い得ですよ・・・。

合掌!

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2006/06/18 武格連10周年懇親会に行って参りました・・・

武道・格闘技版元連絡会議、略して“武格連”。

武道・格闘技の書籍やビデオの制作販売会社が一致団結して、10年前に結成された組合のような連合なのですが、クエストのIさんのお誘いで「10周年記念の懇親会があるから参加しませんか?」とのお話で、数年ぶりに出掛けて参りました。

最初に参加させていただいたのもIさんのお誘いだったと思うんですが、確かまだF昌堂でライターをやっていた頃でしたね〜。

当時に一緒に仕事していた人達もほとんどF昌堂から離れて活躍されていますが、私みたいに日頃から「日本の武道マスコミはなっとら〜ん!」とばっかり言っているヤツに声をかけるIさんもチャレンジャーだな〜?なんて思うんですが、久しぶりでおっかなびっくりで参加した私を笑顔で迎えてくださった武格連の皆さんを前にして、私は反省したでござりますよ・・・。

実際、私は悪名高いですからね。自分で言うのもナンですが・・・。

何しろ、私の人生、トラブル続きで平穏な日々が続いた試しが無い。特に対人関係はほとんど敵ばかり。よくぞ、ここまで劇的な対人関係ばっかりだな〜?なんて、占術家に呆れられた程です。それでも、何故か必ず、誰かが助けてくれるんです。それこそ蜘蛛の糸状態。私がカンダタみたいに自分のことしか考えなくなったら自滅するんだろうな〜。

ちなみに、アスペクトさんから本が出せたのも、元々は武格連に参加していたアスペクトさんの営業の方から紹介していただいたお陰でした。何年もかかったけれども、あの時の縁が無かったら本は出せなかったんですね〜。

更に言うと、アスペクトさんから本を出されていたKさんが武格連にアスペクトさんを連れてこられていたから、その縁ができた訳で、こうして考えると、世の中は自分の力だけでやっていけるなんてことは絶対に無い!

今回、その間接的な恩人であるKさんとも色々お話できて楽しかったですし、私が形意拳と刀法の基礎を(ほんのちょこっとだけですが、私にとってはその密度の濃さは何年分にも匹敵します)教えていただいたK・S先生も来られていたので、久しぶりにお話できました。相変わらず、何の権勢欲もなく純粋に道を楽しんでおられる様子に、金儲けに血眼になってる自分としては恥ずかしい限りでしたけど・・・。

まあ、色々と公にしてはいけないかな?という業界の話もあるので自主規制してこれ以上は書きませんが、何か、最近、私は武道が好きになってきましたね〜。

人格のブチ壊れた脳みその代わりにウンコが詰まってるんじゃないか?と思えるような人達ばっかりだと思っていたんですが、これって、私のレベルがその次元に留まっていたせいなのかも知れません・・・。最近は、立派な武道家や健全な武道愛好家と縁ができてきたみたいに思えるんですね。少しは私も真っ当になってきているのか・・・?

それにしても、武格連が10年も続いていたなんて凄いことだな〜と思いました。失礼ながら、もう続いていないんじゃないか?と思っていたのです。会社間の利潤が均等に分配される訳でもないし、中には全く正反対の方向性を持つ会社だってあるでしょう。

武道の業界はオレオレ主義の人達ばっかりなのに、こういう仲良くやっている様子を見ると、やっぱり、中心になってやってきた人達の人柄が良かったからなんだろうな〜と思います。10年間、ずっと支えて来られているNさん、Iさん、Tさん、Sさん・・・といった皆さんは、それぞれ御自分の仕事上の立場も変わったりされていると思うんですが、武道・格闘技というジャンルをもり立てて、ここまで育てたということは決して利潤追求だけではできなかったと思いますね。

正直、参加しようかどうしようか?と迷いましたが、参加して良かったです。初めて会う方も何人もいらっしゃって、私は人見知りするタチなんで御無礼してしまいましたが、いずれ何かのご縁があれば一緒にお仕事させていただければいいかな〜と思います。

惜しむらくは、S神社のO社長に会えなかったことですが、まあ、元気でやってらっしゃるとのことですから、またの機会を楽しみに待つとしますかね〜。

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2006/06/18 武道・武術のことも書こうかな?

読者からの要望で、「武道・武術のことも書いて欲しい」という声を多く頂戴しています。

正直、もう、この業界のことについて書くのは嫌気がさしていて、本で書くのでもなければ書く気になれなかったんですが、まあ、ここまで要望が多いと無視する訳にもいかないかな〜と思って、時々は書いてみることにします。

とは言っても、今も、何を書こうかな〜?と思って、ぜ〜んぜん、考えが浮かばないんですね。

批判すべき事柄は十二分に批判してきたし、口で言っても無駄な人間がこの業界に多いのも判ったので、他人にかまっているヒマがあったら、自分たちの技の工夫をしたいんですね。

となると、部外者に技術論を示してみせたところで判る道理もない。実践してはじめて判るのが武術というものですし、どうも、インターネットを見て来る人の中には情報を知りたいだけの人が少なくないみたいだし、そういうタイプの人って、情報の是非を検討する感性が抜けていて、次から次に新しい情報に飛びついていく性格なんじゃないのかな〜?と思えるフシがうかがえます。

何回も言ってきましたが、武術って、自分ができるようにならない限り、何も判りません。できないうちは何が本当で何が嘘なのか?という判別は基本的につきません。

私が判るのは、自分ができるようになった範囲のことであり、できないことは「〜と思います」としか書けません。「〜です」と書いていたら「できる」という自信があって書いているんだと解釈して欲しいところです。

では、「できる、できない」とはどういうことか?と言いますと、これも「無抵抗の弟子に対してだけできる」とか、「無抵抗の素人に対してだけできる」とか、「無抵抗の空手チャンピオンに対してできる」とか、「抵抗してくる弟子に対してもできる」とか、「相当、本気で抵抗してくる弟子に対してもできる」とか、「流派の威信をかけて負けたら腹を切る覚悟で道場破りに来た空手チャンピオンに対してもできる」とか、色んな状況を想定しないと、“できる”という言葉は軽々しく言えないと思うんですね。

例えば、「空手チャンピオンですら私の合気技で・・・」と威張る場合、それがどんな状況で技が通用しているのか?という点をきちんと検討しなければいけないんですね。

そういう基本的な事柄を曖昧にしたままで秘伝だの極意だのを語り、名人・達人を語るからこそ、「試合をしない武道や武術はインチキ臭い」と小馬鹿にされたり、あるいは逆に誇大宣伝されてしまったりするんですね。

はっきり言って、馬鹿過ぎます! 頭が悪い! 小学生だって「おかしいよ〜」って気づきますよ。

そして、そんな“おかしいこと”を無理やり美辞麗句で彩ってコマーシャルしている人達って、自覚の有無にかかわらず罪作りというしかないんですね。

でもまあ、そういう構造的体質がメディアには有る。これは仕方がありません。文句言ったって、そこで仕事している人達にも生活が有るんです。金を稼ぐのが全てに優先するのは否定されないんです。

だから、私はもうそういう問題そのものを責めるつもりは無くなりましたよ。

メディアの流した虚偽や間違いは、また、メディアを通して訂正していけばいいんですよ。「本当のことが一番面白いんだよ」ってことを知らせていけばいいんです。

そして、フィクションだったら、「これはフィクションです」とか、「これは真実である(嘘です)」とか、「これが本当かどうかは皆さんが決めてください」とか、情報を受け取る側に責任持たせて考えさせてしまうんですよ。

どうです? メディアから提供される情報の真実か否か?を自分たちが考える癖をつけていった方が、国民、みんなが嫌でもものを考えるようになって知能指数が上がるんじゃないですか? 学校教育改革より効果的だと思いますよ。

おっと・・・また、武道や武術と全然関係ない話書いてもうたぜぃっ!

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2006/06/13 空手本原稿終了。

ふぁ〜、やっとこさ、空手の本の原稿書きが終わりましたぁ〜。スンゲ〜疲れたピ〜。

結局、“単なる手伝い”だと思ってたら、一冊分、全部、書いちゃいましたよ〜。

終わってみると、この労働量からすると貰った金は安過ぎるな〜とも思うんですけど、お金もらって空手の勉強させてもらって、全日本のトップレベルの空手家の動きを目の前で観れたんだから、お金に換算したら数百万分の儲けでしょうね・・・。

何しろ、私、今回の仕事で、その辺の空手道場経営者以上に空手に詳しくなっちゃった筈だから・・・。

突き・蹴り・受けの根本的な身体運用原理についても解りました。

いや〜、久々にメチャクチャ勉強になりましたよ〜。

せっかくだから、日曜日のセミナーでは、合気道VS空手道の必殺技対決ってテーマで、前回やった空手技の発展形パート2もやることにします。

ところで、本の方はやや遅れていますが、多分、8月には店頭に並ぶと思いますので、出たら買ってくださいね。空手道の四大流派の形もDVDで観れるんだから、エポックメイキングですよ〜。

そんじゃ、今日はゆっくり寝ま〜す。オヤスミ〜・・・。

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2006/06/10 必殺!合気道計画?

6月も月例セミナーだけなので、ちょいと気張ってみようかな〜?なんて思っておりますです。

合気道って、見世物演芸ばっかりやって、てんで実用性が無いかのように思われがちですが、いや、私は全然、そうは思わないんですね。

交叉法と組み合わせると、これがまた必殺技のオンパレードになってしまうんですわ。

スチーブン・セガールって、やっぱ、強いんじゃないの?って感じる今日この頃なんですね。

というのも、合気道の技って、全部、相手の攻撃の動き出しに合わせて入身しながら技をかけていくんであって、「相手がローキックで来たらどうするの?」とか、「素早いジャブで詰めてきたらどうすんの?」って疑問はナンセンスなんであって、「そんなもん、入身と同時にドバーンッてやるんだよ」って、答えは一つなんですね。

そもそも、基本の技をそのまま使うと思い込んでいるから使い方が判らなくなるんですよね。「掴まれてから掛ける」とか、「手刀で頭上から打ち込んでくるのに掛ける」とか、そんな“限定されたシチュエイションに対抗するための技”だと思い込んでいることが根本的な勘違いなのですよ。

そういう勘違いが増殖してしまうと、限定状況で掛けた技をいかなる状況でも通じると物凄い誤解をしてしまう。

例えば、「空手のチャンピオンも合気でふっ飛んだ」なんて話を得意満面で吹聴するようになるんですが、そんなもん、その空手チャンピオンとトーナメント会場で戦ってみたら一撃で粉砕されるのが判りきっているんです。未知の技を習うために尋ねてきておとなしく技にかかってあげてるのを勘違いして「俺は超強い!」ってマジで信じているんだとしたら、本当、オコチャマですね?

本当に合気道の強い人だったら、こんな勘違いはしないでしょう。見世物演芸と実用の技は別だと判っている筈です。

でも、うちのセミナーや稽古会に来る人の中にも10人に1人くらいの頻度で、勘違いした人も来ます。そういう人は、何回、説明しても、毎回、同じ質問をするんです。

人の話、聞いてないよね・・・。

第一、そんなに疑問があるんだったら、黙々と練習すればいいのに、何だかんだと理由をつけて集中して稽古しない。頭で判らなくたって、練習してれば勝手に身体が覚えてくれるんですよ。私だってそうです。別に頭で考えて游心流のシステム作った訳じゃないんです。色んな練習をやっているうちに自分の身体の中で融合してきて何かヘンな技が勝手にできるようになってきたんで、「何でこうなったのかな?」と、後で分析して稽古法を体系付けただけなんですよ。つまり、理論は後からついてきたんですよ。

でも、ここまで正味、10年くらいかけてるんです。

数年前にほびっと村でやってた頃に一回来て、昨年入会して先日、師範代に任命した会員さんは、「昔とは全然違う」と言います。何が違うか?って、私にはピンとこないんですけどね。確かに、その頃はできなくて、今はできるようになったことも結構ありますけど、本質的にそんなに変わったとは思えない。

けれども、やっぱり、続けていれば変わっていくのが当然なんですよね。

私はともかく、会員さん達の上達スピードの早さは凄いな〜と思います。

初級クラスを師範代に任せたのが良かったんだと思います。初心者は基本をしっかり身につけないといかん。私は基本を教えるのが苦手だから、私が初心者から教えた会員さん達は、一向に基本の形ができなかった・・・。

でも、どうも、今だに私がどんな技を使うのか?という好奇心だけでのぞき見に来る人もいるんですね。観る目も無いのに観たがる。情報だけが欲しいのかも知れません。

だから、今は見学は断ることにしました。練習の邪魔だし、「見たって判んねえだろ?」ってことなんです。体験したいだけだったら、セミナーに参加してもらった方が他所で何年かかっても教えない技までテンコ盛りにして教えているんだから、セミナーに来て下さいねって話です。

で、今回のセミナーでは、合気道がいかに必殺技を内蔵しているのか?ということを解明してみたいと思っている次第です。「合気道を学んでいたけど、こんなの使えるの?」って疑問に思っている方は、是非、おいでませ〜。

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2006/06/09 あ〜、自惚れてると天罰が下るのね〜。

今週は、怒涛のように空手の本の原稿を書いている最中なんですが、いやはや、私はどうしちゃったんでありましょうか?

もう、原稿書きの進まないこと、進まないことったら・・・もう、「嘘でしょ? 俺ってこ〜んなに書いて遅い訳がないのに・・・誰か呪いとかかけてんの?」って感じで、無茶苦茶、進まないんですよ〜、もうっ・・・。

昔、F昌堂でライターの仕事を頂戴していた頃は、とにかく書いて早いのだけは誰にも負けなかったんですね。

S神社さんから仕事頂いた時も、前払いで原稿料貰ったもんだから、「こりゃあ、超特急で書いてみせなきゃ〜」と張り切って、マジで二日で書き上げたもんです。(ところで、あの本、いつまでたっても出ないけど、頑張った甲斐が無いから出してくださいね)

一回、編集長からダメ出しで原稿全部書き直してくれって言われた時は、激怒して意地で一晩で書き直して翌日持っていったもんでした。

一昨年の古武術ムック本も、結局、武術物は専門ライターじゃないと書けないからってんで、急遽、私が7割りくらい書いちゃったんですけど、あれも直しのダメ出しが嵐のようにあったけど、今回ほど苦労はしませんでしたよね〜。

でも、完全にゴーストライターに徹して書くのは初めてなんで、極力、私のカラーが出ないように気をつけてはいるんですが、でもやっぱり、「面白い本にしたい」という欲求があるから、ついつい、既存の本とは違うように書こうと思って気張ってしまうんですが、どうやら、それが遅々として進まない原因みたいなんですね〜。

だって、たかが4〜5時間で原稿用紙36枚分も書けないんですよ。いつもの私だったらその2倍は楽に書けますからね。『あなたの知らない武術のヒミツ』なんて、正味二日で最初の原稿書いてるし、凡そ原稿用紙(400字詰め)に換算して330枚くらい書いてんですよ。多分、書いてた時間は10時間かかってないと思うんです(直しも一晩で書いて、最終的に原稿用紙440枚くらいになった)。

ねっ、自分で言うのもなんですけど、気ぃ狂ったように早いでしょ?

私、特撮物のネタとかアクション映画について書いたら、一週間に二冊分はラク〜に書く自信ありますもん。有名武術家を茶化して書くんだったらマジで一晩で一冊書けると思うんですよ。

それにしても、書いて早いのだけが自慢だったのに、こ〜んなに遅くて編集の人に催促の電話貰うのって、屈辱だな〜。

やっぱし、人間、何事も自惚れは禁物ですね〜。

(でも、書いた原稿読んだ人には面白いと言ってもらえたんで一安心・・・あっ、いかんいかん。安心してたらまた遅れてしまうぞい・・・って言うか、エッセイ書くヒマあったら原稿書かんかいっ!って怒られそうだけどな〜。でも、息抜きしないとダメでげす。あっ、疲れ過ぎて文章がヘンになってきたぞい・・・“ぞい”とか“げす”って、何書いてんだ、オレ?)

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2006/06/07 儲け過ぎたから嫌われる?

村上ファンドのオジサンが捕まりましたね。捕まる前に記者会見をやってましたが、まるで“独演ショー”。何のために記者会見なんかやっているのか理解に苦しみました(黙って捕まってろっつーの・・・)。

金を稼ぎまくれる人って、私はとんと理解の範疇の外なんで、先のホリエモンの時も、「金稼ぐのが勝ち組ってんなら、俺なんかホームレスすれすれで生きてきたんだから、“ナチュラル・ボーン・負け負け組”ってとこかな〜?」なんぞと思って見てましたが、この村上オジサンの言い分を聞いていると面白かったですね〜。「金を儲けることのどこが悪いんだ?」とか、「儲け過ぎたから嫌われるのか?」とか、“天罰が当たるぞ”と批判していた星野監督に対して、「天罰が当たるなんてことを言っちゃあいかん!」と熱弁・・・意味分かりません・・・。

大体、この記者会見自体が、何を目的にやったものなのか、さっぱり意味が分かりません。「ええカッコしたかったんですよぉ〜!」くらいのことでも言ってくれりゃあ、「あっ、このオッサン、可愛いな」くらいには思えるんですが、何か、傲慢っぷりを天下に宣言しただけのようにしか思えません。プロ中のプロを自認しているんなら、言い訳しない方がカッコイイのにな〜。「この国はチャレンジャーに冷たいんじゃないか?」とか言ってるけど、この言葉に頷いてる人達って、同類の人間だけなんじゃないでしょうか? 挑戦者って言葉は、もっと命かけてギリギリでやってる孤高の人のことを言うんじゃないかな〜? 無目的に私腹を肥やして、虚栄心を満足させるために大企業を傘下に治める・・・そんなことのどこがチャレンジャーなのか、さっぱり分かりません。

言っちゃ悪いんですけど、株転がして金儲ける虚業でしょ? でかい企業の株買って一所懸命に仕事頑張ってきた人達をポイ捨てして会社乗っ取る寄生虫でしょ?

寄生虫が嫌われるのは当たり前なんじゃないの? 「頑張れ寄生虫!」って応援して欲しいのかな〜? 

もしも、私が長野ファンドとかやって勝ち組?とかいうのになったとしたら、「いや〜、しょせん私はサナダ虫みたいなもんですから・・・」って、本心から言いますよ。

嫌われる理由が分からないから嫌われるんです・・・天罰テキメンです。

私は倫理観とかいうことを言いたい訳じゃありません。ごく当たり前に普通の人が普通に考えるだろう常識から外れた“個性的な”考え方が招くトラブルを色々と見たり聞いたり体験したりしてきていると、「確かに、日本はおかしな方向に少しずつ向かっているみたいな気がするな〜」という印象は受けます。

この村上オジサンの主張を聞いていると、こ〜んな底の浅いにも程がある男を経済界の救世主みたいに持て囃している評論家連中には、「アンタら、どこに目ぇ〜つけとんじゃい?」って、目ン玉にサンポールをシュシュッとかけてあげたくなります。

星野監督や町中のオバサンたちのように、「あんな男には天罰が下る」と言えなきゃいかんですよね。

例えば、村上オジサンと星野監督を離れ島に島流しにして、どっちが生き残るでしょうかね? 何でも金で買えると思ってる男は、基本的に動物としての人間が持っている基本的生存能力が弱まっていると私は思いますね。

あるいは、乗ってる飛行機がハイジャックされたとかテロリストにビルを占拠されちゃった・・・なんて事態に遭遇したら、どうなっちゃうんでしょうね。何か、この人にはオスとしてのあるべき基本が全然ないんじゃないかな〜?

金を稼ぐっていうのは、きちんと自分の仕事を汗水垂らして頑張って賃金を得るというのが本筋なんであって、マネーゲームで大金を稼ぐのはギャンブルの範疇なんですよ。

ギャンブラーが大企業の経営やろうとしているのが間違い。アメリカじゃ当たり前だってんだったら、そのアメリカの現状がどうなってるのか考えてみろと言いたい。ホームレス大国で銃犯罪大国じゃないですか? ハリウッド映画だって、最近は大金使ったゴミ映画ばっかりじゃないですか? 他国を侵略して異教徒大虐殺する大統領を選ぶ国に未来はあるのか? そして、そんな大統領にへつらってていいのか?

金の亡者をヒーロー扱いする感性は、もともと日本人には無かったでしょう。大金稼ぐ人間は品性下劣なヤツだと蔑まれていたもんです。だから、金持ちになればなるほど、謙虚に我が身を慎んで、自惚れないように自戒していたものです。苦労して頑張った分、人の心の痛みにも敏感になるからでしょう。

プロスポーツ選手や歌手、俳優が大金稼いでも嫌われない。それは、身体張って鍛えたり芸を磨いている結果だからですよ。その中でもトップレベルの人は、やっぱり人間的に度量が大きいでしょう。

口先三寸で大金せしめる寄生虫ヤローを尊敬する感性は従来の日本には無かった。

それが今は、“勝ち組”だと称賛し媚びへつらう・・・。寄生虫に更に寄生しようという根性が見苦しい。TVコメンテーターも、ちったあ、気のきいたことを言って欲しいもんです。私だったら、「悪銭、身につかず! 駅の便所掃除からやり直すことですな〜」って、言ってやりたいですけどね。

今、仕事無いからって、パソコンに向かって株買って一獲千金目指している人って多いと思うんですけど、やめときな〜。

そんなことやってるヒマがあったら、バイトで地道に稼ぎながら、自分が一生打ち込んで後悔しない仕事のための勉強した方が一番いいよ〜。金を稼ぐことが無意味だとは言わないよ。だけど、金を稼ぐ前に自分に投資するのが先決です。自分を磨こうとしない人は駄目なんですよ。

私も、苦節43年、初めて印税で貰った金で小さい贅沢楽しみましたよ。同世代の人達と比べたら、相変わらず銭金レベルの生活水準ですが、私はこれから頑張って小金持ちくらいにはなってみせますよ〜。

たとえ、全然売れずに金が無くてホームレスになったとしても、そうなったら毎日修行して“超強い乞食”として武道史に名前残してみせまっせ〜。

追伸;
六月も平日夜間セミナーは仕事の都合でお休みさせて戴きます。月例セミナーは、前回は“空手”をテーマにしたので、今回は“合気武術”をテーマにしてみたいと思います。演芸に終わらない合気武術の実用護身術としての用法理論を、考えてみようと思います。また、8月に古巣の西荻窪ほびっと村にて游心流師範代が講座を開催します。内容は、武道やスポーツ等に役立つ基礎錬体法を予定しておりますので、こう御期待。

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2006/06/07 『バトル・フィーバーJ』って、今見ると、やっぱりヘンですね?

昔の特撮ドラマ見てると、当時は判らなかった細かいヘンなところが色々ありますね。『シルバー仮面』を見ていて、キルギス星人がダダダーッて商店街に逃げていって、それをシルバー仮面が追っかけていくと、それを見てる通行人がクスクス笑ってたり、こりゃあ、ドリフのコントかな?って展開が結構あります。

そんな中、戦隊シリーズの中でも初めて巨大ロボットが出てきた記念作として知られる『バトルフィーバーJ』は、やっぱりヘンでした。

五人の踊りの名手?が踊りを駆使して戦うという設定なんスけど〜、バトルジャパンは“空手”だし(それ、踊りじゃないっスよ〜)、バトルフランスはフラメンコ(それってスペインでは?)、バトルケニヤは何か得体の知れないアフリカっぽい踊りで、バトルコサックとミスアメリカは別におかしくはないけど・・・でも、全体的に、この人達、踊り下手です!『サタデー・ナイト・フィーバー』がヒットしてディスコ・ブームが起こった頃だったんで、まあ、流行物を採り入れましたって分かりやすさはいいんですけど、なんだかな〜、もうちょっと設定を煮詰めてキャスティングしようとか思わなかったのかな?

それと、往年の東映時代劇役者、東千代之助が倉間鉄山将軍を演じておりますが、いきなり、日本刀振り回して、「この刀を飛び越してこいっ!」って、何か、意味不明なイニシエーションをやらせます。

そして、「バトルスーツが出来た。これを着るんだ」って五人に着替えさせるんですが、これがな〜、冗談みたいなデザインなんだもんな〜。鉄山将軍のデザイン・センスってなんだかな〜って思うし(ミスアメリカの場合、何故かハイレグレオタード。クレシンにパロられてる可能性大)、バトルスーツに着替えた五人が踊ってみせるシーンは、なんか異様にコワイです・・・。

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2006/06/05 お仕事中で〜す・・・

DVD付き空手本の原稿を執筆している最中で〜す。

いや〜、私、空手に関しては知らないことだらけだったんだな〜?と、改めて再認識させられてますね。

いや、というよりも、取材した先生が技術・技量・知識・見識・理論も優れた凄い先生だったから、これほど苦労しているのかも知れないな〜と思ったりしています。

正直いって、これまで空手に対するイメージは、単純・簡単・理論が無い・・・といったものであり、中国武術のやたらめったらややこしい理論とか、古武術や合気道の神秘的な、そこはかとない高級な雰囲気とかに比べると、実際にガチンコで殴って蹴ってガハハハ〜ッ!って印象が刷り込まれていたんですね。失礼ながら・・・。

だから、沖縄古伝空手の秘訣はこうだっ!とか雑誌なんかで紹介されていても、「フゥ〜ン、それくらい中国武術や合気道じゃ当たり前のことだと思うけどな〜?」とか思ったりしていたのが偽らざる本音だったんですね。

でも、今回の取材を通じて、私はいかに自分が現代の競技武道のトップレベルの人達の水準の高さに対して無知蒙昧だったのか?という点をつくづく痛感させられましたよ。

それに、やっぱり競技という場で磨かれた実践に裏打ちされた理論というのは、古武術の極意に通じるものがあるんですよね。「ゲゲッ? これって縮地法使ってるじゃん? ウゲゲッ、この先生、肩で零勁打ってるじゃん? ヒャア〜、こんな密着した距離から脳天蹴りできるって、どういう鍛え方しとるんじゃぁ〜? ウッシャア〜、この技のタイミングって全部、交叉法だよ〜・・・」って、私は『風雲ストームライダーズ』でイーキン・チェンの蹴りとアーロン・クォックの掌打をボコボコに貰って発狂してしまった千葉ちゃんのような気分でしたよ〜。

まっ、苦労はしてますけど、原稿書きが私にとっては空手研究になるんですから、本当にいい商売選んだな〜と思いますね〜。後、一週間で書き上げる予定ですが、久しぶりに心地よい執筆活動をやらせて戴いております。

八月頃には出版される予定だそうですが、発売されたら守秘義務も無くなるから、ちゃんと宣伝させて戴きますから、御期待くださいね。

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2006/06/05 『ドロロンえん魔くん』は、やはり名作だったよ・・・

私が小学校時代にやっていた特撮やアニメが、今はCSで放送されたりしていますが、名作『ゲゲゲの鬼太郎』に倣って企画がたてられた永井豪原作の『ドロロンえん魔くん』という妖怪退治物のアニメがありました。

原作は、確か少年サンデーに連載されていましたが、回が進むに従ってTV版とは違ってコメディー調が強くなっていましたが、TVアニメの方は子供心に何か社会派のメッセージ性が強かった気がします。

で、印税が入った後にコジマ電器でTVを買った時にDVDコーナーを見ていたら、この『ドロロンえん魔くん』のDVDが全部揃っていて、しかも、何故か?永井豪キャンペーン中とのことで30%引きになっていました。これって買って頂戴って言わんばかりではないですか?

で、大人買いしちゃったんですね〜。

早速、新しくなったTVで鑑賞してみましたが、この作品、現在の視点で鑑賞した方が面白いんですね〜。

当時の社会問題になっていた公害問題と妖怪をからめる手法は第二期のカラー版となった鬼太郎でも“泥田坊”や“雨降り天狗”、“原始さん”、“あかなめ”とかの回でありましたけれども、えん魔くんでは公害によって善良な妖怪が発狂!して邪悪になってしまう・・・という凄いテーマがあったりして、やっぱりデビルマンの永井豪が原作だからな〜?と、妙に納得してしまうのですが、でも、実は原作では公害問題とかはほとんど描かれていないのです。

つまり、当時、このえん魔くんで脚本を書いていた人達が個人的に持っていたであろう社会批判の精神が、この作品の裏テーマとして秘められていたんでしょう。

人間を襲う妖怪が実は被害者で・・・といった作品も多く、ウルトラ・シリーズの問題作とされるセブンの“ノンマルト”や“ギエロン星獣”、“ペガッサ星人”、新マンの“メイツ星人”の話みたいな雰囲気が感じられるのです。

けれども、ウルトラ・シリーズで脚本を多く手掛けた上原正三氏のデビュー作だったというのも納得で、えん魔くんが戦う敵妖怪も怪獣みたいなのが多いのです。“ゾウワシ”なんて、そのまんま“地獄の大怪獣”だし、強敵“ミミヅキ”の本体は空に広がる超巨大な雲状で、これなんか新マンに出てきた星を食べてしまう宇宙生物“バキューモン”を連想させます。

中には、水爆を東京に落とそうとする妖怪“怒黒(ドクロと読む)”に操られた小妖怪“小判鮫女”の声が、デビルマンの後半に出てきた不動明に惚れて付け回す妖獣ララアで、小判鮫女がなついていた青年が“明くん”で、しかも声はデビルマン“不動明”の声だったり・・・、えん魔くんが妖能力ステッキを変形させてマジンガーZの“ロケットパンチ”を繰り出してみたりする・・・なんて細かい遊びがあって、本当に、観直してみると新たな発見が次々に出てくるのです。

この作品が放送されていた同時期には、Hなアニメで有名な『キューテーハニー』も放送されていたのだそうで、この『ドロロンえん魔くん』も、ヒロインの雪子姫の入浴シーンとか、原作ほどではありませんが、これは子供向け?と思えるシーンも少しあります。

多分、『ゲゲゲの鬼太郎』が、その手のヒロインがいなかったので(猫娘じゃ役不足だし・・・)、強化策だったのでしょうか? そういえば鬼太郎は女の子に全然色目を使いませんでしたが、えん魔くんは基本性格が結構Hです。普通の小学生に近づけたかったのかも知れませんね。

鬼太郎も第三シリーズの時は、夢子ちゃんというヒロインを出していますが、やはり雪子姫のように主人公に匹敵するくらいの戦闘能力がある訳でもないので、そういう意味でも『ドロロンえん魔くん』は現在でこそ評価されるアニメなんじゃないでしょうか?

それから、中山千夏が歌うオープニングとエンディングの歌と、特にエンディングの歌の時の実写も交えた背景がシュールで凄いんですよ〜。何とも言えない1970年代の時代の空気ってやつがそこに感じられます・・・。

まあ、『妖怪人間ベム』も新作ができたことだし、『ドロロンえん魔くん』も復活してみてはどうでしょうかね〜。

来年は『どろろ』も公開されるし、鬼太郎の実写映画の企画はどうなったのかな〜?

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2006/06/05 『ウルトラマンA』は時代を先取りしていた?

え〜、ファミ劇で新しく始まった『ウルトラマンA』の中で、マニアから注目されていた美川隊員(西恵子)ピーンチの回を改めて観ましたが、そこには、何と、ビックリ仰天の人物が・・・。

 同窓会にオシャレして出掛けたTACの美川隊員は、人気劇画作家になっている“久里虫太郎(モデルが誰か判る人には判る)”と会い、久里から、昔、突っ返されたというラブレターを再度渡されるんですが、実は同窓会は久里が美川隊員を拉致監禁するために仕組んだヤラセであった・・・という、何ともアダルティーな展開。これって子供に観せていいのか?

で、久里を演じているのが『超新星フラッシュマン』の大博士リー・ケフレンを演じていた危険な匂いのする知性派大物男優、清水紘治なんですが、いやはや納得の演技力で狂気のストーカーっぷりに圧倒されてしまうんですが、でも・・・若い頃の清水紘治って、丸っきり“宅八郎”なんですよ〜。ホントにソックリなんですよ〜。長髪と痩せた顔の造形がウリ二つで、するってぇと・・・宅八郎も年とっていくに従って、どんどんカッコ良くなっていくのかな〜?っていうか、宅八郎って、実際には凄いカッコイイのかも知れないな〜。

また、余談ですが、現在の西恵子さんが『ウルトラ情報局』のゲストで出演されているのを観ると、あんまり年とってないというか・・・昔より美人なんじゃないの?ってくらいで、やっぱり女優やってる人って普通の人間とは細胞の質が違うな〜って思いました。

だって、30年以上も経過してるんですからね〜。男優が老けてるのより、女優さんの場合は残酷な印象がありますもんね〜、普通は・・・。私なんか、昔、憧れていた女優さんの今って観たくないもんね。ちっちゃい時に凄く可愛かった女性と数十年経過してバッタリ会って、全然判らないとか・・・そういうのは残酷ですよね〜。

だから、私は犬はちっちゃいのが好きなんですね。子犬の時は可愛くてもデカくなったら可愛くない。ポメラニアンとかチワックスがいいですね。

余談ですが、この前、法事の時に親戚中から「太った、太った」と連発されまくり、高校時代の写真とか見ると、確かに私も別人みたいになってたのね〜って感じでした。

少年老い易く、学成り難し・・・ですな。

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