長野峻也の日記(2006年10月〜12月)

2006/12/30 『拳游秘伝』第四部

ついに完結しました・・・。
 疲れました・・・。
 何が悲しゅうて、年末に部屋に籠もって原稿書いてんだよぉ〜、オレ・・・。

な〜んてことを考えたりしている訳ですが、でも、楽しかったですね〜。小説書くのがこんなに楽しいなんて思わなかったですね〜。

私が好きなのは、カンフー映画、チャンバラ映画、怪獣映画、ホラー映画、バカ映画とかなんですが、今回は、自分の好きな要素を全部、詰め込んでみました。

小説とは言っても、私の頭の中には映画としてストーリーが動いているのですね。その映像のイメージを文章に置き換えているだけなので、文芸作品として読まれる方には、なんじゃこりゃ?って言われてしまいがちなんですけどね。

まあ、「下手くそだけど面白い」って言わせたら、オレッちの勝ちだよね〜。

ところで、今、期待している映画・・・

『どろろ』・・・楽しそう〜。

『大帝の剣』・・・な〜んか、業界筋から漏れ伝わる話は・・・(以下、自主規制)

『ゲゲゲの鬼太郎』・・・むむぅ〜、期待より不安が勝ってしまう〜。

しっかし、自分で小説書いてみて思ったんですけど、やっぱり映像で観てみたいですよね〜。私が売れっ子作家になったら、映像化の話は残らずOKしちゃいますね〜。

まあ、その日が来るのを夢見て、今は原稿のストックを書きためておきましょう。

それでは皆さん、良いお年を・・・。

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2006/12/28 亀田興毅は偉いです。

最初に告白しておきますが、私、亀田ファミリーは好きになれません。
 不良にイジメ受けた記憶が、40過ぎた今でも私の脳に“不良”・ヤンキー・暴走族・チンピラ・・・といった人達への嫌悪の反応を起こすのです。

しかし、うちの会員には、その筋の出身者が数名は所属していました。彼らは分かりやすいです。より合理的なケンカのテクニックを求めて入会してきたのです。彼らは武道や格闘技に興味はあるものの、それらの修行者を小馬鹿にしていたりするのです。
 実際、そういう修行者と手合わせしたら全然弱かったとか、そういうことを平然と言ったりするのです。
 そして、武道や格闘技はルールに縛られて実戦的じゃないと考えるのです。
 だから、その中の三人くらいは、“へぇ〜? こいつが武術なんかやってんの?”みたいな態度を隠さず、挑発的な言葉を私に浴びせてきていたので、ちょっと、遊んでみたりした訳です。それで、「僕にも教えてもらえませんか?」と、なった訳です。
 挑発して来ない利口な人もいましたが、その人は族の幹部をやっていたので、見かけで判断してはいけないという嗅覚が発達していた様子でした・・・。

それはそれとして、不良度100%を売りにしている亀田ファミリーは、もう、体質的に私はあきまへん。
 だから、先のランダエタ戦は、「この家族のいい薬になって、謙虚になったらいいのにな〜」と思っていたのですが、全然、そういう具合にはならないので、「やっぱり不良は不良のままなんだな〜」と思って、今回の再戦も見ました。

しかし、「不良にも不良の一分があるぞ」という意地を見せてくれた亀田興毅は偉いと思いました。
 積極的に攻めていかないランダエタに疑問があったとしても、それでも亀田の見違えるような成長は誰も否定できないでしょう。欠点を見事に克服してのけたと言っても過言ではありません。アンチ亀田の私が評するくらいですから・・・。
 まず、徹底的にフットワークを練習してものにしていた点。短期間で、よくぞここまでスタイルを変えられたものだと感心せずにはおれません。
 パンチのスピードもワンランク上がっていて、連打の回転もいい。
 技術的に前回はかなりランダエタに溝を開けられていた印象がありましたが、今回は逆にランダエタを全ラウンドで上回っていました。
 スタミナも切れておらず、余裕で12ラウンド乗り切っていました。
 KOできなかった点は課題だとしても、欠点を克服したというプラスの側面は、今後の防衛記録に結び付くでしょう。

マスコミに祭り上げられ、マスコミにバッシングされ・・・という紆余曲折を経て成長していける人は稀で、多くの人は挫折したまま立ち上がれずに沈んでいってしまうものだと思います。
 そこを絶対に見返してやるという執念で練習していただろう亀田興毅を、好きとか嫌いとかの感情で評価してはいけないでしょう。
 私は、単純に“偉い”と思いました。

元世界チャンプの平仲氏も「流石だ」と称賛していましたが、プロであれば、戦闘スタイルの変更がいかに大変なことなのかを理解している筈ですから、当然でしょう。
 しかし、無知な人達は「面白くない」と言います。観る目の無いヤツはボクシングなんか観るな!と言いたくなりました。
 私は素人に毛の生えたテクニックのケンカ・ファイトしかできない世界チャンピオンなんか見たくありません。そんな試合を見て喜ぶ阿呆に迎合して、大衆を小馬鹿にしたような番組作りをしてきた連中をこそ批判すべきでしょうし、またぞろ無理やり批判的な論調で「大人になった亀田は面白くない」とこきおろそうとする・・・。
 もう、いい加減にしろ!と言いたいです。
 頑張って成長した姿を見せて意地を示した選手を讃えるべき時に、感情論で語る愚劣さは止めて欲しいものです。

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2006/12/28 『ライオン丸G』最終回と『牙狼』スペシャル

ファミリー劇場10周年記念作品『牙狼・白夜の魔獣』前編・後編を観ました。
 いや〜もう、満足です。オールスター・キャストでTVシリーズのメイン・キャラが総登場していたのにも驚きましたが、TVシリーズ中で一番、「もったいない」と思っていた魔戒法師・邪美(さとうやすえ)が復活したことが嬉しいですね。
 やっぱり、雨宮監督も、もったいないキャラクターだな〜と思っていたんでしょうね。
 もはや、特撮系ジャンル女優としての風格さえ出てきている“さとうやすえ”のバレエで鍛えた長い手足を活かした優美なアクションは、女優として武器にしない手はありませんよ。

ここまで来たら、あと一回、劇場版も是非製作して戴きたいものです。

さて、『ライオン丸G』も最終回になりました。
 私の映画友達は、「ついていけない。何で主人公がホストなの?」とのことでしたが、確かに初回は面食らって頭抱えていたものでしたが、二回目以降は、「これはこういう作品なんだ」と割り切って観るようにしたところ、いやもう、面白いったらありゃしませんでしたね〜。

例えるなら、『超光戦士シャンゼリオン』を観た時のような“してやられた感”がありました。

主人公の獅子丸はダメ・ホストでケンカは弱いしインキンだしスケベだし・・・という典型的なパシリ・キャラだし、遠藤憲一のイカレたコスプレが毎回登場したり、ヒロインである筈のサオリはウンコやキンタマを連発する単なるバカなキャバ嬢だし、実在したと言われる戦国時代の幻術師、果心居士は単なるホームレスのオヤジで拾い食いして食中毒になってしまってたり・・・という元祖『快傑ライオン丸』の世界観をとことん裏切る展開・・・。

しかし、サオリの妹の定時制高校に通うコスKはしっかり者で、タイガージョーに変身する錠之助はカッコイイ。しかし・・・錠之助が実はチェリーボーイで・・・というネタが後半に突如として出てきて、最後までネタとして引っ張ってみせたところは、この作品を“徒花(アダバナ)”と割り切った志しが見えて、いっそ潔く感じました。

中でも豪山を演じた石橋連司は、迫力ものでした。
 最近は人の好い小父さん役が多い石橋連司ですが、かつては凶悪な仇役が似合っていました。『柳生一族の陰謀』のTVシリーズでは、尾張柳生の麒麟児、柳生連也斎に扮して千葉真一演じる十兵衛を脅かします。史実でも連也は江戸柳生の総帥、宗冬(十兵衛の弟)と試合して破ったとされますが、連司演じる連也は完全に千葉十兵衛より実力が上という印象なのです。
 そして、『影の軍団』TVシリーズでも甲賀組の頭である兄、水無月鬼三太が服部半蔵に敗れると、それを殺して頭になる水無月鬼四郎を演じていましたし、ゲストで出てきて志穂美悦子をいたぶったり、千葉ちゃんとステゴロで対決したりしておりました。

石橋連司は居合が上手いのですね。『浪人街』で母衣権兵衛を演じた時は、白装束で決戦場に駆けつけて鋭い居合術で旗本軍団と戦っていました。主演の原田芳雄が酔っ払って無茶苦茶な剣をふるっていたのと比べて実に武士らしい剣技を見せてくれました。
 これはTVスペシャル『影狩り』や、三池監督の超バイオレンス作『IZO』でも見せてくれていました。タイ捨流の“逆握”をそのまま演じていたのにも驚きましたが、この人は左手で抜刀したりもできるんですね。『風雲・真田幸村』にゲストで出た時にやっていました。劇場版『鬼平』でも敵の最強の殺し屋侍を演じていましたが、時代劇スペシャルで伊藤一刀斎を演じたこともありましたね。『八丁堀の七人』の時は認知症になったフリをして仇を殺す老武士をカッコ良く演じていましたし、『蝉しぐれ』で空鈍流の師匠を演じた時は、主人公に秘剣“村雨”を伝授するシーンに凄みがありました。

コミカルな役からコワモテの役まで芸域が広い石橋連司・・・。
 でも、今回の豪山は凶悪な怪演が爆発しています。
 前半から中盤までは、エンケンの怪演が炸裂しまくりますが、最終二話分になるとかつての怪優の貫禄を見せてくれます。
 老人メイクに天津飯みたいな三つ目にハゲ頭に白髪・・・怖過ぎます。
 原作では、豪山と果心居士はインドでの妖術修行中の兄弟弟子だったということになっていました。その辺りの説明はしてくれるのか?と思っていましたが、それとなくほのめかす程度です。金砂地の太刀と銀砂地の太刀を巡る果心居士と豪山の戦い・・・という快傑ライオン丸の設定を現代(ちょい未来)に置いた意欲作として、この『ライオン丸G』は記憶されるべきでしょう。
 が、作品のニュアンスとしては、『傷だらけの天使』や『探偵物語』なんですね。
 だから、情ない主人公が仲間を殺されて初めて自分から戦おうとする姿は、探偵物語の工藤ちゃんに通じますが、本来、死ぬ筈だったところを錠之助が代わりに豪山と相討ちで死に、獅子丸は生き残り、伝説としてコスKによって本に書き残される・・・。
 カッコイイじゃないですか〜?
・・・と思っていたら、シスターになったサオリがハラをなでながら、「でも、ジョーさん、早かったな〜。ありゃあ、初めてだな〜」と言う軽いギャグでシメる・・・。
「普通にカッコヨクは終わりませんよ〜」という監督の心意気や良し!

一、二回見て、「ついていけなかった」という方は、是非、DVDで全部通して観てみられることをお勧め致しまするぅ・・・。

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2006/12/17 最新稽古会情報

水道橋東京学院の公開稽古会は年内は、12月19日の火曜7時から9時に2F教室でおこないます。予約は不要ですが、できるだけ事前にお知らせください。

さて、19日で2006年の公開稽古会は最後です。
 2007年の予定は今のところたてておりません。どうしてか?と申しますと、参加者が少ないので赤字になるケースがあるからです。慈善事業やる余裕はありませんし、今のところ、正会員にきっちり教えることを優先したいので、要望が出なければ、このままやめてしまってもいいか?と思っております。御意見をお聞かせください。

また、定期的に稽古できる場所が特定できていないので、土曜日は江古田ストアハウスか荻窪体育館を利用していますが、日曜日の橋本駅前シダックスの太極拳講座を、思い切って通常の游心流武術の稽古内容そのまま(基礎練体・歩法・初級対錬・推手・剣・棒・居合・套路等)に変えることにしています。既に練習内容自体は変えていますが、来年春の講座からは名前も変わる予定です。「場所が遠い」と言う方もいますが、私自身が都内で教えるのに一時間半くらいかけて通っている訳ですから、こういう失礼な言葉を言わないように願います。無理して来いと言っている訳ではありません。関心のある方はシダックス橋本駅前店に直接申し込んでください(私に申し込んでもダメです)。

師範代からも厳しい意見を言われましたが、「武術を教える以上は礼節も教えないといけない。今は礼節を教わらないまま大人になっている人がざらにいるので、目上の人を敬うということを知らない人がいる。それは教わっていないから理解できないだけ。注意して直すように指導していかないと、本人のためにならない」との話で、正直、私は他人に礼節を強要するのは気が進まないし、そんなのは常識の問題だろうとしか考えていなかったのですが、実際問題として礼儀以下の倫理観念が欠落している人が非常に多くて、現実は師範代の言う通りだな・・・と認めるしか仕方がありません。

確かに、礼の欠けた人間に武術の技だけ教えるのはキチガイに刃物を持たせるのと同じかも知れません。そういう意味で、私がきつく叱責しなかったばっかりに道を誤って破門にするしかなかった人が何人もいます。恐らく、今後も一人か二人はそんな人が出てしまうでしょう。

割りとうちに入門してくる人達には、いくつもの道場を渡り歩いている人が多いのですが、一つの道場が長続きしないのは、本人がトラブルメーカーである可能性が有る訳で、そういう点をもっと考慮しなければいけなかったな〜と今更ながら反省しています。

実際に、問題起こすのはそういう人ですし、本人は自分が悪いことを自覚できないから同じ失敗を繰り返してしまう訳ですから、恨まれようがどうしようが、厳しく叱責して二度とのぼせないようにするのが本当の愛情でしょう。そういう意味で「肝心な時に俺は腰が引けていたな〜」と、師範代の意見を聞きながら思いました。
 ただ腕前だけ上がっても、心が追いつかないのでは“危ない人を育てただけ”になってしまいますから、苦手意識は捨てて、「時にはキック、時にはパンチ、ヤンキーも暴走族もマジでびびった俺の本性見せちゃうぞっ!」ってことにしようかな?と思ってます。

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2006/12/17 『武士の一分』見なさい!

仕事が立て込んで、中々、観に行けなかった『武士の一分』観てきました。
 メンズデー(オヤジデー?)とは言え、平日の昼間に、いつもはガラガラの映画館に行ったんですが、これがまた結構、中年以上のおじさんおばさんが入っていて、都心の映画館ならもっと沢山入っているだろうな〜?と思いました。

何せ、主演がキムタクだというので前宣伝もバッチリだから、コケるということは無いだろうと思っていましたが、そうでなくても時代劇に革新をもたらした山田洋次監督の藤沢時代劇三部作のシメとなれば、私は絶対に劇場で観ると決めておりました。

で、キムタクの剣術指導をされた箕輪勝先生から自信作であるということをうかがっていましたから、やはり、注目は殺陣シーンだったのですが、もう、それも含めて、作品全体で素晴らしくいい映画でした。

まず、演技に対する真摯さで有名なキムタクならでは、少々のユーモアも含めて盲目になってから以後の死と隣り合わせの覚悟で妻を騙して寝盗った上役に勝負を挑む男っぷりが最高にカッコイイですね〜。

桃井かおりのおせっかいな叔母さんっぷりも面白いし(こういう叔母さんは「いるいる」って感じです)、笹野高史の中間もいい。道場主の緒形拳も「助太刀しようか?」って言ってくれたりして優しい。赤塚真人も良かったですね〜。この人は『闘えドラゴン』で倉田先生のサポートする役が凄く良かったですけどね。あんまり年とらない人だな〜?

坂東三津五郎の敵役は意外にはまってましたね〜。憎々しい感じじゃなくて、一見、人格者っぽく見えて実は性根が悪い・・・というところは、原作とは違うんですが、山田監督の作品だと類型的なキャラクターにしないところが日常的な中での抑えた激情が溢れる瞬間ってところを描いてくれてて、これは時代劇というコスチュームプレイのファンタジー映画では、最も描き出すのが難しい点であって、前作では今一つ、成功しているとは言い難かったんですが、今回、改めて山田洋次監督の力量には舌を巻きました。

それにしても、今回、檀れいの控えめな存在感には逆に目が離せなかったですね〜。30代後半になっていてこの初々しさというか少女性を感じさせる美しさは、普通の女優には無いでしょう。と言うか、今どきの女性には感じられないナチュラルな美しさで、何かこう、良い意味で下世話なエロチシズムみたいなものが感じないんですね。だから、脅されて坂東と密会を重ねても、ちっとも変わらない。普通は女優としてはそこに過剰な色気みたいなものを出そうとか変化を演じようとするものなんですが、この人の場合は、そんな小細工しないところがいい。「夫一筋です」という強靭さが先に出てくるから後ろめたさを感じないんでしょう。檀れいさんの今後の活躍が期待大ですね。

さて、キムタクの殺陣です。
 いや〜、衝撃です。まず、スピードが違う。庭で木刀を振るシーン、道場で師匠と立ち合うシーン、そして決闘のシーン・・・。剣の振るスピードが一般の時代劇とは比較になりません。

緒形拳と言えば殺陣の上手さでは定評のある人ですし、坂東三津五郎も、昔、NHKの少年ドラマ時代劇『快傑黒頭巾』で見た殺陣は上手かったです。まず、普通の若手俳優が太刀打ちできるレベルではありません。その二人が、キムタクの実戦的な剣術にタジタジとなっているのが判ります。あのスピードで振られるのに合わせるのでは、恐らく、実際に怖かっただろうと思います。

キムタクの剣道の実力は、かつてバラエティ番組の中で剣道の試合をする企画で、全日本一位になったことのある長谷川初範と互角の勝負をしていたことでも証明されるでしょうが、あれは天性のバネの有る先天的な勘の良さと性格的な烈しさ(負けん気)によるものなんじゃなかろうか?という気がしました。

実際に目隠しして稽古を重ねて剣術指導をされたと言われる箕輪先生も、キムタクの実力及び武道を学ぶ者としての礼節の取り方を高く評価されていました。
 あの超忙しいキムタクが、箕輪先生の稽古が終わるまで待っていたというのですから、凄いです。うちの弟子でそんなことする人、いませんもん・・・。
 だから、期待大で観ましたが、期待を越えていましたね〜。
 もっと観たかったですけど、少ない中で実に印象的で凄みのある剣技を見せてくれていました。

作品として『武士の一分』は、夫婦の愛情と絆を描くのが主題です。しかし、妻を汚い手口で寝盗った上役に対して、自分の名誉ではなく妻の名誉を護ろうとして決死の勝負を挑むというところが、男としては燃え所ですな。

どうも、現代日本人は不倫とか全然、罪悪感を抱かなくなってますけど、人間として醜くなっていく一方ですね。性欲と自己愛しか持たない人間が増えてるから、子供殺したりイジメやったりしているんじゃないでしょうか?

この作品は、そういう現代社会から失われている日本人らしさを想い起こさせてくれている佳作です。

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2006/12/11 『秘密の武術トレーニング』宣伝文

PDF書籍新刊は、武術のトレーニング法について書いてみましたが、最初は、「アレもコレもソレも書いて・・・」なんて考えていたのに、いざ書きはじめてみたら、「あ〜、アレはやっても無駄だよな〜。コレは危ないし〜、ソレはどうだかな〜?」と考えはじめて、何か、量自体は厳選して書くしかなくなってしまいましたね。

で、書き進めるうちに思い至ったのは、「トレーニング法って、本来、自分に合うものを自分で考えてやらなきゃ〜成果なんか上がる訳ないじゃん?」ということでした。

どっひゃ〜? それ言っちゃ〜おしまいだよぉ〜・・・

で、結論。

「スワイショウだけやってりゃ十分ですよ」(嘘です・・・)

・・・という訳で、ある意味、確実にトレーニング理論の価値観が変わるエポックメイキングな問題作になりました。游心流スピリットが詰まってますんで、夜・露・死・苦!

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2006/12/11 DVD合気道本、原稿書き終了!

ふぅぅ〜〜〜、やっと、終わったぜぇ〜。

もうね〜、空手道の時もしんどかったんですけど、合気道の本がこんなに苦心するとは思わなかったですよね〜。

って言うか〜、私的には、「こんな素晴らしい先生の本なんだから、かつて誰も読んだことのない革命的な武道の本に仕上げてみせるぜぇ〜」って、燃えて書いたのが逆効果。

「難しい」「判らない」「初心者向きの実用書なんだから・・・」の編集部のダメ出しで、内容は全面的に書き直される可能性が大です。

ちなみに、前回も今回も元の原稿読んだ師範代は絶賛してくれていました。要するに、やってる人間とそうでない人間では読む観点が完全に違うということですね。

私自身は納得がいかないのが本音ですが、雇われてする仕事である以上は、こちらがとやかく言う権限はありません。

が、私は、自分が書く以上は、かつて誰も書けなかった水準の本しか書きたくありません。そこそこの平均点レベルの本なんか一冊だって残したくありません。

だって、本というのはずっと後々まで残りますから、一冊でも中途半端なものを書いたら、「な〜んだ。長野峻也って、この程度のことしか書けないのか?」って恥かくことになってしまいますからね。その点、確かに武術・武道に何の関心も無い人に理解してもらえる本は書けないでしょうね。でも、小学生に大学の授業受けさせるようなもんだから、致し方ないでしょう。平均値の本を作ろうと考える人達の気持ちは私には理解の外です。

だから、雇われ仕事は今回で最後にしようと思います。今後は自分の本しか書かないようにしたいと思います。それが自分のためであり、依頼する人達のためでもあります。

プロというのは依頼する側の求めに完璧に応じられることが第一条件でしょうから。

でも、今回のお仕事は、一つ、自分にとっては良いことがありました。

習った訳でもないのに、取材で見せていただいた技を試してみたらできるようになってしまったのです。

正直、二カ月前には「やっぱり、専門の先生にはとても及ばないな〜。合気について語るのは十年早かったな〜。自惚れちゃあいかんな〜。あ〜、こっ恥ずかしいな〜。あんな技は俺には無理だな〜、できないよな〜。あれができるようになるのに何年くらいかかるのかな〜?」と思っていた技が、一度も稽古したことがないのに、実験してみたらできるようになっていたのです。

正直、我ながら驚きましたよ。「なんで、できんのよ、オレ?」って感じ・・・。それで、そんな内心の驚きはおくびにも出さずに、昔からできていたフリをしてセミナーで教えてみたら、「え〜、ウソ〜。なんで、アンタらできるのよ〜?」って・・・。

自慢話でごめんなさいね。

何か、ここ数カ月は私だけじゃなくて、会員さん達も上達具合が異常に早い。明らかに異常というしか言葉がないんです。どう考えたって、こんな短期間にできるようになる筈がない武術の世界では相当に難度が高い筈の技が、皆、楽々とできるようになってしまうのです。見世芸の話じゃないですよ。実際に使える技が、です。

例えば、既に抜いて上段に構えて斬り下ろすだけの体勢の相手を目前にして居合術で制する・・・という技を教えてみたら、初回は苦労していたけど、三回目の稽古の時はほとんど危なげなくできるようになっています。

お断りしておきますが、鯉口も切らず、柄に右手もかけずに自然体で立った状態から始めさせていて、それでも間に合うんですよ。これもう、達人と呼んで差し支えがないレベルですよ。会員さん達には万一を考えて模擬刀か鞘付き木刀でやらせています(私は普段、真剣で練習してるから、やればできますよ)けれど、合計しても三時間くらいしか稽古していなくて、この水準のことができるようになってしまっているのです・・・。

これ、居合道の高段者でも、まずほとんどできないですよ。「頭の中で仮想敵を想定して訓練しているんだ」って主張する居合道修行者はいらっしゃいますが、やらせてみたらできないでしょう。イメージ・トレーニングは効果的なんですが、向き不向きがあるし、それだけで実際にできるようになれるなら、誰も苦労しませんよ。実際、経験者に何人かやらせてみましたが、全く抜くどころではありません。たとえ相手より速く抜けても(抜けないけどね〜?)相打ちになるのが解るから抜けなくなってしまうのです。

無論、うちで稽古している者のほとんどが剣道も居合道も経験がありません。合気道や空手の経験があるくらいです。

何故、経験が無くて、刀の抜き納めだって、ろくすっぽできないのに、そんな超難度の技ができるようになったのか? しかも三時間で・・・。

ねっ、異常って言うしか言葉が無いでしょ?

理由の一つは、「相手の出が読めるから」ですね。これはもう明らかです。攻撃が出る寸前に、攻撃が到達する位置から逃げてしまえば安全。その上で逃げる動作の最中に刀を抜いて相手の小手に付ける・・・という動作をプラスすればいいのです。

が、理屈で言うのは簡単ですが、だからできるって訳にはいきませんよね。普通。

やっぱり、丹田作ったから内功が溜まって、一気に内力が上がったんでしょう。そうとしか考えられません。だから、頭で理解した理論通りに躊躇なく身体が動くようになったんだと思われます。丹田ができると度胸がつくと言われるのも、内功で重心が落ちて神経の作用が円滑に安定した結果でしょう。

「発勁や合気はそう簡単にできるものじゃない。功夫は何十年も費やさないと身につかない」って、武術の世界ではずうっと長く言われてきていますが、「絶対、嘘! 理論が解れば誰でも短期間で相当なレベルになる。自分ができないからって他人を嘘つき呼ばわりするなよ」って、私は、はっきり断言できますよ。

だって、うちの会員さん達でデータ揃ってるもんね。
 今、通ってきてる人達、その辺の道場の指導者レベルばっかりだし、それも日に日にレベルアップしていくのが、はっきり判るんだから、教えてる私が驚いちゃうくらい。

恐らく、2〜3年後には世間的に達人と言われている人達以上の武術家が数人は育つと思います。5年後には七人育てて、「游心流七人の侍(レインボーマン?)」と言わせてみせますよ。まっ、遠慮して言っても、後、半年したら一人は確実に出ますよ。

でも、甘く考えないでくださいね。逆に、向いてない人は上達しないこと夥しい。三回来て上達しない人は、何回来ても無駄。やる気だけあっても駄目な人は駄目ですね。才能も素質も関係ないけど、うちの稽古体系は向き不向きははっきりと出ますね。それも判ったから、今後は教える人は前よりも選びます。月例セミナー休止したのも、実はそういう理由です・・・。

あ〜、それにしても・・・、大言壮語は趣味ではありませんが、合気武術研究の最後の一線を越えるために、今回取材した先生に巡り会ったような気がするのです。

もの凄く、縁の働きを感じて仕方がありません。「お前はまだ合気道の本当の素晴らしさが解っていない。だから、この人に会って勉強して、合気道の素晴らしさを世間に発表しなさい」って、そう言われているみたいな気がするのです。

恐らく、現代で望める最高の合気道理論を持つ先生だと思います。何しろ、ただ強いだけの先生だったら他にも結構おられるだろうと思うのですが、その先生方が理論として教えられるか?となったら、ほとんど期待はできないだろうと思うからです。

だから、本当に自分的には嬉しいんですが、どうにも後ろめたさが拭えません。最高の本に仕上げて先生に喜んでもらいたいと思っていたのに、月並みな仕上がりにされてしまう可能性が高い。それなのに、私は技を盗んだ形になってしまう。三人掛けも指一本で沈身で潰すのも崩しの理論はほぼできるようになっちゃったしな〜。まさか、こんなに早くできるようになるとは想像もつかなったけど・・・(股割りと膝行と受け身はできませぬ!)。やっぱり、理論がしっかりしてたらできるようになるのが当たり前なのかも知れませんね。

金をもらって勉強させてもらった・・・と思えば、こんな有り難いことはないのですが、私が一方的に得してしまうのは我ながらズルイと思うのです。

やっぱり、お世話になった人には恩返ししたいですよね〜。人間の当たり前の感情として。この御恩はいずれ何かの形でお返ししたいと思います・・・。

さ〜って、と・・・

それじゃ、PDF書籍『秘密の武術トレーニング』の原稿書きに取り掛かるとするか〜(今週発売予定なのに、まだ一文字も書いてない!)。
 目からウロコ落ちまくり、オッタマゲのスーパー・トレーニング法を公開しますよ〜。
(私は無駄なトレーニングは一切やりませんからね・・・フッフッフ・・・)

とっとと、原稿書き終わって、『武士の一分』を観に行くぞ〜っ!っと・・・。

追伸;PDF書籍原稿、恥ずかしながら、早々に書き上げましたっ! 我ながら早いっ!
まっ、ちょっと量が少なくなっちゃったんだけど・・・ある意味、“問題作”だよな?(読んだ人だけが「なるほど」って思う筈)

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2006/12/06 ラストセミナー報告

都合三年続けた江古田ストアハウスの月例セミナーも、12月3日をもちまして、一旦、休止となりました。
 これまで御参加くださった皆様、ありがとうございました。

ラストということで、当日は新潟や浜松から駆けつけてくださった方もいらして、恐悦至極でした。

参加者は少なかったものの、久しぶりに手裏剣もやってみましたし、居合術(左剣・右剣・追い燕の三本)をやったり、無刀捕りをやったり、DVD付き合気道本の取材中に見せていただいた立ち技三人掛けの合気技ができるかどうか実験し、ぶっつけ本番でやってみたらできたので、「俺って天才かも〜?」ってナルシズムに浸りながら参加者にやり方を教えて試してもらったら・・・ぬぁ〜んと、皆、できちゃった!

教えて上手過ぎるというのは悲しいことですね・・・グッスン・・・。

それにしても、合気道の師範は、「これは背中が動かせないとできないから難しいんですよ」と、おっしゃっていらしたのですが、私ども游心流の面々は日頃から基礎錬体で胴体をクネクネ動かす練習をしているので、この手の技は得意なんですよね〜(でも、初参加の人もできてたけど・・・)。ダンスの研究しているのが役立ちましたよ。

武術の身体操法とか注目している人が多いですけど、私はストリートダンスや舞踏を実践した方がずっと得るものは高いと思いますね。身体動かすだけなら・・・。

私が武術に求めているのは徹頭徹尾、暴力への対処法です。

ラストセミナー初参加の方が遠慮がちに質問してくれましたが、「游心流では何故、自由組手やスパーリングをしないのか?」ということでしたけど、話していて、やっぱり実戦に対する考え方が根本的に違うんだな〜と思いましたですね。

その方は我流で友人と自由組手をやって研究されてきたそうですが、やっぱり打ったり打たれたりしてしまう・・・と。強くなりたいと思って実践しているが確信が持てないということでしょう。それで、型稽古だけやっていて勝てるのか?という大きな疑問を感じられるそうです。

結論から書きますと、型稽古だけやっていても勝てません!

無理ですよ。漠然とチンタラやってたって何も変わらない。

「やっぱりな〜」って思うのはまだ早いですよ。自由組手がんがんやっていたって勝てない局面は無数にあるという現実も弁えないといけません。

例えば、某実戦空手流派を学ぶ人がセミナーに参加された時に、模擬ナイフでナイフ捌きをやってもらいましたが、体を捌くということをやったことが無いので、手だけで捌こうとして刺されてしまう・・・。かなり、ショックを受けたそうです。ご自分が「実戦的だ」と思っていた技術が素人のナイフに通用しなかった・・・という現実に愕然としてしまったと言われていました。

私は、武道を十年も二十年もやってきて、中学生のケンカみたいなレベルで勝負を考えてちゃいけんだろ〜って思うんですよ。

台湾で修行してた友人に聞いた話では、むこうのケンカって、御礼参りに硫酸の瓶持ってきてかけたりするんだそうですね。でかい刀持って襲ってくるくらいは当たり前なんだそうです。

私が習った古武術の先生も「手裏剣にキョウチクトウの汁塗ればイチコロだよ」とか平然と教えてくれるナイスな先生でしたが、目玉ほじくり出すくらい平気でやりそうな先生が古武術の世界にはザラでしたよ。

武術って、本来、どんな状況からでも生き抜くことを求めて技が工夫されたんだと思うのです。だから、基本は、敵は自分より強大で、複数いて、武器を持っている・・・ということが普通だと思っていなければいけないでしょう。従って、逃げられるなら逃げた方がいい。

私はそういう想定で研究してきているので、一対一で技量を競うことに意味が見いだせないのです。五分の条件で一対一で戦って、やっとこさ勝てるくらいでは、相手が二人いたらもうオダブツですからね・・・。

とにかく、武術である以上、一瞬でブチ殺せなきゃダメでしょう? 生命を護るための技なんだからヌルイこと考えてちゃダメだよ。

自由組手の問題点は、ヨ〜イ、ドンで戦い始める訓練をすることです。そういう練習やってたら、そういうリズムでしか戦えなくなるんですよ。相手が攻撃の意志を固める前に先手先手で潰していかなくてはなりません。卑怯も糞もない。生き死にがかかった勝負は絶対に負けたらダメなんですよ。

諦めがつくなら負けても構わないでしょうが、もし、家族や恋人を護らなきゃならなかったらどうします? ヤク中の通り魔や北朝鮮のスパイに襲われたらどうします?

殺すつもりになれないのなら、戦いなんかしないでダッシュで逃げて逃げて逃げまくった方がいいでしょう。中途半端に「オッシャ来い!」なんてやってたらダメだよね。

武術というのは、殺す技を修行するから心を磨いて「押忍」の精神を持つ必要が出てくる訳で、自分の心をコントロールできない人間に教えてはいけないと戒められてきているのです。

別に私は全然強くなんかありませんよ。武術研究しているのも自分が弱いことを理解しているからですよ。でも、人間は圧倒的に弱い人が大多数なんだから、自分の弱さを自覚して身の程を弁えないと身の破滅ですよね。

弱い自分がどうやって屈強で武装していて複数で襲ってくる敵に対処すればいいのか?という答えは、武術の中に全部、入ってるんですよ。型稽古や基本動作、そんな地味な形の中に秘められた戦術をどこまで見抜いていけるか?が勝負どころですよね。

本当に、ものの価値が判らない人が多過ぎますよね〜。

最後に厳しいことばかり書きましたが、よく考えていただきたいのは、「強さって何?」ということです。ほびっと村でやってた頃からも加えると、長年、武道をやってきた人達に何百人(いや、千人は超えてるよな〜?)も会ってきましたが、何か、武道やっているのに、えらいものの考え方がヌルイ人が多かったですよ。いい年こいてニート状態なのに「強くなりたいんです」なんて寝ぼけたこと言ってる人も何人もいましたよ。武術に救い求めてるド阿呆が人生を無駄にズルズルベッタリしてタワ言をほざいている・・・。

「潔く死になさい! 死ぬのが怖かったら、“自殺する勇気も無い弱いオレ”を自覚して虫けらのように生きて、いつか成り上がってやるって月に吠えなさい」

私なんか、負の想念を「いつか絶対、見返してやるぅ〜。ガルル〜」って具合に燃料にして自分のやる気を鼓舞して生きてきましたよ。挫折や嫌がらせが私を強くしてくれましたよ。もう、汚れっちまってるからね〜、オレ・・・。御立派な綺麗言なんか言えないもんね〜。でも、偽善者になるよりいいや〜。本音で生きてる方が楽しいしぃ〜。

あっ、いけねっ! 早く原稿書かなきゃ〜(あ〜、進まないよぅ〜。あんなに苦労して知恵絞って書いたのに・・・またダメ出しだよ〜。もう、雇われ仕事は今回限りにするぞ〜。もう自分の本しか書きませぇ〜ん!)。

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2006/12/04 『逃亡者(のがれもの)おりん』をついつい観ちゃうオレ・・・

あ〜・・・進まねぇ〜な〜・・・メッチャ進まねぇ〜よな〜・・・12時間ぶっ通しで原稿書き続けて、たったの30ページしか進まねぇ〜よ〜・・・。

スンマセン〜、今日は私のグチ読んでくださ〜い・・・。

いやね〜。最近、PDF書籍用の原稿を、気ぃ狂ったようなもんの凄〜い速度で書きまくってたもんだから、DVD付き合気道教本の原稿書きが始まったものの、遅々として進まないったら、ありゃしないんスよ〜・・・困ったわ〜。

いやね〜。前回の空手道の本よりは早いだろうと思ってたんだけど、ひょっとすると、もっと時間食ってるかも知れんね〜・・・。

いやね〜。本当は、こんな文章、書いてる余裕は無いんだけどね〜。

いやね〜。早く原稿書きあげて『武士の一分』と『パプリカ』と『コワイ女』観にいきたいんスけどね〜。

いやね〜。ちょっと、要らん文章でも書かないとストレス溜まっちゃいそうな訳なんスよね〜・・・。

そういえば・・・私のところに挑戦状?送ってきた北海道の爺さん。何か、実際に試合して怪我しちゃったんだとか・・・?と聞きましたけど、「何も、そこまでやらなくたって・・・」という気の毒な気持ちと、「天罰テキメン!」という気持ちと半々で、他人事ながら複雑ですね〜。

武術って、もともと争いを避けるのが上策の筈なのに、自分から「俺は強いんだ」と吹聴して回るのがそもそもの間違いだし、自業自得って言えばそれだけの話だけど、大勢見ている前で叩きのめされるのって、どうなんでしょうね〜? 普通にトーナメントとか出場していた方が良かっただろうに・・・。

勝ったり負けたりするのは当たり前の話なんだし、達人伝説、不敗神話を築くには今のインターネット時代では難しいでしょうね〜。

それと・・・何故か観てしまう・・・『逃亡者おりん』!・・・「また一つ、闇の鎖、斬りました・・・」って・・・あ〜っ、この御時世に、何故にこんなアナクロなGPミュージアムのVシネみたいなノリの時代劇が?・・・テレ東ってステキ過ぎるぅ〜っ!

何せ、異様なくらい力入ってるんだもん。初回は何故か2時間スペシャル! 無駄に豪華なキャスティング(榎木孝明・宅麻伸・あおい輝彦・左とん平・梶芽衣子・田中健・倉田てつを=お久しぶり『仮面ライダーブラック』)なのに、主演は「どこのどなたでございますか?」って感じの新人・青山倫子(誰?)。ストーリーは『あずみ』と『ニキータ』を合体してるし、おりんの戦闘服は時代劇なのにキャッツアイとケンシローを合体したような感じで、ハレ〜?って脳天クラクラしちゃいまするぅ〜・・・。

まあ、新人にこれだけの大役を演じさせようってんだから、倫子ちゃんは日光江戸村で激人気で殺陣が往年の志穂美悦っちゃんくらい上手いとか、そんなず抜けた才能が・・・アレッ?・・・この人、メッチャのろいやん?・・・絶句・・・。

まあ、宅麻伸が意外と殺陣がサマになってる・・・とか、榎木孝明が無意味に手下を殺しちゃう・・・とか・・・見所?は有るんですけど、全体をしめるミョ〜な味がテレ東臭を醸し出して、思えば十数年前に放送していた同局のかたせ梨乃主演の『半身のお紺』を想い起こさせる・・・物凄くコアな爺さん時代劇マニアを狙ってます・・・と言わんばかりの制作姿勢が、いっそお見事!

いやいや・・・むしろ、今回は、最初っから「狙ってるな?」って感じがするんですね〜。例えば、『水戸黄門外伝かげろう忍法帖』みたいに、アレですよアレ!

『時代劇マガジン』の記事によればプロデューサーは倫子の“品の良さ”を買って主役に決めたってことですが、でも役柄的には汚れ役だったりするんですよね〜。やっぱり狙ってるよな〜。

まあ、初回で観た倫子の危なっかしい殺陣も、徐々に上達してきているし、何か、最後まで目が離せなくなりそうですよ。

そういえば・・・平成仮面ライダー・シリーズに出演したイケメン俳優達って、その後に時代劇に出演したり刑事物に出たりするのが定番になってるな〜。『龍騎』に出てた萩野嵩とか村上幸平とか出てたぞ・・・。俳優さんって、いつか有名になってから「そういえば、アレに出てたよね?」って話が面白いんですよね。

『スーパージャイアンツ』のもっこりタイツ姿が有名な宇津井健、『九十九本目の生娘』に警官役で出てた菅原文太、『ブラックプリンセス』にヤクザ役で出てたトヨエツ、本人は否定してるけどやっぱり怪しい実写版『忍者ハットリくん』のケムマキ役?の杉良太郎、『燃えよドラゴン』でリー先生に首をひねり折られるジャッキー・チェン、『少林寺木人拳』(整形前の厚ぼったいまぶたのジャッキーが主演)のからみのヤクザ役で出てたユン・ピョウ、『最も危険な遊戯』の優作先生の賭け麻雀のシーンに出てた柴田恭兵(優作先生にぶん殴られるだけ)・・・いや〜、楽しいですな〜。ブレイク前のオーラの輝きって、ブレイクした後より有るんだよね〜。

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2006/12/02 山田洋次時代劇に秘められた寅さん流の恋愛模様

以前から噂されていた矢田亜希子がついに結婚しましたね〜。
 おっ、ついに結婚したか〜?と思っていたら、ミムラもあっさり結婚・・・。ムムゥ。
 更に、井川遥まで・・・、ムムムゥッ・・・。
 何だか、最近の女優は、えらくあっさり結婚するな〜?

女子アナも早いよな〜。
 阿部哲子も結婚したし、テレ東の星、大橋未歩も結婚・・・。フムゥ〜。

まっ、最近は、結婚しても仕事続ける人が多いから、別に変わらないとは思うんですけど、正直、「この人、結婚してるんだよな〜」と思った瞬間、憧れの感情は一瞬で消滅します・・・(あ〜、独占欲強過ぎだよな〜、オレ・・・)。
 世の中には、“結婚している女性”に特別な興味を持つ男が多いと思われているようですが、私にはそういう感情は全っ然ありません。不倫は絶対にできませんな〜。

そう言えば、去年、ある件で中国拳法を学んだ先生に相談に行った時に、先生の奥さんから「・・・そんなこと言ってても、もし、長野さんが主婦のお弟子さんを好きになったりしたら、どうするの?」って聞かれて、「いえ、あり得ません」と答えたら、奥さんは、じーっと私の顔を見て、「・・・う〜ん、長野さんはそうでしょうね〜」と、納得されて、「(考え方が)堅いわね〜」と笑われてしまいましたな〜。

でも、主婦というだけで、私の目にはもう女性として憧れる対象じゃなくなってしまうんだから、別に堅物だって訳じゃないんですよね。

さて、山田洋次監督の時代劇三部作の原作作家、藤沢周平の短編集『隠し剣秋風抄』を購読しましたが、露骨な描写はありませんが、女性に恋愛感情を持つ剣士達の生きざま、死にざまを描いた短編を読むと、山田監督が藤沢周平の作品に魅力を感じた理由が解る気がしました。

山田監督と言えば、フーテンの寅さんシリーズですよね。

フーテンの寅さんと言えば、毎度毎度、一目惚れしては実らぬ片思いに悶々としつつ、風狂無頼のテキ屋人生を送る・・・という国民に愛されたキャラクターですが、寅さんが愛されたのは、彼が「片思いしかしない」というシラノ・ド・ベルジュラック的な禁欲的な童貞っぷりにあるのではないでしょうか?

寅さんがカサノバみたいな男だったら、日本国民にはそっぽを向かれていたでしょう。

先日、田中泯さんの大劇場ラスト公演を観に行った時に、山田監督をお見かけしましたが、含羞の人のようでしたね。男女の生々しい色恋を描くのは苦手なのでしょう。
 寅さんがマドンナに憧れながらアンタッチャブルの清い関係を保つのは、女性に対する憧れの感情を崩したくないからなのでしょうし、それはそのまま山田監督の精神に繋がっていくようにも思えました。

『たそがれ清兵衛』の宮沢りえ、『隠し剣・鬼の爪』の松たか子、そして、『武士の一分』の檀れい。この三者に共通するのは、主人公以外の男がいるという点ですが、それでも尚、主人公の憧憬の感情が強く結び付いている。

恋愛が社会的に許されなかった時代の、結婚と精神的な結び付きを描いた点が、時代劇という型枠の中で、現代的手法を以て、現代で失われつつある精神的な恋愛を描こうとした山田監督の挑戦だったのではないか?と思われるのでした。

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2006/11/28 『拳游秘伝』12月一挙完結!

PDF書籍のシリーズも順調に売れております。現在は『丹田開発』が一番売れていますが、やはり、身体論ブームの影響もあるのでしょうね。

護身術と若山先生、小説は今ヒトツみたいなんですが、読めば解る筈なんですが、実際は、こちらの方がずっと内容的には面白いし、武術の秘伝・極意に関して書いているんですね(さりげな〜く・・・)。

セミナーに来る人にも特徴的なんですが、皆さん、“自分の関心のある技”だけを単体で知りたがるみたいなんですけど、そういう人って、不思議なことに、いくら教えても、中々、体得できません。

例えば、発勁を打つには肩甲骨が柔軟になっていて打つ瞬間に重心移動の力を集中する感覚が無いとダメだし、合気技法は脱力できないとダメ・・・これらの訓練は基礎錬体をやった方がずっと効率良い訳です。基礎錬体をやらずに発勁や合気だけをやろうとしても、本来だせる筈の威力よりかなり落ちてしまう訳です。

また、丹田を開発しても、内功の力を全身に巡らせられなければ下手をすると“自爆”します。「危ないから止めろ」と口を酸っぱくして注意してるのに、丹田だけを鍛えればスーパーマンのようになれるのだと思い込んで、うちで教えた丹田歩法と立禅に肥田式を併せて練習し、脳みそパンクしかかってるのに止めずに、精神が壊れかかってしまう人もいます(自分のことだと判った人は反省して即刻やめなさい)。

身体の損傷と違って、神経や精神の損傷は、一度損なえば、おいそれとは治りません。
 高い効果のあるものはそれだけリスクも高いのです。せっかく副作用の少ない方法を考案しているのに、自分勝手なバカげた解釈で他の方法と組み合わせて実践し自己満足に陥るバカモノは、どうすることもできません。「指導者の指示を無視する自惚れバカは勝手に自滅しちまえっ!」と言いたいのが私の偽らざる本音です。

組み合わせれば相乗効果が出る場合もありますが、下手に組み合わせれば効果が無いばかりか逆効果になってしまう場合もあるのです。
 特に、精密に作られているものは、他のものと組み合わせると、まず効果が無いばかりか逆効果になってしまうのが常です。

食べ合わせで毒になるものなんかもあるし、薬を併用すると毒になったりもしますよね〜。あれと同じです。

武術・武道・格闘技でも種目によっては併せてやると両方ダメにしてしまう場合はあります。特に、初心者がいくつも掛け持ちするのは良くないですね。身体が混乱してしまいます。

「内家拳や合気道をやりながらウエイトトレーニングをやるのはどうか?」と聞く人がいますが、絶対に止めないとダメになりますね。まあ、こういうこと聞いてくる人は、いくら説明しても納得しませんけどね。だから、「やりたいなら好きにすれば」としか言えませんけど・・・。

フルコンタクト空手や総合格闘技といった試合をやるものなら、ウエイトトレーニングも効果的だろうとは思いますが、内家拳や合気道は戦闘理論が違うので、筋肉に力を込める癖をつけてしまうと根本から崩れてしまうので、ウエイトトレーニングの類いは一切やらずに、普段の稽古をその分多くやる方が効果的でしょう。ウエイトやってる人って、筋肉に力む癖がついて、足も身体も居着いてしまっているのに、自分では全然気づいていない場合がほとんどです。

私は、意外と筋肉質で腕なんかは太いんですけど、本来、こんなに要らないんですね。昔の数稽古とかの名残で太いだけなんですよ。でも、這いとかやっているせいか、脚も太いし、丹田もできたんで胴体も太い(何か、どんどん身体が球体に近づいてきてます)。

だから、筋力でやっているんじゃないか?って思う人がいるみたいです。大阪支部長みたいに、武道経験が全然なくってヒョロリンってしてる人間がやって見せると皆さん、納得するみたいですけど・・・。

世の中に、万能の打出の小槌なんかは無いのです。

例えば、年末ジャンボで三億円当たったとしましょう。でも、大喜びで仕事やめて豪遊していたら、数年で使い切ってしまうでしょうし、人間一人が地道に働いて稼ぐ金は一生分でもっと上でしょう。結局は地道な日々の積み重ねが最も重要なのです。

護身術は、日々の生活を護る知恵です。武術としての根源的価値について書きました。
 若山先生の本は、役者として生きた人が裏芸として武術を修練していたことを再検証しているものです。ある意味で、武術家としての理想像だと私は思っていて、そういう役者として生きる道を選んだ武術の達人について知らせたい訳です。

そして、小説は、私が出会った武術家や愛好家をモデルにして創作したものです。

これらはエンターティンメントを意識して書いたものですが、それだけのものではありません。発勁・合気・丹田・・・これらの秘伝・極意に関する技術的情報に関心を持つ人が多いだろうことは予想していましたが、単体の技術を知っても、それを自己改革に役立てて人生を建設的にしていこうとする方針を持たなくては、無意味ではないでしょうか?

早い話、発勁が打てても、合気ができても、丹田が開発されても・・・それだけでは何の使い道もありません。自己満足でナルシズムに浸るのが関の山です。

結局、一番大切なのは、それらを体得することで自分の意識が変わるということです。

余談ですが、私が甲野善紀氏が嫌いなのは、古武術を利用して身体操作の技術をウリとし、結果的に新興宗教みたいなムーブメントを起こして世間一般を巻き込んでしまっている点に欺瞞を感じてしまうからです。
 要は、武術を自己の売名に利用しているだけにしか見えないのです。多くの武道家、文化人を巻き込んで(時にその人達の権威を詐称利用して)、彼らを宣伝広告塔として活用して、本来は武術と何の関係もない自分の思想を世間に広めてしまった罪は、彼の社会的功績をも上回ると私は思っています。

甲野氏に狂奔している人達を見ていて思うのは、今の日本人は、何か外部のカリスマに頼ろうとし過ぎているのじゃないか?ということです。
 他人を頼る精神は、イジメ自殺問題にも感じられます。ストレスに対してあまりにも弱過ぎます。弱過ぎるが故に、万能の打出の小槌を求めてしまうのじゃないかな〜?という気もするのです。

私は、小説のテーマとして、イジメを受けて自殺しようとすら考えていた少年が、武術修行を通じて成長する・・・という古臭い内容に、リアリティーを持たせることを目指しました。それは、当然、私の体験も随所に含まれていますから、そうそうスンナリといくものではありません。20年以上、ホームレスすれすれの貧乏生活を続けて、親に迷惑をかけまくって、周囲に助けられて、奇跡のようにやって来れた自分の20代30代の迷走人生を振り返って、「武術だけは一途にやり続けてきたから今の自分がいるのだ」という有り難さを感じられるのです。

別に武術でなきゃダメだと言いたいのじゃありません。能の大倉正之介さんや舞踊の田中泯さんといった武術以外の分野にも憧れている人はいますし、特に田中泯さん率いる桃花村の踊り手の方々には、純粋に舞踊に人生を捧げて生きているという、爽やかさが感じられて羨ましい限りです。オーラが違うんだもん。外側が綺麗なだけの女優とかモデルとかとは比較になりません。

自分の好きなことに一途に打ち込んで生きている人というのが私は好きなんですね。

何故か?というと、そういう人って自分に嘘をついてないでしょう。嘘の無い人って内側から輝きが違う。赤ちゃんの無垢な目って綺麗でしょう? 人間は成長していくに従って醜くなるんですよ。無駄なものを溜め込んで・・・。

田中泯さんって、60過ぎてるのに凄い肉体ですよ。ウエイトで鍛えたような見せかけの作った肉体(もうね〜、こういう肉体って、本人のナルシズムが匂ってきて気持ち悪くって嫌いなんですよね〜)じゃなくて、農作業と舞踊の稽古で自然に練り込まれたネイチャーな肉体美ですよ。カッチョエエっスよ〜。海外に公演に行くとマーシャルアーチストと間違えられるそうですけど、そうでしょうね〜。TVで『鉄コン筋クリート』のCFがあって、アテレコしてる泯さんの映像がちょこっと映ったんですが、もの凄いカッコイイんですよ。泯さんが出てくると普通の役者は霞みまくっちゃうからな〜。

やっぱ、カッコイイ爺さんってのが私の理想像ですからね。私も、これから無駄に溜め込んだものをそぎ落としてカッコイイ爺さん目指して修行しようと思っております(既に引退モード・・・)。

おっとっと・・・、宣伝文を書くつもりがムチャクチャ脱線して収拾がつかなくなってしまいましたね〜。

まあ、何が言いたいのかといえば、「発勁や合気や丹田ばっかりじゃなくて、他のも面白いから買ってね〜」ということです。

護身術の本は武術の必殺技を惜しげもなく書いておりますし、若山先生の本は秘伝テンコ盛り。そして、小説には、中国武術の訓練法や合気道、空手、居合、手裏剣等の戦闘理論についてだったり、現代の知られざる達人の実像が克明に描写されているのです(仮名にしてるけど、私のエッセイを読んできた人には察しがつく筈です・・・フッフッフ)。

はっきり言って、私が書くものは、いかなる形式であっても根本は全て武術の秘伝書となっているのです・・・。たとえそれが、教育問題を論じていたりバカ映画を評論していたり、舞踊の批評であったとしても、その文章の中には必ずや武術の秘伝に通じるヒントを隠して書くのが私の習性なのです。

即ち! イジメ対策は武術の戦術が元ネタだし、舞踊の評論は武術の身体操法の極意を暗示しているし、バカ映画の評論は戦闘時にリラックスするための意識の平静さを保つコツについて書いているんですよ。無理やりっぽいこじつけみたいに思うかも知れませんが、本当ですよ〜ん。

だから・・・「私が書くのは全部、読むべし!」ということです。そうすると、パズルみたいに「あ〜、あそこで書いていたのはこういう意味だったのか?」という発見が色々ある訳ですよ。

ねっ、生活のためには色々知恵搾っちゃうんだからね〜。あ〜、シノギは大変だよ。
「早く、売れっこ作家になりたぁ〜い!」(妖怪人間ベム?)

よ〜し、今年も後、一カ月。頑張って『拳游秘伝』は一挙に完結させますっ! 原稿用紙500枚くらいは三日で仕上げてみせるぜ〜っ。 
 それから、『武術トレーニング』の本は、ブッ千切りの内容にしますから、期待してくださいね〜。

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2006/11/28 立禅は注意が必要です

まず、嬉しい報告・・・
 空手をやっている会員さんが、道場の先輩に“丹田歩法”のコツを説明したら、その先輩は少し試しているうちに「本当だっ! ハラが充実してくるのを感じる」とビックリしていたそうです。このように、ある程度、正確にやれば誰でも丹田の感覚が超スピードで養成されるのです! 私が研究開発した中でも最大ヒットだな〜。

次に悲しい報告・・・
 立禅をやっていて、頭にクンダリニーが上がってしまった人がまた出ました。
 電話で連絡してきてくれたのですが、声の調子でクンダリニーが上がってしまっているのがすぐに判りました。

武術をやりたがる人には分裂病気質や躁鬱病気質の人が結構いるのですが、本人は自覚していない場合がほとんどなのです。この人の場合も、自覚はしていなかったでしょうが、表情から分裂病気質だろうと思ってはいました。

だから、正直、教えるのは気が進まなかったのですが、やりたいという熱心さに押し切られて入会を許可してしまいました。が、やはりうちのやり方には向いていません。効果が無いだけならまだしも、立禅をやらせていると自発功の兆候が見られます。姿勢も維持できません。正直、ヤバイな〜と思っていましたが、プツッと練習に来なくなったので、諦めたのかな?と思っていたら、電話で知らせてくれた訳です。

軽いうちに知らせてくれたので助かりましたが、可哀想ですが、彼は基本的には武術はやらない方が無難でしょう。精神病になってしまったらどうしようもありません。

はっきり書いておかないと危険なので明記しておきます。
 立禅は、分裂病気質や躁鬱気質の人間がやったら、まず間違いなく症状が悪化して酷くなると発狂します。脳内覚醒物質が出過ぎるのでおかしくなってしまうのです。うちの会でも三〜四人は出ています。責任も感じますが、こういう人達は自分勝手に解釈して注意しても言うことを聞かないのだから、どうしようもありません。「それをやっていたら自滅する」と注意されて、それでも続けるのでは、続ける本人の責任でしょう。

日本式気功と呼ばれるN整体なんかは、分裂病気質の人は一時期、症状が重くなって社会生活を送れなくなってしまうので、そういうタイプの人は断るようにしているのだそうですが、結局、それが賢明なやり方でしょう。

ですから、私は、今後、安全のために精神疾患を起こしやすい体質と判断される人は事前に稽古の参加は断ることにしますので、その旨を御理解の上、稽古会参加を申し込んでください。先の記事で、「挨拶のできない者は参加させない」と書いたのは、それが端的な判別法だからです。まともな挨拶ができない人は、それだけ脳器質的に障害が有ることを暗示しているからです・・・。

作家や役者などにはそういうタイプの人が多いそうですから、そういう気質だからといって落ち込まなくとも、やりようによっては裕福な人生を送れるかも知れません。自覚していれば、それをコントロールしてプラスに転用することができる訳です。

そういう人達は、武術や気功に救いを求めるのは間違いですし、やはりしかるべき治療を受けたりして自覚的に気質体質を矯正していくことをやる必要があります。
 どうか、客観的に自分の状態を認識し、何が自分にとって必要なことなのか?ということを自覚して戴きたいと思います。

我知らずに犯罪をおかしてしまったりして、人生をダメにしてしまうことの無いように、病質が現れていないうちに予防することが肝心です。

気功や肥田式、座禅、ヨーガといったものは、懸命にやればやる程、精神疾患予備軍の人達を完全な精神病にしてしまうという恐ろしい側面が有りますから、くれぐれも御注意を・・・。

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2006/11/25 游心流武術の新しい稽古体系

最近、常連会員の技能アップも目覚ましく(やっぱ、段貰うと意識が違うんだね?)、そうするとたまに来る会員さんとのギャップが激しくなってしまいましたので、特に初級者向けに練習内容をバージョンアップしていこうかな〜?と思っております。

定期稽古会の場所が確定していないので(年内は決まってますので、稽古場所は御確認ください)、増えてきていた常連会員さんも足が遠のいてしまっていますが、そういう時ほど、“本気度”が判る訳で、私はもう、本気でやりたい人にしか教えたくなくなっちゃったんですよね〜。

もうね〜、本音書いちゃいますけどね〜。そんじょそこらの武道道場と同列で考えてもらいたくないんですよ。普通の道場で習えないものを指導しようとしているんですから、その価値を理解してくれる人に来て欲しい訳です・・・。

そういえば、「武術に興味があるので、やってみたいです」って言う人が、一頃は多かったんですが、興味が有るのなら、まず武術の本の10冊くらい読んで基礎知識を頭にたたき込んでから来てもらいたいですね。

女性差別で申し訳ないんですけど、特に女性の場合は事前に勉強してない人が驚くくらい多くて、何しに来たの?って聞きたくなるんです。ムードだけで武術やってみたいと思って来られても迷惑です。男女問わず向上心の無い人には私は教えたくありません。

それから、挨拶すらまともにできない礼儀知らずな人もいます。ものを習いに来ているのに挨拶すらできないのは社会常識が無さ過ぎます。今後は、ろくに挨拶もできない人は、そのまま門前払いにします。非常識な人間に武術を教えるのはキチガイに刃物を持たせるのと同じですからね。

健康のためを考える人向けには健身法のコースをやりますから、そちらをお薦めしますが、武術というのは、あくまでも生命の危険に及ぶ局面での護身のために使う技術を学ぶものですから、「身体の動きが変わる」とか何とか、そんな“クソどうでもいい”ことを求めているなら、そういうところに行ってください。はっきり言って、そんなことを目的にしている人に来られても“邪魔!”です。

武術という身体文化が膨大な内容を持つのは、人間個人が持つ戦闘能力を極限まで引き出すことを目的にしているからであって、そのための身体作りであり、戦術、戦闘技術、戦闘哲学・・・等々が研究体系化されてきている訳です。

それを、何でまた“身体の動き”という卑小な部分だけに押し込めようとするのか?
「バカなんじゃないの?」って私は思います。身体の動きだけを向上させたいのなら、ヨーガや器械体操、ダンスをやった方が、遥かに効果的です。武術家は思いの外、身体が動かない人ばっかりですよ。胴体がカチーンって固まってる人ばっかりだから、嘘だと思ったらよく見比べてごらんなさい・・・。

大人も子供も、イジメを苦にして自殺する日本人の増殖を見ると、単に精神力が衰えているだけに思えてしょうがないんですね。何故、理不尽な暴力に立ち向かう精神力の強さを養うべきだと言わないのか? 優しさと弱さをゴッチャにして恥じない神経が、既に末期的な病巣に思えるのです。イジメを受けたら立ち向かう。イジメを見たら助ける。そういう精神が失われてきていることを真剣に憂えるべきでしょう。

イジメから逃げたり助けを求めたりするしか選択肢が与えられない今の日本人は、おかしいですよ。戦えばいいじゃないですか? 学校や職場や家庭、近所、サークル・・・人が複数集まれば、イジメは必ず起こるものですよ。だから、起こった時にどう対応するか?という方法論を講じる前に、その大前提としての「イジメは卑劣で恥ずべき行為だ」という“共通認識”が必要だし、そのためにはイジメを受けた人間が「アンタらの卑劣なやり口には屈しないよ」と、“堂々と立ち向かう姿勢”を持つことが肝心ですよ。
 その一番、肝心なことを保留して何を論じても意味が無い。

例えば、私を誹謗中傷するインターネット掲示板の書き込みや、イヤガラセ電話なんかは沢山ありますが、「そんなに憎いんだったら、さっさと殺しに来いよ」って気持ちですから、姿隠してよくまあ陰湿な真似やり続けられるものだと軽蔑と哀れ味しか感じませんよね。武術やっている人間が、こんなことしかできないのか?って悲しいですけどね。

でも、うちの師範代に言わせると、「ここまで嫌がらせ受けて精神的に動揺しないのは長野先生が特殊ですよ。普通の人間だったら精神的に参って鬱病になったりノイローゼになったりしますよ」ってことでしたけど、そうなのかな〜? こんなクソみたいな連中の嫌がらせに参ってたら武術なんかやってられないもん・・・。

その点、武術・武道・格闘技を学んで自分を鍛えて強くなろうという想いを持つ人は、それだけで精神力が有ると思います。私は、そういう人達にこそ来て欲しいし、そういう向上心を持つ人に具体的に役立つ心身の護身術としての武術を伝えたいのです。
 だから、私が教えるのは人体を効率よくブチ壊せるテクニックです。危険だから現代武道が隠してしまった技術です。しかし、危険な技術だからこそ、弱い人間が自己防衛できる。パンドラの箱を開く危険性はあっても希望は残る。私はそこに賭けて武術研究に人生を捧げようと思っています。

挑発的かも知れませんが、武術を愛好する人達の多くは、何のために武術を学ぼうとしているのか?という自己認識がしっかりできていないのではないでしょうか?

「何か、武術がブームだし面白そうだから、やってみたいな」と、漠然と思っている程度の人は、游心流には来なくて結構です。他所の道場へどうぞ・・・。
 私は、本気で武術の可能性を追究して秘伝や極意の技を体現したいという想いを持っている人達に来て欲しいし、そのために、稽古内容をバージョンアップしていかなければ・・・と思ってます。初心者は徹底して身体作りした方がいいし・・・。

という次第で、游心流を本気でやりたい人の参考までに、新しい稽古内容について書きます・・・。

1,基礎練法
「基礎練法は、基礎的なカラダ作りの準備段階で、特に新しく入会する初心者向けの練習法。主に柔軟性とバランス調整を目的にする。尚、拳立てと指立ては、肘の屈伸を使わない。筋肥大が目的ではなく、全身連動した時の筋の強化が目的なのです」
圧腿(正・斜)・真向法・伸肩法・揺臂法・揺腰法・首回し・手首回し・足首回し・指回し・拳立て・指立て・独脚法・易筋経

2,基礎錬体
「基礎錬体は、従来のやり方をそのまま踏襲」
スワイショウ・立禅(健身椿・技撃椿・伏虎椿・降龍椿)・試力(横・縦・螺旋)・歩法(丹田歩法・這い・腕回し這い・揺身歩・蛟龍歩・走圏)

3,体術基本技
「基本技は、新しく導入したもので、突き蹴り受け身と捌きの基本練習」
正拳突き・順突き・逆突き・裏拳・回し打ち・肘打ち・掌打・前蹴り・横(足刀)蹴り・回し蹴り・後ろ蹴り・後ろ回し蹴り・内回し蹴り・二起脚・旋風脚・前掃腿・後掃腿・前受け身・後ろ受け身・前回り受け身・後ろ回り受け身・横流れ受け身・体捌き・手捌き・足捌き・移動基本

4,武器術基本技
「こちらも新規導入。武器術も各種武器の基本的な操作法の練習」
木刀素振り・杖突き・杖素振り・ヌンチャク素振り・トンファー素振り・釵操法・居合基本抜き納め・手裏剣打法・ナイフ操法・弓操法・銃操法

5,基本対錬
「こちらは従来通り。交叉法のタイミングと体の捌き方を練習するもの」
初級(下突き・肘打ち・挟み折り・小手返し・下段足刀・中段足刀・下蔭蹴り・頸柱折り・行き違い膝踏み折り)

6,交叉技法対錬
「これは、新規導入。交叉法で使う重要な技法を抽出して練習するもの」
刺し手・受け流し・巻き落とし・打ち落とし・ストッピング・受け潰し・すり抜け・旋回・

7,剣術対錬
「内容はヒ・ミ・ツ・・・」

8,対他流技法
「他流の技を打ち破るのに研究するのは、昔の武術家では当然の心得でしたけど、今はやる人が滅多にいません。自分のやってる流儀が最高だーっ!って、思ってるんでしょうけど、今時、こんな発想では命を縮めるだけでしょう・・・」
対ジャブ・対ストレート・対フック・対ローキック・対ミドルキック・対前蹴り・対首相撲・対タックル・対関節技・対絞め技・対投げ技・対合気技・対ナイフ・対刀・対棒・対槍・対手裏剣・対鎖・対ピストル・・・等々

9,特殊技法研究
「いわゆる、秘伝とか極意と呼ばれて、崇め奉られている技法の原理を探り出す研究。テレポーティションとか舞空術とかは、流石に研究しておりませぬ〜」
勁(沈墜勁・纏絲勁・十字勁・弾勁・抖勁・尺勁・寸勁・分勁・零勁・浸透勁・明勁・暗勁・化勁)・発勁と当身(拳・掌・鉤手・指・外腕・内腕・肘・肩・背中・胸・腹・腰・膝・臑・足裏・カカト・足刀・爪先)・剣術(続飯付・切落・合撃・切割・螺旋剣)

10,形研究
「これは、最近、ちょっとやっていなかったんですが、再開しようと思っております。空手の形や中国武術の套路といった独錬型、古武術や合気道の相対型の中に秘められた術の理合を抽出していく分解組手の作業は、武術研究の最も有効な手段になると思います。余談ながら、沖縄空手の本で分解組手は重要ではないと説く人がいたそうですが、こんな馬鹿げた説は他に聞いたことがありません。本当に沖縄空手の実践家なのでしょうか?」
太極拳(簡化24式その他)・八卦掌(八母掌・連環掌・散手)・形意拳(五行拳・十二形拳)・八極拳(柔身六法・小八極・大八極)・空手道(サンチン・ナイファンチその他)・合気道・剣術・居合術・・・等々

11,居合術錬法
「この居合術錬法は、スリ足で動きながら居合術の訓練をすることで丹田を養成する游心流オリジナルの錬法です」
基本抜刀(縦抜き・横抜き・斜め抜き・落とし抜き・逆抜き)・左手抜き・前後進退抜き納め・游心流居合技法(抜き払い・右剣・左剣・追い燕・影抜き・影車・口縄)

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2006/11/23 12月3日の月例セミナーで最終回!

え〜、毎月、江古田セミナーハウスで続けてきました武術セミナーも、12月3日をもちまして、一旦、シメさせていただこうと思います。
 長い期間、ありがとうございました。

水道橋の東京学院の夜間セミナーの方も、公開稽古会形式に変えますので、今後はこちらをメインに練習したい人だけを受け入れて、単に知識欲だけを満足させたい人はお断りしていこうと思っています。

大阪の武術セミナーの方も稽古会形式に模様変えしていく予定ですが、今後の基本コンセプトとして、武術技法の安売りはしないようにしていこうと思っております。
 今後は、量より質を追究します。

本当に技術を体得して、自身の向上を目指す人だけに教えるようにしたいのです。

価値の解らない人に教えるのが苦痛なのです。やる気の無い人間や、スカしたヤツ、目的意識のはっきりしない中途半端な人、安寧だけ求めて自身の向上を求めない人・・・そんな人達と接するのが時間の無駄に思えるのです。

「安売りしていたら安っぽい人間しか集まらない」ということに思い至ったのです。

私が追究するのは、流派や秘伝、極意というブランド・イメージではありません。

武術という身体文化に秘められている人間の可能性を、掘り起こしていきたいのです。

だから、単なるケンカ水準の格闘技能の強さには興味が無いのです。心底、くだらないと思います。見世物演芸に憧れる感性は、怪しい宗教に騙されたい心の弱い人特有のものでしかありません。

私は、一瞬も同じ地点に留まっていたくないのです・・・。

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2006/11/23 誤解する方もいるみたいなので・・・

PDF書籍出版担当者から、「誤解する方もいるので、書籍内容に関するコンセプトを書いて欲しい」という要望がありましたので、ちょっと、書いておきたいと思います。

何でも、PDF書籍に関する感想で、「情報量が少な過ぎる」というものがあったそうで、「内容量に比べて値段が高い」という方がいらしたそうです。

問題とされたのは、発勁に関するものだそうですが、正直、私は内容と値段が釣り合わないとは思っていません。
 担当者との話し合いで決めた料金は、流石にちょっと高いだろう?と最初は思ったのですが、そもそも、武術の秘伝や極意に関する技術を、具体的に体得できるように教えている以上、3000円やそこらで売れる内容ではないのです。

まず、業界の相場としては10万円くらいが普通です。それでも、体得できるとは限らないのです。

私が武術の秘伝や極意に関するセミナーを始めたのは、そうした業界へのアンチテーゼとして、安い料金で教えてきた訳でしたが、武術に詳しくない人達にも教えたために、これらの秘伝や極意が、全く無価値であるかのように誤解させてしまったきらいも有ると思っています。

これに関しては、色々な武術関係者から、「武術を安売りし過ぎている」と批判を受けてきましたが、私自身は、「この業界は、武術の秘伝性を利用して愛好家を惑わしているに過ぎない」という想いで、敢えてタブーを侵してきた次第でした。

しかしながら、ここが難しいところですが、発勁や合気の見世物芸的見せ方を駆使して、万能の秘技であるかのごとく愛好家に錯覚を植え付けていた業界(主にマスメディア)の体質を批判するつもりだったのに、「発勁や合気は見世物芸としてしか使えない」というレベルの主張だけとして誤解されてしまった側面があったと思うのです。

確かに、一般的には発勁や合気を実用技法として駆使できる人は稀れです。見世物芸の水準でしか見せられない人が圧倒的に多いのです。が、見世物芸をやって見せることで、自分の水準が実際より遥かに上であるかのように、錯覚させようとする人は少なくありません。その中には、誇大妄想に陥っている人もいれば、本当は自分が全く武術的実力が無いのを自覚していながら、自己顕示欲に負けて嘘をついてしまう人もいるのです。

そんな病的だったり、詐欺的だったりする人達の“理論”に洗脳されてしまう愛好家や人のよい武道家をデプログラミングすることが必要だと考えたのですが、それはもう、時期的に必要なことは十分にやっただろうと思っています。

現在及び、これからは、実際に秘伝扱いされていた技を体現した修行者を育てていくことが重要だと考えています。
 だから、具体的に秘伝技の仕掛けを明かすだけではなくて、それらを体得して武術的実用レベルで駆使できる人を育てていきたいと思っている訳です。

ですから、游心流の武術セミナーは今年一杯で、取り敢えず終了することとし、今後は公開稽古会の形式で、一般参加者を募っていこうと思っています。
 つまり、武術の秘伝の情報が知りたいだけの人達は排除し、実際に技を体得していこうと考えている人達だけに指導していこうと考えている次第です。

PDF書籍の特に技術解説書に関しても同様の考えで執筆しており、読者に知識や情報を提供することを目的にしているのではありません。
 知識や情報が欲しいのなら、その手の本はいくらでも書店の武術書コーナーに置いてある訳ですから、私がそれを書く必然性は、全く無いと思っています。

私が書いているのは、「これを読んで実践すれば体得できる」ということを目的にしているのであって、そのために必要なことだけを書いており、無駄で無意味な知識や情報に関しては、極力、省くように心掛けています。

ですから、無駄で無意味な知識や情報を知りたいだけの人には、私の書いたPDF書籍は内容が薄くて面白くないと感じられるでしょう。
 けれども、実際に武術の秘伝技法を体得したいと考えている人にとっては、これ以上のマニュアル本は有り得ないという自信を持っています。

そんな訳で、購入される方は、御自分の目的意識と合致するかどうかを検討の上で御購入ください。

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2006/11/16 丹田と発勁と合気の関係

PDF書籍で発勁・合気と書いてきて、今回は丹田について書きましたけれど、この三つは互いに関連しておりまして、単体でも使えるんですが、三つがフュージョンするとスッゲェ〜!って感じになります。

もう、何がどうとか言えません。

ただ、自分の実感として、「スッゲェ〜! 何で、こんなことできるの〜?」って具合に自分でビックリしちゃうんですね〜。

思えば、20年前、あれこれ工夫していて、なんとなく発勁が打てるようになった時。

サンドバッグに静かに拳面を当てて、デェイッ!って打ったら、物凄い勢いでサンドバッグがドバーンッ!って跳ね上がった、あの瞬間のビックリ仰天っぷりは今も鮮明に脳裏に残っています。

それから、甲野善紀さんの道場に片道3時間もかけて通っていた頃、2年間、全くできずに「超能力かな?」と思っていた『フェードアウト技法』(スッゲェ〜! ネーミング・センスですね?)が、古武術研究家のIさんにコツを教えてもらって5分で体得・・・。

あの時も「へっ? なんすか、コレだけっすか?」と・・・別の意味でビックリしたものでした。言い換えれば、「甲野さんにゃあ、騙されちゃったな〜」感とでも申しましょうか・・・。

その後、吉丸先生の本読んだり日本伝上法円天流道術の講習を受けたり、太極拳を学んだりしているうちに、伸筋技法・脱力技法・体幹技法と分類して独自に合気の崩し技法を作っていきましたが、私の感覚だと、小難しく説明する方が難しかったですね。

そんな訳で、発勁や合気に関しては、単体の技術だけを取り出せば、何も鍛えていなくともすぐにできるものです。

しかし、それだけでは武術としては何も役に立たない。

特に威力を高めるという点では、丹田を開発して内功を深めるという「功夫」を養成しなければなりません。

チャウ・シンチーの『カンフーハッスル』で、ズタボロになった主人公が復活するとメッチャ強くなる・・・というサイヤ人みたいな設定の不自然さに批判が集中していましたが、あれって、ズタボロにされたことで「偶発的に経絡が繋がって内功が完成した」という設定だった訳で、原題タイトルが『功夫』であったことを如実に表現していたシーンで、いうなれば、あの作品のテーマがあれだったんですよね〜。

そういう『功夫』という言葉の意味や中国武術の修行システムについて知らない人達は、「あんな御都合主義はおかしい」と、散々、批判していた訳ですけど、批判している方が無知なだけだった訳です。

まあ、武術と格闘技の一番の違いは、この丹田を核にした修行システムがベースになっているのかそうでないのか?の違いが大きいと私は思います。

武術・武道は、コシとかハラが大切だと言われながら、その意味を知らないで稽古している人が多いと思うんですね。

コシとかハラって、要するに丹田のことですよ。そして、丹田って骨盤の中芯を想定しているものです。

難しく考える必要はないんですが、人体のメカニズムと、その秘められた機能については、これから大いに研究していく必要を感じます。

だから、誤解を避ける意味で、今後は極力、研究成果は“作品”として提供していくつもりです。

無料で情報として提供していたら無価値なものと同一視されてしまいますから、有益な知識は金を払って買ってもらおうと思います。

私は同好の趣味の人と知識を交換して自慢しあうのって嫌いなんですよね。くだらん。そんなヒマがあったら、練習してるか本読んでるか原稿書いてるかした方がいい。

私の日常は、ある意味で、一日中、仕事してるか修行してるようなもんです。

だから、な〜んか、「最近、ブログにも技術論を書いてない」なんて文句言われたりするんですが、PDF書籍の方に発狂しそうなくらい技術論書いてるんだから、読みたかったら、そっちを買えよ〜!って言いたいんですよね。

大体、文章書いて生活している人間に、タダで情報を提供してくれ!って、アホなこと言っちゃいかんですよ。泣いちゃうぞ、もう〜・・・。

今、PDF書籍で原稿書いてるペースって、多分、私の一生のうちでも二度とできないくらいのペースだと思います。

セミナーで教えている内容だって、他所じゃ絶対に教えてもらえない水準のことをかなり低料金にしていると言うのに、何で、こんなにものの価値の判らない人達ばっかりなのかな〜?って不思議で仕方ないんですね。

私が有名になったら、そりゃあ、人はガバーッと集まるかも知れませんけど、そうなったら、物理的に、もうろくすっぽ教えられなくなるのが目に見えています。

きちんと体得しようと思ったらセミナーに一回来たくらいでできるようになる訳ないのに、何か勘違いしている人が多いな〜って、つくづく思います。

何か、今の日本人の傾向なんでしょうか? 無意味なことは続けるくせに、価値のあることは続けられない。せっかく、いい先生に習っているのに、その先生の肝心な部分を全く体得できないまま、ズルズルと無駄に時間を浪費している人って、どこの道場にも腐るほどいます。

うちにも入会だけして、さっぱり来ない人がびっくりするくらい多いです。ま〜、上達する気の無い人には教えたくないから、そんな人は来なくていいんですけどね。

うちは練習は全然キツクないけど、自分で考えて練習しない人は全然上達できないから、甘い考えの人はキツク感じるかも知れません。

以前は、もっと会員を増やして・・・とか考えていましたけど、今は少数精鋭にしたいから、真剣に向上したいと思っていない人は邪魔臭いから、来て欲しくありません。

「なんか、武術とか面白そうだから、やってみたいな〜」って思っている人向けにはセミナーか公開稽古会で十分でしょう。こっちはビジネスと割り切ってキツイこと全然やらないし、楽しんでもらえたらそれでいいって思ってますからね。

ちょっと、きつい書き方に感じられるかも知れませんけど、なんか、最近、考え方が甘くて、優しく接しているとのぼせあがって勘違いするバカばっかり大量に見てきたので、厳しさを出しておかないといかんな〜って思ってるんですね。

ちょっとイジメられたくらいで、すぐ自殺するような弱々し過ぎる人間を、甘やかしていたら、もっともっとズルズルひ弱になっていくばっかりですよ。オレ、卑屈なヤツって大っ嫌いだもん。大の大人まで自殺しちゃうでしょう?

なんで、「戦え!」って教えないのか、さっぱりわからん!

闘争本能って、生物の生きる意欲と繋がっているんですよ。それを「暴力はいけない」という倫理で戦うことそのものを否定してしまうのは不合理なんですよ。

私も中学時代にイジメ受けて自殺も考えたけど、悔しいから密かに武術修行を志しました。それがそのまま30年も続けてきて仕事になっちゃったんですよ。
 今じゃ、「イジメてくれてサンキュー!」ですよ。

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2006/11/16 どこまで行くのか、田中泯・・・

遅ればせながら、「大劇場の公演は今回で最後にします」という舞踊家、田中泯の演舞『透体脱落』を三茶に観に行ってきましたので、感想を・・・。

いや、はっきり言って、「参りました」の一言。

もう、言えないっスよ・・・。あんな大劇場であそこまでやってしまう人の芸を、どう評論したって空しいばっかりでしょ〜。

本当に感動するってのは、言葉が無くなっちゃうってことなんですね〜。

昨年から縁あって何度もお会いしているのに、一向に親しくお付き合いするってことが私にはできません。何か、下手なこと言えない雰囲気があるんですね〜。

昔の剣豪と話しているみたいなんですよ。芸に対する厳しさというのがハンパじゃないです。こんな人は現代の武道家にも数える程しかいないんじゃないでしょうか?

田中泯さんの演舞を観る一週間前にはお弟子さんの石原志保さんの演舞を中野のプラン−Bで観せていただきましたが、これがまたね〜、感想書けないんすよ〜。

何か、横溝正史の原作を鈴木清順が演出した?みたいな度ぞくてきな重い印象で、白州で私が観た時の石原さんの演舞とは正反対の印象で、こんなに真逆のダンスを演じるのって凄いな〜って唸っちゃいましたよね〜。

田中泯さんの演出だったということもあるんでしょうけど、何かソリッドなのが好きなんでしょうね〜、泯さんは・・・。

私はギャグ入ってたり茶目っ気がある方が好きなんですけど、松田優作の重い演技も好きだったから、ハードボイルドな感じのもたまにはいいです。

でも、今回の『透体脱落』は、二回目の公演なんですが、去年観たのとかなり違うし、やっぱり大劇場は最後ってことで気合入ってたんでしょうね〜。

劇場に観に来ていた人達の中にも有名な人が沢山いたみたいでした。顔知らなくても立ち姿とかもう普通の人とは違ってる人ばっかりでしたからね〜。F劇団のAさんらしき人も見かけました。

そういえば、山田洋次監督も来てらして、打ち上げの乾杯をされていました。また、泯さんと組んで映画やってくれそうですね。

ところで、田中泯さんは『地下鉄に乗って』にも出演されているということでしたが、『鉄コン筋クリート』にも声優で出演していたんですね〜。

これは、ぴあ読んでいて、たまたま発見しました。

劇場には出なくても映画なんかには出演されるようになるんでしょうね・・・。

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2006/11/15 君は『電撃フリント』を知ってますか?

1960年代は、007等のスパイ映画が花盛りだったらしい(映画館では直に見てない)のですが、TV放送で見たジェームズ・コバーンが主演した『電撃フリントGOGO作戦』が、私は一番好きでしたね。

ジェームズ・コバーンと言っても知らない人も多いかも知れませんが、武術好きな人には、ブルース・リーの弟子で、リーの葬式で柩を担いでいた人と言えば、解るでしょうかね〜?

でも、映画好きの人なら、『七人の侍』を翻案した『荒野の七人』で、ナイフ投げと射撃の名手のブリットを演じていた・・・とか、『大脱走』で自転車に乗って脱走に成功した人とか、西部劇やアクション映画に多く出演している人として知ってる人も多いでしょう。

TVの吹き替えでは次元大介役の小林清志氏がやっているので、なんか次元のイメージが有るんですよね〜。

現代アクション物の『スカイライダーズ』や『リベンジャー』では、ブルース・リー仕込みのJKDの技もちょこっと見せますけど、特に後者では引退していた雇われ賞金稼ぎを演じて、S&WコンバットマグナムM19の2,5インチ短銃身モデルを使って華麗な曲撃ちも見せてくれます。

痩せて背が高く、手足がひょろ長いところはモンキーパンチの漫画にそのまま出てきそうだし、実写版ルパンが1970年代までにハリウッドで実現していたら、やっぱり次元役だったでしょうね〜。

ルパンのモデルはJ・P・ベルモンドで、石川五エ門は田村正和のイメージかな〜?と思うんですが(意外と清水紘治が似合うかも?)、銭形警部は丹波先生が合ったかも知れませんね〜。

不二子は誰かな〜? 目黒裕樹が主演した『ルパン三世・念力珍作戦』の時の江崎英子さん(『大江戸捜査網』の不知火お吉?)も結構、合ってた。ハリウッド版だったらユマ・サーマン・・・かな?

ついでにルパンの第一シリーズの摩毛狂介なんかは岸田森さんでしょうな〜。

アレレッ? なんか電撃フリントの話を書こうと思っていたら、ルパンの話になってしまった・・・。

でも、この電撃フリント・シリーズって、ルパンっぽいんですよ。

世界最強のスパイ、デレク・フリントは、83種類に使える万能ライターを持ち、空手とヨガとフェンシングの遣い手でバレエの先生という訳の分からない凄い人。

このフリント・シリーズ。『GOGO作戦』と『アタック作戦』の二作があります。

DVDにならないかな〜?と前々から思っていたら、いつの間にかDVDボックスで二作揃って出ていたことを、お友達に誘われて入った新宿の中古DVD店で発見!

手持ちの金が乏しかったので、「後で返すからゴメ〜ン」と御ねだりして貸してもらって即購入しました。

いや〜、今見ると空手のシーンとかはちょっとヘンだけど、でもJ・コバーンはカッコいいデスワ〜。

皆さんも、機会があったら必見ですよ〜。

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2006/11/12 合気道DVD付き教本、撮影完了!

合気道のDVD付き教本の書籍用写真とDVD用動画の撮影が終わりました。
 いや〜、二回目だからかなり楽になるか?と思いきや、やっぱり大変でしたよね〜。

イメージ映像でドライアイスを使って煙を出すところなんて、割ったドライアイスを入れたポリバケツにお湯を注いで煙りを出したり、なんか自主映画撮ってた時を思い出して楽しかったです。

先生も、何度も何度も袴を履いたり脱いだり畳んだりやらされて、普通に怒り出してもおかしくないのに、一言も文句を言わずにニコニコとやってくださって、「やっぱり、この先生に頼んで良かったな〜」と、つくづく思いました。

しかも、技も素晴らしいし理論も確かなんですよ。
 本当に、これは出来上がったら合気道のエポックメイキングになりますよ。

あ〜、早く守秘義務が解けて話したいな〜。来年春が待ち遠しいです・・・。

あっ、でも、これからが私は大変なんですけどね〜。11月から12月半ばまでは死にそうに忙しくなるだろうな〜?

あっ、PDF書籍の原稿も書くんだよぉ〜。ここんところ月に三冊くらいのペースで書いてるしぃ〜。こんなに原稿書いてるのこれまでの人生で初めてだな〜。
 という次第ですから、私が魂を込めて書いているPDF書籍、買ってくださいね〜。
(意外に会員が全然買ってないのはどういう訳? シクシク・・・)

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2006/11/02 現代武道を再評価

今年はDVD付き武道教本の製作に参加しているせいか、これまであまり関心を持っていなかった現代武道を再評価する機会をいただいています。

現代武道と言うと、「古流武術の伝統が形骸化した競技スポーツであり、武術の真価を失っている」と断定的に評する武術関係者が少なくありません。

が、本当にそうなのか?と言えば、当たっている面と間違っている面が有る・・・という教科書的な答えになってしまいますけれど、少なくとも、私は、今は現代で武道を修行することの意味を再評価せざるを得ないという気持ちになっています。

一番の理由は、現代武道を学ぶ人達は邪念が無くて嘘がない人が多いということです。

邪念に満ち満ちて嘘ばかり言うような人は、圧倒的に武術を学ぶ人に多いのです。
 経歴や流派を捏造したり自己顕示欲に凝り固まった病的な人は、古武術や中国の伝統武術をマニアックに学ぶ人に圧倒的に多いものです。

やっぱり、道じゃなくて術を求めているからなのかな〜?と思わざるを得ませんが、技術構造を神秘性で暈して語る風潮が未だに根強い武術(古武術・中国伝統武術等)と比べて、現代武道はそういう神秘性を払拭していて健全に思えます。

技が改変されていて本来の意味を失っているという批判に関しても、“人殺しの効率性”を除いているだけと考えれば、別に批判すべき内容なのかな〜?という気もします。

学べば学ぶ程、精神が“魔界”に落ち込んでしまうくらいなら、そんな文化は無くなってしまった方がマシというものです。

やはり、「先人は偉大だった」と改めて思います。

伝統空手道の香川政夫先生の技と理論にDVD付き教本の取材で触れて、競技の世界を再認識させられましたし、古武術で秘伝扱いされて金科玉条のように言われている発勁(香川先生の肩での発勁は凄い威力です)や縮地法(スリ足で骨盤を先導して動く運足)の原理を見事に競技の中に活かしておられることに驚かされました。

先頃、御逝去された香川先生の恩師である浅井哲彦先生もまた、鞭がしなるような突き蹴りと変幻自在な身法運足で知られた名手でした。DVD撮影の企画が進行している最中での急逝は実に惜しまれます。

今、取材している合気道の先生も、術理に関して実に明快に理論的に説明され、合気が合理的で少しも神秘的なものではないということを実技で示してくださいます。
 どうして、この先生を専門誌がもっと採り上げていないのかな〜?と不思議で仕方がありませんが、専門誌の取材方針が“神秘性”をウリにしている以上、致し方もないのでしょうが、武道と武術の溝を深めている元凶が、メディアにあるように思えて仕方ない。

特に、武術をいつまでも神秘のベールで覆ったり、あるいは特殊な身体操作法で区分けして語る風潮は改めなければいけないと思うのです。

今月号(12月号)の『フルコンタクトKARATE』では、無外流を継がれた極真館の岡崎師範(多分、覚えておられないでしょうが、一度、池袋の武道具店で紹介されて少しだけお話したことがあります)が、『剣道日本』では『武士の一分』の武芸考証をされた正心館道場の蓑輪勝先生が出ておられました。

こうした現代武道をしっかり修められている先生方の言葉は重みが違いますね。

そろそろ、本物が評価される時代になってきたのではないでしょうか? やっぱり、嘘はいつまでも続くものじゃないんですよね。

例えば、亀田バッシングなんて、その典型じゃないでしょうか? あれだけ持て囃されていながら、その“強さ”がメディアの演出で作られたものではないか?という疑念が噴出すると、物凄いバッシングに変わってしまう・・・。

ちょっと、極端過ぎる感じもしますけれど、メディア側の人間の驕りに国民が気づいて批判的な目線を持つようになってきたのではないでしょうか? 

メディア側の人間も、いつまでも国民を愚弄したイメージ戦略で本や番組を作っていられなくなるのではないか?と思います。

一つには、インターネットの発達で個人が発言して色々な情報が出てくるようになり、受け取る側が情報の信頼性を考えざるを得なくなってきた・・・という点が大きいと思われます。要するに、ガセネタや捏造された都市伝説みたいなものが検証されて自然淘汰されていくようになると思われるのです。

これまでは小泉さんのようなトークの面白さで印象を操作されていた国民が、今後はイメージではなくて本質を洞察して自分で考えるようになっていく時代になっていくと思うのです。まっ、私の希望的観測も含めてですが・・・。

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2006/11/02 芦原英典館長の才能にビックリ!

私が学生の頃に、ビデオ通信講座で練習した芦原空手・・・。
 天才空手家、ケンカ十段の男、芦原英幸先生は、憧れの人でした。

私が憧れていた武道家・武術家としては、中国武術では松田隆智先生、古武術では初見良昭先生、合気道では塩田剛三先生、そして、空手では芦原英幸先生。

この四名の武道家が私の敬愛する四大巨匠(四天王)でした。

中でも、芦原先生は私の学生時代の最も尊敬していた武道家であり、その当時、丁度、『月刊空手道』でも登場されていてスター性が最大の頃でした。

劇画のキャラクターではなく、現実の武道家として現れた芦原先生の存在感は格別で、ビデオで見る芦原先生の喋り口調を真似してみたり、一度、武術関係者と酒飲んでてからまれた時、こっちも酔ってたもんですから、つい芦原先生の真似して「もしかして、それって俺を挑発しとるんですか?」な〜んて言ってケンカしちゃったり・・・(テヘヘ)。

いや〜、だから、芦原先生が亡くなられた時は、ショックでしたよ〜。

松田優作、クリシュナムルティが死んだ時もショックだったし、親父や叔父さんが死んだ時ももちろん、悲しかったんですけど、芦原先生が亡くなった時はあんまり突然だったので、驚きましたよね〜。まあ、松田優作が死んだ時と似た感じですかね〜?

芦原先生って、あのポジションを代わりにやれる人がいませんよね。唯一無二の存在という意味で、芦原先生の早すぎる死は残念だったんですね。

でも、超が付く天才って、これから大活躍するぞ!って期待された時にいきなり死んでしまったりするもんです。

マリリン・モンロー、ジェームス・ディーン、赤木圭一郎、ブルース・リー、松田優作、そして武道の世界だったら、伊藤昇先生もそうでした。

これからって時にこの世から消えてしまうなんて、何と残酷なんでしょう?

やっぱり、人間は、自分の持って生まれた才能を存分に使ってから死ぬのでなくては生まれた甲斐ってものが無いですよ。

けれども、芦原先生のDNAを受け継ぐ現芦原会館の芦原英典館長は、「父親に優るとも劣らない天才だ」という噂を耳にするようになっていました。

そして、某古武術研究家が地方セミナーで英典館長にボコボコにされた・・・という噂を聞いたのですが、「ま〜、相手が弱過ぎるからな〜」と思って、さして気にとめていなかったのですが・・・。

『新説!! 芦原英幸』に付属していたDVDで、初めて芦原英典館長の動きを拝見しましたが、パンチの速さや技の鋭さには舌を巻いてしまいました。「噂は本当だ!」と、嬉しくなっちゃいましたね〜。

それに、久しぶりに芦原空手の技を拝見すると、軸足カッティングキックや回転投げにしながらの肘打ち等々、実に実戦的な護身技が昔以上に深まっていて、倦まずたゆまず技術を深めてきていたんだな〜と感慨深い想いをしました。

私個人の感想に過ぎませんが、芦原空手は、フルコンタクト空手の中でも最も護身武道として進化していると思います。天才、芦原英幸の遺産は、天才のDNAを受け継いだ芦原英典館長によって発展していくだろうことを確信して祈念します。

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2006/10/23 DVD付き合気道本、取材開始!

DVD付き空手道本に続いての第二弾の合気道本も、取材が始まりました。
 発売は来年春を予定していて、これから複数回の取材とDVD及び写真の撮影をやって、原稿執筆になります。

しかし、合気道となると、技術や理論を的確に解説できる先生を探すのが大変で、候補を絞るのに日時を費やしました。

けれども、初回の取材をやった感想として、これはもう従来の合気道本の常識を覆す合気道の理論と技法原理を説き明かす革命的な内容になる予感がしています・・・。

なんつったって、先生がメチャクチャ科学的に説明できる(ここがポイント!)上に、技がメッチャ自然なのです。気張ってデェイィッ!ってな具合の藤岡弘、みたいな気合掛けたりしません。スルッ、ストーンッ(えっ? 今、なんかしました?)って感じで打ち込んだ人がこけてしまう・・・。

まっ、素人さんだったら、あまりに自然に技が極まってしまうので、迫力が感じられずに「この人、本当に合気道強いの?」って感じるかも知れませんが、私、ここまで力使わずに技かけてる合気道の先生って初めて見ました。理と技が一致しているのです。

いや、でも〜、本当は、合気道って、本来、こういう具合にやらなきゃ〜ダメなんだよね〜? でも、口で言うのと、実際にやるのは全然別だもんね〜? 「力がぶつからない」と言っても、「じゃ、どうすんの?」って聞いたら、プーンッて不機嫌な顔して顔背けちゃう人が多いんだもんね。

0の力が肝心なんだと言っていても、私の目には、結構、力んでるように見えるのは目の錯覚なのかな〜?・・・なんてことがざらにあるのです。そうして、実戦的な“激突する合気道”を作っちゃう人もいる・・・。

困っちゃうよね〜。

そんな、迷走する合気道の世界、及び、武道界で誤解される合気道の立ち位置を、軌道修正していく本になるのではないかな〜?と、そんな予感もするのです。

やっぱり、守秘義務がありますから、まだお名前は明かせませんが、合気道の根本的な原理とメカニズムについて、かつて誰も説き明かせなかったレベルで解説されるだろうことを私がお約束しておきます・・・フッフッフ・・・(って、オレが自信満々でどうすんの?)。

ところで、取材の時に、K島神流のN先生の抜刀術演武の映像を拝見したんですが、かの有名なK先生に剣術の指導をしたというN先生の技は、K先生とは隔絶した水準にありまして、「ありゃま〜? K先生ってば、N先生のどこをどう見て、あんなヘンチクリンな技にしちゃったのかな〜????????・・・」と、頭の中に?マークが無限増殖していきました。

弟子を見たら師匠が判るというものの、それに当てはまらない場合もあるのですね。

追伸;大阪セミナーが迫ってまいりましたが、今回は会員の段級位の認定もおこないますので、段級位が欲しい方は参加してください。セミナー参加費だけで、認定料は要りません。

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2006/10/20 教師のイジメ

担任教師のイジメで自殺したという事件は、色々と考えさせられます。

以前、うちの会にいて多重人格障害を患ってインターネット掲示板に異常な誹謗中傷文を書き込みしていることが判って退会したK君という人の場合も、事件が判明してから本人に事情を聞いた時、子供の頃のイジメでトラウマを負った時に、担任教師に相談したものの、「お前が悪いのだ」とイジメを助長するような態度で助けてくれなかったことが一番辛かった・・・という意味の話をしていました。

K君は、その後、大学でオウムのサークルに勧誘されて入ったり、精神世界と武術へのマニアックな関心からいくつかの団体を渡り歩いて、私の会には“スパイしてやろう”という気持ちで入会していたらしかったのですが、懸命に練習してそこそこ上達したものの、失恋したことから病気が悪化したらしく、結局、人格が分裂した状態のまま行方不明になったらしい旨の話を、彼の親御さんに頼まれて探しに来た友人という方から聞いたっきりで、その後、どこでどうしているのか判りません。

子供の時に負った心の傷を癒すことができずに人生を破滅的に過ごしてしまう人を見ると、「あ〜、弱いヤツだな〜。どうして死ぬ気で頑張って自分を強くしようと思わないのかな〜?」と、私なんかは思ってしまうのですが、子供の頃の心の傷の大きさがそれを許さないくらいのものなのか?と思えば、周囲にイジメられた時に担任教師が助けてくれなかったK君の恨みの気持ちは、哀れではあります。

私も中学時代はイジメを受ける側でしたし、家庭の中も決して居心地が良いとは言えませんでした。両親共に働いていたので帰宅したら私がご飯炊く係になっていて、一度、炊かずにいたら母親からえらい叱られたことがあったのを覚えています。家の中がギスギスして学校も嫌だったし、本気で自殺しようか?と思ったこともありました。

でも、その時期から武術の本を読んで稽古するようになりましたし、弟が犬を拾ってきて飼うようになったのも気晴らしに役立ちました。今でも犬とか猫とか好きですね。飼えないけど・・・。

中学の時はちょっと変則的な生活になって、父親が赴任していた高校の近くの中学に通っていたんですが、実家は別にあったので、土日は実家に帰っていたんですね。実家では猫がいたし、兄貴は高校生だったので実家から通っていました。
 元々、小学校の頃は実家にいて、父親だけ単身赴任していたので土日になると父親が帰ってくるのが楽しみで、これは今だに私は土曜日が一週間のうちで一番好きで何となく気分がウキウキするんですね。三子の魂、百までも・・・ということでしょうか?

私は、担任の先生が特に嫌いになったということは無かったですね。両親が学校の先生だったんで、どっちかと言うと良くされていたのかも知れません。高校の時は、「お父さんは今度はうちの高校に来ないの?」とか体育の先生に聞かれたことがありました。親父が評判の良い教師で助かりました。嫌われてたらイジメられたかも知れませんからね。

教師の家に生まれて育った私にしてみれば、教師と言えども人間だから、生徒の好き嫌いもあるんだな〜ということです。家の中でもクラスの優等生を褒める話や問題児の話とか出ますから。でも、うちの親の場合は、問題児でも一方的に悪くは言わなかったです。どこか良いところを認めるような話をしていました。できの悪い子ほど可愛いという言葉の通りでした。その点ではうちの親は教師としては良い方だったんだろうと思います。

例の担任教師のイジメにしても、そういう人なんだろうと言えば、それまでの話なんですが、子供にとっては先生からイジメを受けるのではたまったものではないでしょう。

私も、教えているのは武術だけれども、人から先生と呼ばれる以上は、教育的な指導をできなきゃならないと思っています。
 その点、これまでの点数をつければ、とても合格点には達していないですね。

K君もそうだけれど、他にも何人も破門した人がいます。来なくなった人達も、どこか私のだらしない性格に嫌気がさしたのでしょう。申し訳ないと思いますが、当時はそこまでの力しか無かったので致し方ありませんでした。

もちろん、破門するにはそれ相応の理由はあります。が、そうする前に、もうちょっと何とか指導できなかったものかな〜?と思うと、人を指導するということの難しさを痛感せざるを得ません。

イジメを苦に自殺した少年に対して、担任教師は深く考えずに言葉の暴力を繰り返していたのでしょう。それは責められて当然のことです。が、葬式の場で担任教師を悪し様に罵るばかりの父親の様子をニュース番組で見ていると、「ちょっと待てよ。お前は自分の息子を守るために何をやったんだよ?」って、ちょっと、言ってやりたくなります。

イジメは苦しいでしょうけれど、誰かに相談して勇気づけられる環境があったら、自殺するところまではいかなかったんじゃないか? それは、まず、家庭なんじゃないか?と私には思えてなりません。

イジメというのは、誰か一人に責任を押し付けられないと思うのです。それは、イジメられている当人にも何の原因も無いとは言い切れないと思うのです。

私は、イジメを受けても時々逆らったりしていたので、それほど集中的なイジメを受けたりはしていませんでした。イジメっ子連中のボスも、どこか私にだけは別格のヤツだな〜みたいな感じで見ていた様子でした。弱いけど負けん気が強かったからでしょう。

そういえば、イジメっ子連中の中でもボスだけは他の連中とは違って勉強もできてスポーツも万能で、小学校の頃は人気者だった・・・という話を同級生から聞いたことがありました。小学校は私だけ別だったので知らなかったのです。

そのボスは、中学に入ってから乱暴者になり、一年なのに二年三年の暴れん坊とケンカして勝って、早々に学校をシメていた・・・という話でした。
 何か、カッコイイですよね。だから、女の子にもモテてたみたいでしたね。

まあ、1970年代の番長漫画みたいなノリだったんでしょうね〜、彼らは。

私ときたら、オタクの元祖みたいでしたから、鉄砲好きになったり武術好きになったりマニアっぷりを発揮し始めていました。
 この時期が無かったら、武術研究家の私は存在していない訳ですから、イジメも長い目で見たら悪くはないんですね。今は、冗談でも皮肉でもなくて、本気で感謝してます。

K君は、今、どこで何をやっているのか判りません。親御さんは心配しているそうですから、一刻も早く連絡して実家に戻って欲しいものです。
 私は恩返しする機会もないまま親父に死なれてしまいました。本当に、もうちょっと、生きていて欲しかったと思います。
 K君も、もし、これを読んでいたら、とにかく実家に帰って無事であることを知らせて、それから治療を続けて生活をやり直して欲しいと思っています。
 いつまでも他人を恨むばかりでは自分の人生をすり減らすだけなのだから、取り返しがつかなくなる前に、帰って親御さんを安心させてやって欲しい。
 それからやり直せばいいんです。心配してくれる人がいるうちがやり直す猶予期間なんですから・・・。

追伸;これを書いた後、TVのニュース番組を観ていたら、校長先生から厳しく叱られた50歳の教師が投身自殺したという事件があったそうで、驚きました。大の大人が叱られたくらいで自殺してどうするんでしょうか? ナイーブとか言う以上に、精神が弱過ぎますよ。何か、もしかして、日本人は全体的に精神力が弱くなり過ぎてるんじゃないでしょうかね〜? さっき、師範代と電話で話していて、「游心流は外国の人の方が価値を解ってくれる筈だから・・・」と、海外向けの普及活動について言われたんですが、「俺は外国人には教えたくない。俺が教えた人が外国に行って教えるのは構わないけど、俺は日本人を強くしたいんだ。これ以上、日本人が弱くなっていくのを黙っていられない」と答えました。たかが校長に叱られたくらいで自殺するなんて、同情の余地は全然ありません。多数の人の面前で罵倒されたのなら、「貴様にそんなことを言われる筋合いはない! 俺は貴様に雇われているんじゃないんだ。のぼせあがるな!」くらいのこと言っていいんですよ。私はラブホでバイトしてる時に「貴方は会社勤めのできない人だ。命令に従えないなら辞めてもらいます」と社員に言われて、「判りました。それなら辞めさせていただきます。ですが、辞める以上ははっきり言わせてもらいますけど、貴方は僕より年下ですよね? 年下の人間が年上の人間に対して、そういう態度をとるのは会社云々という以前に社会人として常識が無いでしょ? 僕は貴方に雇われている訳じゃないんだから、もう少し礼儀を弁えなさいよ」と、睨みつけながら言ったら、びびって「すいません」と言っていました。男だったら、最低限のプライドを持って相手が誰だろうが「これ以上の無礼は許さない」という気概を持たなきゃダメなんですよ。それに、その教師が叱られている時に周囲の先生達は何も言わなかったんでしょうかね? チンケな権力振りかざすヤツなんか皆でボイコットしちゃえばいいのに、本当にどいつもこいつも・・・。

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2006/10/18 游心流の稽古会について連絡

游心流の定期稽古会は、まだ特定の場所が決まっておりませんから、都内の公園とか体育館とか個人所有の道場を使わせてもらったりして土曜日に練習しておりますが、「定期的に稽古に参加したい」という方には、日曜日に相模原市橋本駅近くのシダックスでやっている『太極拳で護身術』講座をお勧めさせていただきます。

こちらは、游心流で稽古する基礎錬体と太極拳の分解用法を練習していますが、護身術への応用展開を考えて、交叉法と発勁・化勁を用いた、かなり実用的な武術技法の指導へと内容を深めてきていますので、初めてやる方には最適ではなかろうか?と思います。
 日時もきっちり定期的にやれるので、意外と穴場ですよ。

それから、月に二回、水道橋の東京学院にてやってきていた夜間ワンテーマ・セミナーは、公開稽古会方式での教習にバージョンアップを図ります。
 こちらは、甲野氏がやっていた公開稽古会のように、流派を問わず、武術研究の稽古会に参加してもらう形で体験入門型のものにしてみようと思っています。

定期稽古会自体を現在は見学も体験も断って会員だけに限定してやっていますので、これとは別に一般向けのものをやってみようか?と思った次第です。
 ただし、うちの場合は、常識を弁えないような人達の参加は断りますし、腕試ししたがるような人にも退場してもらうつもりです。純粋に武術の稽古を楽しんでやりながら、自分が学ぶ流儀の技法の再確認や深化の方向でやって欲しいと思っています。

どうも、武術・武道・格闘技となると、「どっちが強いか?」という観点で腕試ししたがる人が少なくありません。ですが、私が主宰している以上、私に学ぶ気持ちが無いのなら参加はお断りするだけです。技が知りたいのならDVDを観ればいいし、私の実力がどの程度か知りたいのなら、「レベル的には極真空手の緑帯クラスの人と組手をすれば負ける程度」くらいだと思います。そのくらいの人の試合を見ていて「こりゃあ、まともに殴り合ったらとても勝てないよな〜」って思いました。

でもね〜、ケンカで勝つには腕っぷしじゃなくって“狡猾な戦術”がモノを言うんですよ。弱い私が確実に自分より強い人に武術の指導をしているのも、武術の戦術を教えている訳ですからね。「試合に勝ちたいんじゃなくて、護身術として有効な技を体得したいんです」という他流経験者が来ている訳です。

護身術が必要なのは、圧倒的に体格・体力が劣っている人間ですから、身体を何年も鍛え続けて更に度胸が無いと勝てないという技術体系では役に立たないと思うのです。

そういう意味では、たとえば、合気道って、弱い武道の代表みたいに言われてますよね〜? 形だけでとても実戦には使えないって批評する武道家が多いですけど、彼らは合気道の戦闘理論が解ってないから勘違いしているだけなんですよ。

正直言って、合気道って、現代武道の到達した“武道の完成形”なんじゃないかな?とすら、今の私は思っています。だって、これくらい体格・体力に無関係に勝てる武道って他に無いでしょう? 馬鹿にするんじゃなくて学ぶべき要素は多いんですよ。

実際、全然、意図していなかったのに、私の技はどんどん合気道に似てくるし、見世物芸として研究していた合気技も、今では実戦用法のエッセンスとして重宝して使っています。

先週、出版社に打ち合わせに行った時に合気ニュースから出ている『スーパー友好演武会』というビデオを買いました。これには私が現代で最高の遣い手のお一人だと尊敬している砂泊カン秀先生が60歳くらいの時に演武した映像が収録されているのですが、改めて観直してみて、本当に仰天しましたね〜。もう、人間技とは思えない次元ですよ。

何で、注目する人が少ないのか、さっぱり判りませんね〜。これだけ隔絶した神業を見せられたら、話題にならない筈が無いのに、もしかして、世の合気道修行者って、“間合”とか“見切り”とか“読み”とか、そういう武道で最も肝心要な点について何も解っていないんでしょうか? 解ってないから、使える人が少ないのかな〜? だから、あんなフェイクな人達を達人と祭り上げちゃってるのかな〜? でも・・・砂泊先生の凄さが解らない人は、合気道やっても絶対、上達しないから、とっとと止めた方がいいです。

無論、塩田剛三先生や斎藤守弘先生、西尾昭二先生といった素晴らしい先生方の技がテンコ盛りで、合気ニュースから出ている最高峰のビデオだと思うんですが、砂泊先生の演武はなんかもう、凄過ぎて唖然となってしまうのです。

お弟子さん達の動きも凄いし、砂泊先生はその何倍も凄い! 読みと見切りは超人の域にあります。そして、その身ごなしの速さと言ったら、仮面ライダー・カブトのクロックアップ状態です。数人の弟子に突き・剣・杖でかからせて、一瞬でババババーッと、なぎ倒す速さは60過ぎた人どころか20代のオリンピックアスリートでも出せない速さでしょう。

正直、私は技掛ける時のスピードだけは自信があったんですが、もう段違いに速い! 比較対象になりません・・・。

無論、塩田先生も相当に速いし、西尾先生もキュンッて音がしそうなくらい体捌きの瞬間の動きが速くてパンチが異様な速さで出ます。
 斎藤先生だけは基本技をゆっくりきっちりやって見せて、一見してドン臭そうにやっていますが、内功の凄さはふっ飛ぶ弟子の様子で見てとれますし、隠しているだけで速く動けば凄まじく速く動ける筈です。逆に基本に忠実にゆっくりやって動きがブレないのが、その証拠です。

どうも、手先足先の目先のスピードに騙される人が多過ぎますが、そういうボンクラさんは自分自身は一向に上達しないんですよね。いつまでたっても「あの人が凄い、この人が凄い」って、ミーハーなことばっかり言ってるようなフヌケなヤツは、“一生ダメ”です。どんな凄い人を見て感心しても、武術を志すからには、その凄い人の弱点を探り、自分が戦って勝つにはどんなところを補っていかなければいけないか?ということを常に考える癖をつけなければダメなんですよ。

そして、“芯のスピード”について理解していれば、自ずと上達していく筈だし、基本練習の大切さも解る筈です。誰かさんは、「基本が大切だと言うけれども、本当にそうなのか?」って疑問を提示するだけで、その解答を示さない。これじゃあ、ダメです。

無味乾燥な基本練習って、ほとんどが体幹部を錬成するための練習なんですよ。つまり、体幹部から動かして手足、あるいは剣や杖の末端まで力を伝えていく練習・・・それが最もパワーとスピードを生み出す基本練習の意味だからです。基本をしっかり磨かなければ百万の技を覚えたってボクサーのジャブ一発で粉砕されてしまいます。

ケンカで勝つにはパワーよりスピードです。一瞬で相手の急所を狙撃した方が勝ちますからね。「どんなに筋肉鍛えても目玉・金玉・喉っ玉の“三玉”は鍛えられない」と、古伝の空手家は教えていますが、先手でそこさえ潰せば勝ち! だから、合気道の異常な速さは実戦を考えれば脅威なのです。やられた方は何されたか判らない。

ケンカ自慢の人と話しても、「武道なんかやってるヤツはケンカのやり方知らないからチョロイ」なんてことをよく言います。それで私があっさり勝ったりすると、「アンタはケンカのやり方が汚いよ」って文句を言われます。そういうことが二、三回ありました。

彼らの言うことも一理あります。武道をやっている人間はまっとうに勝負しようとし過ぎるのです。だから、やることが先読みし易い。けれども、私の場合、何をされるか予測がつかないから怖いのだそうです。ケンカ自慢の人間でも大抵は最初に凄んで威嚇してから始める人が大半で、私みたいにニコニコ普通に話しながら金玉蹴るとか喉笛わし掴みにする人間は滅多にいないだろうと言うのです。

言われてみれば、確かに、私が知ってる武術家でも私みたいなタイプはあんまりいません。やっぱり、最初に凄む人が多いですね。雰囲気がガラッて変わりますから。
 でも、私がヤクザみたいに凄んでも迫力出ないでしょうからね〜。

おっとっと・・・何か、いつの間にかケンカの話になってしまいました。

太極拳で護身術やろうって講座は多分、他には無いと思いますけど、初心者の方で武術やってみたい方は是非、どうぞ・・・。(申し込み等は游心流ホームページをご覧ください)

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2006/10/18 放送作家の人格を疑う

10月14日の深夜にフジテレビで放送された『放送禁止5・しじんの村』というドキュメンタリー風番組を見ました。
 以前に、放送禁止の歌に関する良質のドキュメンタリーを見た記憶があって、今回もそういうものを期待したんですが・・・。

私は特にドキュメンタリー映画が好きという訳ではありませんが、お友達にドキュメンタリー映画作家がいるのも手伝って、結構、見てるんですね。

『ゆきゆきて神軍』とか『家庭教師』といったヤラセ精神がプンプン匂う傑作?から、丹念に対象を追いかけたドキュメンタリーの王道的な作品まで、色々と見てきましたが、面白いドキュメンタリーは、下手なドラマなんかよりずっとドラマチックなんですね。

だから、「游心流のドキュメンタリー作ったらもの凄いドラマチックになりますよね。アクションもあるし昼メロみたいなラブストーリー?もホラーもミステリーもサスペンスもコメディーも何でも揃ってるから、凄いですよ〜。韓流超えてますよ」なんて内輪で話してゲラゲラ笑ってるんですが・・・。

さて、それはそれとして、この『放送禁止5・しじんの村』という番組ですが、自殺しようと思った人達を自立させようとする村というかコミューンを追いかけたドキュメンタリーらしいのですが、どうも、違和感があります。

まず、長野県の某所というテロップが出て、詩人と名乗るコミューンの主宰者が私財をなげうって始めたのだとナレーションがかぶります。住民は本名でなくアダナで名乗り、詩人の家(集会所)には相田みつをの詩みたいなものを書いた紙がやたらに張り出してあります。

「何かヘンだな〜?」と思ったのは、出てくる女性が美人過ぎる点です。自殺しようか?と思うくらい人生で嫌な思いをするのは圧倒的に不細工な外見の人ばかりであって、「これだけ美人だったらモテモテで悩みなんかないでしょ?」と、私なんかは不謹慎にも思ってしまうのです。

そして、この村では時々、自殺者が出てしまう・・・というナレーションが入り、自殺未遂事件が起こります。間一髪で救助された“ハニコ”は、姉が自殺しており自分もこの村にやってきて死のうと思っていたが、詩人や“Kカルマ”という姉と親しくしていた青年と仲良くなって立ち直る・・・。

が、そのKカルマが突然、自殺してしまい、ハニコはまたもパニクッて自殺しそうになる・・・そこを詩人たちがくい止め、ハニコは「もう一度やり直す」と手紙を書いていなくなる・・・というところで取材は終わり、ハニコの消息がつかめないので放送できなかった・・・というテロップが出るのですが、それが今年になってハニコから連絡があり、今は頑張って働いているという話をカメラに向かって話すのでした。

ところが、再取材に村を訪ねたスタッフは、村が廃村になっていて詩人が自殺していたという話を聞いて驚く・・・そして、詩人が村の自殺者防止のために設置していたというビデオカメラに録画された映像を見ると、自殺しようとする女をカメラで撮っている村人や、橋の上から村人に突き落とされる男等・・・この村が“危ない連中のコミューン”だったことを匂わせるB級ホラー映画みたいな展開で、「この番組はフィクションです」とテロップが出るので、「あ〜、これはドキュメンタリーに見せかけたフェイク・ドラマだったんだ」と判る仕掛けになってはいるのですが・・・。

私は途中で、「これはおかしい」と気づいたのですが、途中にインサートされる精神医のコメントは本物であり、10人見たら3〜4人くらいの人は気づかないで本当のドキュメンタリーと勘違いするのではないでしょうか?

おかしいと思った点は・・・

まず、村の女性がかなり美人だったことや、普通の人だったらカメラを向けられると緊張して突っ掛かりながら喋るものなのに(クエストから出てる私のDVDを見た放送関係の仕事をしている方が、「長野さんは喋りが滑らかですね〜。素人さんだと緊張して突っ掛かるものなのに」と、ヘンなところで感心されました)、出てくる人達が滑舌が良過ぎて芝居の訓練をした人達に思える点、Kカルマさんが自殺した翌日に、集会所で暴れて詩が書かれた紙を破いて回る住民が芝居がかって見えたこと・・・そして、詩人の淡々とした物言いが単なるいい人というより演技しているような雰囲気が感じられたこと。

それと、立ち直ったハニコが告白しに出てくるところなんて、アイノリ臭がして、この辺で「こりゃあ、フェイクだろうな〜」と思いました。

なので、最後の大ドンデンみたいな展開も別に驚くにはあたらなかったし、こんな安っぽいホラーみたいなフェイク・ドキュメンタリー作って何を表現したかったのかな〜?と、この番組を作った放送作家の人格を疑いましたね。

これは放送禁止になった番組の都市伝説みたいなイメージを利用してフェイク・ドキュメンタリーを作る・・・という一点でアイデア勝負しようという狙いで作ったのでしょうが、こういう真似をすればドキュメンタリー番組の意味を壊してしまいかねない心無いやり方ではないでしょうか?

何だか、スプラッター映画や新東宝の大蔵映画みたいな猟奇物よりも、よっぽど邪悪なイタズラ心を感じて胸糞悪くなりました。
 つまり、笑えるシャレッ気というものが無いのです。同じ悪趣味でも『チーム・アメリカ』みたいなバカ映画だったら怒る気にならないのですが・・・。

あるいは、ドキュメンタリーと言いつつ、実態はシナリオ通りに作っていくヤラセ番組に対するシニカルな皮肉を込めたアンチを狙ったのだとしても、こんな気分が悪くなるようなやり方をしなくてもいいだろうに・・・と思うのです。

『しじんの村』というのも、『死人の村』というのに引っかけたシャレのつもりなんでしょうが、自殺志願者に再生の希望を与えようとする支援団体等が迷惑を被るのではないか?と思うと、本当に悪質なやり方だと思います。

それこそ、北斗の拳の「トキだと思っていたらアミバだった?」という感じのやるせなさです。

放送禁止5と銘打っているからには、他にも1〜4はある筈ですが、これらはDVDで出るらしいですね。その宣伝という訳なんでしょうけれど、最近のTV番組の作り方には何か危ないものを感じてしまいますね〜。

奇をてらうより、正攻法の作品作りをして欲しいものです。

ドキュメンタリーと言えば、田中泯さんのドキュメンタリー映画は完成している筈ですが、公開する劇場はまだ決まっていないみたいですけれど、これは掛け値無しに凄く面白いですよ。公開された折りには是非、劇場で観てください! ホント、面白いから。

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2006/10/12 『武侠映画の快楽』は必読ですぞ!

町田の東急ハンズに刀の鞘塗り用の“漆塗料”を買いに行き、発毛に効果的と健康雑誌で紹介されていた“ナチュラルマリンコラーゲン”も買いに小田急町田駅近くの壮快薬局に買いに行き、帰りに駅ビル新装開店のデパートの「町田一大きい」という書店に寄って映画とか武道・格闘技書のコーナーを見てみました。

いや〜、町田一大きいというだけあって、図書館みたいな広さでちょっと迷ってしまいましたね〜。8Fの敷地面積一杯の“あおい書店”という書店で、品揃えも良かったですね。

徳間文庫の金庸の武侠小説も結構置いてあったし、武道書のコーナーには今年の三月に出た私の『あなたの知らない武術のヒミツ』(アスペクト刊)も四冊も棚にありました。
 何で四冊も置いてあるのか判りませんが(他の本は一冊ずつしか無かった)、これは大抵の書店で既に売り切れて置いていませんから(相模原駅ビルの書店にはあった)、相模原・町田近郊にお住まいの方でまだ読んでない方は、是非、御購入くださりませ〜。

あっ、ちなみに、その本文中で頻繁に出てくる“某氏”というのは、甲野善紀氏のことで〜す! 詳細は、今月半ばに出すPDF書籍を御購入くださりませ〜。

甲野氏の評論をするために、彼の最新の技とか見ておこうと思って、学研から出ているムック本『小さな力で相手を倒す! 古伝武術の秘術』を買いに寄った訳です。太気拳の岩間先生や八卦掌の臼井先生、養神館合気道の千田先生・・・といった先生方の技もDVDで見られるんだから、買って損はしないでしょう〜。

え〜っと、それはそれとして、その書店の映画コーナーで、『武侠映画の快楽』(三修社 岡崎由美・浦川留共著)という本を見かけて購入したんですが、これがもう凄く面白いんですよ〜。

最近、金庸の武侠小説をドラマ化した『射チョウ英雄伝』をチャンネルnecoで観てからハマっちゃいまして、『天龍八部』『笑傲江湖』と続けて観てから、これはもう原作小説を読みたいと思って、『〜英雄伝』の続編にあたる『神チョウ剣侠(原題は神チョウ侠侶)』の文庫を買って読み始めたんですね。

これがまた面白いんですよ〜。
 うちの会の師範代が中国の易とか気の理論に詳しくて、金庸の武侠小説も図書館で借りて一気に読んだそうなんですが、点穴術とかが実際に人体の気の流れるルートである経脈のツボに沿ってリアルに書かれていて驚いたと言っていたんですが、私も読んでみてビックリ!
 ホントにそうなんですよ〜! こんなの専門家でなきゃ解る訳ないんですよ。

金庸が武術の心得があるというのは聞いたことがないんですが、気功に関しては相当詳しかったのは間違いないと思われます。聞きかじりの知識では絶対にあり得ません。そうでなきゃ書ける道理がない。

だから、武侠映画について書かれたこの本は、今の私にとってタイムリーな内容で、面白いったらありゃしません。
 特に、浦川留さんって、カンフー映画とかについて詳しいライターの方だし、岡崎由美さんといったら、金庸の武侠小説の翻訳家として知られる方です(早稲田大学の教授だったとは初めて知りました)。このお二人がタッグを組んでいるなら面白くない筈がない。

武侠映画で採り上げているのは、『グリーン・デスティニー』『HERO』『LOVERS』『スウォーズマン』『カンフーハッスル』『決戦・紫禁城』『セブンソード』『楽園の瑕』『大酔侠』・・・等々ですが、個々の作品へのツッコミは浅いものの、“文化としての武侠物”の「中国の武侠者たちはなぜ空を飛ぶのか?」という観点からの中国道教に伝わる身体改造“超人”思想へと切り込んだところは実に画期的でうなっちゃいます。

確かに、まがいなりにも日本武術と中国武術の研究をしてきて、言われてみれば深く考えたこともなかった日本と中国の文化的な身体観の違い・・・。
 それは、実際の武術の技にも反映しているんですよね〜。
 いや〜、勉強になりました。
 また、改めて自分が勉強すべきテーマを気づかせてもらったような気がしました。

この本は、是非、買って読んでみられるといいと思いますよ。¥1700なんて全然安いですよ〜。

追伸;この原稿書いてる最中にTV朝日でアニメ化された『蒼天の拳』の第一回を観るとはなしに観ていたら、“朋友”とか“江湖”とか、武侠物に特有の用語が出てきて、この作品も武侠物の影響を受けているのだな〜? なんという偶然なんだろうな〜?と感慨深くなりました。ひょっとして武侠ブームが来るかな?

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2006/10/10 格闘家の生き方

私は、最近、格闘技にさっぱり興味がなくなってきて、TVの格闘技番組なんかも見なくなってきていたんですが、先日、キックボクシング界で一世風靡した“立嶋選手が泥棒を捕まえた”というニュースを見て、久しぶりに格闘技に興味がわいて、TBSでやってたヒーローズを観ました。

目玉試合の一つとしてクローズアップされていた俳優休業中の金子賢と、闘うフリーター、所英男の試合が、地味〜にすぐに終わってしまって拍子抜けさせられましたが、俳優という看板を掲げてプロの試合に出させられてる金子賢の姿に曙がダブッて見えてウ〜ムと考え込まされるのは私だけなんでしょうか?

いくら前田日明が「プロをなめるな!」とか言っても、そういうカードでしか客が呼べない興行システムに問題大アリなんじゃないのかな〜? ここは一発、亀田親子みたいに「俳優金子賢がいかにしてプロ格闘技の場に挑戦するに到ったか?」というドキュメンタリー番組を作って、盛り上げていかなきゃ〜いけませんよね。

そうすると、役者という浮草稼業の苛酷な現実とか、格闘技に命をかける若者の情熱とは何ぞや?みたいなドラマチックな展開が色々見せられるし、いっそ、セミドキュメンタリー映画として“試合”をクライマックスに持ってくるとか、“梶原イズム”が欲しいですよね〜。原作は夢枕獏で・・・。

で、金子賢には全然期待してなかった私は、ドン・フライの試合と宇野薫の試合が楽しめました。

ドン・フライ、『ゴジラ・ファイナルウォーズ』の轟天号の館長役が素敵でしたね。
 吹き替えだから、演技が上手いのか下手なのか全然解らないけど・・・。

宇野薫は、やっぱり、流石に上手いですね〜。ベビーフェイスで淡々と闘う堅実な印象が、須藤元気や魔娑斗といったキャラの濃い人達の陰に隠れてしまいがちですが、改めて試合ぶりを見ると玄人受けのする素晴らしい内容です。
 決勝は、決して負けてはいないと思いますし、ドローにして延長戦になったら勝てたかも?と思える内容でしたが、惜しくも判定負けでした。残念。

あっ、それから余談ですが、『女必殺拳・危機一髪』を観ていたら、カラミのヤラレ役の中に『宇宙刑事ギャバン』のギャバン、『バトルフィーバーJ』のバトルケニヤ、『影の軍団4』のがま八をやっていた大葉健二がいました。
 なんか、『燃えよドラゴン』でブルース・リーに首を捻り折られるジャッキー・チェンや、『少林寺木人拳』の酒場の乱闘シーンに出てくるユン・ピョウを思い出してしまいました。
 それから、『バトルフィーバーJ』で、バトルフィーバー隊の必殺技が通じない強力な怪人を、東映チャンバラ黄金期に活躍した東千代之介演じる倉間鉄山将軍が一騎打ちで必殺“電光斬り”で倒す・・・という「エェ〜、そんなのアリ〜?」というシーンがあって、ビックラこいちゃいました。なんせ、鉄山将軍は道着に日本刀さして延々と走って駆けつけるのです(日本刀持って走ってたら捕まるよ、フツー)・・・バトルフィーバーの戦闘服も将軍がデザインしたという設定でしたが、ミスアメリカのハイレグタイツもデザインしたのか〜?と考えると、このオッチャン、正気なのかな〜?という疑問が・・・。
 でも、東千代之介の生真面目な顔は、そんな疑念を感じさせません。人間、威厳があれば疑問を差し挟めないものですね〜。ミラーマン植草も顔に気品があったら捕まらずにすんだかも〜?

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2006/10/09 不倫ブームは自己チュー人間増殖の証しか?

NEWS23のキャスターになったばっかりの女子アナが、民主党のイケメン議員と路上キスして「不倫だ!」ってバッシングされて大騒ぎになっておりますが、ニュースキャスターって客観的な立場でニュースを提供する仕事しているのに、はっきりいっておバカさんというしかないですね。本当に自分の立場が判ってない・・・。

不倫だと騒がれた揚げ句に離婚し再婚した某(元)女子アナの場合も、私は正直いって、バッシングされて可哀想だとかいう気持ちにはなれませんでした。
 だって、原稿読むのもカミカミだし、自分の行動が仕事仲間に与える迷惑とか会社のイメージダウンになるとか考えて欲望を自制するプロ意識ってものが欠如してますよ。

以前、「今時の女の子はみんなこうですよ」って、平然と不倫を容認するようなことを言っている女性もいましたが、確かに増えているのかも知れませんね〜。

女性がバッシングされると「可哀想だ」っていう人が多いですけど、不倫といったらもっと可哀想な人が陰にいる訳ですよね。裏切られたダンナさんや奥さんのことを考えたら、安っぽい昼メロみたいに不倫してる女性を悲劇のヒロインみたいに扱うのはやめて欲しいものですし、相手の男もバカ過ぎですね。

夜回り先生こと水谷修先生が、生徒と男女関係を持った教師を諭して自首?させた、という話が今朝の新聞に載っていました。覚醒剤や麻薬を常用している子供たちを更正させようと頑張って、子供達の過ちについては「いいんだよ」と許す水谷先生が、大人に対しては「分別を持ちなさい」という厳しい姿勢を要求している・・・。

どういうことだろう?と思う人もいるかも知れませんが、子供は何が悪いことか、社会的に許されないことなのか?という判断がつかないから許されるのであって、その判断は大人が教えていかなきゃいけない。それなのに、いい年した大人が無責任に自己中心的な考えで行動していては、それが当然のことのように思い込ませてしまう・・・。
 だから、大人の問題行動は許される道理がありません。まして、教師がそれをやってしまっては論外です。

「人に迷惑かけなきゃ何やったっていいんだ」という考え方は、「法律に触れなきゃ何やったっていいんだ」という考え方になり、「バレなきゃ何やったっていいんだ」という犯罪行為を容認する意識へと発展してしまいかねません。
 どこで自分の意識にブレーキをかけるか?という点が肝心なのであって、自制心の欠けた人間は人間失格でしょう。

そういえば、ミラーマン植草は、またもや「痴漢したのは私じゃない。人違いだ」と言い出しているそうですが、こんなヤツが大学教授じゃ困りますね〜。
 何か、“女にだらしない男”と、“男にだらしない女”って、物凄〜く“無能な人間”に思えて仕方ありません。“英雄色を好む”とも言いますけど、英雄って、そもそも頭脳タイプじゃなくて体育会系だしな〜。欲望に忠実なんだろうな〜?

でも、私は“物凄〜く、金にだらしない男”なんですけどね〜。
 みずがめ座だからかな〜?

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2006/10/09 あなたは女ドラゴン志穂美悦子を知ってますか?

TV東京のド深夜の映画劇場で『女必殺拳』『女必殺拳危機一髪』をやっていました。次回は『帰ってきた女必殺拳』もやるみたいです。
 主演は、長渕のヨメこと、志穂美悦子!
 元祖アクション女優にして、千葉真一に憧れて上京。JAC(ジャパン・アクション・クラブ。現在はJAE“ジャパン・アクション・エンタープライズ”)の逸材として華々しい活躍をしていたことを知る人は、もう40歳以上の世代なんでしょうな〜。

この時期のカラテ映画となると、千葉チャン主演の作品も含めて、悪役は必ずといって良いくらい石橋雅史先生が登場しますが、石橋先生といえば特撮の世界では戦隊シリーズの悪の大幹部(バトルフィーバーJのヘッダー指揮官とかジャッカー電撃隊のアイアンクローとか科学戦隊ダイナマンのカー将軍)で有名な方ですが、実は、かの極真会館の前身、大山道場の師範代であり剛柔流空手の遣い手である事実を知る人は少ないでしょう。

志穂美悦子の映画デビューは『ボディガード牙』なのだそうですが、TVデビューは、『キカイダー01』のビジンダーの人間体マリ役で、明らかに主役よりアクションができるという『宇宙刑事シャイダー』の女宇宙刑事アニー(JACの森永奈緒美)を先取りする展開でした。

映画では師匠千葉チャン主演のカラテ映画『激突・殺人拳』『ゴルゴ13・九竜の首』『激殺!邪道拳』『少林寺拳法』『激突!合気道』等に出ていました。

その後、『大江戸捜査網』に、山中で拳法を仕込まれて育った“元祖あずみ”みたいな隠密同心“風”を演じたり、『ザ・ゴリラ7』とか『ドーベルマン刑事』とか現代アクション物に出演していました。

一時期、アクションから離れたように普通のドラマに出たり欽ちゃんのバラエティに出たりしていましたが、やっぱり、この人にしかできない演技というのはアクションですから、この女必殺拳シリーズや『13階段のマキ』『華麗なる追跡』等の主演映画や、一連のJAC作品『忍者武芸帖・百地三太夫』『吼えろ鉄拳』『コータローまかりとおる』や、『里見八犬伝』での印象的な脇役もカッコ良かったです。

しかし、何といっても、転機になったかな?と思えるのは、『柳生一族の陰謀』の映画版とTV版、そしてTV版の外伝的な『柳生あばれ旅』や、『影の軍団』シリーズでしょう。これらの時代劇は、JACアクションの絶頂期を象徴するTV時代劇であり、志穂美悦子は千葉真一・真田広之と共にJACの三本柱をなす存在でした。
 特に、JACの芝居『魔界転生』では天草四郎を演じており、これはある意味、主役ですからね。いかに志穂美悦子の存在が大きかったか?ということです。

そんな志穂美がひっそりと長渕と結婚して芸能界を引退してしまって長くたちます。
 流石にもう芸能界に戻ることは考えないかも知れませんが、日本初にして今もなお孤高のアクション女優の称号を持つ志穂美悦子の存在の大きさが、彼女のアクション演技を見ていて痛感させられます。

ちなみに、わたくしが生まれて初めて買った写真集は、キネマ旬報から出ていた志穂美悦子の写真集でした(でも、何か、ブルース・リー特集本みたいでしたが・・・)。

さて、新たなる女必殺拳シリーズの復活はあるのでしょうか? やはり水野美紀か、それとも肘井美佳? 木下あゆみ? それとも、ショコタンか加藤夏希を半年くらい虎の穴みたいなところで鍛えさせてアクション女優デビューさせるとか〜?
 いやいや、こうなったら、私の会でアクション女優になりたい人をオーディションして選んで特訓させた方が早いかも〜?
(でも、メッチャ、技がマニアックになる可能性アリ・・・)

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2006/10/07 『小さな力で相手を倒す! 古伝武術の秘術』DVD感想

学研の武術ムック『古伝武術の秘術』のDVDを観ました。
 いや〜、これまで出てる中で最高ですね〜。

私は甲野さんは嫌いなんですが、最新の技に関しては少し良くなっていますね。以前は、脱力と沈身だけで技をかけていたのが、最新の技では、接触しているところから相手の力を分解(力の集中を散らす)する技術を加えているので、これまで通じなかったであろう相手にも技が効くような実感が得られているのではないでしょうか?

40kgの重りを挙げるやり方に関しては腕の力を抜いて体幹部を沈める反作用で挙げていて、体験者の方は足を踏ん張って固定し、腕と腰椎を踏ん張って挙げようとしているのでできなかった様子が動画だから判ります。
 体験者のやり方だとギックリ腰になる危険性があるでしょう。

それに対して、甲野さんがやっているのは、重いものを持つのに慣れている人なら自然にやっている“腰を落として身体で持ち上げる”というやり方であり、実はそんな特殊なことはやっていませんね。「足裏を浮かす」とかヘンな理論を言い出すから、さも特殊なことをやっているかのように誤解させられるだけです。

こういう“人を誤解させて崇めさせるように持っていく”ところが彼のズルイところだと思いますが、武術って、“いかに相手を騙くらかすか?”ってところがミソだから、そのこと自体を非難するには当たらないのかも知れませんけどね〜。嫌いだけど・・・。
(甲野氏の技術に関しては10月半ばに出すPDF書籍で分析解説します)

さて、岩間先生の太気拳は、10年近く前ですかね〜? 取材で拝見して感銘を受けましたが、やっぱり(私が言うのは失礼なんですが・・・)、凄く向上されていますね。

もう、唸ってしまいました。緩急自在で軽やかに、そして鋭く変化する岩間先生の身法の見事さは芸術的な領域にあります。私は、太気拳の先生方の中で岩間先生の動きが一番好きです。機能的で流麗で、尚且つ理論が明確なのです。

そして、今回、更に驚いたのは、お弟子さんが上手いんですね〜。写真で見てフルコン空手の相当できる人なのかな?と思ったのですが、動画で見ると見事なまでに岩間先生の動きを(良い意味で)コピーされていて、驚きました。

私の太気拳の動きなんかは所詮、真似事でしかないな〜と、正直、悔しいんですけど、素晴らしい目標ができました。

戴氏心意拳の王老師の丹田の回転の様子は見事ですね。縦に回転する丹田の動きが全身に連動する様子は、戴氏心意拳の戦法が無駄を省いた中心を盗っていく点に繋がっていて、理論的で素晴らしい。実に精緻に良くできた武術だと思います。

さて、八卦掌の臼井先生は、やっぱり凄いですね〜。力強いし速いし止まらないし、教則ビデオも買ってますが、更にレベルアップされた八卦掌には通背拳の威力も加わっていて、実に巧妙豪快で芸術的な印象も受けます。収録時間もかなりあって、八卦掌好きの私にとってはお宝映像ですよ〜。特に八卦大刀の演武とか双剣の用法、子母鴛鴦鉞の演武なんかは超貴重でしょう? 取材スタッフの皆さん。ありがとう〜っ!(嬉し涙)

楊進先生の太極拳推手の用法解説や千田務先生の養神館合気道の用法解説も素晴らしかったです。

前のムック本の付属DVDがさっぱり編集してなくってワケ解らなかったのを反省して、読者サービスに頑張って編集されたんだと思いますけれど、ここまでやってくれれば言うこと無しです! やればできるっ! エライッ! ¥1600は安いっ!
 次回も頑張れーっ!(もう、季刊にしちゃえーっ!)

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2006/10/04 ケンカ十段・芦原英幸を知ってますか?

先日までアニマックスでやっていた『空手バカ一代』の原作漫画の後半で、主人公の飛鳥拳(ゴッドハンド大山倍達)に代わって主役級の活躍をするケンカ十段・芦原英幸という人を知ってますか?

私くらいの40代前半から上の世代の武道愛好家の間では一種のカリスマ的な存在で、多くの武道・格闘技業界で仕事をしている編集者やライターが憧れている人でした。
 大山倍達が総番だとしたら、芦原英幸は裏番って感じでしょうか?

大山倍達がフルコンタクトの直接打撃制空手の創始者として世界中に広く名前を知られて、極真会館を開いた後、実に多くの輝かしい空手家を沢山輩出しましたが、その中でも別格のような存在感とスター性で人気があった芦原英幸は、1980年代に画期的な空手技術書とビデオを出して再び注目されます。

私は、その当時、大学生でしたが、名前だけは知っていた芦原英幸を写真で見て、俳優みたいな顔立ちと野性的な鋭い目、そして「芦原は一空手職人ですけん」といった、驕らない物言いに憧れて、技術書とビデオを頼りに独習していたものでした。

そんな芦原英幸に関する本はいくつも出ていますが、どれを読んでも面白い。
 しかし、町田駅前の書店で『いま明かされる天才空手家の技と心 新説!! 芦原英幸』を手にとって、DVD付きだったこともあって、すぐに買って帰りました。

芦原英幸縁の色々な空手家にインタビューした構成で、特に極真会館以前の大山道場時代の修行時代の話が面白く、「いや〜、当然のこととは言っても、芦原先生ほどの天才でも組手でボコられたりしていたんだな〜?」と、何とも感慨深いものがありました。

どんな人でも挫折したり苦労した時代というものは有りますよね〜。
 逆に言うと、そんな時代が無かったら、人間としてまともな成長ができないんじゃないでしょうか? 「鉄は熱いうちに叩け!」って言葉は当たってると思います。

日本刀を作るのに鉄を叩かずに単純に延ばして刀の形にして作ったら、打ち合った瞬間にポッキーみたいに折れてしまうでしょう。挫折を知らない人間は、ちょっとした失敗で自殺したり引きこもりになってしまったり、物凄くひ弱に育ってしまいがちです。

武道や格闘技を学ぶと、痛い思いしたり負けて悔しい思いしたりするのが日常的にあります。もしかして、そこに一番の価値があるのかも知れませんね?

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2006/10/04 “ライオン丸”復活はいいんですけど〜

1970年代は、色んな特撮番組がありました。確か、ウルトラマンが復活するという触れ込みで『帰ってきたウルトラマン』が始まった辺りから、にわかに活性化してきて、『仮面ライダー』とか『宇宙猿人ゴリ』とか『シルバー仮面』とか『ミラーマン』とか『レインボーマン』とか色々と変わった作品が製作されるようになってきていました。

そんな中でも時代劇の特撮物という『仮面の忍者・赤影』以来の本格的特撮物として、『快傑ライオン丸』という作品が『スペクトルマン(最初は『宇宙猿人ゴリ』、次に『宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン』というタイトルでした。『どろろ』が『どろろと百鬼丸』に変わったみたいなものですね)』の後に始まったのでした。

この『快傑ライオン丸』は、前作に優るとも劣らない人気を博してヒットしました。
 忍者物でありながら、忍法でライオン顔のヒーローに変身するという展開や、敵として登場するユニークな怪人達等々、明らかに仮面ライダーの影響がありましたが、『マグマ大使』以来のピー・プロのひねくれたセンスが満載で、続編まで作られたほどでした。

そんなライオン丸が復活するという噂は、数年前から風聞で耳にしていました。
 それが、特撮専門誌で紹介されて「本当に現実化したんだ」と驚いたのが二、三カ月前でしたか?

でも・・・専門誌の紹介記事を読むと、「何か違うな〜?」という印象が強い。
 何が違うって、主人公が歌舞伎町のホスト?だってんだから、何だかな〜?って感じなんですね〜。ちょっと、斬新なものにしようという狙いは解るんですけど、いくらなんでも飛躍し過ぎてないか?って思いましたよね〜。

そんな訳で、実際に10月1日の深夜にTV東京で始まった『ライオン丸G』ですが、これってもう完全にコメディのつもりで作るのかな〜?という不安が・・・。

オープニングからかつての快傑ライオン丸の映像が流れるTVが映ってたり、伝説の番組にリスペクトしているものの、深夜番組を意識し過ぎたアダルティーな展開でビックリさせられます。

特にエンケンが出てる段階で、何かやるだろ?って雰囲気が濃厚で、やっぱりエンケンはいきなりSM女王様コスプレして鞭で打ったり打たれたり・・・?って、これ、何の番組だよ?って感じの暴走っぷりに唖然としてしまいます。

主人公も、かつてのC調オチャラケ・キャラの主人公でマニア間で伝説の特撮番組となった『超光戦士シャンゼリオン』を超えるダメ・キャラで、ネオ歌舞伎町のワースト・ホスト“獅子丸”という設定。彼がカプセルホテルでお目覚めするシーンに『傷だらけの天使』のテーマ曲がかぶり、「今観るとそんなに面白くないな〜」とか言わせてしまうセンスが、この作品の目指す方向を示している気が・・・。

これまでも深夜枠の特撮ドラマって、過激なスプラッター描写やエロスの香を漂わせて子供に観せることを意識しない作り方ではありましたけど、これはもう、行き着くところまで行っちゃいそうな気配が濃厚です。

専門誌の設定解説では、昔のライオン丸の話と繋がった近未来(今現在から5年後)の話であるそうで、ライオン丸が使っていた“金砂地の太刀”を持った獅子丸が新たな忍法獅子変化でライオン丸Gに変身するというものだそうで、本来だったらオリジナル・アニメになりそうなSF仕立てのストーリーですが、それを敢えて実写でやろうとしたのは、やはり、チャンバラ・アクションを本格的にやろうとする意志の現れだったんじゃないでしょうかね〜?

でも、主人公がダメ・ホストで、沙織・小助がグラドル系姉妹、そして、果心居士がホームレス! タイガージョーに変身する虎錠之介も最初から出てきて、暴力団をやっているらしき豪山(ゴースン!)の子飼いの用心棒という、竹内力や哀川翔が主演しているヤクザVシネマみたいな感じなので、う〜ん・・・と唸ってしまいます。

エンケンは豪山(石橋蓮司)の息子ジュニアという設定なんですが、“ジュニア”って、確か『忍者戦隊カクレンジャー』にエンケンが出ていた時の妖怪大魔王の息子という設定の名前でした(正体はガシャドクロ)。それとも、ゴースンの分身の分身魔王デボノバという設定なのかな〜?

設定に不安はありますが、ライオン丸のデザインはカッコ良く、チャンバラ・アクションにも期待できそうです。イメージ・シーン的にタイガージョーがビルの屋上でニンジャ?と戦うシーンを観る限り、アクションには期待できそうでした。
 初回はまだ、獅子丸がライオン丸に変身したところで“つづく”だったので、次回以降に期待してみたいところです・・・。

追伸;『魁!クロマティ高校ザ・ムービー』に宇宙猿人ゴリとラーが出てきたり、ピー・プロが活気づいてきたんでしょうか? 名物社長の鷺巣富雄氏は亡くなられましたけど、あっ、そういえば、快傑ライオン丸に出てきた沙織がミニスカ風着物だったのは「お色気が必要だから・・・」というナイスな答えをしてたから、今回の設定も必然だったのかも知れません・・・(そんな訳はないっ!)。でも、昔のライオン丸にもパンダの怪人とか出てたよな〜?

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2006/10/04 ブログで皆さん、こんにちわ!

初めて、ブログやるので緊張しております。

長野峻也、43歳。独身(お嫁さん募集中! ただし、メッチャ面食い)。

職業;文筆業、武術研究指導。

得意分野;中国武術、古武術、特撮、怪獣、妖怪、UMA、精神世界、健康法。

趣味;映画評論、日本刀拵え作り(鞘とか柄とかのハンドメイド)。

特技;有名武術家の秘技をパクッて誰でもできるように教えられる特殊技能。

愛刀;美火月丸(通称・ミカちゃん)。

好きな映画;『子連れ狼・親の心子の心』『子連れ狼・死に風に向かう乳母車』『夢みるように眠りたい』『最も危険な遊戯』『妖刀・斬首剣(原題“生死決 ”)』『あずみ』『マッハ!(原題“オンバク”)』『妖怪大戦争(旧)』『ゴジラ対ヘドラ』『ガメラ対大魔獣ジャイガー』『ゴジラ対メカゴジラ』『雲霧仁左衛門』『西部悪人伝』『怒りの荒野』『夕陽のガンマン』『VERSUS』

尊敬する人;若山富三郎先生、松田優作、田中泯(舞踊家)、その他いっぱい。

嫌いな人;某古武術研究家、某中国拳法家、某武術ライター・・・(あ〜、武術関係者ばっかりだ〜? 嫌な業界だな〜・・・)。

好きな作家;最近は金庸の武侠小説にはまってます・・・。

好きなTV番組;『賞金稼ぎ』『翔べ!必殺うらごろし』『新十郎捕り物帳・快刀乱麻』『エコエコアザラク』『ドロロンえん魔くん』『牙狼−GARO−』『装甲機兵ボトムズ』『ヘルシング』『ルパン三世(第一シリーズ)』『探偵物語』『電撃戦隊チェンジマン』
『宇宙刑事シャイダー』『東京ラブストーリー』『ゴジラアイランド』『スーパーロボット・レッドバロン』『ニューヨーク恋物語』『ドラゴンボールZ』『幽々白書』『るろうに剣心』『ブリーチ』『侍チャンプルー』

・・・とまあ、こんな具合のオッサンです。夜・露・死・苦〜!

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