本・DVD・ホームページに関するご意見、ご感想
発勁開発DVDの感想です...
報告が遅くなりまして申し訳ありませんでした。発勁開発DVDの感想です。
最初に発勁を知ったのは「ムー」の記事だったと言いましたが蔵書をひっくり返して確認しました。「ムー」1982年6月号P.126「岩を砕き、鉄を曲げる《気功法の驚異》」でした。筆者はかの高藤聡一郎氏。彼の「ムー」誌における2番目の記事でした。大陸書房からあっちに乗り換えたあたりかな。当時はまだ売れる前でかなり真面目な記事を書いていた頃でしょう。
発勁の威力の科学的分析の記事で釘を握って板に突き刺す実験というのがありました。腕だけで打ち付けているから計算上は「仕事量=腕の重量×加速度」であるはずが気功法の達人が行うと「全体重×加速度」と言う値が発生するとのこと。これが「気」の威力だとのことでしたが、これは重心移動による「体当たり」なんでしょうね。
ただもうひとつ岩石割りの高速度カメラによる撮影の実験が興味深い。それによれば被験者の手が岩に当たる前に岩が割れ、そのあとを手が続いていくのだという。これが本当なら力学の応用技以上の技法が実際に存在するのかも知れません。発勁トレーニングに加えて周天法を極めれば、はたしてこうしたことも可能になるのでしょうか。
発勁トレーングについてですが、マンガ「拳児」に登場した技の数々が思い出されました。拳児のじいちゃんが不良数人をまとめて弾き飛ばした鉄山コウとか言う技。あれは肩発勁ですね。
また敵役のトニー・タンの一味が横浜の公園で修練しているシーンがありました。馬歩の体勢で両手の人差し指を立て、呼気とともにウルトラセブンのアイスラッガー投擲体勢のような動作をくりかえしているところ。あのマンガ以外では紹介された本を見たことがなくあれは一体なんだろうと首をひねるばかりでした。
先日のセミナーを受講して、あれは逆腹式呼吸による発勁トレーニングだったのかもしれないと思いつきました。やり過ぎると精神に異常が出るよと注意を受けましたが、なるほど喧嘩に強くなりたい一心の連中があれをやり続ければ精神修養どころではないでしょう。トニー・タンがダークサイドに転がり落ちていったのは誤ったトレーニングも一因だったのか。
それから尚雲祥が崩拳のみを練習して達人となったと言う話。崩拳の動作は丹田歩法と重心移動による発勁トレーニングそのものですね。おかげさまで二十数年ぶりにいろいろな疑問点が氷解する思いでした。
DVDの映像では特にスローモーションの映像が興味深かったです。DVDではコマ送りにすると画面が乱れたりすることがあるので最初からスローモーションになっているとありがたいです。発勁DVDの改訂版を出す時には通常の打撃と発勁によるものを画面二分割して並べてみたらどうでしょう。重心移動の違いがよりはっきりと判ると思います。
また沈墜勁の超スローモーションというのも見てみたいです。攻撃に対するカウンターの訓練ですが足運びの要領がいまひとつわからないのです。以前のセミナーで相手の左サイドにすり抜けようとしたところ自分の右足の小指を相手の方のスネに思い切りぶつけてしまい七転八倒してしまったのですよ。折れはしなかったのですが紫色にはれ上がりその後結局爪が剥がれてしまい、とんだ不様をさらしてしまいました。打撃を捌くことに気をとられ足元がおろそかになっちゃいかんよなと思うのですが、足元を気にしていればたちどころにやられてしまうし・・・。視野を広くするとか勘を鋭くするトレーニングを積むのが一番でしょうか。
最後の特典映像の稽古風景ですが。無言で基本トレーニングをやっている風景は実にシュールな映像ですよね。「家族の前ではちょっとできない」といっていたセミナー参加者の方がいましたが同感です。なんといいますか「気功法」というよりは「奇行法」と知らない人の目には映るのではないかと。DVD映像で子供の騒ぐ声が聞こえてましたが、そのうち子供がドアの隙間からひょっこり顔を出し「ママー、変なことやってるよー」「しっ、見ちゃいけません!」てなやりとりが始まりゃしないかとひやひやしながら見ておりました。本当は緑豊かな公園などで気を練りながらやるのがいいのでしょうがかなりの勇気が必要でしょう。これが太極拳だったら格好がつくんでしょうけれど。
とりとめもなくしょうもない話を書き連ねましたが実に有意義な講義でした。今後の展開にも大いに期待しております。ありがとうございました。
長野峻也の回答
拝復、●●様。
御感想、ありがとうございました。
『発勁』を知ったのがムーですか? そして、筆者は、あの高藤さんですか? ふぅ〜。リアクションとりづらいな〜。
セミナーでケガされたのは、その場でちゃんと言ってくださいね。勢いよくやらないように指示していたので、今までほとんどケガをする人はでなかったのですが・・・。注意が行き届かずに申し訳ありませんでした。
それから、誤解されている様子ですが、特典映像では気功法はやっていません。基礎錬体ですよ。あれは、身体の中心軸を確立し、骨盤の動きを練り、全身各部の協調連動を促し、体内の重心移動をスムーズにするための重要な練習法です。
あれだけを毎日熱心にやっていればスポーツでも何でも凄く上達しますから、「良い訓練法は見た目に難アリ」と、御理解ください(馬鹿にしてやらない人はさっぱり上達しません)。