セミナーに参加された皆様のご感想

やはり対人練習だと勝手が違うことを痛感しました...

今回のセミナーは基礎的な技が中心でしたが、基本を再確認する絶好の機会となりました。個人的には発勁が思った程に威力が出せず、毎日練体に励んでいたものの、やはり対人練習だと勝手が違うことを痛感しました。これが自由組手だと、更に違ってくるでしょう。勘違いを正すいい機会になったと思います。最近は行き着けのトレーニングジムで、週に一回サンドバッグを叩く練習もしています。

また、個人的に一番楽しみにしていたのが「観の目」だったのですが、相手の構え等によって、見る点が異なると聞き、成る程、と思わされました。或るポイントを常に見ていればいい、ということではなく、千変万化する戦いの中で、素早く見るべき点を見抜く・・・と、これは型にはまるのではなく臨機応変に、状況に応じて動くという游心流の思想とつながるのではないか、と考えさせられました。

最近、私は様々な武道・武術の映像をネットで探し、楽しんでおりますが、一方で先生が作られた昔のビデオも、改めて見直しております。今見ても、交叉法の抜群の冴えに感心するばかりですが、最近のクエストや発勁・合気のDVDを見ると、やはりと言うか最近の方が洗練され、柔らかく力が抜けている印象を受けてしまいます。DVD発売に至るまでの数年の間に、様々な発見をし、それがセミナーで教わる簡単なポイントに集約されているのだと思います。「奥義はまつげの先にある」と言うそうですが、教えてもらうちょっとしたポイントを決して軽んじてはいけない、それは先生の研究の成果として存在しているのだから、と思います。武術の技を玩具のように軽く扱ってはいけない、それは気違いに刃物になりかねない・・・ということを、稽古会に参加させていただいている身として、常に忘れないよう心がけたい、と思います。

今年は様々なトラブルに見舞われ、最近入会したばかりの身としては戸惑うことも正直それなりにあったのですが、来年は先生の唱える武術の理想の追求に向け、理屈ではなく実践で使える護身術の体現を目指し、頑張って行くつもりです。来年早々の発勁セミナーにも参加する予定ですので、またご指導を宜しくお願いします。

それでは失礼します。

長野峻也の回答

御感想、ありがとうございました。

結局、基本が一番重要なんですけれども、それだけあれば充分という訳じゃなく、実際に闘う場合は、どれだけ基本から応用発展させてアドリブで使えるか?という点があると思います。何か、武術好きな人が勘違いしているな〜と思うのは、“万能の技”が有ると思い込んでいる点ですね。

ある局面で著効がある技でも、技である以上はメカニズムが判明すれば対抗策はいくらでも考案できる訳です。戦うことを考えていれば当たり前。だから、武術では奥の手の技は秘密にして隠すのが当然の心得であって、私もそうしています。奥の手は隠して誰にも教えない。当然のことです。例えば、私は交叉法を最も重視しているし、発勁や合気も研究してきましたが、この研究内容には、これらの破り方も含んでいます。研究していたら弱点に気づく。そこを攻められたらヤバイと思う。だから、弱点を隠しておいて、それを克服できてから発表する。だって、弱点だけ公表したらヤバイでしょう? 発表する内容は、実際の研究内容の八割くらいまでなんですよ。

武術は、平和な時に戦いに備えて修行するものですから、平和な状況が変わらず続くなんて考えちゃダメなんですよ。だから、結局、実際に競技の場で闘っている人達の方がこの理屈をちゃんと理解してくれますよね。

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