セミナーに参加された皆様のご感想
稽古のたびにフムフムと納得がゆくばかりで...
先日は、セミナーに参加させて頂き有り難く厚く御礼申し上げます。
まず、私が予想していたとおり、今まで学んできた中国武術の一番足りなかった部分が長野先生のセミナーに参加することにより、ひとつひとつ解決するのではないか、これが見事に的中しました。
さらに現在行っている一人稽古のひとつひとつのテーマがより、意味合いの深い内容となった事は感謝感激です。ひとり稽古のたびにフムフムと納得がゆくばかりで、暗中模索、まだ質問ができるほど消化はしきれていないのでしょう。
長野峻也の回答
御感想ありがとうございました。
入会もされたので、地道に着実に一歩一歩やっていきましょう。
さて、新規会員となられたからには、最初に游心流の『オキテ』を、お伝えしておかねばなりません。
練習の様子を拝見していますと、かなり組手とかお好きそうに拝察しましたが、セミナーは全くの初心者も参加されていますから、くれぐれも相手に怪我をさせたりしないように、注意し過ぎるくらいに注意してやってください。
結構、長く武道をやってきている人の中には、自分の道場で後輩に稽古をつけてやっているみたいな気になって、初心者相手に無茶な攻撃を繰り出す勘違いした人が、過去、数人はいました。
私は、これまで、そういう人の場合もお客さん扱いして少々の無作法は大目に見てきましたが、今後は、他の参加者に威圧感を与えたり、必要以上に強い攻撃を出してみたりする人は、即刻退場させるつもりでいます。
教えているのは私ですから、「私に習う気がないなら来るな!」という態度を今後は明確にしておきたいと思っています。
セミナーは、一般の人達に向けて武術の原理と技法を解説指導する場です。技を修練して技量を高めるのは志しを同じくする人間同士の“稽古会”でやることです。そして、修練した技を試したければ好みの大会に出てみればいいでしょう。
実際に、50歳過ぎて大会に出て試している会員さんもいます。私自身は武術の技は護身術として用いるものだと認識しているので技量を試したいという欲求は全くありませんが、修練の成果を試したいという人の気持ちを否定するつもりもありません。
盲目的に強さばかり求める武術マニアにならないように、“武術の修行は良識ある大人の嗜み”と心得ておいてください。
武術の技は上達すればする程、殺傷力が上がる訳です。練習は細心の注意を払わねばなりません。中国武術に限らず、沖縄空手でも日本の古武術でも、実際に効率良く敵を殺傷できる秘訣は一般の弟子には教えないのが普通であり、それを非難するのも筋違いだろうと私自身は思っています。
私だって、会員の人柄を観察して段階的に指導しています。
武術を学ぶのは、ひとつは、技の上達が目的となりますが、たいていの人は、これだけしか考えていません。しかし、本当に必要なのは、上達するに従って、自分の本能的戦闘意欲をコントロールしていく理性を鍛えることです。
実際は、この理性のコントロールこそが武術修行の真の価値です。よって、武術諸流派を総括する概念として明治以後、“武道”という言葉を用いるようになった訳です。
少林寺拳法は、「正義無き力は暴力なり。力無き正義は無力なり」と説いていますが、私は、この“正義”のところを“理性”と置き換えて考えています。“正義”という観念は、思想信条によって場合によっては大量虐殺までも正当化するものですが、“理性”は、個人の心の人間性に従って自然に生じてくるものだからです。
説教臭いことを言われることを嫌う人もいますが、武術を学ぶということは根本的に倫理観を自分の精神の中で育てていく必要がある訳で、それが嫌なら、学ぶ資格はありません。
游心流の目的は、武術修行で心を鍛えることであり、マニア的同好会ではありません(「マニア的同好会のどこが悪い」とうそぶく糞馬鹿は、一回死んで脳みそ治して生まれ代わってこいっ!)から、どうぞ、御理解ください。