セミナーに参加された皆様のご感想
私は学生時代、護身術を学ぶために...
私は学生時代、護身術を学ぶために空手の道場へ通っていました。
自分がイメージしていた護身術に近い技を教えて下さる先輩もいて、その点はチャンスに恵まれていましたが、反面、「格闘技は、始めからある程度のダメージを覚悟して肉体と根性を鍛える。自分が習いたいと思っている護身術は、自分はダメージを負わずに相手を制圧する技術。両者は別物ではないか」
とも思っていました。やがて長野先生のセミナーに参加するようになり、武術の技を様々な制約のある格闘技に応用することは難しいこと、そもそも目的の違う武術と格闘技とを単純比較する方がナンセンスであることを学びました。
それを今回は敢えて、武術を格闘技に応用することに挑戦しました。
今回のセミナーに参加した収穫はいくつかありましたが、その一つは、体軸を崩す技が空手や柔道の技にも応用できることを知ったことです。尤も冷静に考えてみれば人体の骨格の基本が背骨である以上、背骨のバランスを崩してしまう技術と空手や柔道の技との相性が良いのは当然かも知れません。
二つ目は、合気上げの応用テクニックを学んだことです。
「合気上げは相手が事前の打ち合わせ通りに動いてくれる状況下で始めて有効なものであり、あくまでも脱力と重心移動を身体に覚えさせるための基礎訓練である」
というのが、私の合気上げに対する認識でした。その合気上げを応用した返し技、更にその返し技の潰し方までご指導いただいたことは有意義でした。
長野峻也の回答
拝復、●●様。
いつも感想文をありがとうございます。
私は、常に「格闘技と武術は別物」と主張しているので、その別物の共通性について解説するのは意外に感じられた方が多かったのではないか?と思っています。
けれども、そもそもラジオ体操すら武術に改造?してしまう私にとって、武術技法を同じ闘う技法である格闘技に応用するのは、実は極めて簡単なことでした。
ただし、応用した技法がルール的に許容範囲なのかどうか?という点についてだけが心配だったので、様々な武道・格闘技を学んだ方が参加されたことで助けられました。
やっぱり、私自身は様々な武術・武道・格闘技を研究していると自負しているものの、各々の武道・格闘技の試合ルールまでは実際にやっている専門の人とは比べられる道理もありませんから、むしろ、勉強になりましたね。
これまで、軸の操作や重心移動を用いること、脱力技法については状況設定下で解説指導してきましたが、11月のセミナーではそれを一歩進めて、具体的な立ち合いの中でどう使っていくか?というポイントでのヒントくらいは示すことができたかな?と思っています。
無論、その先には、自由に動き回って攻撃してくる相手にどう技をかけるのか?といった問題も出てくるんですが、それは段階的に積み上げていかなくては達成できないテーマであり、一足飛びにモノにしようとすれば虻蜂採らずになってしまいます。
技術と理合は一体化していなければ意味がないものであり、それを体得するための稽古理論がシステム化されていなければなりません。
11月セミナーでは“間合”と“位置取り”、“読み”と“交叉”の関連性についてまでは解説できませんでしたから、それは24日、及び12月7日のセミナーで説明してみようと思っています。
合気上げの応用法に関しては、脱力技法の発展形として私は考えて技を工夫していますから、従来の合気武術系のやり方からはかなり離れているかもしれません。
でも、私のやり方だとかなり短期間に誰でも相当なレベルまで上達できると確信しています。これは鍛えると言うよりも、感覚を育てる要素が大きいでしょう。
これだけは確信をもって断言できますが、「極意は睫の先に有り」なんですよ。ほんの少し視点を変えるだけで、「あっ、何だ? たったこれだけのことだったのか?」と思う人が多いんじゃないかと思っています。