経済と産業

経済とは何か
経済の仕組み
経済と産業の関係

経済とは何か
 経済の基本は、モノ(財)やサービスという付加価値を生み出す仕組みの構築にある。お金(貨幣)が右から左へ、AさんからBさんへ動く時、その対価として、モノ(財)やサービスを得る。もしもお金に対価が存在しないならは、そのお金に価値はなく、紙くず同然となる。対価の無いお金の移動に、遺産相続や贈与や福祉補助などがある。それはお金の使い道を代わってもらうことを意味する。大切なのはお金を使うことで対価としてのモノ(財)やサービスを得ることにある。それが我々や社会を豊かにする。

 この対価(付加価値)の質と量が重要となる。お金の移動は、早ければ早いほど、太ければ太いほど、国民も国家財政も豊かになる。お金を常に動かし、質の高い付加価値を求め、モノ(財)やサービスを生産する仕組みが大切なのである。

 経済は社会生活を営むためのモノ(財)やサービスを交換する仕組みである。私たちの生活にはモノやサービスが必要、モノやサービスを消費するためにはモノやサービスを生産しなければならない。モノ(財)とは、生活に必要な商品および欲求を満足させる商品のこと、商品は市場で取引される。一方、サービスとは、商品としての形がなく、感覚的に満足を与えられる行為のこと、用役(ようえき)とも呼ばれる。

 生活に必要なものをすべて自分で生産するのは大変、そこで、それぞれが分業して生産したモノやサービスを交換し合えば、お互いに満足できる消費が可能になる。したがって、生産は企業がモノ(財)をつくること、消費は家計や企業がモノやサービスを使うこと、マクロ経済学において、消費と投資、総需要の構成要因、消費は生産した年に使用されてなくなる財、投資は生産した年に使用されずになくならない財である。

 私たちの経済的な社会生活は生産と消費の繰り返し、生産されたモノやサービスを交換することで、生産と消費の循環により、自給自足の生活に比べてより豊かなものになる。そこで、私たちは、日常生活を営むために、働かなくてはならない。会社に勤めたり、八百屋などの商売をしたり、農業や漁業に従事したり、分業に基づき、働き方はさまざまである。分業(ぶんぎょう、division of labor)とは複数の人々が役割を分担してモノ(財)やサービスの生産を行うこと、分業は生産過程における効率性を高めるためにとられた役割分担のシステムである。そして、私たちは、働いた分だけ、収入を得て、そのお金で、食料品や日用品などモノを購入し、家族で旅行やレジャー施設にいき、そのサービスに対してもお金を使う。

 しかし、それ以外に、余ったお金を貯蓄に回すかもしれないし、株式や債券などに投資をするかもしれない。日常生活を営む上で、お金は必要あり、モノやサービスにお金を消費し、貯蓄や投資をしている。私たちがお金を消費することで、モノやサービスを提供している企業にお金が渡る。そのお金は、その企業の従業員の給料になったり、企業を大きくするために、新たな設備投資のための資金や新商品の研究などに使われたりする。一方、国家としての政府も、私たちや企業から税金を集めて、年間の予算を立て、私たちの生活を良くするために、公共事業などのサービスを提供し、産業振興などをおこなっている。また、モノやサービスを受けるための交換手段であるお金がスムーズに流れるような、政策を立案して経済活動の援助をする。

 したがって、経済は、モノやサービスを生産する企業、モノやサービスを消費する家計、公共サービスを提供する政府、という3部門に分けることができる。家計と企業の間には、市場(しじょう)がある。市場とは、モノやサービスを交換する場のこと、買い手(需要)と売り手(供給)が出会う場である。

 企業が生産したモノやサービスは、交換取引を通して循環し、家計へ流れている。この交換取引を円滑に行わせる場が市場である。市場では、価格メカニズムを通じて、交換される数量がコントロールされる。価格メカニズムとは、商品の価格が変化することで、需要と供給が等しくなるように調整される仕組みのことである。価格メカニズムのことを市場機構ともいう。

(文責:yut)


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