私の人生物語(はじめに)

私の人生物語(はじめに)

 人にはそれぞれに幾通りもの人生物語がある。母から生まれ、それぞれが異なる環境に育ち、人生のドラマが描かれる。 人生の成功と失敗、何を基準に評価すべきなのか、もしかしたら、一瞬の人生の成功が後世の子孫に災いをもたらすかもしれない。 先祖の人生がDNAを引継ぎ、自分の人生を形成しているのかもしれない。平凡な人生が最良の幸せなのかもしれない。 しかし、平凡な人生を生き抜くことも難しく困難な道でもある。自分の人生に夢を抱くようになり、 その夢を目標に失敗と修正を繰り返しながら、人は自分の人生の道を歩み続ける。 それは他人が通ることのできない自分だけの道でもある。道半ばに「私の人生物語」を綴ってみた。

 人生には、天命、宿命、運命、知命、立命があるという。人生そのものが命(メイ)でもある。 この世に命(イノチ)を授かり、大宇宙、大自然、無限なる天の創造と変化の中で、必然と偶然に導かれ、肉体に宿る生命に、意識と精神を吹き込み、人の一生の道筋を生きる。 この過程において、天(大宇宙、大自然)を知り、人間の力で避けることも変えることもできない宿命を悟る。 多くの人と出会い、学校や仕事そして結婚など、自らの道のりを体験しながら、人の一生の道筋を取捨選択する。 運命は、生きて自分で経験し、自分の力で命を運び、動かすことが可能であり、自分でコントロールすることができる。 どんな人と出会い、何を経験して、どのような学校へいき、どのような仕事をして、どんな人と結婚するのかが運命、 自分次第であり、自分からアクションを起こし、自分で決めることができる。 自然科学は、この天という「命」でもある必然的な絶対なるものを、物の立場から研究・追究したものである。そして、いろいろな科学的法則や定理というものを導き出した。 哲学や宗教は、それぞれの立場から天命を追求して、これが天命であるというものを明らかにしている。 人間は探求すれば、次第に必然的・絶対的なものに到達でき、命を知り、命を立ち、天命を全うできる。 天命は大宇宙・大自然の絶対的なものの働きであり、そこに複雑な因果関係がある。 その因果の法則を探りつつ、その因果の関係を動かし、新しい運命を創造変化させていくことに道があり、立命となる。

 人生とは、自分を見つけることではなく、自分を創ることにある。人間の価値観は一人ひとりが異なる。 学問や芸術あるいはスポーツなど、いかなる世界でも得意分野を持てば、それ以外の面で多少なりとも劣っていても、人としての誇りが生まれる。 人として守るべき道を知り、それに磨きをかけ、努力と実践が伴えば、確固たる自信が身に付く。そうすれば、富や権力、名誉や才能の優劣に、心を動かし惑うことがなくなる。 それを自分自身で求めつつ、誠実な理想を持ち、家族を愛し、親族や隣人や友人に尽し、縁に従って、多くの人々や社会に奉仕する。 しかし、大望を達成するには、人の命があまりにも短く、尽きぬ願いを抱き苦しみ、死ねばその望みは打ち切られる。 人は一人で生き抜くことができない。人生は、多くの人の目に見えぬ助けを借りて、善なる夢を実現するためへの挑戦でもある。

(文責:yut)

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