2006/1/11 池袋 音処・手刀

【111(イイイーッ!トリプルワン!) 】


 7th逆慰問ライブ!

 神様、もう賽銭ドロしません。墓地に自生してる卒塔婆も抜いてきません。だから意地悪しないでください。

 この日、第十三号雑居房は、活動開始以来最大のトラブルに見舞われた。リハまではまともだったのに、出番の直前になって機材トラブルが発生。ドラムとベースのリズム音が出ない! こんなこともあろうかと、常に予備を持ってきているのだが、そちらもダメ。まさに呪われているとしかいいようがない。
 一瞬、リズム抜きでやれるようセットリストの変更も頭をよぎったが、それはかなり無理があると諦め、演奏はギターだけでやることにした。
 冒頭でこもだまりの口から客に事情を説明。最初こそ、リズムを崩さぬように恐る恐るという感じになってしまったが、いままでやってきた稽古(私の場合、暗黒舞踏の比重が多いがね)を無駄にしてたまるかと開き直ってやった。
 ちなみに今回は全部が新曲。舞踏も含めて、稽古量はいままでのライブで一番力を入れたのだが・・・。

セット
リスト

曲目

寫真

反省文!

八つ墓村祭り!
検閲中

血祭りの曲。
横溝正史なんぞは好きでもなんでもないが、死に魅入られた処”八つ墓村”というのが自分の中では非常に重要な空間であり、ある意味心の中の故郷だと思う。
かなり力作のつもりなので、次回はぜひ完全な形で演奏したい。

少女地獄
検閲中

寸劇から始まるヘビーな曲。夢野久作の同名小説とは無関係
いままで必死に否定してきた自らの真の欲望に従い、望んでいた地獄へと堕ちていく少女の歌。それは負の側への救い。

葬春賦
検閲中
元々、リズム無しの曲。
時にはセンチな気分になるのさ。
昆虫記
検閲中
これも元からリズム無しの曲。立って弾くと、演奏しながらの舞踏に幅が出てくる。その分、稽古は大変だった。
終末期の
  赤い地球
検閲中
舞踏ソロ入りの曲。リズムが出ないと分かったとき、(せっかくバンド形態にしてるのに)無音で踊るのかよと暗澹たる思いに包まれたが、身体さえちゃんとしてれば何とかなるものである。スタンドに立てかけたギターから出るノイズをそのままにしたのと、こもだまりのヴォイス(こちらは元々予定済み)で、特に問題なく乗り切った。
ちなみに曲タイトルはジャック・ヴァンスの小説からとったが(すごく面白い!)、 雰囲気的にはC・A・スミスのダーク・ファンタジーに近いかも。
  写真撮影:こもだまり
(携帯も進歩したもんだね)

終演後、楽屋にて。

701号室の団地妻
   &
妖怪人間のベラ姐さん
(ゴメン! いや、写り方がね)

 この日の救いは対バンの人が皆、良い人ばかりで、すごくフレンドリーだったこと。手刀スタッフにも世話になった。
 機材トラブルに関しては、こもだまりはアドリブ?というか不測の事態には慣れているようで、さほど動揺も見せずに普段どおりにやれたらしい。
 私の方は、後にビデオで確認したところ、最初の方は身体の姿勢などが中途半端でいまいちだった。 だが、客席からクスクス笑いが聴こえたとき(悪気は無かったと思うが)、かっての感覚が甦った。昔、暗黒舞踏だけやっているときは常に逆境だった。それに比べればこんな事態は屁でもない。バンドという、いまの自分にとって理想的な表現形態を見つけたことで、自分が社会から受け入れられたと勘違いしていたのかもしれない。
 異端なものをやる場合、客は表現の力でねじ伏せるしかない。観客は敵だし、社会も敵だ。客と刺し違える覚悟でやらねば暗黒舞踏は潰される。空間を真っ黒く塗りつぶし、暗黒世界を顕現させるのだ。

 今までほとんどの曲で椅子に座りながらギターを弾いていたが、今回から全部立って弾くことにした。舞踏の稽古を進めているうちに身体が自然に要求してきたから。それが本番の10日前だったので、かなり急ピッチでギター演奏中の踊りを入れた(動きというより、身体のイメージの面でかなり濃いものが求められた)。
 色々疲れた。なんだか自分で自分の首を絞めてるような気がする。ほんとは他人の首を絞める方が好きなのだが・・・。

 観に来てくれたお客さんには不完全なステージしか見せられずに申し訳ないことをしてしまったと思う。次回からはそりゃもう慎重に慎重を期してトラブル対策をしていくので、こういう事態にはまず陥らないはず。そう信じたい。