2007/4/26 池袋・手刀

「魔女狩りナイト」


 第16戒 逆慰問ライブ!

 この日は朝から本番まで、なかなかにハプニング連続日だった。

 まず朝。
 早朝、酷い夢で目覚める。
 夢の中で俺(犬吠埼)は丁度目を覚ましたところで、目を開くと部屋の中に上がり込んだ近隣住人たち(もちろん全員が尻すぼみしている。この辺の事情は今回のライブを観てくれた人には分かると思う)が布団の中の俺の顔を見下ろしている。
 なんだチミらは、失敬だな。
 さらに俺の注意を引いたのは、彼らの背後で箪笥を開けて家捜ししている、地味なスーツの男達だ。
 あいつらサツだな。アレを見られたらヤバい・・・。
 ここで1回目の起床。
 本番の日に、これじゃあまりに験が悪いのでもう一度寝直す。

 さっきの続きを見てしまった・・・。

 警察署にしょっ引かれた俺は、何故か円形の巨大な机で取り調べを受けていた。
 机の周縁では他にも取り調べが行われていて、それらは非常にフレンドリーな雰囲気で進んでいるのに対し、俺の相手は2時間ドラマに出てきそうな強面の中年刑事で、ハードなツッコミでこちらの後ろ暗い点を巧みに突いてきた。そして目の前には証拠品と思われるウドンがあり、空腹を覚えた俺は牛丼の代わりに、しきりにそれを喰わせてくれと懇願するのだが、刑事は白状するまで駄目だの一点張りなのだ。くそーっ、ウドン喰いてえ。
 ここで2度目の目覚め。
 
 また寝る。今度こそまともに起きてやるぞ。

 お次は携帯が鳴る音で目が覚めた。

 誰だ、このヤロー! 敢えて電話に出ず、ディスプレイで相手の名前を見るとローンの取り立て屋だった。借金の催促なら100年後にしてくれよ。
 もちろんそのままシカトした。
 もう、いいや寝ない。さっきの夢の続きがどうなるか知るのもなんだか恐いしね。

 家で軽く稽古してからハコ入り。
 逆リハなので最初にリハをやるが、ここでトラブル発生。ファズ(エフェクターの一種だよん)の音が出ない。お気に入りの一品なのに・・・。
 原因が分からないので仕方なく全ての曲をオーバードライブ(これもエフェクターの一種さ)で弾くことにする。
 この日は対バンが初めてのバンドばかりで新鮮な気分だ。
 自分らの出番まで長いので、この日は珍しく夕飯を食べる事にした。家から持参のカップスープ(ライブ前はこれが犬吠埼食事なのだ)を飲もうと、手刀酒場で熱湯をもらおうとしたらどうやらコンロで湧かすタイプらしく、開場までに湧かしてる時間がないという。仕方がないので固形のまま舐めてみたら凄い辛くて厳しい。これは堪らんと、緑茶を注いでみた。
 結構イケる。
 だが、この1時間ほど後、犬吠埼はプチ下痢に襲われることとなるのだった。

セット
リスト

曲目

寫真

反省文!

























(検閲中!)

前回と同様、この曲をやると何かが起きる。
呪われた曲に決定!












(検閲中!)

初めて曲と直接関係のない寸劇をやった。この作品(て言うほどのもんじゃないが)はかなり前に完成しており、いずれ音源を出すときに入れようと取っておいたものだった。ほんとは舞台に掛けるつもりはなかったのだが、今回は演奏時間に余裕がありそうなので思い切って入れてみた。

マリさんのセーラー服少女というのもずうずうしいが、犬吠埼の帰還兵は変態である。きへへへへ。






(検閲中!)

マリさんのマッチ裁きが光る曲。
少女時代、マッチ売りでさぞ苦労なさったのね。



(検閲中!)

新曲。
おまえらに俺の何が分かる。心を開けだって? 心を開けば、地獄も開く! 心の中の悪魔が吼える!

あんたに地獄を分けてやるさ。




















(検閲中!)

バカ曲。普段はマリさんに動くなと言っているのだが、この曲では暴れていいよんと許可。犬吠埼も大暴れさ。

アンコール





辿

(検閲中!)

アンコール曲。そこそこ練習しといて良かった。曲としてはかなり気に入っているのでこれからの中心ナンバーにしようかと思っている。

写真撮影:

今回は物販がほとんど捌けた。しかも、ちゃんと募金箱”SHABA”に料金を入れてくれた。

また作っておかねば。

 この日は良いバンドが多く、最後にうちの出番が来たときはかなり客が入っていた。対バンで、普段偏見をもっていたジャンルのバンドがいいパフォーマンスを見せていて、なかなか見識を広げてもらった。
 うちは今回、新曲と、演るのが2度目(手刀では初めて)という曲を並べてみた。
 前回のライブで、改めて手刀というライブハウスの良さを実感したので、少しサービスの意味も込めてみたというのもある。同じ場所で同じ曲ばかり演っていても仕方ないしね。
 前回ライブと同じく、演奏前に某カルト映画の予告編をスクリーンに投射したのだが、その時点で客席は馬鹿ウケ状態だった。
 犬吠埼は演奏開始から中頃まで、コンタクトを入れた左目が痛くて涙が出そうになったが、そこは男の子なのでグッと我慢したよ。泣き虫囚人は雑居房で虐めの対象になるからね。
 対バンに恵まれた為か、客のノリが異常にいい。”赤羽の住民がなぜ常に尻すぼみしているかについての学術的考察”というトーク(という題名はいま考えた)から、ラスト(になるはずだった)の4曲目まで、かって経験した事のない反響が返ってくる。
 時には、ここは笑うところじゃないよん、てとこもあったが、まあいいや。

 そして初めて経験するアンコール。
 無理だろう。ブッキングでアンコールなんて聴いた事無いぞ。
 アンプの電源を切って帰ろうとしたが、あまりに熱心なお客さんの要求に、PAさんの方を見るとOKサインが出ている。え、いいの?
 こうなったら、やるしかないぜ。出来たての新曲をいい加減に演奏してやるう!
 結局、アンコールで1曲やっちゃいましたとさ。

 なんかちょっぴり冷やかし半分の盛り上がりでもあったけど、やはりこれだけ反響があると素直に嬉しい。
 だが、これで浮かれるような俺じゃないぞ。自分の下手くそさには自信たっぷりなのだ。もっと精進せねば。
 あと、今回の選曲はややストレートな曲中心になったのだが(それゆえにノリやすかったとも言える)、もっと濃い世界観を持った曲も打ち出していきたい。だが現時点で次のライブは決まっていないのだ。残念・・・。
 次回はまた違った感じのライブをお観せしたい。