2008/3/21 目黒・鹿鳴館
EyeProject企画
「天舞宝輪 第二十四章 ~dark illusion~」

 第22戒 逆慰問ライブ!

 第十三号雑居房、2008年最初のライブである。鹿鳴館というビジュアル系のメッカでのライブということで、かなり殺気走って臨んだ。敵地に乗り込み、どいつもこいつも皆殺しにしてやるぜ!という気迫でいたのだが、意外にも鹿鳴館はけっこう汚い箱で(これは褒め言葉。キレイキレイなライブハウスは糞だと思う)わりと違和感なくやれた。
 まあ、出演バンドの中では浮きまくりだったのだが・・・。

 さて今回は長年の目標だった暗黒舞踏音楽劇への第1歩である。客をドン引きさせてやるぜ!
 

セット
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寫真

反省文!

 言葉巧みに拐かし、首締め上げて気を失わせた可愛い幼女を大きな赤いトランクに閉じ込めて、黄昏時に家路を辿る。
 攫われた幼女の身に待ち受ける運命とは・・・。





 誘拐されて監禁されて、ようやく気付いた勘違い。
 実の母親に虐待されて育ってきた幼女を待っていたのは、また別の地獄だった。

 

 変態の客をとらされ、幼女は少女に、そして娼女に。身も心もだんだんと壊れていく。
 ちなみに変態客その1(703号)は満州引き上げ時に置いてけぼりを喰らって人肉の魅力に取り憑かれた老人で、変態客その2(704号)は患者以外の歯も引き抜きたがる、職業意欲満点な歯医者の鑑である。






 あたしのアソコが見たいなら、マッチを1本擦ってごらん。

 あたしのハートが欲しいなら・・・

  そんなものとっくに失くしちまったよ。何処か他所を当たっとくれ。

 

 骨を削り、指を切り落とされ、少女の身体はだんだん減っていく。
 だが躰の何処かを失う度に、彼女の中に巣くっていた憎しみや、殺意、そして微かな希望さえも浄化されていくのだった。



















 少女を襲うは、尺八・SM・獣姦ショー。挙げ句の果てはスカトロ地獄。

 そして誘拐魔の男は叫ぶ。
 俺は全ての倫理観を放棄する!
 俺は全ての人間性を放棄する!
 そうすることで、人間以下であり、人間以上でもある存在へと昇華し、生きながら神になってやるのだと。

 

 変態客の慰み者にされながら続く暮らしで、少女の中に芽生えた感情。

 それは幸せ。
 人生で初めて知った喜び。

 他人から愛されるって、こういうことだったんだ!
撮影:藤居幸一

 

 今回上演したのは「人間嫌い」という3部構成の暗黒舞踏音楽劇の第1部にあたる部分で、しかもベース加入後の初ライブということでパフォーマンスと台詞を大幅にカットし、替わりに劇の内容に合わせて歌詞を変更した曲をやった。その所為で作品的にはかなり中途半端な出来になってしまったのだが、まあこれが地獄への第1歩ということで。
 2部・3部では物語にかなり大きなうねりと、最後には意外なカタストロフが訪れるはずである。

 さて、その新ベーシスト、囚人703号こと酒田秀太郎だが、ベースラインをかなりいい感じでいじってくれ、単に生になったとか重くなったというだけでなく、恋太郎のドラムと合わせて、演奏面ではいままでの雑居房のライブとは一線を画する出来だったのではないだろうか。ギター(俺だよ、俺)が足を引っ張ったがね・・・。
 マリさんはいまさら褒めなくていいやと思ったが、今回は語りが多かったのでこういうときに安心して任せられるのは非常に心強い。
 それで私はというと自分的には最初の登場シーンがいまいちだったのだが、それ以外はバンドを初めて以来、最も舞踏(というか身体意識)に集中することができた。演奏面が頼り強いとこんなにも違うのかという感じで、バンドを始める前の身体の段階にやっと戻れたかと感じた。これからもっともっと上のレベルを目指していきたい。
 全体的には意外と反応は良かったかといえるかもしれない。見ている女性客などは3メートルくらい退く(私はこの現象を勇気ある撤退と呼んでいる)かと思ってたのだが、鹿鳴館は元映画館で座席が固定の為、下がるに下がれないのだ。お気の毒様。ケケケ。

 それで対バンなのだが、今回は最初全8バンドの予定が急遽7バンドに減った。それでもバンド数が多く、おまけにみんなメイクが濃いので(他人のことは言えないが)誰が誰だか余りよく分からなかった。
 ただ、最近よく使っているスタジオの店員さん(店長か?)がバンド名は敢えて言わないが(公開するとまずいかもしれないので)対バンの中にいてお互いにビックリした。
 普段わたしはリハから本番まで(メイクしたり、落としたりしてる間は除き)全て観ることにしているのだが、この日はリハ後から自分たちの出番まで5時間半くらいあったのでさすがに外に出たりして暇を潰した。近所の店で知り合いのメジャー・アーティストがバイトしていたのでびっくらこいた。しかもその店の当日の売り上げゼロ!果たしてバイトを雇う余裕はあるのだろうか?
 それでも開演後には最初と最後のバンドだけは観たのだが、あとは観られなかった。何故かというと鹿鳴館の楽屋は一番奥にあり、客席後ろに出ようとすると長い廊下を通っていかなければならない。出演バンドが多いので廊下でもメイクしている人が沢山いて、しかも通るたびに「お疲れさまです」と挨拶してくれる。それはそれでありがたいのだが、毎回されるので、なんだか通りづらくてかなり長時間楽屋に籠もっていた。

 最初に出た(ほんとは2番目のはずだった)Black Rabbitsという女の子二人のユニットは秋葉系?で、観た瞬間、うちがこのイベントで浮くことを確信した。うちのバンドの男子の間ではベースの子が可愛いと評判だった。もう一人の子はトリのバンド、ゴールデンボンバーに○○役でゲスト出演して大受けしていたが、ここは他にも笑いのツボ突かれまくりで面白かった。