2011/3/21 新宿URGA
裏窓presents

 第34戒 逆慰問ライブ! (今回が第十三号雑居房という名前では最後のライブ)

 外は雨が降っていた。
 積もり積もった戦の汚れが、赤い雨となって俺たちに降り注ぐ・・・。

 ブレードランナーでもなければ装甲騎兵ボトムズ(この作品はアニメという表現形態で唯一無二の最高傑作だと思う)でもないのだが、昨日は新宿ウルガにて第十三号雑居房という名では最後のライブだった。

 実は今回は色々と大変な状況での舞台だった。
 去年10月に怪我した右膝がやっと治ったと思ったら、ひと月もしないうちに今度は両膝を痛めた。ちなみに以前は酔っぱらって転んだのだが、今回はちゃんと仕事中に転んだ怪我だよ。蹴つまずいて思い切り路上ダイブしました(ついでに言うと、本番当日に会場入りしたとき、階段で思い切り転んで右肘を打撲。いまも痛いのだが、そのうち治るでしょ)。
 あと風邪。医者の風邪薬って(市販のもか?)断食してると効かないんだよね。
 それと本番まで2ヶ月切った状態で出演が決まったので(誘ってもらって嬉しかったけど)SEというか舞踏用の音を作るのに非常に苦労した。
 ただ、人生、悪ければ悪いなりになんとかなるもので、状態が悪ければその局面を打開すべく稽古で工夫を凝らしたり、体調に関しても身体のケアを心がけたりしたので、本番には何とか良い状態で臨めた(と言っても身体が満足いく状態になったのが本番2日前だったけど)。
 と、これはあくまで舞踏の話。音楽面では家だけじゃなくもっとスタジオで練習しないといかんね。

セット
リスト


寫真

反省文!







(検閲中)
 

 今回の漠然としたテーマはお祭りです。




(検閲中)
 

 極道さんは詰めた指が溜まったら、どうするんだろうね?
 詰めるだけじゃなくて移植もしてるのだろうか。いいしのぎをモノにすると6本、7本と指が増えてくとか。












鹿

(検閲中)

 台詞はかなり噛んでしまった(7分くらい語りで8分くらい踊り。どっちも暗黒舞踏のつもりでやってるけどね)。あと照明がもう少し前方から欲しかったな。
 このビデオで空間的なものがどれだけ伝わるかは不明だが、参考までに。
 志向している暗黒舞踏劇としてはまだまだ。


動画もアップ(どうでもいい雰囲気から始まり徐々に暗黒パートへと移行してゆく
前半のトークは長いが、これも舞踏への重要な流れなのだ。世界観や空間性のない舞踏はただの踊りだと思う)





(検閲中)
 

 新曲。
 あまり暗黒やらアングラに拘りすぎていると表現が固定化してきてしまうので、バカ曲もけっこう作っている。その中からこれはやってもいいだろうというのをピックアップしてレパートリーに加えることにした。
 OLのコスプレして唄うと似合うかも・・・似合わねえか。
 喉がかすれて後半は声があまり出なかった。

撮影:

 そんなわけで今回のライブにはごたごたしつつも地震の影響などこれっぽっちも意識せずに臨んだのだが、周囲はそうじゃなかったようだ。
 最初に出るはずだったバンドが地震の影響でキャンセルしたそうで、2番目だったうちは出番が早まり1番目のスタート。演奏時間も早まったということを会場入りしてから知り、慌てて携帯から、一応来る可能性がなきにしもあらずという知り合いに、どうせ来ねえんだろと思いながら連絡した。
 時間が早まった代わり、1バンドあたりの演奏時間が5分増えたのだが、折角の5分間を8月のライブの宣伝も兼ねて、おっぱいについての熱い語りに費やしてしまったよ。まったく、俺ってやつはよ・・・。
 まあ、急なことなので準備が出来てなかったせいもあるが、おっぱいネタならご飯何杯でもお代わり行けます。

 ともあれ、今回の震災で気持ちが萎えたなどの理由で舞台をキャンセルするバンドは舞台に立つ覚悟ができていないんじゃないだろうか。本人もしくは身内などが災害にあったとか、地震のせいで仕事が激減してどうにもライブができなくなったという理由ならまだ分かるのだが、被災にあった人のことを考えると舞台をやってる場合じゃないなどという人間は舞台意識が低すぎるし、そんな考えは偽善である。もっと舞台に打ち込むべきだ。

 結局、余震への不安と放射能入り?の雨のせいで(全く問題ないレベルだそうだが)、全体で観客2名という散々な集客だった。だが、その辺はどのバンドも心得ていて、客の有無に関わらず、表現する意志を強く打ち出したライブだったと思う。


 それはそうと、このところ地震の影響でライブハウスや劇場などで公演中止が相次いでいたようだ。
 世間では、こんな時期にライブをやるのは不謹慎だとの声が上がっていて、ライブハウスなども風当たりが強かったらしい。
 実際。私自身も仕事上の知り合いから直接そういうことを言われたりもした。
 まったく腑に落ちない話である。

 なぜ舞台をやってはいけないのか!?

 こんな時期であっても会社などはちゃんと営業していて会社員は仕事をしているわけで、その一方でライブハウスが営業を続けたり、私たちが舞台をやるのはなぜいけないのか?
 舞台は所詮遊びや娯楽だと思っている輩の勘違い発言である。
 こっちは趣味や遊びで舞台をやってるわけではない。苦労をしながら必死になってやっている。
 もちろん遊び半分いい加減な気持ちで舞台をやっている人間もいるとは思うが、そういう連中と一緒にしないでほしいし、そういう奴とは付き合いを絶っている。
 なかにはそれで稼げてない以上、ただの趣味だと抜かす者もいるが、金にもならないことを必死になってやることの意味を分かっていない。こっちは舞台をやるために生きているのだし、実生活を遙かに超えるエネルギーを舞台へと注いでいるのだ。
 地位や名声や金などよりもっと崇高なものが舞台にはあるし、舞台というのは神聖な領域である。ある意味、舞台とは現実世界の影響を受けない、現実を超越した領域であるべきだと思う。
 その上に立ちながら(もちろんそれ以前の稽古なども含めて)、苦痛の果てにかいま見える光(自己や世界の実存か。物質的なものでは決してない)をつかもうと必死になってもがいているのだ。

 価値観はひとそれぞれだろうし、力を入れている対象も個人個人で異なるだろうが、私個人にとって舞台というのは仕事よりもずっと崇高なものと位置づけられている。少なくとも、普通の人の仕事や生活が大事だという価値観に対し、決して劣るものではない。

 これはライブハウス側も同じことで(いい加減な店員ばかりのところもごくたまにあるが)、ほとんどの店は少ない利益でなんとか経営してるのだと思う。店員だって、音楽が好きだから安い給料(推測だが)で頑張っているのだろう。
 仕事で頑張っているのは同じなのに、会社などは良くて、ライブハウスは営業自粛しろというのは筋違いもいいところだ。会社が潰れるのとライブハウスが潰れるのと、どっちが軽いというのだろうか。


 こういった無理解の原因の一つとして、現在舞台に立っている者の意識が著しく低下していることが挙げられと思う。
 ろくに努力もしてない素人が舞台に出たり(信じられないことだが、練習しないで舞台に立てると思ってる馬鹿がいる。家で練習してこずスタジオもさぼろうとするなんて問題外である。そういう人間を舞台に出す方も出す方だ!)、表現よりも地位や名誉を追う俗物や、ただ単に派手な舞台をやって周囲からチヤホヤされたいという信じがたいド阿呆までいる始末だ。てめえら、さっさとおっ死ね!
 たぶんこういった兆候は、私が舞台を始めるずっと前の70年代後半あたりから始まっていたのではないかと思う。それがバブル崩壊あたりから一気に加速して、もはや取り返しの付かない段階まで来ている。

 地震云々に関わらず、真剣にやってない奴こそ舞台に立つことを自粛すべきだと思う。
※念のため言っておくが、お笑いやエンターテイメント系の人間が真剣にやってないというつもりは毛頭無い。真剣にネタを作って、ちゃんと練習している人たちが多いと思うので。お笑いやエンターテイメントなども表現の一部である。