第十三号雑居房

誰もいないはずの十三号房から
 夜な夜な聴こえる啜り泣き
ねじりん棒に、夜の慰み者と
 相次ぐリンチに耐えかねて
首をくくったあの人の
 血も凍るような呻き声が

今夜も暗闇にこだまする・・・

身体の中には名も無い囚人たちが
 いつか娑婆に出る日を夢見ている
入るはヨイヨイ、出るのはたったの一人
 骨の格子に、人肉の壁
人格同士が殺しあう
 身体の中の雑居房

最期に生き延びた者、それこそが本当のわたし・・・

(続く)