御不浄の神様

御不浄に棲まう神様が
 いつも智恵子を見守ってくださる
初潮の赤い糸垂らした朝も
 不義の赤子を沈めた晩も
便器の奥の薄暗がりで
 優しく静かに受け止めてくれた

全ての穢れた人生を
 汚物のなかに隠してくださる
恥も、恨みも、怒りも、罪も
 残さず綺麗に喰らってくださる

(続く)