2003年11月8日の行状

「八つ墓村祭り! 裏ライブレポ!」 

 いやあ、八つ墓村ネタに自分がこんなにハマるとは思っても見なかった。横溝正史は別に好きでもないしね(乱歩の方が好き)。津山30人殺しや、青森の杉沢村伝説なんかも知ってたけど、さほど自分の中にピンと来なかった。
 むしろ魅力だったのは八つ墓村という素材がもつ和風の異空間性。何でもできちゃう、何でも書けちゃう。八つ墓村という空間は、普段HPの妄想日記で書いているようなことを客観的な物語として書きうる状況を提供してくれたのだ。舞台用の物語だけでなく、物販で売ったCD−ROM用の小説もどき&舞台で使用したオブジェに纏わる因縁譚などなど。組めども尽きることのないアイデアと妄想の奔流。こんな体験をしたのは初めてである。たぶん自分の前世は八つ墓村の村人か、あるいは惨殺された落ち武者だったのではないだろうか?
 今回の”プロジェクト八つ墓村祭り!”が本格的に動き出したのは6月半ばからだった。ぶっちゃけ、さる事情で仕事を休まざるをえなくなった私は、これで舞台制作に集中できるとばかり、八つ墓村に身も心も没頭しだしたのだった。
 舞台用の物語を書き上げ、それからは取りかかるのはいつものごとく公演チラシに載せる情報の決定。大まかに言って、チラシそのものの制作というよりもそこに載せることになる、公演日時や料金、場所、出演者とそのプロフ集めという、非情に大変な作業が待っているのだ。
 今回はちょっと気合いの入り方が違っていたので、会場としてはいままでよりもリッチに、ライブハウス shinjuku D.O.Mさんを使わせてもらうことにした。料金はけっこう高いが良い箱である。空間的にとても気に入っていたのと、スタッフも有能かつ親切で素晴らしい。またやりたいな。
 そして出演者。毎度お馴染みのメンバーに加え、今回初参加してもらったのは、語りでvexationのFOOLFOOL嬢、ベリーダンスのoohlala嬢(ウーララと読むのさ)、お笑い界からコントユニット”逆切れガンジーである。
 中でもFOOLさんの役割は最重要、公演全体の出来を左右する立場だが、見事にやり遂げてくれた。まあ、ちょっと女性に読ませるのは酷かなという話もあったのだが・・・。正直、「赤まむしの兄弟」は自分が読みたかった気もする。エロスは私に任せろっていう男としての矜持だと思って頂こうか。
 oohlala嬢。今回搬入用に車を出してもらったり、落ち武者饅頭の制作(大好評!完売御礼!ほんとは少しだけ余った分を出演者とスタッフが買いとって食べた。美味!)、そしてベリーダンス。八面六臂の活躍である。頭に刀を載せたまま落とさずに踊る高等テクニックに仰天した人も多いことだろう。頭に刺してるんだと思ったら大間違いである。Ω型になっていて頭にはめているのだ(ウソ)。セクシーな衣装ともあいまって、さぞ悩殺された男性も多かろう。だが露出度に書けては私とかガンジーの方が高かったのだ。悩殺されたかい?
 そして最大の異分子”逆切れガンジー”! 実はメンバーのジェットイラブ氏が主催するお笑いライブ「酒池肉林」に2度ほど出演させてもらっている(これがまたメチャクチャ面白いイベント。皆さんにも生のお笑いライブの面白さをもっと知って欲しい!)。それが縁で今回の出演と相成ったわけだが、確かにミスマッチである。そこがまた狙いであって、起承転結の転に当たる3番目に出てもらった。彼らとその周辺の芸人さんのお笑いが個人的に大好きなのだが、今回は予想を上回ることをやってくれた。詳細は「赤まむしの兄弟」の部分を参照して頂くこととして、楽屋入り口から見ていた私たちは大笑いである。ああ、腹いてえ!
 他にはいつも参加してくれるメンバー。弘田佳孝、岸川恭子、守田幻蝶、田宮ガクの4氏。けっこう慣れないことをお願いした人もあれば、私生活に問題を抱える人?(私も他人のこと言えませんな)など、大変お世話になりました。中でも弘田氏には仕事の締め切りで普通の睡眠もままならない状態の中で音楽的に無理を聞いて頂き多謝なのであります。
 あとスタッフ。身内への感謝コーナーと化した感のあるこの文章だが、ビデオ撮影の柴田景子さん(特にクレジットはないのだが、彼女は弘田氏と岸川嬢の衣装協力もされている)、物販や2ndビデオの撮影もやってくれたたなかようこさん(ほんとは写真の人間。打ち上げ等の仕切りもお見事でした)。両人とも畑違いの作業をお願いしてしまった。相済みませぬ。
 そんなわけで数々の人間の多大なる尽力と夥しい流血によって支えられた【八つ墓村祭り!】だが、お陰様でかなりの好評をいただいた。観に来てくれた人たちとお話しもできたし、わざわざ遠方から駆けつけてくれた人、これを機にグッとお近づきになれた人など、嬉しい限りでありんす。

 そして意外とスムーズにいった撤収の後には当然のごとく打ち上げが待っていたのだった。朝まで飲み喰らい語り、これまた大変楽しかったのだが、あんまり覚えてねえ! 記憶を吸い取る妖怪ってのがいるんだよね、きっと。

 ともかく無事に終わったわけだが、実はこの”プロジェクト八つ墓村祭り!”、まだまだ終わっちゃいないのだ。家に帰るまでが遠足だが、家に帰ってもまだ終わらないのが八つ墓村祭り。カーテンコールでも告知したとおり、”八つ墓村DVD”の制作が待ち構えている。内容は、今回の舞台ダイジェスト+稽古風景。それに加えて、いまや廃村となった八つ墓村に我らが人外倶楽部スタッフが赴いて収めたドキュメンタリー映像を収録する予定である。ロケ班を襲う怪奇現象の数々! 謎の老人が吐いた八つ墓村消滅のヒント! 果たして私たちは無事生還できるのか?
 てな感じで、事実と虚構がないまぜになったセミドキュメンタリー・タッチの作品になる予定です。
 とはいうものの、実はまだこのロケ行っておりません。わたくし、ウソをついておりました。これから行ってきます。冬に行くと寒くて遭難してしまいそうなので、春になって暖かくなってから行こうかな♪ おべんと持って、気分はピクニックさ!
 ちなみに、今回の公演用ではなく、私が暇つぶしに書き下ろした「八つ墓村音頭」という唄のビデオクリップも収録する予定。夏頃発売、乞うご期待!
 そしてそして、これだけではまだ終わらない。ターミネーターか宇宙戦艦ヤマト映画版か(古いね)というほどにしつっこく続く、八つ墓村企画。謎の企画も待ち受けているのである。期待して待っていると肩すかしを喰うので、肩の力を抜いて待っててね♪

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