アナログについて

 現在は、CD全盛でアナログ(LP)は過去のものと思っている人が多いように思いますが、私の周囲には、少なくともCDをメインと考えている人はおりません。私と初めて会った当初はCDだけだった人も今ではアナログ一辺倒になっておられます。そうなる原因はなんでしょうか?それは、ひとえにアナログの持つ音楽性と、音質の良さだと私は思っています。

 アナログは、CDと違い、極限まで録音するとしますと100kHzの音まで収録できる能力があります。かって4チャンネルが流行した頃、20kHzまでに前方の音を録音し20kHz〜40kHzまでに後方の音を録音して、それをシバタ針(特殊形状の針)で再生するというものがありました。

 これで分かりますように、40kHzまでの利用法は、実用化されていたのです。

 実際に、アナログの音がどの程度の音として録音されているのか実は誰も聞いた人はいないのです。

 ただ、このページで取り上げていますカンチレバー・レスのダイレクト・カップリング・カートリッジのイケダ製品のお陰で、その一端を覗くことは出来ますが、それとても究極の音とは云えません。池田勇氏が、一方ならぬ努力を重ね、カートリッジの理想を追求すればするほどLPの音はドンドン良くなっていき、今まで聞いていた音がウソのように変化します。結局、レコードには計り知れない音が収録されている!と思わざるを得ないのです。

 緻密な再生音、強大な迫力、スケール感、更にハーモニー感、音楽性、その繊細感、    何れも音楽を聴く上で欠かせないものばかりですが、それらを十分に感じさせてくれるのはアナログにしか存在しません。音楽を聴くときの感動もまた別格になります。

 カートリッジ一本で、ここまで音が変化すれば「まだ上があるのではないか?」と思うのは人情でしょう。楽しみは尽きません。

 但し、アナログは、プレーヤー周辺機器で述べましたように“手間”を必要とします。CDのように繋いだだけでは音は出ません。また、リモート・コントロールも使えません。いちいち手でキチンとディスクの上に正確に針を落とさなければなりません。失敗すると20万円もする針先を飛ばします。

(針交換は、最低で20万円を覚悟しなければなりません)イケダ製品はカンチレバーつきと違い、チップの遊びが全くありませんので(だから音が良い)取り扱いは特に大切です。

 いくら面倒でも、細心の注意で再生し、最高のサウンドを得られれば音楽の深さも楽しさも倍加します。CDでは機器を変更しても音楽観が変わるほどの音の変化はありません。アナログにはそれがあります。

 オーディオ機器は、入力以上のサウンドを再生しません。最高級の入力を行えば、少なくとも現在の装置でもそれなりに応えてくれます。是非ともアナログの魅力に触れて頂きたいものです。

 音楽を聴く前には、心静かに、また何がしかの期待も込めて、適度の緊張感をもって、機器のスイッチを入れて(マルチ・チャンネルの場合は、10台分のスイッチを入れる)静かにレコードをターンテーブルに置きクリーナーで綿密にクリーニングして、ソット針を下ろす。この緊張感と期待感をもつのもアナログの専売のようです。CDをトレーに放り込み、リモート・スイッチをポンと押すだけとは大違いで、これだからこそ、オーディオも真剣に応えてくれるのです。鑑賞中は、ジャケットの解説を眺めたり、或いはレコード立てに立てかけて表紙の絵や写真を眺めたり、音楽にドップリと浸れます。

 再び、「音楽を聴くのに横着をしない!」と申しておきましょうか・・・。

2005・5・6