不思議に思うこと
 
――真意が分からない――

 大分以前の話になりますが、自動車を買い替えるためにカタログを検討したことがあります。

 私の場合、商用に使いますので、当然ステーション・ワゴン車です(昔ならライトバンですが)。私の場合、車のマニアではありませんので、実用的なもので良い訳ですから、排気量は1800ccで十分ですし、予算の制限もありますので慎重に検討しました。ところが、後部の荷台の設計が収納に有利なものは2000cc以上で価格的にも予算をオーバーします。価格が高いものには設計を有利にしてあるわけです。ボディーは同じですから1800ccにこの装備があれば、少々予算をオーバーしてもその方が良いと思ったのですが作っていません。その時疑問を感じました。例えば、乗用車の場合でも、排気量が大きくて価格の高いものはシートも良く出来ていて居住性も優れています。私は、たとえ1500ccであってもクラウンやセドリック・クラスの内装で居住性の優れた車があっても良い、その分価格が変わってもユーザーは納得するのではないか・・・と思いました。今や時代の先端を行く車ですからユーザーのニーズに合わせ、排気量は1500ccで、内装はクラウンのこの仕様で…と何故オプションで作らないのかという疑問を感じました。つまり、ボディー(エンジン)と内装をオプションにしたらどうか?と。

 効率一辺倒のメーカーでは無理なのでしょうか?でもそうなったら楽しいと思うのですが…。

 「俺の車はカローラだけど内部の装備はクラウンと同じだよ!」トカナントカね。

 (金はあっても住居の関係で大型車を置けない家もあるのです。特に東京都内では)。このアイディアはどこかのメーカーが買ってくれませんかネ。

何故自動車の話だ!と怒らないで下さい。実は、オーディオでも全く同じ珍現象が雑誌等に何時も掲載されているのです。それも当然のことのように…。雑誌の執筆者大先生方がこのような感覚だからオーディオは衰退するのです。たまには目の覚めるような記事に巡り合いたいと思うのですが…。

(写真は大分県国東半島・国宝・富貴寺大堂・撮影・・私)

 良くオーディオ関係の雑誌に「オーディオの組み合わせ方」みたいな記事が載ります。これらを見ますと「私なら絶対にしない!」と思うような組み合わせが多いのです。先の車と同じで、予算の少ないシステムは、スピーカー、アンプ、プレーヤー(CDでもアナログでも)を全て同じようなランクのもので揃えるように書かれています。予算が高くなるにつれて、それらのランクは一様に上がっていきます。この感覚が私には全く理解できません。この感覚の中には、予算内で音をより良く鳴らすためのテクニックは一切存在していません。予算内に間に合うように組み合わせただけのシステムで、プロのテクニックは全く生かされておりません。読者を馬鹿にしているみたいに思います。更に、中にはどうしてこれとこれを合わすわけ?と首を傾げるような組み合わせもあります。

 適当なスピーカーを選び、予算内のアンプを組み合わせ、入り口もそこそこのものなら当然、音もそこそこの音しか出ない道理です。工夫が全くありません。逆に予算タップリの組み合わせでは、高額のスピーカーに輸入品の馬鹿デカイ高額のアンプを組み、CDプレーヤーも超高価なものを選んであります。筆者の先生方の好き勝手なパズルを見ているようです。

 「初めてオーディオをセットする人へのアドバイス」と「初めてオーディオをセットした人の次のステップ」をお読み頂ければ理解が早いと思いますが、極力、あとで無駄が発生せず、音の向上が期待できるシステムを心がける事が大切だと私は思っています。

 オーディオは趣味の世界のものであり、夢を見ることも大切だから、高価なセットの組み合わせを眺めて夢を見ることも必要だ!と考えている人もいますし、雑誌関係の方々も、夢を見て頂くために高価な組み合わせを掲載している…と云われるかもわかりません。そんな夢は程度が低い!と考えます。高価なシステムが「夢」だ!などと一切考えていない私には全く納得が出来ません。理由は簡単です。高価なシステムと音楽性を含む音の質とが全く関係ないからです。また、高価な組み合わせを眺めて「凄いな!」と憧れを持つようではイケマセン。そのことは、このページの随所に書いていますのでご理解頂けるのではないかと思います。

 組み合わせにも納得しませんし、書いている大先生方がそんな状況を何とも考えていない事も不思議だと思っています。

2005・10・25