糖尿病(予備軍含む)の方 必見!

――オーディオとの関係は?どこか似ている業界――

全く関係のないような話ですが、どの世界も“常識”と思われていることが、どうもそうではないらしい・・・ということが往々にしてあります。糖尿病の治療もオーディオの世界もその例に漏れないようです。

 私は現在まで28年来の筋金入り?の糖尿病患者です(笑)。当初(28年前)は医師の指示通りカロリー計算をシッカリ行い好結果を得て、模範患者と云われました(そのため、ある女性からは「ダイエットの先生」などと呼ばれていました)。それから25年経った頃(3年前)までは食事以外は通常通り酒も飲み平常の生活をしておりましたが、ある時、別な病気で病院へ行きましたら「血糖値が高い!」と指摘され、またも通院することになりました。(その時の血糖値は320・・・食後3時間)

 因みに28年前は体重が75kg(身長164cm、恰幅の良いジェントルマンでした)で、3年前は55kgでした。28年前、糖尿病の治療を始めてからグングン痩せて1年も経たない内に10kg以上痩せましたが、糖尿病は金が掛かると思いました。洋服が全部合わくなったからです。

 糖尿病は贅沢病と云われ、美味しいものを多く食べるからだと良く云われますが間違いです。私のような貧乏人は、いわゆるラーメン・ライス(ラーメンと飯)を食べるのでイケナイのです。従って私のような貧乏人でもシッカリ糖尿病になります(遺伝の要素は大きい)。要注意です。

 私が糖尿病になった頃は、患者数は全国で200万人と云われましたが、現在は600万人とも、また予備軍を含め1200万人とも云われます。まさに国民病と云えます。

 現在、すでに糖尿病で加療中の方はご存知でしょうが、これからなるかも分からない方の為に少し、

書いてみますが、糖尿病という病気は、一種の代謝異常で起こる病気です。膵臓の一部にランゲルハンス島という部位があって、ここからインシュリンというホルモンを出します。このインシュリンが通常の人より「出が悪い」のが糖尿病です。インシュリンは、食事をすると、ブドウ糖に変化したものを体内に取り込みますが、十分に取り込み切らずにブドウ糖が血液中に取り残されて、血液中の糖分が増えてしまい、色々な病気を引き起こす原因になります。従って、糖尿病そのもので死ぬことは無くても糖尿病が原因で余病を引き起こしやすくなり(併発)、それが原因で死につながることになります。従って、余りみくびっても良くありません。糖尿病性としては、網膜症(目が見えなくなる)、心筋梗塞(怖いです)、足などの壊疽(血流が悪くなり毛細血管がつまり部位が腐る)等々があります。網膜症から盲目になった人は結構いますし、演歌歌手の村田英雄やジャズのエラ・フィッツジェラルドは晩年に壊疽のため片足を切断していました。こうならないための治療が糖尿病の治療と云えます。

 また、数値としては、血糖値の数値とヘモグロビンA1cの値が目安になります。つまり、血糖値は、朝起きて食事前で70〜100。食後2時間の値が120程度が正常値という程度に理解して下さい。

ヘモグロビンA1cは5.6%以下です。但し糖尿病の人は、以下のように云われます。

 大まかな数値としてこの表を念頭にお読み下さい。

 

        血糖値(mg/dl)

ヘモグロビンA1c

 

食前

 食後 2時間値

     (%)

 目標(理想)

70〜110

  100〜140

    6%以下

    

130以下

  200以下

    7%以下

(社団法人 日本糖尿病協会編 より転載)

健常な人は、インシュリンの分泌が必要に応じて増減しますので、血糖値が異常に上がる事も低血糖を起こすこともありませんが、糖尿病に罹りますと、この調節が効かなくなります。そのため、血糖値が上がり、ブドウ糖の吸収が思うに任せません。糖尿病初期の自覚症状として「ダルイ!」「疲れる!」というのはエネルギー源のブドウ糖の取り込みが上手く出来ないからです。高血糖の人でグングン痩せていく人は、この取り込みが極端に悪くなり、一種の飢餓状態になっているのです。食べても食べても痩せていきます。高血糖で異常に痩せ始めたら真剣に要注意です。餓死と同じ状態になります。

 糖尿病の治療は、一に食事、二に運動、三・四が無くて五に薬と云われます。

食事については日本糖尿病学会が編纂し糖尿病協会が出版している、糖尿病食事療法のための「食品交換表」という冊子があります(¥945−)。

食品交換表は、糖尿病治療には欠かせないものですが、25年ぶりに新しく友人の糖尿病専門医からプレゼントされて読んで見ますと、カロリーの計算方法が25年前とはかなり違います。80キロカロリーを1単位とすることは変わりませんが、総じて食品のカロリーを高めに計算してあります。(この1単位を80キロカロリーとしたことは大変便利で有効な方法だと思います)

つまり、食べる量を、同じ摂取カロリーでも少なく摂るようになっています。例えば、以前は「ご飯」は55gで1単位だったものが、50gで1単位、肉、魚類は80gが1単位だったものが60gで1単位、牛乳に至っては180mlが1単位だったものが現在は180mlで1.5単位といった具合です。「ナンジャ、コレハ」と思いました。今になって考えますと、以前のカロリー計算では有為な結果が出なかったからではないか?と勘繰りたくなるわけです。

 さて、今回私が最初に通院した時の数値は、食前の血糖値が220で、食後(持参したおにぎり1ヶ・・約2単位・・と牛乳200mlを一本摂取)2時間値は380で、ヘモグロビンA1cは9.3%とかなり高めで、いきなり薬(アマリール1mgを1日1錠)の服用を勧められました。

 食事は1日1200キロカロリー(15単位)に自分で設定し、散歩も1日3回に分けて各20分ずつキッチリと守り、続けました。血糖値も2時間値が200を切るようになり、ヘモグロビンA1cも7%以下に下がりましたが(A1cは7.0%以内であれば余病は併発しないと云われます)、それからが思うように下がりません。運動も散歩の際になるべく負荷をかけるように階段や坂道を増やしましたが結果は余り変わりません。A1cも6.1%に下がって大丈夫か?と思うと、また6.8%に上がったり安定しません。担当医は薬の量を増やそうか?と云いますが、薬の服用は糖尿病より怖い!と思っている私は断り続けました。

 血糖値の測定は、現在は自宅で簡単に測れるようになっていますので、チェックをしながら検証できます。そこで、主食を毎回2単位(一日6単位)だったものを1単位に減らしました。結果は直ぐ出ます。しかし、暫くするとまた戻ります。どうも主食(ご飯やパン)の量に関係ありそうだと思って、更に減らしました(パンは食パン1切れの1/4,ご飯なら一口)。また暫くは良いのですが、やはり思わしくありません(糖尿病学会の「食品交換表」では、炭水化物は一日7単位と指示されています)

 そんなとき、(今年の3月・・2005年)日経新聞に「主食を抜けば糖尿病は良くなる!という本の広告が載りました。一目見て「これだっ!」と思いましたので、早速本屋に注文して入手し、読みました。全く従来の(日本の糖尿病学会の)考えを根底から否定する内容でした。私のオーディオではありませんが、まさに「目からウロコ」でした。さらにキチンと医学的な裏付けをされている点も私のオーディオと同じです。

 早速主食を抜く生活に入りました(元々私はオカズ食いですし、それまでの量が先述の通りですのでそれほど苦になりません)。結果は本に書いてある通り「劇的」に表れました。事実、翌日から表れます。3日目には、食前85、2時間値110までになりました。本の中に薬の服用の問題点が指摘されていましたので怖くなり、3日目から服用を中止しました。中止して良かったのです。中止して3日目の朝の血糖値は55でした。アマリール(血糖降下剤)の効用は24時間と云われますが、余韻が残るようです。危なく低血糖発作を引き起こすところでした(睡眠中の低血糖は怖い!)。それから現在まで8ヶ月以上主食抜きの食事ですが、現在は朝食前78〜85で、食後2時間値は110〜120以内。A1cは先々月(10月)の時点で6.0%(この療法に変更する時・・3月中旬・・は7.2%になっていました)と完全に問題の無い数値になっています。数値だけを見れば、どの医師でも私を糖尿病とは思わない数値です。恐らく次の測定では5%台になっているものと思います。

 主食を抜く!この非常識な方法が本当に正しいのか、それは私が実行して証明しています。「メシを食わないのは大変だろう!」と思われますか?違います。炭水化物(糖質)を摂らなければ、例えば肉や魚など、極端に云えば無制限なのです。糖尿病学会では、蛋白質は一日に4単位(一日の摂取量20単位の場合)と決めてあります。一日の食事に1単位が2回(朝なら納豆1包み)2単位が1回(夜ならカツオの刺身の厚切りなら4枚)で終わりですが、この療法には制限は殆どありません。つまり、面倒なカロリー計算が要らないのです。更に、アルコールも蒸留酒であれば肝臓に影響が無い限り無制限です。

 糖尿病学会の主張を金科玉条としている専門医が見たら眼をむいて反論しそうですがこの本が正しい事は私が身をもって証明しています。私が以前から医師の指示に対して疑問をもつ理由のひとつに医師は糖尿病の経験がないので書物どおりだと思っていた事でした。しかし、この本の著者の先生(京都・高雄病院理事長・京都大学卒)は、ご自身が糖尿病で、実践者でもあります。毎晩、焼酎の水割りを5杯飲まれるそうです。大抵の糖尿病患者の人は、アルコールが欲しくても飲めないし、飲む時は罪悪感をもって少量にとどめます。先だっても、病院でアルコールについて訊ねられたので、「焼酎です」と答えると、「焼酎はコップ半分で1単位、日本酒はコップ一杯で1単位ですよ」と本に書いてある通りを云います。笑いたくなりましたが「判ってます」とのみ答えましたが、通説は、アルコールの度数によってカロリーが決まる!となっています。だったらビール(5度程度)が良い訳ですが、この本ではビールはノーです。

 私自身は、5時に夕食を摂ります(夕食は早い方が良いのです。糖尿病の場合、医師は寝る前2時間には食事を終わるようにと云いますが、私の体験では4時間は必要です)。私は11時に寝るようにしていますので、5時に夕食です。因みに朝は8時、昼は12時です。これはJRの時刻並みに正確です(外出の際も同じ)。5時から11時までチビチビ焼酎のお湯割を飲み続けます。以前は相当な罪悪感で、生命と引き換えの積りで飲んでいました。この本には、本来アルコールはノン・カロリーで「エンプティー(空っぽ)カロリー」と云われていると書かれています。測ってみました。夜の11時の就寝前です。少し酔って良い気分です。血糖値は85です。やはり、アルコールは関係ないのです。

 そこで、この本に書かれている、摂取して良い食品、避けたい食品の一覧表を、著者の江部先生のお許しを得ましたので本を参考に私が作成して自家用に使っている表を掲載してみます。これを冷蔵庫の横にでも貼って実行されることをお勧めします。

 私の顧客や友人の医師は、この本の賛同者ですが、それでもビックリされて「私にも下さい」とこの表を貰われました。信じる人が救われるのす。私のオーディオのように!…。

 次の上段の表は食べて良い食品です。通常の病院では目を剥いて怒られそうな内容です。

下段の表は要注意食品の一覧です。なるべく摂らない方が良い食品です。逆に云いますと、この表に記載していない食品は、何を食べても良いということになります。△印は少しなら良いかな?という食品です。私自身は△印のものでもなるべく摂らないようにしています。

食品表1

<食べて良い食品>

肉 類

牛肉  豚肉  鶏肉

加工品(ハム ベーコン ソーセージ コンビーフ)

魚介類

魚類 貝類  エビ タコ イカ 水煮缶詰 油漬け缶詰

乳製品

チーズ 生クリーム バター ヨーグルト(無糖)

鶏卵 うずら卵

豆 類

大豆(ゆで) 大豆製品(豆腐 油揚げ 湯葉 納豆 おから)

野菜類

あさつき ごぼう タケノコ パセリ グリーンアスパラ 小松菜 たまねぎ ピーマン

ホワイトアスパラ ししとう チンゲンサイ ふき 三度豆 しそ トマトジュース 冬瓜

ほうれん草 枝豆 春菊 トマト みつば きぬさや 生姜 ミニトマト みょうが なす

スナップエンドウ ずいき もやし オクラ せり 菜の花 モロヘイヤ かぶ セロリ 

にら レタス カリフラワー ぜんまい ねぎ サラダ葉 キャベツ 貝割れ大根 大根

野沢菜 わけぎ きゅうり 白菜 わらび

種実類

アーモンド カボチャ 松の実 ひまわり ごま ビスタチオ 胡桃 マカダミアナッツ

ピーナツ

きのこ類

えのき マッシュルーム まいたけ しいたけ ひらたけ しめじ きくらげ まつたけ

エリンギ なめこ

藻 類

あらめ わかめ ところてん のり 昆布 ひじき 寒天

調味料

しょうゆ マヨネーズ みそ(白みそを除く) 塩 香辛料 酢

油脂類

さらだ油 ごま油 ラード バター ヘッド

嗜好飲料

焼酎 ウォッカ ウイスキー ジン ブランデー ラム  コーヒー・紅茶(砂糖なし)

穀 類

芋 類

こんにゃく

菓子類

 

食品表2

        <要注意食品>

肉 類

味付け缶詰

魚介類

佃煮類  練り製品△  味付け缶詰

乳製品

牛乳  ヨーグルト(加糖)

豆 類

大豆(いり豆)△  きな粉△  あずき  いんげん豆(金時豆 うずら豆等)

野菜類

かぼちゃ れんこん ゆりね そら豆 とうもろこし くわい 人参△ ホーフラディッシュ

甘酢漬け等甘い味付けの漬物  にんじんジュース

種実類

ぎんなん  とちの実  栗  はすの実

きのこ類

藻 類

調味料

ウスタ−ソース トンカツソース コンソメキューブ オイスターソース ケチャップ

顆粒風味調味料 チリソース カレールウ ハヤシルウ クリームルウ 酒粕 みりん

砂糖 蜂蜜 甘味噌(白みそ)

油脂類

嗜好飲料

清酒 ビール 発泡酒 ワイン(赤は△) 紹興酒 梅酒 白酒

穀 類

米(ご飯 粥 餅) 小麦(パン類 麺類 小麦粉 ぎょうざ等の皮) そば

コーンフレーク ビーフン

芋 類

さつまいも くずきり マロニー じゃが芋 片栗粉 くず粉 春雨 里芋 コーンスターチ

山芋△

果物類

アボガド△ いちご△ 夏みかん△ りんご△ びわ△ その他果物全般

ドライフルーツ(レーズン プルーン等) 缶詰類 ジュース類

菓子類

砂糖の入った菓子類(洋菓子 和菓子 ゼリー アイス類) 米菓子(おかき あられ等)

スナック菓子(ポテトチップス等) 清涼飲料水(100%果汁 スポーツドリンクも)

SJT食 食品表 高雄病院(2005・1)

要するに糖分を含む食品を徹底して避けるというのがこの本の主張です。

一般的な糖尿病治療の考え方は、規定カロリーの範囲内なら何を摂取しても良いとなっていますが、違う訳です。カロリーが血糖値を高める訳ではなく、糖質が血糖値を高めると云う考えです。

従って、この食事を「糖質制限食」と呼んでおられます。(欧米ではすでに論じられています

 糖尿病に関する書物は多く出版されています。しかし、糖尿病学会の主張に沿った内容ばかりでどれも同じです。また、健康を主体とした雑誌類に、○△で糖尿病が治ったなどの記事があったりします。もし治る方法があれば、ノーベル賞ものです。現にインシュリンを発見した学者はそのことでノーベル賞を貰っています(名前は忘れました。たしかトロント大学の先生だったかナ?)。

 ある医師が「夜の測定で正常でも、就寝中に上がる(吸収が遅れる)ので油断は禁物!」と注意してくれましたが、「朝の血糖値が80〜85ですから、心配は要らない」と云いましたら「朝が85は糖尿病の内に入らん」と云われました。

 私の友人に医師から「糖尿病の気があるので奥さんと一緒に来てください」(食事療法は奥さんの協力が不可欠だからです)と云われた人は多いのです。聞いて見ると検診の際に尿糖(小水に糖が含まれていて試験紙に表れるのです)が出ているというのです。私が測って見ますと全く正常で、この人は腎臓のクセが尿糖を出すクセなのです。あとでその医師も了解したようですが、医師は患者を作りたがります。これも要注意です。

 ヘモグロビンについては家庭用の医学の本に説明がありますのでご覧下さい。

 私自身が苦労して、28年間も必死で取り組んできた療法がこの本一冊でウソのように改善されたことで、考えさせられました。どの世界も、真実は別にあることがある。ということです。

 オーディオの世界も、似たようなものです。私のこのホーム・ページの主張も一見“異端児”に思えることでしょうが、実際は正しいのです。ただ、他の書籍が取り上げる事が無くて、また執筆者の先生たちがご自分で使った事も無く、使おうともせず、無知識をひけらかしているに過ぎません。業界全体が寄ってたかって「マガイモノ」を売りつけているのが実情です。医学界というその道の専門家でさえ本物を認めようとしません。しかし、オーディオに関しては国家資格などは存在しません。誰でも勝手に「評論家」とか「コンサルタント」と名乗れます。また、オーディオはどんな機器でも人間の生命に影響を及ぼしません。生命に関わらないので良い加減な理屈で、良い加減なものが高価で罷り通ります。

<参考1> 食品交換表にある朝食のサンプルです。

 これだけのご飯を見ただけで恐怖です。この療法を始める前の私のご飯の量が右側の茶碗の量ほどでした。それでも好結果は得られなかったのです。また、ごぼうと人参とこんにゃくをきんぴらごぼうにして、砂糖0.2gを使用とあります。砂糖は、私の場合、どんな料理にも一粒の使用も禁止です。ノンカロリー甘味料を使います。また、人参(人参入りの野菜ジュース含む)も食べません。さらにフルーツも食べませんが、食べるにしても写真の中の一切れ程度です。

 ご飯は、以前は20単位の場合で1日9単位でしたが今は11単位と増えています。腑に落ちません。総カロリーの55%が炭水化物になっていて、私の療法とは正反対になっています。今日本屋で立ち読みしますと、糖尿病の食事療法は「炭水化物をシッカリ摂ることが基本」・・と書いてありますし、先日のテレビでも専門医がそのように云っていました。

<参考2> 左が昼食のメニューサンプルです。

上部に書いてある<表1>とは炭水化物のことです。ここでは4単位です(朝は3単位)1単位増えていますが、ご飯の量は変わりません。これはかぼちゃを1単位に計算してあるのです。私なら南瓜は食べません。また、ご飯の量が目測でも多いようです。この量だと左の一杯分が3単位はあります。馴れて来ますと1グラムも違わない位に正確に測れるようになるのです。

 実に細かに豚肉の生姜焼きの油の量まで計算してありますが、今の私から見ると全くナンセンスです。豚肉は60gと1単位にしてあります。味付けにみりんを使っています。みりんは駄目です(食品表)。医学界やダイエットの関係者は、肉類や油脂類にことのほか敏感ですが、太るのも体脂肪が増えるのもご飯を食べるからだそうです。事実、私は今の療法を始めて間もなく、更に5kg体重が減り、現在は50kgで安定しています、肉は関係ないのです。糖尿病患者は、食事制限をされていますので、こんな表を見せられると喜んで食べます。一般の人のごく普通の献立(定食?)みたいです。私の場合は、このご飯と南瓜を止めて、肉は焼肉をポン酢で食べます(2倍の量を)。リンゴは食べません。その代わり、具沢山の味噌汁を一杯食べます。それと昼食にはトマトジュースをコップ一杯。それで良いのです。もし、満腹感に不足がある時はピーナッツ10粒程度で補足します。糖尿病の食事療法に最も権威ある糖尿病学会の本がこれなのです。これで好結果は絶対に得られません。私の場合も薬の量を増やしましょうか?と云われました。私は即座に「それは止めましょう!」と云いましたが、この病院は、町に内科小児科とあるような個人病院などではありません。日本でも最大級の病院の、しかも糖尿病の専門医なのです。こんな療法で、薬を患者に「増やしましょうか?」とは製薬会社と医学界はつるんでるのかい?と思いそうになります。丁度「良く鳴るはずの無いスピーカー」を売り込んで「アンプの所為です」と高価格のアンプを売り込むオーディオの世界と相通ずるものがあるように思えます。因みに運動(ウォーキング)は、体を鍛錬する意味は兎も角、糖尿病の治療には全く関係ないことが分かりました。私は、現在そのための散歩はしていません。血糖値には全く関係ありません。

       ご注意:この療法の開始に当たっては、その日から血糖値が下がりますので、インシュリン注射中の人や、経口血糖降下剤服用中の人は、低血糖発作の可能性がありますので、基本的には医師と相談して開始して欲しいとのことです。それと、腎機能が悪化している人は適応になりません。以上を、特に著者の江部先生から注意されておりますので、念頭に入れておいて下さい。

尚、関西方面の方で、高雄病院に行ける可能性のある方は是非来て欲しいと云われます。

 一見、関係の無いような糖尿病の世界もオーディオの世界と同じく正しいものが必ずしも認識されないという実情があるものだと感じましたので書いてみました。参考になれば・・・と思います。

 尚、詳しい内容につきましては、本をお読み下さい。

書名:「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」

 著者:江部 康二 (財)高雄病院理事長

 出版元:東洋経済新報社  価格¥1.500−(税別)

2005・12・20
      

続編:新刊本のご紹介

 「主食を抜けば糖尿病は良くなる」は、全国的に大反響を巻き起こしたそうです。事実、私は2005年の3月に購入しましたが、この本の第1刷は2005年1月27日発行で、私のものは翌月2月10日の第2刷となっています。2週間で第2刷が発行されています。反響の大きさが分かります。

 昨年、著者の江部先生よりこの本に沿ったレシピ集を執筆中と聞いておりましたが、今年(2006年)の2月末に発売になりましたので紹介致します。前記の本を若干フォローしながら、食事療法の実際や、Q&Aの形で、説明もなされています。

 書名は「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」――糖質制限食の実践法――です。

 帯封に「えつ、こんなに食べて良いの!?」とあり、

 肉類も魚もタップリのゴージャスな料理なのに抜群の改善効果!アルコールもOKなのに、体重が減って血糖値も安定。糖尿病患者・予備軍だけでなく、ダイエットにも直ぐに使える四季の献立。 面倒な計算はもういらない。と書いてあります。

 最初の話で「とても無理!」と諦めた方は是非この本を参考に実践して下さい。健常な人より豪華な食事が楽しめるかもわかりません。

書  名:「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」――糖質制限食の実践法――

著  者:江部 康二 (財)高雄病院理事長

献立提供:高野 邦子 医学博士、内視鏡・消化器専門医

出版元 :東洋経済新報社

価  格:¥1.500―+税

2006・5・25

余 話   ――もう、アノ「らーめん」が食べられないの?――

 お読みになって如何思われましたか?私の友人の糖尿病患者はこの本を買って読み「俺には到底無理だ!」と全く実行する気配さえ見せません。また、私の顧客の医師(内科・消化器科)はこの本の賛同者ですが「内の患者さんには実行できる人はおりませんね」と云われます。
 またある人は「ご飯や麺類を控えるのですか?好きなものばかりですね」と云われますし、「わたしはごはん大好き人間ですから無理です」という人もいます。 
 日本人は、やはりご飯を主食として育ち、また、事のほか麺類を好みます。私も全く同じで、麺類さえあれば他は要らないというほどのめん好きでした。蕎麦屋を見かければ必ず入るし、駅の立ち食いうどんやがあれば、わざわざ電車をおりて次の電車までに食べるなどしておりました。結果的に、それが糖尿病を悪化させていたわけですから、原因は取り除かなければいけません。糖尿病は、自覚症状が全くありませんので、ついつい軽く見がちで「コレくらいは大丈夫だろう」という意識が働きます。しかし、この療法を選べば一生涯好きなラーメンも蕎麦も食べられないのか?と悲痛な考えになる必要もありません。私の実験をご紹介します。

 私は、年に数回郷里の鹿児島に帰ります。鹿児島は音に聞こえた「らーめん天国」です。行きつけの店に寄りますと店主が気を遣ってくれて「今日は焼酎だけ?」と聞きます「いや、ここに来たらラーメンも頼むよ」と食べます。その晩は多分血糖値は上がっているでしょうが、帰宅して測りますと全く普段と変わりません。この療法は、回復が早いのも特徴だと思っています。

 去る9月(2005年)秋田に3泊4日の旅行をしました。初めてで、多分最後の秋田だと思いましたので、糖尿病は、自宅に置き忘れた積りで楽しむ事に徹しようと思いました。
 なにしろ秋田の名物は「きりたんぽ」です。更に「稲庭うどん」しかも秋田は酒どころです。普段なら全く禁じ手のオンパレードです。酒どころ秋田で「焼酎」などはヤボというものです。
 初日は、直ぐに郷土料理屋で「キリタンポ」です。お米の固まりです。酒は秋田の銘酒を4合、ホテルに帰ってからは焼酎のお湯割りを2杯(秋田でも鹿児島の芋焼酎を売っています)。

 翌日は市内の散策で、定番の千秋公園に行き静かさを堪能し、翌日のレンタカーの予約に向かいます。レンタカー屋の前に、見るからに惹き付けられるような店が目に入ります。秋田の有名な稲庭うどんの店です。広い店内は昼食時間とあって満員に近い盛況です(大きい店です)。うどんは本当は駄目だけどと思いながら、うどんだけどころかビールまで頼んでしまいました。夜は、また郷土料理の「ショッツル鍋」と酒4合、ホテルで焼酎のお湯割り2杯。3日目は男鹿半島の一周です。昼は男鹿半島突端で、名物の石焼鍋。これは問題の無い食材ばかりですが、そこで生ビールをジョッキ一杯(同行者はアルコールを飲まない人なので私は飲めるのです)。夜は、別な料理屋です。ここでゴーヤ(にがうり・・・鹿児島と沖縄の名産)がお通しで出たのには驚きましたが、無難な料理と、酒はやはり4合。つまり2合入りの徳利を2回頼むので4合になるのです。相手は全く飲まない人ですから…。
 帰りの秋田空港ではライス抜きの食事に生ビールとスコッチのオン・ザ・ロック一杯。
(相当な飲ん兵衛だと思われますか?全くその通りなのです。飲ん兵衛はこの療法に限ります)
 自宅に帰り着きました。何はさておき先ず血糖値を測らなくちゃ!と思い、かえり早々に測ります。
 結果は「101」です。

 本当は禁じ手の麺類や、飯、清酒も節度をもって多くても2ヶ月に一度程度ならそれほどの問題は無いと思っています。回復の早さは、普段の節制にあります。常に血糖値を測定しながら、現在がどのような状況にあるかを認識している必要はあります。

 経口血糖降下剤やインシュリンを使用中の方は実感があると思いますが、空腹感を感じた時のイヤらしい厳しい感じは本当に嫌な気分でした。低血糖か?と思うのも負担になります。(私は経口血糖降下剤服用中でも低血糖には異常に注意しましたので発作を起こしたことはありません。起こしかけたことは一度だけあります。これがそうかと思いましたので直ぐに砂糖湯を飲んでOKでした。出張中のホテルでの体験です。体調が悪くて、朝から食べれば戻すので一切食事を取らず、勿論アマリール(血糖降下剤)も控えました。しかし夕方突然異常な空腹感に襲われました。その時だけです。薬はやはり24時間以上効くのです。薬品の説明を鵜呑みにすることは危険のようです…しかし、医師は当たり前通りしか説明しませんが…。)


 しかし、現在のこの療法実行中の空腹感は、マイルドでいやらしさは全くありません。「オー!腹が減ったか、良い気分だのー」くらいのものです。
 今日(2006年1月)TVの夕刊キャッチアップで、血糖値を下げる食事というのが紹介されました。寿司は、なるべく脂身の少ない貝類が良い、とか酒は、焼酎はお湯割りか水割りがコップ1杯、酒もコップ一杯、ビールは中ビン一本でそれ以上は駄目とか、肉は生姜焼きが良くて、なるべく脂分の少ない部位が良いとか、このようなことは今更云われなくてもどの本にも書かれていることで、実用的に誤りの記事です。このような記事で、患者にストレスを与える事は決して良い事ではありません(それが真実なら兎も角)。とにかく、この項目に紹介の本を読んでことの真実をシッカリ理解して下さい。糖尿病学会の主張は、必ず毎日、牛乳を1.5単位は摂りましょう・・・とあります。これだけでもショックです。私は、乳製品はヨーグルト(無糖)とチーズのみです。

 ここで、甘味が無ければヨーグルトもコーヒーも美味しくないと思う方に紹介します。
 シュガーカット(市販メーカー名)があります。これと同じ成分のノンカロリー甘味料があります(少し売値が安い)。もう一つ、麦芽糖100%の甘味料があります。林原生化学のマービーです。
 甘味がなければコーヒーも美味くないという方はこのような甘味料で、砂糖と変わらない甘味を味あうことが出来ます。勿論料理にも使えます。(多量摂取は駄目です)

 このようにして、食事も飲むのも、全く不自由なく過ごせます。悲愴感を味わう必要はありません。糖尿病程度で良かった!・・・と感謝の気持ちで対峙すれば、主食を抜く程度は大したことになりません。現に大いに楽しんでいるサンプルがここにいます。これが癌や、肝硬変などなら「ごはんが好きでネ〜」などと悠長なことは云ってられないわけですから、今の内にシッカリ糖尿病をコントロールしましょうよ。

 (写真は秋田県男鹿半島)

                                    2006・1・17