続:困った人たち

1)良い音が分からない人達

 音が音楽的に明らかに向上しているのに判別のつかない人達がいます。困った事には、このような人達は、自分のシステムにかなりな投資を行い、それなりの自信をもっておられるらしいのです。従って、実際に向上した音を聞かせても、その感動が無くて、自分のシステムの範囲から脱却できないでいます。 実際に、どうみても700万円くらいの投資をしている人で、ツイーターを変更して、明らかに“倍音”が繊細に再生され、低域もグッと締まって、単独楽器の音色も変化し、弦楽器のハーモニーもうんと現実味を増しているのに全く理解されませんでした。私なりにどういうことなのか考えました。今までツイーターの変更で、理解を示さなかった人は皆無でしたので私自身が本当に考え込んでしまいました。今は、少しその原因が分かってきました。つまり、「カニは甲羅に似せて穴を掘る!」というアレです。言葉を変えますと「井の中の蛙(カワズ)大海を知らず!」ということです。
 自分の知る範囲が結局ベターだと考えているらしいのです。ですから、新しい次元の音には理解を示す余裕が残っていないと考えます。自分で、あれこれ考えて、答えを導き出し(全く正論ではない理屈であっても)行きつけのオーディオ屋に相談します。オーディオ屋は商売ですから「それは良い考えですよ、絶対に正解です」とやります。そこでナン十万円かが消えます。思い込みが先行していますのでその時は改善されたと錯覚します。この
「アマチュア的思い込みの発想」「オーディオ屋の売らんかな」とがドッキングしますと、結果は惨憺たるモノになります。曰く「金はかけたが音は一向に良くならない」のです。もっとも「良い音」の基準の持ち合わせが無くて、今鳴らしている音以外の音を聴いていないので判別がつかないのです。自分の音の範疇から出る意識が全く無いのです。ならば、なんの目的で私を呼んだのか理解に苦しみます。結局、自分のオーディオを見せたかったのでしょうか?私にとっては極くありふれた何処にでもあるシステムなのですが・・・。更に、こういう人達には、音楽の聴き方にシッカリした信念が無い!という共通項があるように思えます。ジャズも、クラシックも一応あるには有りますが、その収集に一貫性がありません。本当はどんな音楽を聴きたいのか方向が丸で定まっておりません。従ってオーディオに700万円も投入しながらソフトはCDが100枚もあるかどうかの世界です。普通は、ソフトのコレクションを見ると大方の趣味の範囲とか音楽の趣向が想像できます。それらが殆ど感じられないという不思議な世界なのです。これでオーディオを云々されても困ります。まず、オーディオは音楽を聴くための道具であって、それ以外には全く存在価値の無いものだと改めて認識して戴きたいと思います。よく「私はジャズ・ファンだ」と言う人がいます。「どんなジャズを?」と聞くと「ジャック・ルーシエやオイゲン・キケロが好き!」と・・・ついでにデイブ・ブルーベックも・・・と言いますし、クラシックの場合もヴィヴァルディの「四季」ですね。という人もいます。そのことが悪いとは云いませんが、それだけがジャズである訳でもなし、またクラシックである訳でもありません。オーディオの場合もそのような事象がある!と改めて認識させられました。「音が判っているつもりの人達」と同様、困った人たちです。

2006・9・6(皇室・41年ぶりに男子誕生の日)

2)音を聴いてみなければ解らないと云う人達

――聴いても解らない――

 怒らないで下さい。その理由を詳しく説明致します。
 私の、このホーム・ページに対して、一部のグループの方々が、大いに反応されました。その事は大変嬉しい事ですが、このページの実体を殆ど理解されていないらしいと解り、また、オーディオの世界の現状と、30年以上前のオーディオの世界が全く変化の無いことにも驚きました。更に私を「
典型的なオーディオ・マニア」だと決め付けられたことには、怒りより先に笑って仕舞いました。同じページを見た私のお客様からは「世界が違う!」とのお叱りを受けました(つまり、関わり合いになるな!…と)が、私は「オーディオに違う世界は本来は無い!」とも考えています。オーディオに関心を持つ人全てが本来のオーディオの姿を理解すれば、こんにちのような惨憺たるオーディオの世界は無かった!・・・とも思うのです(その事がこのページを作る大きな発端になりました)。現在の状況を作り出した張本人は一連の雑誌、及び執筆者に大いに責任有り・・・と思って憚りませんが・・・この事は別項に書くことにします。要するに現在の雑誌や評論がアテにならないので30年前のオーディオ論議が未だにまかり通る状況なのです。かってそのような人達の片棒を担いで初心者を大いにタブラカシて悪弊を現在まで残し、それでもモテた評論家もいました(故人)。罪な人です。

 前置きが長くなりました。本論に入ります。
私の、このページを読んで「そんなにエールとイケダが良いのか!」と言う人は多いようです。また、「エールよりゴトーに限る!」と云った人もありました。「オーディオの決めて!はゴトーの4ウェイだ!」と決め付けた人もいました。なんにも理解していないのですね。キチンと読めば答えはチャンと書いて有るのですから読んで欲しいのですが、改めて反論を述べます。理解されておられる方は読む必要はありません。「困った人たち」では無い訳ですから…。

 オーディオ機器の中で「カートリッジとスピーカー・ユニットは変換機で、アンプは増幅器」であると書きました。「変換機に求められるものは磁気回路と振動系の軽量化」であるとも書きました。このことをどうも理解されていないようです。
 私への反論として、「イケダとエールがそんなに良いのか、それも聴いて見なければ解らない」という人が殆どです。中には「どこそこに住んでいるので、近くにあれば聴きに行きたい、紹介して欲しい!」というものもありました。絶対に紹介しません。現在ご使用の方は、このような人達に聴かすために大枚を投じておりません。更に、このような人達は、聴いても全く理解せず、ユーザーからアノ人はなんなのですか?とクレームをつけられたことは一度や二度ではありません。このような人達こそ「典型的なオーディオ・マニア」なのですが、ご本人はそうは思っておられないようです。

 では、何故この人達が「困った人たち」なのか説明します。それは、本来のオーディオの姿を全く認識していないからです。オーディオは、特殊な音楽再生機と考えている人も多いかも分かりませんが、単なる電気機器なのです。決して特殊な芸術的製品ではありません。完全な電気機器には完全な理論が備わっていなければなりません(このことも書いてあります…迷わされないように…と)。
 ならば、電気的理論とはどのようなものか?。私は、プロフィールにもシッカリと写真入で名乗っています。その中に「私は技術者ではありません」と書いています。その分、技術的には素人ですが、その私よりオーディオ・マニアの方々は理解が乏しいと思います。しかし、私の場合は親しい電子技術の専門の方や、また優秀な技術者のアドバイザーによるアドバイスは受けています。従って私の理論は、それだけに大きな間違いはありません。オーディオ機器の中で、音質にもっとも影響を及ぼすものは、音の入り口であるカートリッジとその付随機器(トーンアーム・トランス・フォノモーター)と音を出すスピーカーである!とは何回も書いています。一般的には、マルチチャンネル(バイアンプ)方式を採用している人は少なくて、市販の出来上がり製品を聴いています。そのため、良い音が得られず、アンプにはまりこむ事になり、大枚を投じます。スピーカーとアンプの相性が云々というのもこの時点で発生します。そのことに対して述べてみます。 
 市販の既成システムが何故本来の音を出さないかについても「ネットワークの弊害」「スピーカー・ユニットの理想」「マルチ・チャンネル」を読んで頂ければお分かり戴ける筈です。

 ゴトー・ホーンとエールの違いについてもユニットの磁気回路の差を指摘しています。更にホーンの形状についても述べています。スピーカー・ユニットの強烈な磁気回路と構造、振動板の超軽量化を理解されれば、分かる人なら聴かなくても「良い音が鳴るだろうなァ」或いは「良い音で鳴る筈だ」と感じて当たり前だと私は思います。しかし、困った人たちは、磁気回路や振動板の軽量化などは、ハナッカラ念頭に無く「タンノイのこれはこんな音」或いは「JBLの何々は…」という議論に終始してそれが当たり前の世界でしかなく、それ以上のことに全く思いが及ばないようです。この状況で次元の違うホーン型の5ウェイを聴いても全く理解されません。しかし、私が主催している「泡盛の会」や「楽々会」に出席の方々は、一部を除き殆どがオーディオの経験が無い人たちです。余計に毒されていない分、素直に聴かれますので、音に感動されて拍手まで起こります。なまじっかな半端な知識があるばっかりに良い音を理解出来なくなっているのです。もう少し謙虚になって本物を見分けることも必要と思います。また、良い低音はバックロード・ホーンでしか得られないと述べた人もいます。バックロードや位相反転方式(バスレフ)などは疑似低音の世界で、本物の低音は絶対に得られません。また、ダブル・ウーファーも同じです。オーディオは電気機器です。理屈を無視したところに正解はありません。更に「音」は振幅であり、空気を伝わる波であって、正確な機器は、音楽の持つ周波数を正確に再生する以外にはありません。そうでない所で如何に心地よく耳に響こうとそれは本物ではありません。他人を誹謗中傷、或いは議論をする場合は、ご自分がキチンと経験し、実感して行わないと見抜かれてしまいます。知らないことは素直に聞く態度もオーディオの音を良くするひとつの方法であるかもわかりませんね。

 前項と同じく、井の中での議論から抜け出すことは必要です。この困った人たちは、殆ど毎日のように同じグループ(常連?)と思われる人達が意見交換をしています。それも堂々巡り的な同じ論議を・・。このような次元で100万回の論議を尽くしても、オーディオの音も、音楽的理解度も深まらない事だけは確かだと思っています。自画自賛、唯我独尊の世界!。(笑)

写真は、奥日光:竜頭の滝(撮影―私:2006・9・8)

2006・9・20