聴覚障害教職員の現勢について

注意

これらのページに掲載のデータは、現勢調査等で全聴教として把握した範囲内でのものです。
したがってこちらで把握しきれない部分もあると思いますので、何か情報や誤り等ありましたら全聴教までご一報頂けると幸いです。

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1.聴覚障害教職員の現勢について(平成21年度)

2009年度(H21年)のわが国の聴覚障害教職員は318名(2009年6月20日現在)であることが、今回の現勢調査で明らかになりました。今回は昨年度に比べて、退職者が多く(19名)、新規教諭採用者が少ない(17名)という事態にもかかわらず、300名以上が在籍していることを確認することができました。それは、各ブロックでの掘り起こしが人脈ネットワークによる取り組みのもとで着実に進められたことによります。今回の調査では、異動の状況についても分かる範囲で分析してみました。その結果、以下の特徴がみられました。

○聾学校、特別支援学校(聴覚)に在籍する聴覚障害教職員は全体の85%を占めます(昨年度は84%)。
○聴覚障害教職員が在籍していない聾学校、特別支援学校(聴覚障害)が昨年度の24校から28校へと増加しています。このことは、特別支援学校の統合化や人事の異動の影響と考えられます。(聴覚障害教職員が在籍する聾学校・特別支援学校は全国106校の73%を占めます)。分校や分教室が9校と多くなったことも一つの要因と考えられます。
○聴覚障害教職員の採用・配置分布の差が広くなってきています。最大人数の大阪府(39名)から最小人数の鹿児島県(0名)と格差が「39名」もあります。
○2009年(H21年)度新規採用の教諭が17名で、教職員全体では27名でした。昨年に比べて大きく減りました。この理由として、@雇用の抑制A教職員希望者の減少B他職域への希望の推移 の三点が考えられます。
○各ブロックの積極的な調査で、新たに17名いることを判明しました。昨年度まで教諭不在とされていた石川県に教諭1名がいることが判明しました。
○大分県に待望の新規教諭採用がありました。これで教諭不在の県は5県(高知県・佐賀県・熊本県・鹿児島県・沖縄県)となります。西日本の教諭未採用県での新規採用を促進していくことが急がれる課題です。
○在籍する学校の種別が多様化してきています。様々な種別の教育現場に聴覚障害教職員が勤務するというように、活動の場が広くなってきていることがうかがえます。人事面でも積極的に異動するようにと通達の影響で、今年は20名の異動がありました。特に、同一地域内に聾学校が2校以上ある都道府県にその傾向が見られました。また、同一地域内に聾学校が1校の場合では、転部の傾向が見られました。

グラフはこちらへ。(地域別、職種別、校種別、年代別、過去の教諭新規採用数の変化)

2.過去の採用の状況について(平成16年度〜)

・平成20年度

平成20年度の人事異動について、特筆すべき事柄として、教諭採用が26名とそれまでの過去最高となっています。さらに、講師・指導員を含めた新規採用の全体数が40名台に上がるほどの大盛況となっていることです。特徴として以下の4点が挙げられます。
@東海地区において各県に1名ずつ新規採用(教諭)があり、東海地区の聴覚障害教職員数の増加に繋がることが期待される。
A関東と近畿での新規採用数が多く、他地区との格差が生じている。
B数年ぶりに教諭採用となった県(宮城、香川)があり、今後の活躍が期待される。
C退職者数や異動数が10名台に上る。定年退職者のうち再任用者は2名で、異動者のほとんどは異動先が聾学校・聴覚特別支援学校である。

・平成19年度

前年度までの現勢調査によると、聴覚障害教職員がいない県は高知県のみとなっていました。しかし、組織部で更に調査を進めたところ、高知県(ろう学校)にも聴覚障害教職員が2名いることが判明しました。よって、現在、聴覚障害教職員がいない県は0となり、全ての都道府県に聴覚障害教職員が配置されていることになります。
また、団塊世代による大量退職は聴覚障害教職員も同様であり、退職教員の増加により、再任用教員の増加も見られました。今年度より特別支援学校という名称が使用されることになったのを受けて、聾学校という名称で勤務する教員が昨年度より減少していることも新しい特徴です。

・平成18年度

平成18年度も聴覚障害教職員が採用されました。教諭の新採用が8つの聾学校、1つの養護学校で、計11人との情報が入っています(平成18年4月現在)。うち、福井県、岡山県では、初めての教諭採用が確認されています。また茨城県が20年ぶりに教諭採用となりました。一度に2人の教諭採用が確認された聾学校も2校あり、まさに春爛漫となりました。講師・指導員に関しても、継続あるいは新規で聴覚障害者が多数採用されています。なお、異動に関しては、18年度、東京都立中央ろう学校、大阪府立だいせん高等聾学校が新設された関係で、全体的に異動が多かったもようです。また、養護学校への採用・異動が今年度も見られる一方で、養護学校や通常の学校から聾学校への異動も数名確認されています
しかし退職された先生方が10人以上おられ、全国の正規採用の教職員の数だけを見る限りマイナスになっています。当面は団塊世代の教職員の退職が増えていき、全国の聴覚障害教職員の数も減少していくことが考えられます。当会としても具体的なデータを出して、対策を考えていく必要があるでしょう。

・平成17年度

平成17年度春時点で把握している採用数は35名(教諭・寄宿舎指導員・講師・事務職員)で史上最多となり、そのうち教諭の採用数は9名でした。特に今までは、山陰と北陸等日本海側の聾学校の採用状況が悪いということがかなり以前から指摘されてきていましたが、今年度ようやく山陰地方に教諭が揃いました。特に島根県では初の、愛知県と宮崎県では2人目の聴覚障害教諭の採用です。
またもう一つの傾向として、異動先として養護学校転勤が増加しています。このことは、聴覚障害教職員の活動範囲の広がりという見方もできるものの、職場内のコミュニケーション、情報保障等、働きやすい環境であるかどうかをつかんでいく必要があるでしょう。

・平成16年度

平成16年度では、全国で12名の聴覚障害教諭の採用があり、そのうち、山梨、長野、岐阜、愛知、長崎、宮崎の各県は初の教諭採用です。これだけの採用数は前代未聞ですが、さらに昨年と同様、多くの府県で講師や補助教員の採用が新規または継続採用が相次ぎ、正確な情報の収集が非常に困難でした。把握できている範囲では、教諭の他、助手、講師、寄宿舎指導員も含めると30名以上となりました。山梨と愛知の新規採用教諭が小学部に配属された他、北海道と長崎の体育、宮崎の英語については、聴覚障害者の職域開拓としての意義も評価されるでしょう。