■ アトム光機製作所 アトムシックス2006.5.18

空を越えて〜ららら以下略、10万馬力のニクイ奴ではなく、アトム光機製作所のスプリングカメラ。時代は推定1950年代初頭と思われる。輸出などもされたようだ。

この1950年代初め頃4畳半メーカーというのが多く誕生し、町工場のようなところから、文字通り4畳半くらいの小さなところで家内制手工業のように部品などを買ってきて組み立てるようなメーカーもあった。
さてこのアトムがどのようなメーカーであったかは不明だが、シャッターもアトム名で1〜1/200までのものが搭載されている。レンズはセリターアナスチグマット75mmf3.5である。推定3枚球のトリプレットであろう。ピント調整は目測式の前球回転である。
ただ、レンズも社外品ではなくシャッターも自社製となるとある程度の町工場であったのだろうか?

距離計もなく、唯一の特色といえば、ビューファインダー左側にウエストレベルファインダーが付いていることであるが、これも周辺が分かりづらくあまり使い勝手がよくない。

ただ、レンズが意外とシャープで、風景などに使えるレンズである。

戦後の復興期多くの町工場がカメラ産業において成功を夢見ながら頑張ったのであるが、そのほとんどが1960年までに消えている。中堅どころのメーカーまでもがほぼ1960年までに淘汰されている。
その後第二次カメラ業界淘汰の時代は1970年代半ばから80年ごろの電子化の時代、そして21世紀初頭のデジタル化の時代が第三次のカメラ業界の淘汰の時代といえるだろう。

当時の人々にとってはこのような四畳半メーカーのカメラでさえ高嶺の花であった。このカメラを使ってどのような写真が撮られたのだろうか?


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