■ 栗林写真工業 ペトリRF2006.12.15

1952年発売の栗林写真工業(後のペトリカメラ)のスプリングカメラ。
距離計連動ではないものの、単独距離計を備えている。ファインダーは二眼式で距離計用のファインダーとビューファインダーが別々についている。
シャッターはカーペルというシャッターで自社製かもしれない。シャッター速度は1〜1/200秒である。
レンズはオリコン7.5cmf3.5で3群3枚のトリプレット型である。ピント合わせは前球回転式である。単体距離計のカメラでよくやる失敗は距離計でピントだけ合わせて、その数字をレンズの距離環に移し忘れるという失敗である。
フィルム送りは赤窓式である。

当時としてはパールIIのような一眼式距離計連動の高級型もあったが、距離計無しの目測式のスプリングカメラも多く、それほど見劣りした性能ではない。

レンズも中判レンズにはハズレが少ないといわれるが、このカメラも悪いレンズではない。スプリングカメラで自動巻き止めのカメラは数えるほどしかないうえ、時代的にも赤窓式は妥当であろう。

全体的に欠点らしき欠点は無いものの、特にこれといった特色もないのも事実ではある。ただ、セミ版のスプリングカメラは大きさが畳むとかさばらず、その上フィルム面積は35mmフルサイズの3.7倍もあり、写りの細かさという点ではやはり優れている。レフレックス式に比べて単体距離計ではピントは出し辛いが、ピントさえ綺麗に合えば、フィルム面積の大きさとあいまってなかなかの写りをしてくれる。

この他にもカロロン名のものや、距離計連動になったペトリスーパーなどというのが発売されたようである。
このペトリRFを含め、ペトリのスプリングカメラはあまり見かけず、見かけても要整備である場合が多い。
このカメラも修理ベースを手に入れ、オーバーホールに出して復活している。

やや珍刀の部類に入る薙刀ではないだろうか


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