■ 東亜光機 ゲルトDIII2006.2.14

発売は1950年という資料があるが正確には不明。127フィルムを使う脇差。フィルムサイズは3×4cmのベスト半裁。
ナーゲルピュピレあたりをモデルにしていると思われる。
レンズはグリンメル5cmf3.5。推定トリプレットタイプと思われる。シャッターは1/5〜1/250秒のものが付いている。ファインダーはガリレオ式の透過ファインダーでブライトフレームはもちろん無い。
レンズは沈胴式で、シャッターユニットごと引き出す。ただ、コニカIやライカの沈胴レンズのようにひねってロックする機構が無く、またブラウングロリアのようなスプリング式でもなくただ引き出すだけなのでフランジバックが不安定である。
巻き上げは赤窓式である。

外観はなかなかおしゃれであるが、使うとなると大変である。まず目測ピントあわせで、最短0.5メートルであるが、被写界深度やパララックスを考えるとこれは絶対に不可能である。また赤窓からの漏光がしやすくこれは赤窓式のベスト判カメラ全ての欠点である。ベスト判自体が漏光しやすい。また127フィルムのカーリングによるフィルムの浮動と沈胴のロックが無いためのフランジバックの出しにくさなどからなかなかシャープな写真を撮りずらい。ファインダーも見やすいとはいえない。

どちらかというと美しい外観を眺めて楽しむか、使って遊ぶという類である。作品作りに使うのは難しいといわざるをえない。ただ、不便を我慢して使って楽しむというクラッシクカメラの一つの楽しみ方はできるので、そういう意味では面白いカメラ。


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