■ 東京光学 ミニヨンII2006.3.12

東京光学の手による長巻。1940年発売。戦前の日本製カメラである。
フィルムはほぼ絶版の127(ベスト判)フィルムを使用して、4×5cmのフォーマットである。非常に変わったフォーマットといえる。
形態はスプリングカメラであるが、なんとこの当時に赤窓で1を出した後は自動巻き止めという先進的機構を搭載している。
距離計は搭載せず、ファインダーは折りたたみ式のファインダー。シャッターはセイコーシャのリヒトでB、1/25〜1/100秒までの押し切りガタのシャターである。
レンズはトーコー6cmf3.5のトリプレット型のノンコートレンズである。
この当時の日本製としては格段の出来といえるだろう。

フィルム装填はなんと軍艦部が外れ、そこにスプールとフィルムを装填する。ライカの装填に似ているが、ライカの下からに対してこちらは上からである。やや装填はめんどくさいが、光線漏れには強いのでベスト判によいだろう。

トプコン製のジャバラカメラでは最小のカメラである。また唯一のスプリングカメラシリーズである。

作りもしっかりしており戦前の日本製としてはかなり高いクオリティーを持っているが、撮影となると、シャッターの最高速が1/100までというのが少々厳しい。またフィルムの調達もある程度の苦労が付きまとう。

東京光学好きならぜひ押さえたい一台。


長巻→薙刀に似ているが全長が短く、つばが付いているのが見分け方。薙刀より小ぶりな長巻はブローニー版スプリングカメラより小さいミニヨンにはぴったりではないか?


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