グレートマジンガー対ゲッターロボ
作品紹介 |
ある日謎の宇宙人が地球を襲った。各々出動するゲッターロボとグレートマジンガー。が、あるいは逃げられあるいは敗退と、戦況は芳しくなかった。それをお互いの競争心が原因と苦慮した早乙女博士は、行きがかりを捨て両研究所が事に当たらねばならないと決断、科学要塞研究所へと足を運び、兜博士に協力を依頼する。作戦は無人島への誘い出しと決定した。囮は、先の戦いの汚名返上をかけてボスボロットが務める。一方、宇宙怪獣ギルギルガンは鉄を喰べて徐々に成長を始めていた。このまま放置しては街は全滅し、ギルギルガンは完全体となり手がつけられなくなるであろう。街からの引き離しを図ってボスボロットは餌のふりをしながら、徐々に無人島へと誘い込む。しかし、囮役にももはや限界が近づいているのは誰の目にも明らかであった。なんとかボロットを助けてしのぐゲッターロボだったが、それにしても一体での闘いには歩が悪すぎる。しかしグレートマジンガーは未だ修理中なのだ。そしてようやく修理が完了し戦線に復帰するマジンガー。駒は揃った!! その猛反撃の前に、まだ未成長のギルギルガンは押され気味だ。ギルギルガン成長の為に指令円盤は自らを犠牲にし、餌としてギルギルガンに食べられる。完全に成長したギルギルガンの強さは桁外れだ。ゲッターが、マジンガーが手も無くひねられてゆく。しかし鉄也は、完全無欠に見えたギルギルガンに弱点を見出す。武器の釜を外したあとの腰の付け根だ! その穴よりギルギルガンの内部に侵入し破壊を開始するグレートマジンガー。それを見て、ゲッターも内部に入り込み内側より切り崩す。そして遂に凶獣ギルギルガンは倒されたのだった。 |
解説 |
劇場版マジンガーシリーズの中で、共闘物としては一番完成度の高いのが本作だ。ゲッターロボとグレートマジンガーがバランス良く活躍しており、かつストーリーも過不足無く詰め込まれており、純粋な娯楽漫画映画として存分に楽しませてくれる。 この作品においては、まず、ゲッターの日常描写(研究所でのやりとり)とグレートの日常描写が等分に描かれている。そのことは「空中大激突」を別として、他作品との競演物としては特筆に価する。というのも、それぞれの作品においてそれぞれの世界を作り上げている両者を、どこかしら同一の世界であるということを繋げてくれる役割を果たしているように思われるからだ。それぞれのテレビシリーズを親和させてくれたのが本作の醍醐味であろう。そのそれぞれ一方の雄であるゲッター・グレートが、しのぎを削りながらより強大な強敵に立ち向かう様は、古くから「講談のヒーローを一堂に会して活躍させる」ことの好きな日本人の感覚に合っていたということが云えそうだ。そして己が贔屓のヒーローが活躍する様を見て喝采を浴びせるのである。現代でいえば野球球団やサッカーチームの応援にも通ずる。そうして、当時の子供たちは「ゲッターかっこいいよな!」「グレートのほうが強いぜ!」と、ヒーロー談義に花を咲かせたのである。所詮は別作品同士では強弱のつけようがなかったテレビヒーローたちを、共演するということで一気に強弱論議に持っていけるようにした点で本作は異彩を放っていたのだ。子供って強弱論議好きだからねぇ。 |
製作リスト | |||
英文タイトル | MAZINGER VS.GETTA ROBOT | 音楽 | 渡辺宙明 菊池俊輔 |
上映時間 | 30分 | 美術 | 福本智雄 |
初号試写 | 昭和50年2月24日 | 作画監督 | 小松原一男 |
封切 | 昭和50年3月21日 | 演出助手 | 遠藤勇二 |
映倫 | 23816号 | 撮影 | 菅谷信行 |
製作 | 今田智憲 | 編集 | 本山収 |
企画 | 有賀健 横山賢二 | 録音 | 池上信照 |
原作 | 永井豪・石川賢とダイナミックプロ | 効果 | 石田サウンドプロ |
脚本 | 藤川桂介 | 記録 | 的場節代 |
演出 | 明比正行 | 製作進行 | 吉岡修 |