UFOロボグレンダイザー対グレートマジンガー

作品紹介
 スカルムーンの地球侵略作戦が遅々として進まぬことに業を煮やしたベガ大王は、側近中の側近・親衛隊長バレンドスを遣わした。意気揚揚と地球侵略に乗り出すバレンドスは、世界各地を攻撃し始めた。迎え撃ったのはTFOの兜甲児。しかし多勢に無勢、バレンドスに捕まってしまう。グレンダイザーの秘密を知りたいバレンドスは甲児を自白装置にかけ、そして地球にスーパーロボットグレートマジンガーがあることを知った。グレート強奪を企むバレンドス。一方宇門大介は自分の油断から甲児が捕われたことを知り、グレンダイザーを出動させる。その眼前に奪われたグレートマジンガーが立ちはだかる!! しかし、グレートは強い。円盤獣グビグビとの共同戦線の前には、さしものグレンダイザーも押される一方だった。そのころ捕虜となっていた甲児は、ようやく正気づいてグレンダイザーの危機を知る。脱出を図ってグレートの弱点を大介に告げる甲児。グレンダイザーの猛反撃が始まった! 弱点の背中を衝かれて一時機能が停止したグレート。それを故障と勘違いしたバレンドスはグレートを捨てて母船へ逃れ去る。脱出しグレート奪還を果たした甲児は、グレートマジンガーでグビグビを葬り、マザーシップ攻撃に向かう。遂に大空の勇者と宇宙の王者はその力を合わせる時が来たのだ。円盤獣コアコアをも難なく討ち果たし、マザーシップを撃破して勝利の凱歌を挙げる両雄。地球にグレートマジンガー、そしてグレンダイザーがある限り地球の平和は不滅だろう。

解説
 劇場オリジナル版というよりは、テレビシリーズ「グレンダイザー」の一環に位置付けられる本作。その意義は、「グレンダイザー」がマジンガーシリーズの第三弾であることを再認識させてくれることだ。設定上では密接に繋がりを有す「Z・グレート」と「グレン」だが、画面上に表れたものは存外少ない。これはそんな二者をこの上も無くつなげた一作である。また、この作品は心情的描写に流れがちなテレビシリーズ「グレンダイザー」において、ロボグレンダイザーの魅力を最大限に描写しきった逸作でもある。よく、「マジンガーZを出せ」との声を聞くが、当時の名声において「対暗黒大将軍」いらい最強の位置にいたロボットはまぎれもなくグレートマジンガーであり、グレンダイザーの相手としてはグレート以外考えられなかったのだ。そんな最強ロボグレートマジンガーと大勝負を繰り広げたグレンは、このときようやく名実共に最強の名を手に入れたといえよう。それが出来たのはあくまでもグレートマジンガーであり、マジンガーZでは残念ながら役不足であったことは否み得ない。甲児ファンはあくまでもZの登場を願っており、それはそれで盛り上がったのだろうが、純粋なロボットバトルとして子供たちにアピールすることを考えたとき、グレートを選択したスタッフの決断はやはり正しかったと思う。
 閑話休題ーーーー。純理に戦略として見たとき、世間の下馬評はどうあれマジンガーZの力は決してグレートマジンガーに劣るものではない。どころかある部分においてはグレートを凌ぐものがあり、バレンドスがダブルマジンガーを前にして、グレートマジンガーのみを略奪したのは致命的失策といえよう。もし、両マジンガーを奪ってグレンダイザーに当らせたなら、グレンダイザーは敗れ去ったであろうものを・・・・ (このことは筆者の希望的観測に非ず、ブレストファイヤー・ブレストバーン合同攻撃はスペースサンダーを超える威力を持っているという設定による) 情報不足。それがバレンドスの敗因であり、ひいてはテレビシリーズ「グレンダイザー」においてのベガ星連合軍の敗北の理由であろう。

製作リスト
英文タイトル MAZINGER VS.GRENDISER 音楽 菊池俊輔 渡辺宙明 
上映時間 24分 美術 伊藤岩光
初号試写 昭和51年3月10日 作画監督 小松原一男
封切 昭和51年3月20日 演出助手 遠藤勇二
映倫 23939号 撮影 菅谷信行
製作 今田智憲 編集 松原千佳子
企画 有賀健 勝田稔男 録音 池上信照
原作 永井豪とダイナミック企画 効果 加藤昭二 石田サウンドプロ
脚本 藤川桂介 記録 大橋千賀子
演出 葛西治 製作進行 佐伯雅久