CPUの消費電力−2003年2月−

2003年9月14日公開

ご無沙汰しています

 CPUの消費電力、独立したコンテンツにした直後、サイトが休業状態になってしまい、更新を期待されていた方々には申し訳なく思っています。ようやく手持ちのデータシートを集めてグラフ化しましたので、最新版を掲載します。

 縦軸がデータシート記載のMaximam PowerもしくはThermal Design Power、横軸が実クロック周波数です。前回掲載のグラフと色分けが異なっていることに注意してください。

過熱が止まらないインテル&AMD

 クロックの上昇に一息ついた感のあるPentium4ですが、グラフを見るとFSBクロックのの上昇でも消費電力が増えるのが分かります。FBS800MHzではHTテクノロジが導入されていることも相まって2.4GHzでも66.2Wと、FSB533MHzの59.8Wより6W以上も電力を消費しています。Athlonも同様で、実クロック1.8GHzにおいて、FSB333MHzのModel10はFSB266MHzのModel8より消費電力は5W以上高い値を示しています。ちなみにAMD期待の星のOpteronは、グラフには載せませんでしたが、消費電力は80W強のようです。性能を求めると電力を食うというのは仕方のないことなのでしょうか?。

 エントリーPCも最近はクロック2GHzが普通になりました。グラフを見ても分かるように、これは内蔵CPUの消費電力も50W以上が普通になったと言うことです。まあ実際には、最近のCPUはかなりきめの細かい電力管理ができるので、待機時にはそれほど電力を消費しないのが救いですが・・・

G4そしてG5

 前回紹介したPowerPC 970ですが、G5プロセッサとして正式に認知され、Macintoshに搭載されることになりました。まだIBMのサイトにデータシートが出ていない関係で、グラフは前回と同じ1.8GHzのデータしか載せていません。この消費電力値はIBMのプレゼン用の資料から持ってきたものなので、Apple向けに搭載されたG5とは違っているかもしれませんが、一応この値を信じると、同クロックのPentium4と同じぐらいの消費電力のようです。今後後継として、クロック3GHzのPowerPC 980やPOWER 6ベースのPowerPC 990が予定されているようですが、これからは発熱との戦いは避けられないでしょう。

 G5の期待の陰に隠れて影の薄いG4プロセッサですが、動作電圧が1.6Vから1.3Vに下がったおかげで、1GHzで22Wとかなり消費電力が少なくなっています。MPC7457のグラフがそれに当たりますが、MPC7455も新しいリビジョンのデータシートでは消費電力の値が改訂され、MPC7457と同じ値になっています。VIAのC3ほどではないものの、G4プロセッサがPentiumIII以上の性能を持つことを考えると、なかなか燃費の良いCPUだと言えそうです。