2006年4月18日公開
PreslerコアのPentiumD、Athlon64x2、Core Duo、Turionといった最近話題のCPUのデータシートがそろいましたので、グラフを更新することにしました。ではどうぞ。
縦軸がデータシート記載のMaximam PowerもしくはThermal Design Power、横軸が実クロック周波数です。前回掲載のグラフと色分けが異なっていることに注意してください。
ようやくAthlon64の電力と熱のデータシート(Power and Thermal Data Sheet)に Athlon64x2のTDPが記載されるようになりました。それによると2.4GHzのAthlon64x2 4800+で110Wとなっています。シングルコアのAthlon64 4000+が85.3Wなので、デュアルコア化による電力増加は3割弱程度ということになります。AMDのデュアルコアCPUの最高峰であるAthlon64FX60は、残念ながらデータシートに記載がありませんでした。
対するインテルですが、65nmプロセスのPreslerコアになって若干消費電力が少なくなっています。とは言っても3.2GHz以上では相変わらず130Wもの電力消費で、以前のようにプロセス微細化によって消費電力を低下させることができなくなっていることをよく示していると思います。
グラフには示しませんでしたが、シングルのCedeerMillコアの場合は3.6GHzでも86Wとなっており、全てのモデルで100W以下となっています。デュアルコア対応のソフトもまだまだ少なく、デュアルコアだからと言って性能が単純に2倍になると言うものでもないので、既存のソフトを多用するような場合には、シングルコアのPentiumDを選択して、予算と消費電力を節約したほうが良いと思います。
最近の話題は何と言っても省電力CPUでありながら、インテルの次期主力ブランドと言われているCore Duo/Solo(Yonaコア)プロセッサでしょう。その消費電力は全てのモデルで32Wと、うわさ通りの省電力さです。ちなみにCore Soloは1.66GHzにおいて27Wと、PentiumM(Dothan)コアとまったく同じ値で、SoloプロセッサがPentiumMの後継コアであることを納得させる値になっています。いずれにしてもその省電力さは驚異的で、これで性能がPentium4/Dを超えるようになれば、NetBurst系コアにもう存在価値はないでしょう。
対するAMDですが、Turionプロセッサという対抗馬を出してきました。その消費電力は2GHzで25Wと、PentiumM/Coreプロセッサのそれに勝るとも劣らない値となっています。両プロセッサとも最大電力的には甲乙付け難く、実動作状態において如何にきめ細かく電力制御を行うかで、今後の評価が決まるのではないでしょうか。
省電力と言えばVIAのC3/C7プロセッサも負けていません。市場に出るのは遅くなるのではないかと思っていたC7プロセッサが、予想に反してすでに入手可能となっており、省電力プロセッサの最右翼と言うことで、存在価値を誇示しています。2GHzで20Wと言う値はx86CPUの中では最低の値であり、とにかく消費電力を抑えたいときは、これしかないでしょう。ただ性能的には相変わらずいまいちなので、用途をよく考えて選択する必要があるというのが難点ですが。