ファン静音化のための簡易電圧降下回路
2001年11月20日公開
電圧降下によるファンの静音化 PCの騒音元としてCPU&ケースファンがあげられます。特に最近のファンは性能が良くて高速回転するので、騒音もかなりなものです。PCの静音化を考えたとき、静音と銘打ったファンを購入するのが一般的ですが、このような製品はいわゆるブランドものが多く、それなりに高価です。 一方、アマチュアの間ではファンへの印可電圧を下げて回転数を減らし、静音化を計る方法も試みられています。定格電圧の12Vの代わりに5Vを使うというものです。ただこの方法だとファンによっては回転数が下がりすぎて、静かになってのは良いけど冷却できなくなったという、本末転倒な結果になることもあるようです。7〜9Vあたりが、冷却能力と静音化のバランスを考えるとよさそうです。
7〜9Vという電圧はAT/ATX電源には存在しないので、何らかの方法で12Vを降圧して作り出す必要があります。色々な方法がありますが、簡単そうな方法を挙げると、 最初の抵抗器を使う方法が最も安価かつ簡単そうですが、電圧の降下量がファンに流れる電流によって変化するため、ファンごとに最適な抵抗値を調べる必要があります。また、消費される電力を一つの抵抗器で受け持たなければならないので、消費電力を計算した上でそれに耐える抵抗器を選ぶ必要があります。このように抵抗器を使う方法は、簡単そうに見えて結構考えなければならない点が多く、ある程度電気の知識を持った人向けの方法だと思います。 2番目の3端子レギュレータを使うのは最もオーソドックスで確実な方法ですが、電圧が固定になってしまうのが難点です。印可電圧を決めてかかるなら良いのですが、電圧を調整して、静音化と冷却能力のバランスを試行錯誤したい場合には不向きです。3端子レギュレータでも電圧調整する方法もありますが、回路的に若干複雑になり面倒です。
最後のダイオードを使う方法は、ダイオードに電流を流すとその両端の電圧が常に約0.65Vになる、すなわちダイオード本数×0.65Vだけ電圧降下できることを利用した方法です。ダイオードの電圧降下はファンを流れる電流に影響されないので、どんなファンを使っても一定の電圧降下量が得られます。消費電力に関しても、入手しやすい1A程度の整流用ダイオードなら、PC用ファンのどれを使っても大丈夫です。さらに、ダイオードの本数を変えることで電圧降下量を微調整できるのも利点です。 なお、AT/ATX電源の12Vと5Vの差を取って7Vを得るという方法は、条件により電源がかなり危険な状態になる場合があるので、行わないようお願いします。
電圧降下回路
製作
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