PC−9801RA21

2000年2月20日執筆

 実は、私がはじめて買った98がこれです。

 ちょうど会社に就職して3カ月ぐらい。社会人生活のカルチャーショックとかいろいろあって、悩み多かった時期でした。気分転換したかったし、借金でもすれば仕事への励みになるだろう(?)ということで、ローンで購入を決意。周辺機器も揃えなければならなかったので、緑電子の40MBのSASI−HDD、EPSONの熱転写型カラープリンターAP−850、三菱電気の14インチモニターXC−1498Uという当時の定番機器も購入し、総額70万円。社会人1年生の買い物としてはなかなか派手だったかもしれませんが、この買い物でずいぶん励みになったのは事実で、結果的にとても良い買い物をしたと今でも思っています。

 RA21は1989年11月に発表された98ノーマル機のフラグシップマシン。定価は49万8千円。CPUは80386の20MHzとV30の8MHzのダブル構成。当時はMS−DOS全盛時代で、32ビットCPUを使う意味はほとんどなかったのですが、32ビットというネームバリューと20MHzという高速(当時)クロックは十分満足できるもので、かなり昔の98ソフトもV30搭載のおかげでほとんど動かすことができました。内蔵メモリーは640KB+1MB。プロテクトメモリーを積んでいてもEMSぐらいしか使い道がなく、そのEMSも1MBあれば一太郎V4には十分だったため、特に増設する必要を感じませんでした。当時はまだI・Oバンク方式のメモリーボードも現役で、512KB(MBでないことに注意!)のI・Oバンク方式メモリーボードを装着して、FDDキャッシュやテンポラリファイル用のRAMドライブとして使っていたこともありました。

 私のRA21はメインマシンとして2年近く使用し、エプソン486GRを買うための下取りで手放しました。年を経るに従い、次第に速度不足を感じていったこと以外の不満はまったくなく、非常に満足度の高い機種でした。

 RA21は1991年1月に次機種DAと交代しましたが、今思うにMS−DOS全盛時代の後期を飾る名器であり、オールMS−DOSアプリケーションプレーヤーだったのではないでしょうか。