ベンチマーク結果(パワーアップ編)

2001年2月8日改訂
2001年1月22日公開

パワーアップした98のベンチマーク結果です。
CPUアクセラレータの効果がよく分かると思います

・286 Machine
  PC−9801VX21
  PC−9801EX2
・386 Machine
  PC−9801RA21
・486 Machine
  PC−486GR
  PC−9821Ap2
・Pentium Machine
  PC−9821Xa(初代)


PC−9801VX21
CPU Norton
SI
EC IO DATA
CPUCHK
CPUBENCH 力持ち
CPU
速度計
Bench
Fighter
EHMO
vs286 vs287 整数 演算 CX INT 整数 実数
Original
(80286/10MHz)
1.00 0.99   1.02   5.69 13 819   0.49  
80286/10MHz
80287
1.00 0.99 0.82 1.02   5.69 13 819   0.49 0.33
80286/10MHz
IIT 2C87
1.00 0.99 2.21 1.02 2.96 5.96 13 819   0.49 0.45
i386SX/10MHz
ABM-386SXGTmk2
1.55 1.30 3.17 1.10 2.49 6.86 15 927 30 0.56 0.56
Cx486SLC/10MHz
PK-X486S
3.66 2.90 7.09 3.97 8.13 11.05 33 1600 40 0.72 1.30
IBM486SLC2/40MHz
PK-X486S50
4.88 1.76 6.18 6.04 8.56 36.45 86 1298 100 2.50 1.90
評価
 IIT2C87は、IIT社の80287互換コプロセッサ。インテル80287よりも数値演算性能が高いというのが売りでした。ベンチマークでもその様子がよく分かります。80287の性能が8087と大して変わらなかったため、互換チップメーカーに付け入る隙を与えることになりました。それはCyrix社も似たようなコプロセッサを出していた事からも伺えます。その後インテルは、数値演算性能を改善した80287XLを出して、互換チップに対抗するのですが、すぐに386の時代が来てしまったこともあり、あまり話題にならなかったような気がします。
 386SXGTmk2はAMB社のCPUアクセラレータで、アクセラレータとしては最初期の製品。Cyrixではなくインテル386SXを載せているのが特徴です。倍速機構などないので10MHz動作なのが悲しい。386系では最遅クロックではないでしょうか?
 PK−X486Sは、IOデータ社のCyrix−Cx486SLC搭載のアクセラレータ。これも等速クロックなので10MHz動作ですが、L1キャッシュ搭載のためそれなりの性能を出しています。
 PK−X486S50は、IOデータ社のIBM486SLC2搭載4倍速アクセラレータ。クロックは40MHzとなり、さすがに改善が著しいのがよく分かります。

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PC−9801EX2
CPU Norton
SI
EC IO DATA
CPUCHK
CPUBENCH 力持ち
CPU
速度計
Bench
Fighter
EHMO
vs286 vs287 整数 演算 CX LOOP INT21H 整数 実数
80286/12MHz
(Original)
1.22 1.19   1.28   7.07 15 1008   0.60  
80286/12MHz
80287
1.22 1.19 0.85 1.28 0.83 7.07 15 1008   0.60 0.38
i386SX/10MHz
ABM386SXGTmk2
1.55 1.28 3.10 1.08 2.49 6.82 15 892 27 0.55 0.56
Cx486SLC/12MHz
PK-X486S
4.22 3.09 6.12 4.93 9.98 13.52 41 845 46 0.88 1.60
IBM486SLC2/48MHz
PK-X486S50
6.11 2.11 6.98 7.55 10.71 45.46 107 1368 118 3.20 2.40
評価
 ABM社の386SXGTmk2は12MHzでは動作しないので、10MHzにクロックダウンしないと使えません。クロックダウンのためベンチマークによってはオリジナルより成績が悪く、ほとんどアクセラレータとしての意味をなしていません。かろうじて数値演算が良い程度です。
 IOデータ社のPK−X486Sは12MHz動作ではありますが、L1キャッシュのおかげで、そこそこの性能改善になっています。同社の4倍速アクセラレータPK−X486S50は、IBM486SLC2のほぼ最大クロック(48MHz)で動作させるため、486マシンにも引けを取らない値となっています。

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PC−9801RA21
CPU NDP Norton
SI
エコロジー2 IO DATA
CPUCHK
CPU
BENCH
力持ち
CPU速度計
Bench
Fighter
EHMO
vs286 vs287 速度 演算 CX LOOP INT21H 整数 実数
i386/20MHz
(Original)
  2.22 1.91 - 2.10 - 13.49 24 1270 46 1.0 -
i386/20MHz i387 2.22 1.91 3.71 2.10 2.89 13.49 24 1270 46 1.0 1.0
i386/20MHz Cx83D87 2.22 1.91 5.29 2.10 6.87 13.46 24 1270 46 1.0 1.1
Cx486DLC/20MHz Cx83D87 3.77 3.12 6.21 4.25 8.18 19.91 33 1253 67 1.5 1.7
Cx486DLC/40MHz
PK-486DW
Cx87DLC 7.44 4.98 8.55 7.64 11.26 30.17 66 2331 92 2.1 2.4
Cx5x86-120GP/120MHz
EUD-H(Cache off)
<< 4.44 2.34 13.76 2.40 31.12 14.86 31 1275 53 1.3 1.7
Cx5x86-120GP/120MHz
EUD-H(Cache on)
<< 21.22 5.46 15.71 × × 164.52 606 1770 × 14.4 16.1

評価
 Cx83D87というのはCyrix社の387互換の数値演算プロセッサ。387より性能が良いというのが売りで、ベンチマークからもそれが良く出ています。Cx87DLCは、このCx83D87の表面実装版。
 Cx486DLCは、これのおかげでCPU載せ換えが一般に認知されたと言っても過言ではないほど流行ったCyrix社の386互換CPU。それもその筈で、このベンチマークでも分かるように、載せ換えることで3年ほど後に出た機種のPC-9801FAとほとんど互角の性能となってしまいます。Cx486DLCが優秀と言うよりは、FAが情けなさすぎるのですが。
 メルコのハイパーメモリーCPU上のCyrix5x86が、当然、最も性能が高く、Pentiumマシンと肩を並べるぐらいになります。ただ、メルコのドライバーを組み込んでライトバックキャッシュを有効にすると、IOデータのCPUCHKがハングアップしました。ライバルメーカー製だからでしょうか?

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PC−486GR
CPU Norton
SI
エコロジー2 IO DATA
CPUCHK
CPUBENCH 力持ち
CPU速度計
Bench
Fighter
EHMO
vs286 vs287 速度 演算 CX LOOP INT21H   整数 実数
i486SX/25MHz
(Original)
3.66 3.18 - 6.51 - 30.98 54 1727 94 2.3 -
i486DX2/50MHz
HSP-D2
7.33 4.19 14.53 11.80 11.48 48.32 109 2344 158 4.2 5.0
DX4ODP/75MHz 13.11 5.26 17.91 13.77 17.22 59.56 163 2567 229 6.2 7.0
Cx5x86/75MHz
PK-586x3(WriteThrough)
13.66 4.44 13.10 13.75 81.46 66.44 383 1500 214 6.8 7.8
Cx5x86/75MHz
PK-586x3(WriteBack)
14.11 4.48 13.16 19.67 77.28 109.68 574 1545 234 9.3 10.1
Am5x86P75/100MHz
PK-586/98
14.55 5.65 21.49 22.84 22.96 127.96 218 3038 277 10.0 10.1
評価
 ほぼクロックに比例した性能が得られました。
 CyrixのCx5x86はライトバックキャッシュを有効にすると、クロックが1ランク上のAm5x86に迫る性能を出すことが分かります。IO DATA CPUCHKの数値演算は、Cyrix CPUだとやたらに高い数値を示しますが、あまり当てにならないような気がします。
 Am5x86/100MHzが最も成績が良く、能書きどおり、Pentiumの約60MHz相当の数値が出ています。これ以上の性能を求めるなら、純正品PentiumCPUボード+αが必要でしょう。

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PC−9821Ap2
CPU Norton
SI
エコロジー2 IO DATA
CPUCHK
CPUBENCH 力持ち
CPU速度計
Bench
Fighter
EHMO
vs286 vs287 速度 演算 CX LOOP INT21H   整数 実数
i486DX2/66MHz
(Original)
9.88 8.5 21.2 17.4 15.3 84.26 146 3934 207 6.1 7
Am486SX2 9.88 8.46   17.4   83.25 146 3935 204 6.1  
Cx486DX2v66/66MHz 13.77 8.83 22.25 15.94 37.18 78.52 127 3610 230 6.7 8.1
DX4ODP/100MHz 18.33 11.79 26.67 26.95 22.95 119.13 218 4337 330 10.2 11
PODP/83MHz 15.33 10.64 33.06 28.55 9.16 117.11 159 4319 320 11 16.1
Cx5x86/100MHz
PK-586x3
8.44 10.44 22.82 29.04 101.81 150.21 762 2880 300 12.8 13.7
Am5x86P75/133MHz
PK-586/98
19.11 12.65 31.36 32.59 30.59 132.88 289 4721 348 11.4 13.7
評価
 Am486SX2はAMD社の486コンパチCPU。基本的にはi486SX2と同じです。
 Cyrix Cx486DX2v66も486コンパチですが、内部キャッシュをライトバック動作にできるなど、486以上の性能を引き出すことが可能なCPUです。ここではフリーソフトのキャッシュドライバーを使用しましたが、それでも目に見えて性能が向上しているのが分かります。ただ発熱はかなり多くて、FANは必須です。
 インテルの486用純正アップグレードパスであるDX4ODP/100MHzとPODP/83MHzですが、どちらも甲乙つけがたい結果となりました。PODP/100MHzというのがあれば、それで決まりなのですが・・・。
 Cyrix5x86が健闘するものの、最終的にはクロックに勝るAm5x86P75が最も良く、能書きどおりPentium/75MHz相当の性能が出ています。

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PC−9821Xa(初代)
CPU Norton
SI
エコロジー2 IO DATA
CPUCHK
CPUBENCH 力持ち
CPU速度計
Bench
Fighter
EHMO
vs286 vs287 速度 演算 CX LOOP INT21H 整数 実数
Pentium/90MHz
(Original)
15.44 6.59 9.97 37.11 9.94 181.84 172 1065 371 13.6 19.6
AMD K5/90MHz 23.11 7.59 9.83 47.65 244.56 238.27 1365 1078 551 15.4 19.6
IDT WinChip2/240MHz 30.11 8.9 10.48 63.44 34.03 431.87 606 1097 660 32.7 45.7
K6-III/360MHz
PK-K6HX400/98
58.11 8.95 9.27 163.04 575.06 1151.66 5461 942 1165 45.2 68.5
K6-2+/540MHz
HK6-MDP-NV4
76.22 10.66 11.11 244.48 × 1727.5 8192 1124 1454 67.8 137

評価
 当然といえば当然ですが、クロックの最も高いK6−2+が最も良い性能を示しています。
 AMDのPentium互換CPU、K5は、あまり性能が出なかったと聞いていましたが、こうして見ると同クロックのPentiumより明らかに良いことが分かります。
 クロックがここまで上がると、おかしな値を示すDOSベンチが増えてくるのはしょうがないのですが、286全盛、クロック10MHz時代に作られた、DOS版ノートンユーティリティのSIベンチマークが、クロック500MHz超の時代まで妥当な値をはじき出すのは驚きです。ここまで先のことを考えてプログラムしたのでしょうか?

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