スペックとベンチマーク
2000年5月11日公開
改造機のスペック
改造機は、元のCDプレーヤーの型番CDP-970にちなんで"CDP-970AT"と命名しました。 スペックは以下の通りで、まさに市販の廉価PCのようです。
CPU | Celeron/466MHz(FSB66MHz) |
Mother Board Ethernet Sound | ECS P6SET-ML (on Board) (on Board) |
Video | SiS620(on Board) |
MEM | PC66 SD-RAM 32MB×3 (CL=2) |
HDD | Quantum 4.3GB IDE |
CD-ROM | Melco CDI-24FB 24倍速 |
FDD | NEC FD-1231H 3mode |
電源 | 250W ATX |
使ってみると・・・
一応の完成をみた"CDP-970AT"。さっそくWindows95(OSR2)をインストールして、使ってみました。CPUクロック466MHzは、私の所持パソコンの中では最も高いクロックで、さぞかし速いだろうと期待がふくらみます。
ところが実際使ってみると、ウィンドウ操作など少し待たされるような感しで、レスポンスが全然よくありません。メインマシン(Celeron/450MHz+Voodoo3)と比較すると、体感ではその差、歴然です。
一体何が悪いのでしょうか? ベンチマークをとってみることにしました。
HDBENCHでベンチマーク
Windows系のベンチマークで最も有名な、EP82改/かず氏作のHDBENCH(Ver2.61)でチェックしてみます。以下がその結果です。
(HDBENCHはEP82改/かず氏のサイト http://www.lares.dti.ne.jp/~ep82kazu/ もしくはVectorのサイト
http://www.vector.co.jp/soft/win95/hardware/se032899.html で入手できます。)
| ALL | 浮 | 整 | 矩 | 円 | Text | Scroll | DD | Read | Write | Memory |
CDP970AT (32bit) | 15552 | 39338 | 29858 | 3591 | 3114 | 2132 | 14 | 4 | 43759 | 2614 | 22317 |
CDP970AT (16bit) | 20984 | 39324 | 29855 | 10741 | 4627 | 6159 | 42 | 11 | 74202 | 2921 | 21383 |
Main PC (32bit) | 20375 | 36572 | 29017 | 48057 | 4999 | 29037 | 284 | 59 | 7828 | 7206 | 23778 |
かっこ内のbit数はVideoの色数を示します。
一番目立つのは"CDP-970AT"の描画性能が極端に低いことです。32bitカラー時の値は3~4世代前のビデオカードのようです。16bitカラーで少し改善されますが、それでもまだ今ひとつです。CPUは466MHzの威力でメインマシンよりもよい値が出ており、これは納得です。メモリーアクセスもこの結果をみる限りPC66にしては遜色のない値です。
MemSpeedでメモリー性能の測定
メモリー性能はどうでしょうか?。Yone氏作のMemSpeed(Ver1.1)でベンチマークをとってみます。
(MemSpeedはYone氏のサイト http://www.lares.dti.ne.jp/~yonet/index.html で入手できます。)
キャッシュが効いている間は両者にそれほど差はありませんが、キャッシュが効かなくなる128KB以上で、両者の差は歴然です。メインマシンはFSBを100MHzにアップしてあるのである意味当然の結果のようですが、それにしてはCDP-970ATのアクセスが遅すぎます。この辺納得がいかず、BIOS設定画面でメモリーアクセス関連の設定をいろいろいじってみたのですが、どうやっても40MB/secを越えることはありませんでした。
ベンチマークによるCDP-970ATの性能評価
ベンチマークの結果から、体感速度が遅い原因として、ビデオとメモリーアクセスに問題があるということが分かりました。いずれもSiSの統合チップセットに関連した部分で、そこに問題がありそうです。FSBが66MHzだからというのも多少あるのでしょうが、それにしては性能悪すぎです。もともとバリューPC用の統合チップなので、その辺しょうがないのかもしれません。メモリー性能からすると、CPUのCeleron/466MHzはオーバークオリティで、Celeron300A~333あたりで十分な気がします。
こういう結果をみると、パソコンの性能は、CPUのクロックだけではなく、ビデオやチップセット、メモリーなどを含めた、トータルシステムで決まることがよく分かります。逆に言えば、一世代前のCPUでも、ビデオやチップセットの性能が高ければ、CPUだけが高速で他がプアなシステムより良い結果が得られるということです。
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