PC−486GRのアップグレード

2006年1月6日改訂 2000年2月17日公開

PC−486GRについて

 1992年度における、エプソン98互換機のフラグシップマシンです。

 私は98RA21下取り+20万で新品購入し、メインマシンとして2年使用しました。

 486(25MHz)とハイレゾモードを装備しながら、価格は98ノーマル機並みという、驚異的なハイスペック、ハイコストパフォーマンス機。弟機486GFとともに大ベストセラーになりました。購入当時はMS-DOS全盛でしたが、Windows95時代が来るまでの間、十分現役でいけるマシンでした。

 CPUボード上にSIMMソケットが2つ。それ以上は、増設メモリーボードを挿入する必要があります。

CPUi486SX(25MHz)Memory1.6MB
VideoEGCHDDなし

アップグレードパーツについて

(色分け) 問題なく動作 動作するが問題がある 動作しない
分類型番寸評
CPUHSP-D2
(MELCO)
メルコの2倍速CPUアクセラレータ。これでクロック50MHzになります。
一見、インテルのODPを使ったアクセラレータのようですが、実は「486DX2+下駄」という変わった構成の製品です。当時10万円もしましたが、このアクセラレータのおかげで、Windows3.1時代を快適に過ごすことができました。
CPUPK-586X3
(I・O DATA)
Cyrix 5x86使用の3倍速アクセラレータ。GRの場合これで75MHz動作に。
ただし高さがあるため、CPUボード裏のCバス基板とぶつかり、そのままでは取り付け不可なのが残念。
CPUPK-A586/98
(I・O DATA)
486搭載98系CPUアクセラレータの最終兵器、AMD5x86使用の4倍速アクセラレータ。GRの場合、これで100MHzまでパワーアップできます。
メモリXRD-4M
(MELCO)
エプソン専用の4MB-SIMMメモリー。2枚増設で9.6MBに。
VideoGA-1024A
(I・O DATA)
Windows3.0時代のベストセラーボード。ビデオチップはアイ・オー・データのオリジナルで、アクセラチップと呼ばれていました。最初期のアクセラレータでありながら性能は案外良くて、他のCバスアクセラレータの必要性を感じさせなかったほどです。ただVideo Memoryがわずか1MBしかないため、1024×764でハイカラー・フルカラー表示できないのが難点といえば難点。
 GRではEPSON版Windows95に添付のRECMEM.SYSか、NiftyのFEPSONXフォーラムで公開されている16OVER.SYSをconfig.sysに組み込んで、16MBシステム空間を作っておかないと画面がまったく表示さないので注意が必要です。
VideoWGN-A4
(MELCO)
シーラスロジックのCD-GL5434使用のベストセラーボード。ビデオメモリーは4MB。しかし、Windows3.1における描画速度はアクセラに及びません。
 GA-1024Aと同様、16MBシステム空間を作っておかないと画面が正常に表示さないので注意が必要です。
VideoGA-DRV4/98
(I・O DATA)
TridentのTGUi9680を使ったボード。ビデオメモリーは4MB。チップ自体はそんなに悪くないのですが、Cバス接続では性能も頭打ちで、結局アクセラ程度の性能になってしまうのは残念。
HDDHDS-540M
(I・O DATA)
540MBのSCSI-2ハードディスク。
SCSISC-98II
(I・O DATA)
HDD付属のSCSI-2インターフェイスボード。

アップグレード後の総合評価

Performance Graph

 HDBENCH Ver.2.61を使ってアップグレードによる性能向上の検証します。右の図はCPUアクセラレータによる性能変化を、分かりやすくグラフ化したものです。縦軸はOriginal+487を100%としたときの相対値。

 演算性能は、HSP-D2(486DX2/50MHz)でちょうど2倍となってクロック相応の値。PK-A586/98 (AMD5x86/100MHz)では4倍以上の値となり、486以上を目指したAm5x86の面目躍如。演算性能だけでなく、グラフィック系の性能も向上しているのも分かります。

Performance Graph2  グラフィックアクセラレータによる違いを示したのが右の図です。 縦軸はGA-1024Aを100%としたときの相対値。値はすべてPK-A586/98を使用し、解像度1024×764の256色で測定しました。

 最も古いアクセラレータにも関わらずGA-1024Aが大健闘。トータルでGA-DRV4/98が勝っているものの、GA-1024Aに及ばない項目もあります。256色で良いならGA-1024A、ハイカラー以上が必要ならGA-DRV4/98がベストな選択肢といったところでしょう。

アップグレード後の使い道と総評

 名機GR。アップグレードでWindows95OSR1までならそこそこ快適に使えるようになります。

 ただメモリー容量が9.6MBと少ないため、アプリケーションを起動するとメモリースワップが原因で極端に重くなります。増設メモリーボードを手に入れて、少なくとも12MB程度には増設したいところですが、GR用の増設メモリーボードは現在入手困難。486MV/FE/FRの増設メモリーボードでも動作するとの情報もあるので、もし手に入れば、即、増設してみたいところです。