2002年末PC改装−DDR400メモリー編

2002年12月15日改訂
2002年11月25日公開

マザーボード&メモリー交換
 Unreal Tournament 2003が発端となった年度末アップグレードですが、第2弾としてマザーボードとメモリーを交換しました。
 購入前にこのままAMD系CPUで行くか、インテル系CPUに乗り換えるか悩みましたが、会社でPentium4マシンを使っているので自宅ではそれとは違ったものをということや、DDR400メモリーをDualで駆動するnForce2という興味をそそるチップセットを使ってみたいと言うことが相まって、このままAMD系で行くことにしました。とりあえずCPUは現有のDuron1GHzでガマンして、頃合いを見て高クロックのAthlonXPに交換しようと考えています。
 そのnForce2ですが、まだ出たばかりということもあり、搭載マザーがまだそれほど出回っていません。近所のショップをまわってASUSのA7N8XとLeadTekのWinFast K7NCR18D-Proを見つけ、機能的にはASUSの方が魅力的だったのですが、価格もそれなりにすることからこれは見送り、結局K7NCR18D-Proの方を購入しました。当然、今まで使っていたVC-SDRAMは使えないので、メモリーも新調することに。ご存知の通り、DDRメモリーはメモリークロックによってPC2100からPC3200までありますが、将来性を考えてPC3200(DDR400)の256MBのモジュールを購入しました。
 ところで、PC3200のバンド幅3.2GB/s、さらにDualDDR駆動させると倍の6.4GB/sとなります。DuronのFSBは200MHzで、そのバンド幅は1.6GBしかなく、DDR400はいささかオーバークオリティかもしれません。と、思いつつK7NCR18D-ProのBIOS画面を見ると、メモリークロックを非常に細かく設定出来るようで、FSBに対してメモリークロックを50%から200%の間で数段階に変えることが出来ます。この機能を使えば、DuronにDDR400が有効なのかやメモリー帯域が性能にどの程度効いてくるのか調べることが出来そうです。
 そこで、この設定項目を使ってメモリークロックを変えたときのベンチマークを取り、性能への影響を評価してみることにしました。

メモリークロックによる性能変化
 BIOS上では色々選べるものの、実際に動作したのはメモリークロックが66,75,80,100,133,166,200MHzの時だけでした。すなわちそれぞれ、DDR133,DDR150,DDR160,DDR200,DDR266,DDR333,DDR400ということになります。当然、DDR200の場合はFSBと同期、その他は非同期動作となります。ちなみにマザーボードのマニュアルでは、同期動作を推奨していました。
 今回はメモリーを1枚差しとしSingleDDRで駆動しました。DualDDRの効果はまた後日検証する予定です。
 その他の測定条件は次の通りです。   OS:Windows Me、Memory Size:256MB、Video:RADEON8500LE

HDBench

 まずメモリー系ベンチマークということでCoretest99。
 4kから128kの値がグラフからはみ出ていますが、どのデータも4k-64kの範囲で2850MB/s、128kで1250MB/sとほとんど同じでした。この領域の結果はCPUのキャッシュメモリーの速度を計ることになるので、同じなのは当たり前です。
 CPUキャッシュが効かなくなる256k以上では、メモリークロックに応じたアクセス速度の向上が確認できます。DDR200を境にアクセス速度がガクンと落ちているのが特徴的です。
 また以前使っていたVC-SDRAMとの比較から、DVC-SDRAMのPC133がDDR150に相当することも分かります。

Sandra 2002
 別のメモリー系ベンチマークということで、SiSoftware Sandra 2002のMemory Bandwidth Benchmark。
 このベンチマークでは、メモリークロックによる違いがはっきりと現れました。ただし、DDR400でもそのバンド幅はわずか1.5GB/s程度しかなく、DDR400の限界(3.2GB/s)というよりはDuronのFSBによる限界(1.6GB/s)がボトルネックになっている様子がはっきり確認できます。
 またCoretest99で見られた、DDR200での性能の段差も現れています。

HDBench3.30
 次はアプリケーションに対する影響と言うことで、おなじみHDBench3.30での結果です。
 メモリーの項目に違いが出るのは当然ですが、その他の項目には全く影響しませんでした。そのメモリー項目ですが、Coretest99同様、DDR200よりクロックが低くなると性能ががっくり落ちています。ただ、DDR133からDDR160までの性能にあまり差がないことから、メモリークロックがFSB周波数より低いと、CPU側にウエイトを入れてタイミングを取っているものと推察されます。

Superπ
 次は数値演算系ベンチマークの定番、Superπ。
 このベンチマークでもメモリークロックによる差がはっきり出ていますが、HDBenchとは違ってDDR160からDDR133までの差が顕著に現れており、実質的なメモリー性能を反映しているようです。比べてDDR400からDDR266であまり差がないのは、やはりFSBによる制限のためだと思われます。
 また、DDR150相当と思われたVC-SDRAM PC133ですが、SuperπではDDR200とDDR160の大体中間に位置しています。
 DDR200のメモリークロックは100MHzで、VC-SDRAM PC133の133MHzよりも遅いにも関わらず、ベンチマークの値は良くなっています。これまでDDR化の効果がどの程度か疑問に思っていましたが、結構な効果があることがよく分かりました。

3DMark2001SE
 最後に重量級3Dグラフィックベンチマーク、3DMark2001SE。
 Superπと同じく、DDR133からDDR160まではメモリークロックを素直に反映し、DDR266からDDR400まではあまり差が見られませんでした。ただ、Superπであまり目立たなかったDDR160-DDR200間の段差がはっきり現れており、HDBenchとSuperπの両方の傾向を反映した結果となっています。

まとめ
 なかなか興味深い結果を得ることができました。
 メモリークロックがFSBクロックより高いか低いか重要なようです。HDBenchの結果はそれを良く表しています。また、メモリーアクセスが頻発する重量級ソフトではメモリークロックの影響が顕著に現れます。ただしDDR266以上では、どのベンチマークでも性能は頭打ちとなり、FSBのバンド幅がボトルネックになっている様子がよく分かります。
 これらの結果を総合すると、結局、FSB周波数+α程度のメモリークロックが最もバランスが良い選択といえそうです。FSBが200MHzのDuronでは、DDR266(PC2100)が適していることになります。逆に考えれば、DDR400(PC3200)はFSBが333MHz以上でその性能を発揮すると言うことで、最近AMDがFSB=333MHzのAthlon(2700+、2800+)を出してきたのも、ある意味必然なのかも知れません。


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