2002年末PC改装−Dual DDR編

2002年12月16日公開

Dual Channel DDR
 nForce2といえば、DDRメモリーをDual Channelで駆動できるのも大きな特徴です。Dual Channel駆動は、64bitのDDR-DIMMモジュールを二枚一組として、128bit幅でアクセスすることにより、倍のバンド幅を得ようと言うものです。DDR400(PC3200)のバンド幅は3.2GB/sですが、Dual駆動すると6.4GB/sものバンド幅となります。
 良いことずくめのDual Channel駆動ですが、AthronシステムのFSBのバンド幅は最高でも2.8GB/s(FSB=333MHz)であり、DDR400 Single駆動の3.2GB/sでもオーバークオリティなことから、果たして実際にDual駆動の効果というのはあるのでしょうか?
 そこで、いつものように各種ベンチマークソフトにより、DualDDR駆動の効果を検証することにしました。

 ベンチマークは「DDR400メモリー編」と同じく、CPUがDuron/1GHz、VideoがRADEON8500LEですが、メモリーサイズは2枚差しをする関係で512MBとなっています。 FSBが200MHzなので、DDR200のSingle駆動で同じバンド幅となり、それ以上メモリーバンド幅を増やしても効果はないと考えられますが、実際はどうでしょうか?

ベンチマーク結果
HDBench
 まずメモリー系ベンチマークCoretest99。
 メインメモリー領域の違いがよく分かるように、縦軸を拡大しています。CPUキャッシュ領域(4k-128k)は、当然のことながら、メモリークロックやDual駆動による違いはありませんでした。
 DDR133、DDR200ともに、Dual駆動の効果がはっきり現れています。DDR400ではさすがにFSBがボトルネックになるせいか、SingleでもDualでも同じ結果となります。
 ただDual駆動とは言っても、DDR133 DualがDDR200 Singleよりも遅いことを見ても分かるように、アクセス速度が純粋に2倍になるわけではないようです。またFSBとメモリーのバンド幅がバランスするDDR200においても、Dual駆動によるアクセス速度の改善が見られたのは、興味深い結果です。

Sandra 2002
 次はSiSoftware Sandra 2002の、Memory Bandwidth Benchmark。
 Coretest99での結果を、ほぼ再現しています。

HDBench3.30
 次はおなじみHDBench3.30での結果です。
 DDR200とDDR400で若干の改善がみられるのに比べ、DDR133ではDual駆動の効果は全く見られませんでした。
 先のメモリーベンチマークの結果とは逆の傾向で、興味深い結果です。

Superπ
 次は数値演算系ベンチマークの定番、Superπ。
 これはメモリーベンチマークの結果を反映したものとなっています。

3DMark2001SE

 最後に重量級3Dグラフィックベンチマーク、3DMark2001SE。
 残念ながらDDR133 Dual駆動の場合、途中でベンチマークが強制終了してしまい、ベンチマークを取ることが出来ませんでした。128bitアクセスのタイミングの厳しさが現れたようです。
 DDR200、DDR400とも、ほんの気持ち程度の違いしか見られず、ほとんど同じという結果になりました。

まとめ
 以上の結果をまとめると、
 ・Dual駆動によるメモリー速度の改善は確かにある。
 ・その効果は2倍にはならず、最大でも3割程度。
 ・特にFSBのバンド幅を大きく超えた領域では、効果は全くない。
 ・FSBとメモリーのバンド幅がバランスした領域では、若干の改善効果がある。
 ・3Dグラフィック系では効果はあまり無い。
 ・Dual駆動はアクセスタイミングがシビアである。
ということになるかと思います。
 Athron系でも一番FSBの低いDuronでの結果なので、メモリーバンド幅の改善効果が薄かったと言うこともあるかと思います。DuronにDDR Dual駆動は、猫に小判なのかもしれません。
 いずれ高FSBのAthronを入手したら、また改めて評価して見たいと思います。


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