自分のPCではないのですが、あるPCのグラフィックカードをGeForce6600GTからGeForce7600GSへ交換する機会に恵まれました。せっかくだったので、手持ちのベンチマークソフトを総動員して性能を評価させてもらいました。
具体的な製品名は、交換前のGeForce6600GTがLeadtekのPX6600GT-TDH(128M)、交換するGeForce7600GSのカードが、玄人志向GF7600GS-E256H(Sparkle社SP-PX76SDHのOEM)です。両方ともPCI-Express規格。スペックは以下の通りです。
GPU | GPUクロック | メモリ | メモリクロック |
GeForce6600GT | 500MHz | GDDR3 128MB | 1GHz |
GeForce7600GS | 400MHz | DDR2 256MB | 800MHz |
参考までに評価に使ったPCのスペックを以下に挙げておきます。
CPU | マザーボード | メモリー | OS |
Athlon64x2 4200+ (2.2GHz) | ASUS A8N-SLI | DDR400 1GB (512MB Dual) | WindowsXP(SP1) |
まず定番のHDBENCHから。バージョンは3.40beta6。
見ての通り、矩形とテキストが5割、円とスクロールが1割程度速いという結果になりました。DirectDrawは同じ結果となっていますが、これはリフレッシュレートの制限のためなので、実際の性能を反映したものではないことに注意してください。
この結果からすると、明らかに改善されている言っても良いでしょう。
次にこれまた定番の3DMark。2001SE、03、05で測定しました。3DMark06についてはGF6600GTのグラフィックメモリーが128MBしかないため実行不能、3DMark2000については両ボードともハングアップして実行できませんでした。
3DMark2001SEが少し落ちますが、おおむね1割程度の改善となっています。体感するには少し厳しい値です
最後に、色々な3Dベンチマークプログラムで測定してみました。
昔のソフト(FFXI Bench)ではほとんど効果は見られませんでした。夏海ベンチにいたっては逆に遅くなっています。NBench3も軽めのベンチマークのせいか、これまた効果がないという結果に。
比較的最近のソフト(FFXI Bench3)や重めのソフト(Aqua Mark3)で1割程度改善が見られます。いずれにしても2割を超えるようなものはありませんでした。
ベンチマークでは、2Dグラフィックで最大5割、3Dグラフィックで1割程度の改善効果が見られました。コアクロックもメモリークロックもGeForce6600GTから下がっているにもかかわらず性能が改善されているというのは、さすが世代の新しいGPUと言うべきでしょう。
しかしながら、最近のPCで2Dグラフィックが遅いと言う状況は考えられないので、2Dグラフィックの改善は現実には無駄であり、また肝心の3Dグラフィックが1割程度の改善では、性能向上を体感するのは難しいと思われます。
結局、ビデオメモリーが倍の256MBになって、3DMark06が動くようになった程度のメリットしかなく、GeForce6600GTから取り立てて交換するようなものでは無いように思われます。交換による性能向上を確実に実感したいのであれば、もう少しお金を出してより上位の機種を購入するほうが良いでしょう。