消費電力の壁にぶつかり、高クロック化路線のNetBurstアーキテクチャを放棄せざるを得なくなったインテル。2005年はAMDにやられっぱなしでしたが、やっと新アーキテクチャのCoreプロセッサが出回るようになり、勢いを取り戻してきました。そんな折と言うわけではないですが、同クロックのAthlon64x2とCoreDuoプロセッサを比較する機会に恵まれましたので、さっそくレポートしたいと思います。
まず両CPUのスペックを示しておきます。
CPU | クロック | L1 Cache | L2 Cache | TDP |
CoreDuo T2600 | 2.16GHz | 32kB | 2MB | 31W |
Athlon64x2 4200+ | 2.2GHz | 256kB | 1MB | 89W |
そこで、各種ベンチマークソフトで比較しようと言うわけですが、その前に比較に使用したマシンのスペックを挙げておきます。
CPU | マザーボード | VGA | メモリー | OS |
Athlon64x2 | ASUS A8N-SLI | Leadtek PX-6600GT (GeForce6600GT) | DDR400 1GB (512MB Dual) | WindowsXP(SP1) |
CoreDuo | ASUS N4L-VM DH | Leadtek PX-6600GT (GeForce6600GT) | DDR2-667 1GB (512MB Dual) | WindowsXP(SP2) |
ちなみにマザーボードのASUS N4L-VM DHですが、古いBIOS(0303)だと、CPU占有率が常に40%以上になって異常にパフォーマンスが悪化するだけでなく、動作も不安定になるなどロクなものではないので、すぐに最新BIOS(0603...2006/07/10現在)に更新することをお勧めします。
まず定番のHDBENCHから。バージョンは3.40beta6。
整数演算ではCoreDuoのほうがダントツに良いですが、浮動小数点演算とメモリーアクセスではAthlon64x2に負けています。グラフィックはほぼ同じ結果となりました。
どちらが良いとも言えない結果です。
HDBENCHのメモリーアクセスではCoreDuoの方が負けという結果でしたが、詳細に検討するためmspeed1.1でベンチマークをとってみました。
L1 Cache領域ではAthlon64x2が2倍程度速いのに対して、L2 Cache領域ではCoreDuoが早いという結果に。特に512KBから2048KBの領域は、L2 Cache容量の多いCoreDuoがAthlon64x2を圧倒しています。メインメモリー領域の8192KBでもCoreDuoの方が若干早いという結果になっており、DDR2-667メモリーを使った効果が現れているようです。
これもどちらが良いかはっきり言い難いものがあります。
次に浮動小数点演算の詳細なテストと言うことで、これまた定番のSuperπ。
HDBenchと異なり、CoreDuoの方が早いと言う結果になりました。L2 Cache性能の効果でしょうか?
次は重量級3Dグラフィックベンチマーク、3DMarkシリーズ。
どのバージョンもCoreDuoが数%良い程度で、ほぼ互角と言って良いでしょう。
最後に、他の各種3Dベンチマークプログラムで測定してみました。
見ての通り、ほとんど同じかCoreDuoの方が数%速いぐらいで、ほぼ互角の内容となっています。
3Dグラフィックに関しては、Athlon64x2でもCoreDuoでも変わらないと言うことでしょう。
いろいろベンチマークを取ってみましたが、数値演算でCoreDuoの方に分があるものの、全体的にほぼ互角と言う感じです。逆に、ここまで差が出ないというのが驚きなぐらいです。
ただ消費電力に関して言えばCoreDuoの方が圧倒的に省電力であり、この点を考慮すると、CoreDuoの方がより魅力的なCPUと言えそうです。