大学院生の時、初めて設計した住宅。
緩やかな勾配の屋根、フラットな天井、大きなガラス窓といった50年代風のボキャブラリーを使いながらの、バーコード状のプランやさまざまな色彩や素材の壁面で構成した内部空間を持つコートハウスの住宅。
 新奇なデザインやプランはこの当時から回避されている。
DATA
所在地/熊本県水俣市 
構造・階数/木造軸組み・平屋建
敷地面積/372.0u
延べ床面積/143.09u
本体工事費約/2,550万円
竣工/1992.10

表紙 略歴 仕事の進め方 作品集 雑記 地図

■外観

低く水平に伸びるボリュームの上に緩やかな勾配の片流れ屋根。
右側の白い玉砂利敷の路地から長いアプローチを通って玄関にいる。
 
建物基礎のコンクリートや芝の庭が手前のカーポートに伸びて
閉鎖的になりがちな道路側に開かれた雰囲気を与えている。

正面の外壁はガルバリウム鋼板、その他にフレキシブルボードや吹きつけなど面ごとに変わる仕上げ材は
設計当時の建築デザインの雰囲気を表しているかもしれない。

 

■居間・食堂


1階の南庭に面した居間・食堂。
外部まで伸びる天井は白くフラットでモダニズム建築の抽象的なイメージ。
芝の庭に面しては全面が床から天井までのガラス面。
ガラスの手前の細い柱はスチールで写真右の1本だけ傾けて耐力筋交いとしている。

木造に見えない抽象的な室内。

 

■ピアノ室


グランドピアノを置いて教室として使うピアノ室。

正面のビル用サッシを使ったガラス引き戸は遮音性を確保しながら閉鎖的な部屋にしないため。
写真右は穴あきボードによる吸音壁、床はカーペット。

天井の光は高窓からの自然光で夜は内部に設けた照明により間接照明となる。
部屋と部屋を横断して家の端から端まで20m以上走る光のライン。



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